絶望鬼ごっこパロディ(アーカイブ)   作:絶望鬼ごっこパロディアーカイブ

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拡声器と書いていつものと読む。


第四四章 地図にない学校 (今泉、リク、狛枝、しんのすけ、エスター、グレーテル、金谷、綾波)
地図にない学校


「ハァ……着いたぁ。」

 

 膝に手をやりながらため息を吐く、よれよれのスーツに広いデコの男、今泉慎太郎。彼が警察官だと一見してはわからないほど――というか警察官だと言われて警察手帳を見せられたとしても疑わしく思われるほどにオーラが無いが、これでも一応刑事。彼はこんな奇怪な場所であっても子供を保護するために、学校へと急ぎ走ってきたのだ……直線距離で100m程なのに安全そうな道を往くためぐるりと北から回り込んだりもしたが。

 さてほとんどの学校がそうであるように、今泉が辿り着いたこの学校も北が校舎で南が校庭という配置になっている。車両が入れるように大きな門が設置された南に対し、北は相対的に小さな、こじんまりとした門があった。今泉は声の主を探してチラチラと見るが、いない。そのまま視線を上げる。校舎の2階3階と目をやったところで、屋上で動くものを見つけた。「おーい」と大声――と言っても実際にはカラカラに掠れた小さな叫び声だったが――で呼びかければ、人影は周囲を見渡すような動きをする。その人影と目が合うのに時間はかからなかった。

 

「古畑さん、ですか?」

 

 少しして今泉の前に現れたのは、没個性的な少年だった。小学校の高学年ほどの年齢という印象はこの場所から来る先入観があったとしても妥当であろう、平均的でクラスでも嫌われてるわけでもさりとて好かれてるわけでもないような、物語の背景に写り混むエキストラのような、そんな少年だ。そんな少年は、駆け下りて来たのか息を乱して校舎の扉を開けた。ここに来て今泉は自分が古畑と名乗ったことを思い出して「そう、です」と告げる。目の前の子供より緊張していた。

 

「……『鬼』、ですか?」

「いや、その、『親』、らしいんだ。」

「親……?」

「その、桜井リクくんだよね、入ってもいいかな!」

 

 門を隔てて、二人の荒い息遣いが重なる。今泉としては目の前のゴールに一刻も早く駆け込みたかった。

 ハッキリ言うが、普段の今泉であればここまで来れない。こんな異常事態に巻き込まれたとなればどこか安全そうな場所に隠れて警察が来るのを待つような、ホラーものでいう序盤で死ぬ人間の精神性を持つのが彼だ。そんな彼がここまで来れたのは、『子供が学校にいる』という事実があったからだ。子供ならば襲われないし、襲われたとしても逃げられる。誰かと一緒にいるというならば安心できる選択肢だ。しかも学校という、頑丈で様々な設備がある建物が、籠城に適した『城塞』があるとなれば、そこまで逃げればなんとかなると思える。そこに警官としての申し訳程度の自負心で『子供を安全な場所に保護する』という自己暗示をかけようやくここまで来たのだ。

 そしてそんな今泉を見た少年、桜井リクの感じた感覚は――

 

(この人は、『鬼』だ!)

 

 ――目の前の人物が危険な存在であるという直感であった!

 脳ではなく、心で。論理ではなく、肌で。リクは目の前のハゲかけた中年男性が危険極まりない存在であるという確信を覚えた。それは言葉にできない、形容し難い感覚。まるで百万匹のゴキブリを見たときのような、現実にはありえないであろう光景すら想起させるような、総毛立ち。今までの十余年の人生で体感したことの無い、名状し難き感情。

 そして真に驚くべきは――この直感、単なる勘違い!当然だが、今泉は『鬼』ではない!挙動不審!それが招いた、致命的な第一印象の悪さが原因!

 しかし、その誤解が解かれる手段は無い!自分が疑われているとはつゆほども知らぬ今泉と、『鬼』に『鬼』だと言うはずもないリク。そしてこの鬼ごっこという環境。そのどれもが相互理解を阻害する。

 

(このスマホのことは黙っておこう……この人には『知られてはダメ』……そんな気がする。)

 

 疑心とも言えぬ確信的な不信感は、リクの口を閉ざさせる。彼がそのポケットに入れた手に持つのは、彼の支給品であるスマートフォン。時刻が1時を回り使えるようになったそれには、チャットが投稿されていた。

 「こんにちは、今学校にいます」と。

 

 

 

「…あ、そういえば。」

「どうしたんだい?」

「これ、もうすぐ使えるようになるみたい……」

「……それって、君のじゃないの?」

「気がついたら持ってたの。」

「支給品ってことかな……良いなぁ、僕なんて変なおもちゃの入ったアタッシュケースとボールだったよ。」

 

 H-7からもうすぐG-7に移ろうかというあたりで、綾波レイはスマホを取り出し狛枝凪斗へと見せた。

 特に行くあてもなくとりあえず歩きながら情報交換をしていた二人、時刻が1時に迫りその存在が使用可能になるのを綾波は思い出し。そして見せれば、「電話は、使えないか」「待つしかないみたいだね」となる。そして二人が歩く先に大きな建物が見えたところで、その時を迎えた。

 

 

桜井リク「こんにちは、今学校にいます」

 

 

「学校か。あれかな?」

 

 拡声器か何かで話す声が聞こえてくるのとほぼ同時、1時になって一分と経たないうちに投稿があった。どうやらこのスマホ、ラインのようなグループトーク機能だけが使えるようだ。他は時刻と電池残量だけが表示されるというわびしいもの。画面をいじると、グループに入っているメンバーの一覧に切り替わる。顔写真のアイコンと名前、それが九つ並んだ。

 

 

綾波レイ

関織子

豊穣礼佑

プルツー

たえちゃん

源元気(げんげん)

グレーテル

桜井リク

ヘンゼル

 

 

「一番上だね。あいうえお順ってわけじゃなさそうだけど。知り合いはいる?」

「いいえ。」

「うーん……ま、これで他の『子』の子たちと連絡ができそうだね。何か書いてみたら?」

「……」

「なんでもいいんじゃないかな。」

「……」

 

 

綾波レイ「こんにちは」

 

 

「……うん、いいんじゃない。」

 

 「さてと」と言って狛枝はデイパックから彼の支給品を取り出す。ロゴのついた蓋を開けると、中に入っていたのは金属製のベルトのようなものと、細々とした機械。その機械のうちの一つを手に取ると狛枝は二三弄り、ややあって円筒形の形をしたそれは底の部分から赤い光を発した。

 

「これなら、レーザーポインターとして使えそうだ。」

「どうするの?」

「ちょっと距離があるけど、あそこの学校からでもここは見えると思うんだ。その桜井リクっていう子がいるなら、ライトで合図を送れば気づくはずだよね。」

 

 そんなものか、と綾波は思った。学校からの呼びかけが続くなか、狛枝がアタッシュケースから取り出した懐中電灯みたいなものをペンライトのように振るのを眺めながら綾波はスマホを見る。少しして、変化が訪れた。それは車のエンジン音だった。

 

 

「よっ、オラ野原しんのすけ。」

「こんにちは、しんのすけくん。僕は狛枝凪斗。こっちは綾波レイ。ていっても、さっき初めて会ったんだけどね。」

 

 十数分後、二人はG-8の交番近くで三人の子供たちと出会っていた。呼びかけの後、自分たちの近くを通り過ぎて行った一台の軽トラ。チラリと見えた人影は子供と思われるもので、声だけしてライトの合図に気づかなかった人間のいる学校よりもそちらを追いかけるのを優先することを二人は少々迷うも選んだ。さすがに移動速度の差はいかんともしがたくすぐに見えなくなってしまったが、幸いなことに先方は道に迷っていたようで、チラチラと視界に入り音と排ガスを出すそれに辿り着くことに成功した。しかも聞けば、行き先はどちらも学校。

 

「学校なら反対っかわだよ。案内するさ。その代わり僕達も車に載せてほしいんだけど……」

 

 こうして5人の学校を目指す人間が集まった。

 

 

 

(――!気絶してたのか、今……!?)

 

 ハッ、と顔面と両腕に走った痛みで意識が覚醒する。地面の臭いと血の臭い、そして腕から脳へと走る熱さと寒さと激痛が活を入れ金谷章吾を立ち上がらせた。

 彼が佐山流美との戦いを終え移動を始めてからはや十数分、その身に刻まれた傷は深刻なダメージを彼にもたらしていた。両腕をそれぞれ反対側の両脇に挟むことで動脈を圧迫し止血してはいるが、その程度では失血はどうにもならなかった。血液は一秒毎に一滴、身体から流れに流れてコップ二杯分に達しようかとしている。早急に適切な止血と輸血が求められるだろう。

 

(ク……目のかすみが酷くなってる……平衡感覚も……これは……)

 

 荒い息をすれば傷を刺激するため努めて呼吸を安定させるように注意を図れば、気になるのは自分の状況。章吾は自覚症状が危険な領域へと向かっていくのを感じながら足を急ぐ。視界は端から視野が黒くなり、中央は白くモヤがかかり、色彩が消えていく。聴覚はプールの中にでも潜っているかのように遠くくぐもる。そして徐々に腕からは痛みが引いていく。

 

(引く?なんで……痛みを感じてない……?)

 

 血の気が引くのを覚えた。失血で文字通り血が引けて、痛みも感じなくなって、それすらも気づかないところであった。意識が朦朧としている。非常にマズい。だがどうすることもできない。ただとにかく誰か手当てができそうな人と出会えるよう望み歩くだけ。出会わなければ、死。それは、それだけは避けなくてはならない。そんな執念が彼にチャンスを引き寄せた。

 

「さく……らい……?」

 

 どこからか声が聞こえた気がした。声色も言っている内容も分かったものではないが、一つだけ聞き取れた。自らを桜井と名乗る声だ。

 章吾にとって桜井と言えば、隣のクラスの桜井悠だ。彼もまたこの間の鬼ごっこに巻き込まれた一人だ。その桜井がこの島にいるというのも不思議ではなかった。なぜならこれは鬼ごっこなのだから。

 それは奇妙な勘違いであった。桜井悠と桜井リク、命懸けの舞台を潜り抜けた男子小学生という二人。その二人が同じゲームに参加すれば、勘違いする人間も出るというものであった。

 

(行かないと……)

 

 足を前へと向ける。行き先は決まった。辿り着くべき場所はハッキリした。ならそこに向かうだけだ。

 もはやなにも判然としない意識で、章吾の足は学校へと向かった。

 そして歩き始めて小一時間、ほとんど見えなくなった視界が遂に建物とそれを取り囲むコンクリートを捉える。手で触る、ざらついた感触、これだ。

 

(ここだ!ここにいるぞ、俺は!助けてくれ!)

 

 だがそれまでだった。声が出ない。足が動かない。立ち続けることができない。もはや平衡感覚は消失し、天地がひっくり返った覚えもなく、いつの間にか章吾は地面に転がっていた。

 時間切れだった。死に場所が知り合いの近くになっただけだった。声も出ないし身体も動かないし、できる行動は何一つ無かった。ただただなんの刺激も無かった。手も足も目も口も耳も鼻も肌もなにもかも。全て、全て「ダメ」だった。そんな章吾の中で唯一生きていたのは、心だった。

 

(死ねねえ……)

 

(……こんなところじゃ……)

 

(……終われない!)

 

 章吾は絶叫していた。そのことに本人は気づかなかった。喉も声は発していなかった。ただ単に横隔膜と肺と気管と声帯と口腔が、獣のような咆哮を発していた。

 そしてその咆哮を最後に、金谷章吾は闇に落ちた。

 

 

 

「そういえば狛枝くん、君の支給品はなんだったかな?武器とか、銃とかそういうのは……」

「ボールとおもちゃの入ったアタッシュケースでしたよ。どうぞ。」

「え、いいの!?」

「重いしかさ張るんで。これがさっき使った使ったレーザーポインターで、こっちがカメラで……」

「あ、さっきの赤い光はこれか。」

「古畑さんは?」

「僕?僕は……これ。」

「拡声器?」

「酷いよなあ、そこら辺に落ちてるのとおんなじようなもんが配られるなんて……」

「僕ももう一つはサッカーボールで、ほんと、こういうのツイてなくて……」

「それを言うなら僕のほうが……」

「いや僕のほうがゴミクズで……」

「いやいや僕のほうがゴミクズが大きくて……」

「あの二人って、もしかしてスゴいネガティブなのかな……」

「わからないわ……」

(マトモな『親』は私だけか。)

「どったのエスターちゃん。なんか難しい顔してるゾ。」

「なんでもない、しんのすけ。」

「フフ、楽しい集まりね。」

 

 幸運にも学校に集まった七人の参加者。

 『親』である今泉、狛枝、エスターと『子』であるリク、綾波、しんのすけ、グレーテル。

 彼ら七人は2階の理科室に集まり情報交換をしていた。と言っても、ほとんどの人間が何が起こったのかを理解していないため、『親』として今泉と狛枝がルールを説明しただけで、それすらも二人のどちらもデイパックに書かれたルールに不幸にも気づかなかったためあやふやなものであった(そしてもちろんエスターは黙っていた)。そんな七人は今度は支給品の開示をとしていた時のこと、前触れなく野獣のような吠え声が聞こえた。

 

(良い声で鳴くのね。)

「な、何だい今の声!?狛枝くん!」

「僕に言われても……とりあえず、みんな、見に行かない?」

「ええ。」

 

 グレーテルは一人その声に込められた感情を理解し薄く笑うと狛枝に同意した。彼女にとって章吾の咆哮は聞きなれたもの、それに多分に含まれる負の感情は容易に読み取れるものだ。間違いなく手負いの、死にかけの子供がいる。それを理解した彼女は銃の入る袋を気持ち強く握った。

 謎の声の捜索体制は、古畑こと今泉は学校の東側から、狛枝は西側から、それぞれ『子』の役を伴い行うこととなった。『子』を理科室に残すということも考えられたが、今泉が子供たちだけでは危険だと極めて強く主張したため、どちらかと行動を共にすることとなった。

 

「グレーテルさんもこっちに?」

「あら?嫌だった?寂しいわ、貴方とは仲良くできそうだと思ったのだけれど。」

「ああ、ゴメンゴメン!僕みたいな人間と好き好んで一緒に何かしようとしてくれるとは思わなくて。こんなところで不謹慎かもしれないけれど、両手に花だなって。」

 

 ちなみに内訳は今泉側がリクとしんのすけ、そしてエスター。狛枝側が綾波とグレーテルである。もちろんグレーテルが狛枝側を選んだのは、そちらが声の主と接触する方だと踏んだからだ。本能的に今泉が声から遠い方を選んだのかそれとも不幸にも狛枝が死体を見つけることになるために何らかの力が働いたかはともかく、グレーテルとしてはより面白い方である狛枝と行動を共にするのも良い。

 そして二組は30分になったら一度理科室に戻ることを確認し、それぞれ校舎で唯一鍵が開いている玄関から逆方向に進み出した。外は薄暗いが見えないわけではない。狛枝はアタッシュケースを渡す代わりに今泉から受け取った拡声器をイジりながら歩き、綾波とグレーテルの二人もそれに続く。彼らの鼻に異臭が感じられたのは、校舎から少し離れてすぐのことであった。

 そして彼らは発見した。両腕から血をしとどに流し、服を真っ赤に染めた、リクと同じぐらいの少年を。「古畑さん」と狛枝が拡声器で校舎の逆方向に呼びかける。以外か否か、その場の全員は冷静だった。血塗れの人間を見ても落ち着いて生死を確かめ息があることを確かめる。

 そして、最後に、狛枝がこちらに向かってきた今泉達に保健室から担架を持ってくるように言うため、ほんの少しこの場を離れて校舎へと近づいた時――

 綾波レイの喉に深々と刃物が突き刺さった。

 

 それは一瞬だった。グレーテルが神社で集めた後にスカートの中に隠し持っていた古紙を綾波の喉に押しつけ、その体が困惑で強張ったところに同じく持ち出していた刃物を古紙の上から突き立てる。ただそれだけ。

 

(なに、が……)

 

 綾波の目の前で笑顔で口の前に指を立てながら、グレーテルが刃物を引き抜く。吹き出る血と声にならぬ音は古紙が止める。そしてグレーテルが近くの木の高枝に刃物を投擲し、それが葉に隠れるようにまたも突き立てられたのを目で追った綾波は叫び声を聞いた。口を喜色に歪めながら、絹を割くような声でグレーテルが叫んでみせていた。

 

「こ、これは……!」

「わからないの……突然レイが倒れたと思ったら、こんなことに……!」

 

 グレーテルの叫び声で振り向き異変に気づいた狛枝に、グレーテルはオロオロと言ってのける。綾波は見たことがあまりないが、他の人間ならドラマの子役のようだとその演技を表現するかのような、見事な芝居。そして同様に駆け寄って来る古畑達と合わせて六組十二の目が綾波へと注がれた。

 

「死、死んでる!?」

「まだ息はあるわ!何か言おうとしてる!」

(貴女が刺したのに。)

「手当てが必要だ!傷口を抑えて!」

「わかったわ!」

(喉が締められて……息が……)

「レイちゃん!レイちゃん!」

「しんのすけ離れて!」

(……)

 

 綾波の状態に恐慌するもの、応急処置をしようとするもの、その体にとりつき揺さぶる者、その誰もが気づかない。何者かに襲われたらしき綾波に注がれて気づかない。綾波の傷口を抑えるフリをして頸動脈を締めるグレーテルの、その涙目の下で三日月形に歪む口元には気づかない。

 だが綾波は最期の力を振り絞りグレーテルを跳ね除けた。強引に立ち上がる。言わなければならない、行動しなくてはならない。ここに一人の鬼がいることを伝えなくてはならない。そして言動で示した。

 

「……、…………!」

(声が、でない。)

 

 声が出なかった。声帯を震わす酸素が無かった。話す言葉が思いつかなかった。脳を動かす酸素が無かった。動きで伝えられなかった。筋肉を動かす酸素が無かった。最後の酸素は、グレーテルを跳ね除けるのに使ってしまった。

 

(それでも……)

 

 それでも、綾波は手を伸ばす。犯人を指し示す。

 そしてその手がグレーテルに取られたところで、綾波はただの肉塊と化した。

 

 

「レイちゃん!返事してよ!」

「しんのすけくん、綾波さんは、もう……」

(まず一人ね。)

 

 綾波が最期に伸ばした手を天使のように両手で包み込み、涙流れる頬に当てて俯くグレーテルは全力で笑いを堪えながら震えていた。

 彼女が綾波を殺したのはなんてことはない、殺したかったからだ。動機はない。その殺しにはトリックもない。

 ただ単に誰でもいいから殺したくて、思いの外大集団になってしまい殺しにくくなって、そこに死にかけの人間が現れたからまた殺そうと思って、二組に別れたから殺すチャンスだと思って、一瞬でも二人きりになったから殺した。それだけだ。

 別に狛枝でも良かったし、この殺人がバレても良かったと思っている。抜け目なく返り血を避け最後の悪あがきができないような殺し方をし凶器も隠蔽したが、今この場で犯人として糾弾されることすら望んでいた。そうなれば、一網打尽に蜂の巣にできる。狛枝達からは役がどうとか言われていたがそんなことは関係無いしどのみちルール的にも皆殺しでさほど問題はない。つまり、『いつもどおり』で構わない。結局彼女はそう解釈していた。

 

(刑事さん、貴方はどうするのかしら?)

 

 グレーテルの前髪に隠れた目が古畑へと向けられる。彼女がこのタイミングで殺したのには理由と言うほどではないが刑事の存在も影響している。果たしてトリックも動機もない殺人をどう捜索するのか、興味が湧いたのだ。

 

(さあ、鬼ごっこよ。)

 

 グレーテルは静かに笑う。彼女は知らない。その刑事は古畑任三郎なる男ではなく名警部ではないことを。彼が史上最低のワトソンと呼ばれる無能であることを。

 

 

 

【G-07(分校)/01時29分】

 

【今泉慎太郎@古畑任三郎】

[役]:親

[状態]:健康

[装備]:警察手帳、拡声器@バトルロワイアル

[道具]:デイパック(555ギア@仮面ライダー555、サッカーボール@ホイッスル!!)

[思考・行動]

基本方針:可能な限り参加者を生還させる。

1:!?

2:親を探す。

3:鬼には出くわしたくない。

※その他

古畑任三郎と名乗っています。

[ルールの把握度]

自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。

各役の人数・会場の地図は未把握。

 

【桜井リク@ラストサバイバル】

[役]:子

[状態]:健康

[装備]:スマートフォン(子)

[道具]:

[思考・行動]

基本方針:絶対に生きて帰る

1:!?

2:古畑さん(今泉)は信用できない。

※その他

今泉慎太郎の名前を古畑任三郎として認識しています。

[ルールの把握度]

制限時間を把握。

自分の役・各役の勝利条件を推測。

各役の人数・会場の地図は未把握。

 

【狛枝凪斗@スーパーダンガンロンパ2】

[役]:親

[状態]:健康

[装備]:拡声器

[道具]:

[思考・行動]

基本方針:希望の為の踏み台になる。

1:!?

2:どちらかの陣営が希望になり得るか見定める。

3:セカンドインパクト……どういうことだ?

※その他

プロローグ終了時からの参戦。

[ルールの把握度]

自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。

各役の人数・会場の地図は未把握。

 

【野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん】

[役]:子

[状態]:健康

[装備]:『お守り』

[道具]:なし

[思考・行動]

基本方針:ネネちゃん家に行く。

1:!?

※その他

自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。

 

【エスター@エスター】

[役]:親

[状態]:健康

[装備]:ハンマー、青酸カリ@バトルロワイアル

[道具]

[思考・行動]

基本方針:子のふりをして立ち回る。

1:!?

2:子として親の庇護を受けつつ、参加者の情報を集める。

3:制限時間が近づいたら、親を減らす。

※その他

[ルールの把握度]

自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。

各役の人数・会場の地図は未把握。

 

【グレーテル@BLACK LAGOON】

[役]:子

[状態]:愉悦Σ(・ω・ノ)ノ

[装備]:BAR

[道具]:スマートフォン(子)+不明(社務所で狭軌として使えそうなものを中心に回収)

[思考・行動]

基本方針:皆殺し

1:一応犯人じゃないように振る舞っておく。飽きたら銃を乱射したり?

※その他

[ルールの把握度]

制限時間を把握。

自分の役・各役の勝利条件を推測。

各役の人数・会場の地図は未把握。

 

【金谷章吾@絶望鬼ごっこ】

[役]:子

[状態]:気絶、左下腕10ヶ所・右下腕9ヶ所・左上腕6ヶ所・右上腕3ヶ所の包丁による刺し傷、失血(中・継続中)、精神的疲労(中)

[装備]:『式札』

[道具]:若干のお小遣いなど

[思考・行動]

基本方針:絶対に生きて帰る

1:何がなんでも生きて帰る。

2:自分以外の存在を捜索。

※その他

自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。

佐山流美を『鬼』と誤認。

 

 

 

【綾波レイ@新世紀エヴァンゲリオン 脱落】




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