海底都市の管轄保護区   作:片椅子

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『影』によって重症を負わされたレフェル
約束の時間になっても来ない彼を心配して、救援部隊がついた時、そこにはもう影はいない
どうにか意識を取り留めたレフェルは、そこで『影』について伝えようとするが…


与えられたのは、まだ見ぬ夢の続きだった

「×××だから、なんだよね…」

 

 

 

「…ぶ? 大丈夫?」

「………〜っ」

頭痛の中に僕はある日の風景を思い出した

僕の、こと

どうして今になってなのかは分からない…

「良かった…頭を抱えていたけれど

3日前の傷…まだ痛むの?」

「………?」

『3日?』

「ええ、3日、あなたその間ずっと意識不明で」

『その間に部隊の人は誰も帰ってきてないのですか?』

「…そう、だからあなたの意識が戻ったと言うから参考に聞きにきたの」

けれど、何も知らないようね

そう女性は声を漏らす

…3日、僕にとどめを刺さなかったのは気になるけど、もしそんな事を他にしていたら…生還者はいるはずなのに

それに、本当に誰もいなくなってしまった?

「………」

『僕の他に生きている人はいないのですか?』

「…あなただけよ、それにあなた

あの人だけがいなくなってしまった地点はなに?

あなた自体遠征の招集時間に来ないから私達が来た時、既に深手を負っていて、手に負えなかったんだから…

あと少し遅れていたらどうなっていたと思う…!?」

『…血の跡とかは無かった?』

「あなたの血らしきものはあったけど、別に他に誰か殺された訳じゃなそうね」

『…僕だけ、生かされた?』

「あまり痛みは感じなかったでしょう?

どうやらなにか麻痺の作用があるものを使われたそうね」

『…爪』

「…そう、それも覚えていないの」

「………」

さっきから、影に関する情報が伝わらない…

認識が出来ない?

だから声を…

『…すみません、おそらく僕が答えられることはもう無いです』

「何も覚えていないのよね…

分かったわ、なにか思い出したら教えて」

『…分かりました』

「………」

女性は白紙の紙を何枚か机の上にペンとともに置いて、部屋を出ていった

「………」

紙には、影も爪も書かれてはいない

確かに、書いたのに

「……っ」

ちりっ、とまた頭が痛くなる

さっきから繰り返し、何度も、

 

 

「…生きタイ?」

 

 

何度も、何度も、何度も…

この声が響く、繰り返し、繰り返し…

生きたい?

僕はこの質問に答えていない

生きたいという訳でもないし

生きたくないという訳でもない

『期待』に添えるよう頑張ってはきた

でもそれは、僕自身の願いなのか…?

僕には夢があるから、こんな中途半端で終わりたくはない…

けれど、僕は、勝てなかった

容赦なく、慈悲すらなかった

今、生かされているのは

きっといつでも殺せるから

だから、せいぜい足掻いてみろと言っているようで

僕の心はまた掻き回されていく

 

何もする気がなくなって、僕はまた深い闇の中へと誘われて行った

 

 

生きているなら、望みはあるからね




白海に包まれた白い世界
浮き彫りの術式の模様
地上の土地を犠牲に現れた都市
見えない水
『影』の顕現
彼らは決して地上に出てくることは無い
だから僕達は、地上だけで一生を終えれば良かったんだ…



次回予告
僕は、知らないといけないことがあるはずなんだ…
だから、もう一度行くよ
あの海底都市に
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