絶望鬼ごっこパロディ(アーカイブ)   作:絶望鬼ごっこパロディアーカイブ

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一人だけ別のゲームに参加してるんじゃないかってぐらい『鬼』に襲われる男。


第四三章 ランナウェイ (早人、しのぶ、アルシア)
ランナウェイ


町の近くまで来たアルシアは無言で周囲を見回す。取り逃がした少年と少女の姿は何処にも見えない。

脚の再生、アリスの捜索、武器の確保と、時間を食った事が災いして、アルシアは真っ直ぐ西に向かった桐山を完全に見失っていた。

獲物を二人とも逃したのは失態だ、主人が知れば落胆するだろう。

 

「…………」

 

失態を挽回する為にアルシアは暫しの間考える。

 

「………………?」

 

只々主人の考えた通りに動くだけだったアルシアにまともな考えが浮かぶ筈も無い。

嘆きの鉈が無ければ、無力な参加者を装っての不意打ちも可能だが、主人から授かった祭器を捨てるなど有り得ない。

考える事をやめて、獲物を求めて何処かへ行こうか決めあぐねていたアルシアの耳に、破砕音が聞こえた。

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

ペニーワイズに一撃を受けたしのぶは気絶したままだ。応急処置はしたが、起こさない方が良いだろう。

何か行動するにしてもしのぶが目を覚ましてから。そう決めた早人は、家の中に籠城する事にしたのだった。

玄関は鍵を掛け、動かせる物を扉の前に積み重ねてある。

窓は…雨戸を閉めようとしたが、他の家が雨戸を閉めていないのに、この家だけ雨戸を閉めていては、目立ってしまう為にそのままだ。

それに、玄関を塞いだ今となっては、雨戸を閉めて仕舞えば家から脱出する事が困難にぬる。やはり窓は鍵を掛けるだけにしておくべきだろう。

一通り準備を終えた早人は窓から外に出てデイバッグの中身検める。

隼人は履き替えた靴に目を落とす。母が持っていたデイバッグに入っていた三つの品物の内、巨大な手甲は使えそうに無いので放置、早人にはやや大きい盾と、ツマミのついたかなり小さい靴を何とか履いた。

歯車や砂が内蔵されている盾はギミックの解明に時間がかかりそうなので、靴から先に調べる事にする。通常の靴には無い、このツマミに仕掛があるのだろう。

ツマミを回してみるが何も起きない。少し考えて、手近な石を蹴り飛ばすと、ライフル弾もかくやという勢いで石が飛んでいき、

隣家のガラスを粉砕したのみならず、家屋を貫通して屋根から飛び出して行った。

 

「ゲェーーー!!」

 

あまりと言えばあまりの威力に驚愕した早人だが、即座に身を翻した。あれだけの音を立ててしまったのだ。鬼が近くに居れば必ずやって来るだろう。

慌てて家の中に入り、窓を閉めて鍵を掛け、カーテンわ閉ざす。

そしてカーテンの隙間から外を窺っていると、果たしてソイツはやって来た。

ぱっと見は貫頭衣を纏っただけの少女。しかしてその矮躯では到底保持出来ない筈の巨大な鉈を持っている。

 

 

「お、鬼か?」

 

少女は早人が放置した手甲を拾うと左右を見回す。付近に誰か居ないか探しているのだ。

一瞬の間、息を殺して様子を窺う早人と、少女の視線が交差する。

少女の顔を真正面から見る事になった早人は総毛立った。

早人の知る二人の鬼。吉良吉影とペニーワイズ。この両者と比べると明らかに少女は

『異質』だった。

あの二人には歓喜が有った。憤怒が有った。ドス黒くはあったが、確かに『意志』と『感情』が有ったのだ。

だが、今現在早人の視界に映る少女には『何も無かった』。

『黄金の精神』も『漆黒の意志』も、喜怒哀楽のいずれも見出せぬ『虚無』が顕れた顔に早人は心底怯えた。

何とか悲鳴を押し殺し、少女がこのまま気付かずに立ち去ってくれる事を祈る早人だが、現実は非情で有る。

少女の左手が霞むと飛来した刃が窓ガラスを破砕する。

 

「う、うああああああああああ!!!」

 

絶叫しながらも早人がドアの方へと転がった直後、早人の居た辺りの壁が撃砕された。壁だった構造材が室内に散乱し、破壊エネルギーの余波で家全体が激しく震える。

 

「ひいいいいいっ!」

 

家屋が倒壊してもおかしくない程の震動に、早人は頭を抱えて蹲った。震える手が扉へと伸びる。

散乱ささた瓦礫やガラス片を踏みしめる音がした。鬼が近づいて来ているのだ。

 

「うああっ!うああああああっ!」

 

鬼が見せた凄まじい破壊力と、未知の異質さに怯えきった早人は逃げ出そうとして────。

 

「ハッ!?ママッ!」

 

心が折れそうにったが、扉の向こうに居る母の事を思い出して顔を上げた。

此処を通せば、此奴は必ずママを殺すッ!だったら此処で此奴は必ず殺すッ!

鬼に向けられた早人の顔には苛烈な強い意志が宿っていた。

扉に背を預けると、背負ったランドセルを胸に抱え、猫草を鬼へと向ける。これで一撃を加えた後、このシューズで蹴り飛ばすッ!

 

「キシャアアアア!!」

 

光による刺激に猫草が空気弾を放つが、少女は右腕に装着した手甲で払いのけてしまった。風船の割れるような音が室内に響く。

無言のまま少女は左手のみで保持していた巨大な鉈を両手で握り、早人の恐怖を誘うように、緩慢な動きで振り上げる。

盾で受ける?不可能だ。受けて持つとは到底思えないし、盾が持ったとしても身体が砕ける。

早人の進退窮まったその時────。

 

 

「早人っ!?」

 

轟音と震動に目を覚ましたしのぶが、早人のいる部屋へと駆けつけ、ドアを蹴破らんばかりの勢いで蹴り開けた。

少女の視線がしのぶに向けられた瞬間!!

再度放たれた空気弾!猫草の野生の本能が、敵と認識した少女の隙を見逃さず、攻撃したのだ!!

至近距離からの不意打ちで放たれた空気弾が、少女の顔面に向けを弾けさせる。

 

「う、おおおおお!!」

 

千載一遇の好機を逃さず、早人の蹴りが少女の腹部を捉え、射出された砲弾の様に宙を飛んだ少女の身体は、向かいの家に激突。その勢いで家屋を倒壊させた。

 

「は、早人!?」

 

「逃げるよ!!ママッ!」

 

しのぶの手を取り、早人は破砕孔から外に出る。これだけの騒ぎだ、他の鬼がやってくるとも限らない。

 

 

【E-07/01時27分】

 

【川尻早人@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】

[役]:子

[状態]:健康、右手に切り(治療済み)、ペニーワイズへの怒り 、少女(アルシア)への恐怖

[装備]:『水晶』、ランドセル 、キック力増強シューズ@名探偵コナン、ほむらの盾@魔法少女まどか⭐︎マギカ

[道具]:猫草@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない、救急箱

[思考・行動]

基本方針:母を守り、帰還する

1:ペニーワイズ、鬼に警戒。

2:親か子と合流する

3:ここから離れる

※その他

※各役の人数・会場の地図・制限時間の詳細は未把握。

※自分の役を子であると推測しています

※ペニーワイズの『変身する能力』を認識しましたが、詳細は把握していません

※少女(アルシア)を認識しました。鬼だと思っています

※しのぶの支給品からキック力増強シューズとほむらの盾を装備しています。

ほむらの盾に関しては能力を知りません

 

 

【川尻しのぶ@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】

[役]:親

[状態]:ダメージ(小)

[装備]:ー

[道具]:無し

[思考・行動]

基本方針:家に帰りたい

1:早人……

※その他

自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握

 

 

────────────────────────

 

 

アルシアは瓦礫の下で遠去かる二人の足音を聞いていた。

瓦礫の下から這い出るには時間がかかるが、あの二人はそれほど足が速くない。逃げた方向も足音から判別出来る。追いつくのは難しい事では無い。

アルシアは二人を追うべく、身体を圧迫する瓦礫を退かし始めた。

 

 

※粉砕王

手甲の臣具。文字通り装着者に対象を一撃で粉砕する怪力をもたらすが、使い方を誤ると自身もダメージをうける。

尤もアルシアはデメリットを無視して粉砕王を使用できるが。

相手を直接叩く以外にも巨大な瓦礫を投げ飛ばす、拳圧で相手を吹き飛ばすといった使い方も可能。

 

 

【E-07/01時27分】

 

【アルシア@白貌の伝道師】
[役]:鬼

[状態]健康 魔力消費(中)

[装備]:嘆きの鉈・群鮫@白貌の伝道師、紐付き柳葉刀@BLACK LAGOON、粉砕王@

アカメが斬る!零

[道具]:スマートフォン(鬼)

[思考・行動]

基本方針:出逢った全てを殺す

1:桐山を追う。殺したら死体を回収する

2:次からは獲物の脚を最初に潰す

3:この付近に居る獲物を追う

※その他・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。

※桐山の顔を把握しました

※アリス・カータレットの顔を把握しました

※川尻早人を認識しました

※川尻しのぶを認識しました




アルシアは弱くはないのですがやたら強い『子』にあたりがちですね。
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