前線部隊の隊長タルテットと、エストレープは仲が悪かった
…と言ってもエストレープが一方的につんつんしてるだけなんだけど
「じゃあさぁ…勝負しようよ」
「あ、あの…それでなんですけど」
おどおどしながら隊長は言う
僕は隊長の方を見て何?と聞いた
隣には少し前の話で少し機嫌の悪いエストレープが座っている
第10防壁地帯に来て、戻ることも出来ずにいた
今は、偵察員の彼女が辺りを見てきてくれているらしい
そして、こんな弱々しいように見える隊長でも、きっと僕より強い
仲間割れ…なんて事はしないとは思うけど、あの女の子の行動が不明だから迂闊には関わらないほうがいいかもしれない
元々この隊に入る予定ではいたけど、
前回とは規模も深さもメンバーも違う
勿論知り合いなどもいない
だから、前回を基地を広げるための遠征だとしたら、今回の遠征は、『今現在行くことの出来る限界』まで行くつもりだろうね
「…」
それなのに、その隊長を見た目で判断したとしたらそんなに強そうにも見えない人でも、なにがあるか分からないんだ
「…で、何の話かな〜?」
「あ、えっと…これからの事なんだけど…、レスフィールが戻って来たら
ここから離れて、当初の予定の第18地点まで行こうと思うんだ」
『…18』
「レフェル君…18ってどこまで?」
『今ある限界値だよ、第18前線基地
ここが今人類が来ている前線ライン』
「…ん〜? じゃあそこを抜けたら未開土地?」
『そうだね、だから僕達が集められたんだ
今ある【捨てきれる限界の最強メンバー】達をね』
「捨て…?」
「はは…それはボクが話すよ」
「…」
「ボク達は、国からの派遣メンバーなんだ
そして、国が出せる最低限のメンバーとして、失っても支障のない程度に強いっていうのが条件でね
ここは未開発の土地だろう?
だから、誤って事故死なんてされたら
どんどん国から強い者がいなくなってしまう」
「だからね、国は、決して弱くはないけど、だからと言って強くもない
そんな半端な人ばかり送ったんだ
どちらがより弱い人材を投入して敵国の戦士を殺せるか…っていう醜い争いが起きてるんだよね」
「…っ」
そう…僕達は捨て駒
だから別に死んでも悲しむような人はいないんだ
悲しんでくれるのはこの事実を知らない人たちだけ
けれど、それでも僕達はこの海底都市を解明しないといけない
…全てを話してくれたら、こんな事にはならないのに、『協力者』
「ということは、やっぱりきみ弱い…?」
「う、うん?
ボクの事見た目から判断したでしょ!?」
「え…したよ、した、うん」
「し…失礼だよっ!!」
「いやでも…弱そう」
「う…まぁ、確かに外見はそんな強く見えないかもしれないけど…
したら君たちもじゃないの!?」
「俺は強い」
なんだか喧嘩してるんだけど…
どうしよ、止めるか?
隊長は俯きがちになってるし…
「え…あ、うん
でも君の実力知らない」
「察して、君ならできるよ〜」
「さっきから少しずつ馬鹿にして来てるよね??」
「…だって俺お前嫌い」
「嫌いって…そんなこと」
『…待って、エストレープ…ストップ、せっかくメンバーに入れてくれたんだから仲良くしよ?』
「え〜、ならさぁ…」
「…?」
「勝負しよ?
第18前線基地、ここに早くついた方が勝ち
それつまりついた方が強い
これでいいかな〜?」
「…い、いですけど
それって別れるってことだよね?」
『え…ちょ』
「そうだよ〜?流石に分かるよね?
そこのひ弱そうでもさぁ…?」
「………ボクとレスフィール
君とレフェル君
この2人で勝負するってこと?」
「ま、置いてくわけにもいかないし
そうだね、にーたいに
どっちが勝つか競争しよっかぁ?」
「はぁ…分かったよ
それでいいかな?レスフィール」
「…ん、分かったわ」
『おかえり』
「帰ってきたね、じゃあ1分後
ここからスタートだよ」
『はぁ…まぁ仕方ないか』
「…や、やるしかない
うう…」
「頑張りましょう?私達は捨て駒とは違うわ」
僕は為に怒ってくれたのかな
隊長に喧嘩を売るのは流石だと思うけど…
「じゃあ、そろそろだよ」
ーーーーーーーー開始
ーーーーー
「…だから、気配がなかったのね!?」
「ボクがバッドエンドにすると思った?
残念だけど…ここから先はボクのテリトリーだ」