絶望鬼ごっこパロディ(アーカイブ)   作:絶望鬼ごっこパロディアーカイブ

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少女×王蛇=優しさ?の法則。


第四一章 少女と王蛇 (アリス、浅倉)
少女と王蛇


「チッ!」

 

蛇柄のジャケットに袖を通した金髪の男、大量殺人犯浅倉威は幾度目になるか分からぬ舌打ちをして、近くの木を蹴りつけた。

理由は決まっている。イライラしているからだ。

この島に来て一時間が経ったが子も親も鬼も出てこない。

元より気の長い方ではない浅倉が苛立つのは当然と言えた。

更に、今しがた通りかかったこの道が怒りに拍車をかけている。

 

「俺を置いて勝手に祭りを始めやがって……」

 

 

全国指名手配され、警官に発砲された事も片手の指では足りない浅倉だからこそ分かる。

この場所では先程戦いがあった。

木々や道に刻まれた銃の弾痕こそその証だ。

浅倉風に言えば、『祭りに乗り遅れた』という事だろう。

しかしまだ近くにこの戦いを繰り広げた者がいるかもしれない。

そう思い、足跡でもないか痕跡を探そうとした時だった。

 

 

「うぅーん……」

 

 

遠くない場所で子供の声が聞こえた。

浅倉は藪の方へと歩き、乱暴に木々を蹴り折る。

すると、顔を血で赤く染めた金髪の少女が姿を現して。

親か子か確認はできなかったが、その容姿と自分にも与えられた親の証であるデイパックがないことから浅倉は少女が『子』であると判断した。

それと同時に耳鳴りに似た音が響き、浅倉は支給品として与えられた手鏡を確認する。

案の定、契約している三体のミラーモンスターが腹を空かせ、飯をよこせと騒いでいたのだ。

 

 

「こいつは駄目だ、もう少し待ってろ…」

 

 

冷厳にそう命じ、モンスター達を黙らせる。

浅倉がこの鬼ごっこで勝利するためには、子を二人キープしておかなければならない。

その点今見つけたこの少女は浅倉のお眼鏡に叶う存在と言えた。

以前浅倉はフェリーで発生したミラーモンスター事件に関わり、

唯一の生存者である目の前の寝転がっている子供と、同じくらいの年の少女を囮として利用したことがある。

加えて少女は命に別状はないとはいえ小さくないケガを負っており、歩くぐらいはできそうだが大きな身動きは取れない。

つまり自分から逃げられない。キープとしてはうってつけである。

そんな都合のいい存在を、みすみす餌としてくれてやるつもりはなかった。

 

 

「まずは一人か……」

 

 

出遅れたとはいえ大局的には幸先のいいスタートとなり、イライラも多少収まる。

薄く頬を歪ませて、浅倉は少女を米俵の様に肩へ担いだ。

 

 

 

 

 

 

「う、うぅん……」

 

 

可愛らしい声を上げて、アリス・カータレットは目を覚ました。

何だか悪い夢を見ていた気がする、後知らない天井だがここは何処何だろう――そう思い目を擦ろうとしたら、

 

 

こめかみに鋭い痛みが走った。

 

 

「うぇ」

 

 

恐る恐る手で触って確認すると、手が赤く染まった。

丁度、夢の中で白い鬼に痛めつけられた場所がだ。

 

「痛ッ!な、なにこれ…!」

 

 

状況が正しく認識できない。ここは何処なのか、何故自分が怪我をしているのか。

まさか、さっきの夢が……と考えて軽くパニック状態に陥る。

取り敢えず、今まで寝ていたベッドの枕元にあった救急箱を空けて消毒し、包帯を巻く。

酷く傷んだし、ミイラ男の様に不格好だったが、取り敢えず止血はできた。

 

 

「此処、どこなの?夢の中の場所でもないし、誰かの家みたいだけど……」

 

 

ベッドから降りて恐々と辺りを伺う。

すると、ずぞぞッ!と麺を啜るような音が聞こえてきた。

どうやら、誰かいるらしい。

知り合いならよい。でも、あの夢の中の白い少女や学ランの少年の様に怖い人だったら……

まだふらつく足で廊下を通って、寝室からキッチンの方へと歩く。

そして、通路の陰から中の様子を見ようとして……金髪の男と目が合った。

 

 

「……起きたか」

「ひぇっ……あ、あの、貴方、は?」

「お前と同じ参加者だ、鬼ごっこのな」

 

 

アリスから見た金髪の男はどう見ても友好的な存在とは思えず。

目を合わせないように傍らを見れば、『浅倉』と銘打たれたデイパックがあった。

それを見た時、アリスは二度ほど自分に流れる血液の温度が下がったのを感じる。

何故なら、そのデイパックは自分も持っていたからだ、さっき見た悪夢の中で。

でも、そのデイパックは今目の前にあって。

 

 

「あ、あ……」

 

 

夢ではなかった。

その事実に出る声は声にならず、膝はかつてないほどに震えだした。

目じりに涙が浮かび、噛み合わない歯は気持ちの悪い演奏会を奏でる。

しかしそんな少女の恐怖を浅倉は忖度しない、。ずんずんと詰め寄って詰問する

 

「一応聞いておくが…お前、『子』だろうな」

「えっ!?えと、えっと…わ、私は……」

 

 

 

言葉に詰まる。だって全てが夢の通りなら彼女は子ではなく『親』なのだから。

正直に伝えるべきか否か、迷いと緊張が駆け抜け彼女の本能がけたたましい程にエマージェンシーコールをかき鳴らす。

正解は二つに一つ。外したら待ち受けるのは先程受けた暴力の嵐。

ぎゅっと目をつむって、夢中で答えた。

 

 

「は、はい…!そうです。目が覚めたらこんな場所にいて、信じてください!」

 

 

少女は嘘をついた。生き残るための嘘を。

ふるふると震えながら、浅倉の反応を待つ。

その間二十秒ほどだったが、彼女が人生で感じた最も長い二十秒の記録は間違いなく更新しただろう。

やがて、浅倉が「チッ」と舌打ちをして、アリスはびくりと体を震わせる。

嘘をついたのがばれてしまったのか。じゃあ、これから自分は―――、

 

緊張がキャパシティを超えて、叫び声を上げそうになる。

そうなれば間違いなく浅倉の逆鱗を撫でることになったと考えれば、彼女は幸運だったと言えるだろう。

その前に、ぷうんとソースのいい匂いが彼女の鼻腔をくすぐって、叫び声が喉の奥に引っ込んだのだから。

 

瞼をゆっくりと開くと、この民家の物と思わしきカップ焼きそばが男の手から突き出されていた。

 

 

「……食うか?」

 

 

震える手でスチロールの容器を受け取る。さっきの答えは、正解だったのだろうか。

本当は夜に焼きそばなど女の子として言語道断だが、浅倉の手前拒否することもできず。

仕方なく啜った麺の味は、意外と美味しかった。

 

 

(でも、やっぱり怖いよ…シノ、助けて)

 

 

今回は幸運にも親が与えてくれた生来の容姿で切り抜ける事ができた。

でも、もしばれてしまったら、この怖い浅倉という人は自分をどうするのだろう。

焼きそばもくれたし…誠心誠意謝れば許してくれるだろうか――――、

 

 

…そんな決して訪れることのない幸運を夢に見つつ、少女はまた焼きそばを口へと運んだ。

 

 

 

【E-07/01時25分】

【アリス・カータレット@きんいろモザイク】

[役]:親

[状態]:顔に打撲傷。額から出血(止血済み)

[装備]:

[道具]:無し

[思考・行動]

基本方針:元の世界に戻って、みんなで修学旅行へ行く

1:とりあえず浅倉さんと話す。でも、嘘がばれちゃったら…

2:親だと信じてくれるかな…

 

※その他

※アルシアの顔を把握しました

※桐山の顔を把握しました

※アルシアと桐山を鬼役だと思っています

 

※原作での修学旅行エピソード前からの参戦です。

 

【浅倉威@仮面ライダー龍騎】

[役]:親

[状態]:健康、イライラ(極大)

[装備]:王蛇のカードデッキ@仮面ライダー龍騎

[道具]:手鏡

[思考・行動]

基本方針:皆殺し。

1:アリスの他にもう一匹子を見つけてキープする。

2:北岡が居たら殺す。

 

※その他

自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。

アリスを『子』だと思っています。




浅倉にお米様抱っこされてるアリスが容易に想像できるのはなぜでしょう。
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