変態、三年会わずんば、刮目して見よ!
そんなわけで、初投稿です。
某ジャンプのとある作品で空白の百年という話があってだね……。
唐突だが……諸君、笑顔は好きかな?
両の頬を吊り上げ、心の底から楽しい気持ちになって笑っている人を見るのは好きだろうか?(愉悦スマイルではない)
私は好き、大好きだ。愛していると言っても良いくらいに笑顔が好きだ。……だって、幻想郷の美少女たちって笑顔になったらその魅力がおっくせんまんくらいの勢いで鰻登りの天元突破グレン◯ガンなんだもの。
笑顔でいるということは、つまり幸せであるということの証明である。……私の行動原理の基本は、美少女が何不自由無く、幸せに満ち足りた一生を過ごし続けることなのだから、私の身の回りにいる愛しい彼女達には極力笑顔でいて貰いたいのだ。
まぁ当然だけど、笑顔以外の表情も好きなんだけどね。……涙目とか、悔しがっている顔とか、怒っている顔だとか、間抜け面だとか、蔑んだ顔だとか……えとせえとせ。
でもね、何だかんだ笑顔が一番なのである。笑っているおんにゃのこには誰だって勝てねぇよ。……君の一番素敵な顔が見たい(キメ顔ダブルピース)。
「「──ッ!──ッ!」」
「ふふふっ、盛り上がっているようだな」
会場の雰囲気がざわぁ……ざわぁ……って、なってるじぇ。
本日、人里の大広場にて、一つのイベントが開催されたのである。……テーマは──
「さぁて盛り上がってまいりましたぁ! 第一回、幻想郷人妖笑劇大合戦! 司会は私、射命丸文とぉー!」
「審査員の博麗霊夢だ、宜しく頼む」
──笑い。
「霊夢さん主催で始まった今大会!……霊夢さん、どんな目的で開催したのでしょうか?」
「幻想郷をより平和に導くために、人と妖怪の間にある隔たりを無くすことを目的としている。……というのは建前で、単純に皆で盛大に馬鹿騒ぎしたかったのが理由だな」
「成る程ぉ! 実際、これまで定期的に行われていた宴会の比ではない賑わいと謎の盛り上がりを見せていますね!」
「一応、大会と銘打っているからな。当然だが、優勝した者には特別なプレゼントを用意している」
「……ちょーっと文ちゃん用事を思い出したので、すこーしだけ司会を抜けますね!」
「こらこら、私を一人にするな。……寂しいだろう」
「かわわっ……こほんっ、霊夢さんが、私をっ! このっ! わ た し をっ! 必要としているみたいなのでっ! あややと司会を頑張りますね!」
あや可愛い。……密着する勢いで、ぐいぐい椅子を寄せてきてるところとか最高に風神少女してますわ。
「それでは第一回、幻想郷人妖笑劇大合戦を開催致します!」
「「ワァァァァァ!」」
はい、そんなわけで始まりました。第一回、幻想郷人妖笑劇大合戦。……我ながら結構良い感じのネーミングセンスじゃないかと思っている。
幻想郷の一文を入れ、人と妖の文字を隣り合わせにすることで、本来混じり合う筈もない二つの存在が、あたかも何の隔たりもないのだとアピールをしている。
更には、二つの意味をより高度な次元に立たせているのが、笑劇という言葉と大合戦という言葉である。……笑劇は衝撃の意味も含めており、この大胆な祭りがこれまでにない楽しい余興であるという暗示であり、大合戦と銘打つことで、競い合う要素が含まれているという見世物としての力強さまで演出している。
流石私、こんな素晴らしい言葉を世に生み出すなんて、略してさすわた。……ちなみに、これまでの説明は今適当にでっち上げた嘘だから、刹那で忘れてくれても大丈夫よ。
「時間の都合もあるからな、出場する者は私の独断と偏見で選ばせてもらった。……私が選んだ四組による勝ち抜き戦だ。単純に四組の中で一番得点が高い組が優勝となる」
「さてっ! ではではお待ちかねぇ! 最初の一組の登場ですっ!」
会場のボルテージが一気に最高潮へと引き上がっていく!……さぁ、者共! 今宵は存分に楽しむが良いさ!
「かぁつてぇ! 博麗神社を倒壊にまで追い込んだ大異変。……その元凶にして、天界一の問題児ぃ! 仙桃で鍛え上げた強靭な肉体とぉ! 自分勝手で我儘な性格を合わせ持つ比那名居一族のお嬢様ぁー! 天界最強の生物ぅぅぅ! 有頂天──」
──ひなないぃぃぃてぇぇぇんしぃぃぃぃぃ!
文の声に応じるかのように、天空から立派な要石が落ちてくる。
「アハハハハハッ! 天人の笑いって奴を、お前たち下界の者共に見せつけてあげるわ!」
要石に乗っていたのは、一人の少女。
桃の実と葉がついた丸帽子を被り、空のように青い髪を腰まで伸ばした彼女は、大胆不敵、傲岸不遜、何処までも果てしなく、誰もを平等に見下した笑みを浮かべ、高らかに宣言する。
彼女、彼女こそが有頂天、天界一の問題児──
【大地を操る程度の能力】という何気にヤバイ能力を持っており、地震や地盤沈下などの災害を引き起こすことも簡単にやってのける。……異変の時は、どっかの白いひげのおっさんみたいに地震の衝撃波ぶつけられてびっくりした。
更には、とある道具を持つことで【気質を見極める程度の能力】という、どんな相手の弱点も突けるという強力な力を使うことも出来るのだ。……やだぁ、天子ちゃんつよつよすぎぃ。
またこの娘が引き起こした異変は、私をガチギレさせた数少ない異変として有名だ。……いや、流石にあそこまでやらかされたらキレざる得ないわ。私が美少女にガチギレとか相当やぞ? 基本的に美少女にナニされても怒らない私がガチギレってそれ、世界の終末レベルでマズイ異常事態だかんなぁ、おい。
ま だ 許 し て な い ぞ(はぁと)
「ヒェッ」
何を察したのかガクガクと震えてるみたいだけど、何でやろね(すっとぼけ)。
「そんな問題児の従者を務める苦労人にしてぇ! 天界一の破天荒ぉ! 主であろうと空気を読んで、煽りに煽って煽り倒す竜宮の使いぃ! 龍神のお告げを引っさげてぇ! 主と共に凱旋だぁー! 美しき緋の衣ぉ──」
──ながえぇぇぇいぃぃぃくぅぅぅぅぅ!
文ちゃんの紹介が強過ぎて流石に笑うわ。……自他共に認める幻想郷一の文屋なだけはあるよね、司会を任せたら右に出るものは誰もいない。
紹介中、ずっと腕組んできているのだけ気になる。……やわっこい天狗っぱいが絶妙な加減で当たっているせいで、全然集中できないんですがそれは。……イイゾモットヤレィッ!(剥き出しの本音)
「やれやれ、何処ぞの頭お花畑の脳内桃色総領娘様が勝手に私の名前を使って応募したせいで、こーんな面倒な場所に出てきてしまいましたよ。……こほんっ、皆様おはようございます。ご紹介に預かりました。永江依玖と申します。別に名前は覚えて頂かなくて結構でございます。……というか早く帰りたいです、はい」
観客の視線があろうと何のその。綺麗な桃色の羽衣を身に付け、二本の触覚のような長いリボンをユラユラとさせた帽子。やる気が微塵も感じられない姿勢で、気だるげに舞台に上がってきた見目麗しきクールビューティーこそ、天界より舞い降りた竜宮の使い──
【空気を読む程度の能力】という、場の特性を瞬時に理解して、馴染むことが出来る能力を持っている。……文面で見る以上に応用力が高く、場の空気に溶け込んでその姿を消したり、雷や電撃を操ったりも出来るそうだ。後ついでに場の空気(会話的な意味で)を読み取れる。
本人はこの力をもっぱら相手を煽るために使っている様子。……本人曰く、煽っているつもりは毛頭なく、興味もないらしいが、依玖さんの言動を見る限り、空気を読んだ上で煽りに煽っているようにしか見えない。
いつかこの娘の煽りに全力で応えてあげて、私を煽った代償を(身体で)払わせたいとか思っている。龍っぽい要素を持っているなら、絶対性欲強いと思うのよね。……古来、龍って性欲強くて一晩中ヤッていても体力尽きないらしいしですし、こりゃあ、おせっせしないとイカンデスヨ、おせっせ。
「……」ペコリ
目と目が合った瞬間、軽く頭を下げなさる。……この娘はめんどくさがりの割には、そこそこ真面目さんだからこそ、主の不始末の尻拭いから何やらまでやっちゃうのである。有頂天を主に持つと大変ねー。
「二人合わせてぇぇぇ! イキュイキュ天子ちゃんだぁぁぁぁぁ!」
文ちゃんの勢いしかない紹介に応じ、方や上から目線で偉そうに、方ややる気なさげに気怠げにしながら、舞台の中心に歩み出る。
「「はいはーい、どうもーイキュイキュ天子ちゃんでーす!」」
いよいよ待ちに待ったお笑いが始まる! 私は(多分)笑うの我慢するからよぉ、お前らが(笑うのを)我慢する限り、私はその先にいるぞ!(腹筋崩壊的な意味で) だからワクワクよ、止まるんじゃねぇぞ……(キボウノハナー)。
「はい、あたし達の芸名を聞いて、変な想像したそこのアンタ。……アンタの心は薄汚いから、悔い改めて出家しなさい」
「いきなりの客イジリとは流石ですね、総領娘様」
「いやいや、これはハッキリさせておかないと駄目よ」
「ハッキリですか?」
「ええそうよ、これからあたし達が芸名言う度に「あぁ、あのイヤらしい名前の……」みたいな反応されたくないもの」
「いや、この芸名を考えたのは総領娘様でしたよね? 「『ぐへへっ! 地上の奴らは単純だからちょっとイヤらしい感じの名前にしたらバカな野郎供が釣れるでしょう、ぐへへへへへっ!』って、おっしゃっていたではありませんか」
「え、貴女の中のあたし小物過ぎない?」
「コレは失礼しました。てーへーぺーろっ♪」
「……しばくわよ?」
「可愛い従者の冗談ではありませんか」
「はぁ……適当に衣玖の名前をいきゅって変えて、語呂よく並べてみたら出来上がったのよ」
「他意はないと?」
「……ないわ」
目を逸らす天子ちゃん。やだこの娘、他意しかないじゃない。本当やらしい娘だわぁ。
「答えるまでの間が気になりますが……まぁ、良いでしょう。追求はしないでおきます」
「そうしなさい」
「えぇ、感謝しろよ?」
「何様なのよお前ぇぇぇ!」
早速、掛け合いが始まる。
我儘お嬢様な天子ちゃんと、空気の読める(読まない)衣玖サンの組み合わせは何が飛び出てくるか予想不可能。
天子ちゃんのイキリっぷりに衣玖サンの煽り芸。……この二つが交わった時、一体どんな超反応を起こすのか? 私気になります!
「いきなりですが総領娘様。此処は景気づけに一発、面白い話をしても良いでしょうか?」
「え、本当にいきなりじゃないの。しかも無駄に大きく出てるし」
「いえいえ、楽しいお話ですから是非とも総領娘様に聞いて貰いたいのです」
「へぇ? いい度胸ね。このあたしを笑わせる自信があると?」
「えぇ、抱腹絶倒でしょうねぇ」
「面白い、やってみなさいな」
衣玖サンめ、何か企んでいるな? 私がいるところからは、天子ちゃんを嘲笑うようにニッコリとした笑みを浮かべた彼女の姿がよく見える。……毎回思うけど、主に対する扱いが雑過ぎて、天子ちゃんが可哀想になってくるなー(棒)。
「ごほんっ……えーむかーしむかし、あるところに一人のペチャパイがおりました。
見事な見事なペチャパイです。上から下までストンストンストンの三拍子。……見るも無残、掴めるとこなぞ何処にもない、完全無欠、情け容赦のない断崖絶壁でございます。
そんな希望も何もないペチャパイですから、常日頃から頑張っておりました。……牛の乳を飲み干し、ない胸を揉み解し、豊かな胸を育む体操を、それはそれは毎日毎日と来る日も来る日も、それこそ寝る間も惜しんで頑張っておりました。
しかししかし、残念無念、現実は非情で無情なり、ペチャパイはどんなに足掻いてもペチャパイでした。……何せペチャパイは天人でございますれば、不老長寿の永劫不変、食した桃の力で強靭で硬くなった肉体では、たわわに実った柔らかな果実など、望んでも手に入らない代物だったのです。
いやいや、それでもと頑張るペチャパイ──その名を比那名居天子と申します。……そんな天人が、此度はどうやら地上へと、胸への希望を諦めず、今大会へと臨みます」
死んだ目で淡々と、どっかの有頂天の涙ぐましい努力と壁の物語を語る。
うぅ色々と影で頑張ってたんだね天子ちゃん。……今の天子ちゃんを見る限り、その努力の成果は一切なかったみたいだけど、努力は裏切らないとか何とかだから、もっと頑張ってね! 絶対に育たないと思うけど!(←下種の極み博麗)
「誰がペチャパイよ! しっしかも、こんな大勢の前で何てこと言ってるのよ、お前ぇ!」
憤慨する天子ちゃん。……乳酸菌取ってるぅ~?↑
「これからどんな顔して幻想郷を歩けばいいのよっ!」
「恥が服を着て歩いている天人である貴女様からそんな言葉が出るとは。……成長したのですね、総領娘様。衣玖は、衣玖は嬉しゅうございます。よよよ」
「ねぇあたしをイジメてそんなに楽しい!?」
「イジメるも何も…… 事 実 ですから、しょうがないでしょう?」
「無いわけじゃないもん! ちゃんと揉めるくらいにはあるもん! だからペチャパイとか絶壁って言うなぁぁぁ!」
揉むではなく、摘まむでは? れーむとかいう名のボブだと思い込んでるジョニーの振りをしたマイケル(アンダーソン)は訝しんだ。
というか、胸が大きい天子ちゃんは解釈違いなので、いつまでもそのまんまのひんぬー天子ちゃんのままでいてくれ。
ひんぬーであることを嘆き、愛らしくバタバタとしている天子ちゃんこそ至高なのだ。……大は小を兼ねるが、貧は乳を平定するのだ。
つまり平坦であるということは、そのまま山も谷もなく、凹凸がないことで荒れることなく、なだらかに直線を描くことで争いなど何処にもないということなのだ。
ぶっちゃけ、おっきくてもちいさくても、おっぺーはおっぺーだから貴賤なんてないのさ(おっぺーソムリエ四段なミカン)。
「あたしにだってちゃんとおっぱいあるもん! おっぱいあるんだもんっ! おっぱいあるんだからぁぁぁ!」
「総領娘様、漫才中でございますよ?……あ、それと人の夢と書いて儚いって読むって知っていますか?」
「え、それ何で今言ったの?」
「……お可哀そうに」
ハンカチを取り出して目元を拭く衣玖サン。……中々に煽り力が高いね。そのハンカチください(ふんたー見習い)。
「は? 殺すわよ?」
「ところで総領娘様、貧乳という生き物は、常日頃から余裕がない故に無駄に沸点が低いそうですよ」
「じょっ冗談、冗談よ! 冗談に決まってるじゃない! あっあたしは貧乳じゃないし優しいから、これくらいじゃ怒らないわ!……貧乳じゃないしね!」
「……うわぁ、ちょろ」
「ん、何か言った?」
「いえ、何も……この主ちょろすぎて、うわぁ雑魚い雑魚いなどとはほんの少しも思っておりませんわ」
「おい、テメェちょっと表に出ろ」
「既に表ですが?」
「あぁぁぁぁぁもうっ!」
煽りに煽る衣玖サンと、そんな衣玖サンに憤慨し、まんまと騙される天子ちゃんの様子を見て、広場に集まった観客達は声を上げて笑っている。
まぁ私もその一人なんだけどね。……お腹抱えて笑うのは、流石にちょっとはしたないからクスクスって控えめに微笑んでいるけども(←はしたないの権化)。
「そんな事より総領娘様」
「何よ!」
「レッツミュージックターイムッ♪」
「はぁ!?」
ちゃんちゃんちゃん♪ ちゃんちゃんちゃん♪ ちゃんちゃんちゃんちゃん♪
「は、え? ちょ、このネタはやらn」
「おや、審査員の霊夢が此方を見てますよ?」
「っ!?……あっあーたしーは天界の天子ー、煽りまくる従者とー桃を食って暮ーらしーてるー」
戸惑っていた様子だったけど、衣玖サンに耳打ちされて気を取り直したのか、天子ちゃんは歌い始めた。
「気質の剣を落としてー、無くした剣をさーがすためー、噂を頼りにやってきたー……この森の何処かに緋想の剣がある筈よ、何処? 何処なの? 何処にあるの?」
「追ーいついたぞ私がー、なーやめる主を救うー、ひっそり着いてきたー衣玖サンだぁー」
「わぁ!? 衣玖ぅ!? わぁ!?」
「必死に探すお前のー、無様な姿に胸打たれー、おー前を助けにやーってきたー」
「お前って言うな! 丁度良いわ! アンタの力貸しなさいー!」
「貴女の望み、一つだけ叶えまーしょー」
「なーらーばー!」
天界コンビのミュージカルな漫才に思わず聴き入ってしまう。……取り敢えず衣玖サン、そのギター何処から出したん?
「大きなパイオツを下さいー!」
「ん?」
「大きなパイオツを下さいー!」
「は?(威圧)」
「ボタンが弾けるくらいのー!」
「何言ってるんでしょう、このお馬鹿」
「大きなパイオツをあたしに下さいー!」
「……はぁ」
天子ちゃん自分で言ってて恥ずかしいのか顔が真っ赤だね。……天子ちゃん自身の本意ではないことがよく分かる。
改心したとはいえ、プライドの高い天人である彼女にとって自分のコンプレックスを盛大に取り入れたネタを使うのはかなり勇気のいる事だっただろう。……天子ちゃんのバストに敬礼。
恐らくこのネタを考えたのは衣玖サンか。……ヒデェことしやがる(ナイスゥ!)。
「そうじゃないでしょー? 話が違うー、緋想の剣はどうしたー?」
「そうよ、そうだった! 緋想の剣が一番大事ー! だーけーどー!」
「ん?」
「大きなパイオツを下さいー!」
「またですか」
「大きなパイオツを下さいー!」
「いい加減にしなさい」
「道行く人が二度見するー!」
「ある意味で二度見される胸ですが?」
「大きなパイオツをあたしに下さいー!(半泣き)」
「泣かないで下さい、見苦しい」
勿論天子ちゃんのバストなら私はガン見するけどね。……あの小さくて控えめなほんの僅かな膨らみが素晴らしいんでしょうが! あのロリ妖精であるチルノちゃんや、吸血鬼ロリのスカーレット姉妹にすら劣る弱小バストであるからこそぉ! 希少で至宝で尊いんでしょうがぁ!
あの胸は天子ちゃんが天子ちゃんであるからこその唯一無二の個性であり、天子ちゃんが天子ちゃんを構成している重要な要素にして、最大の魅力なのだから是非とも大事にして欲しい。……いっそのこと、あのバストに誇りが持てるように、この私自らの手で色々と称え、崇め奉るべきでわ(みっこみっこにしてやんよぉ)?
「もう帰りますー! 貴女の後をー! 着いてきた私が馬鹿だったー!」
「嘘よ、嘘なのよー! 一緒に剣を探して下さいー! お願いしーまーすー!」
「分かりました、最初からそう言っt」
「つーいでーにー」
「はい?」
「大きなパイオツを下さいー!」
「ついでとは?」
「大きなパイオツを下さいー!」
「あの、聞いてます?」
「枕に使えるくらいのー!」
「……そろそろしばきますよ?」
「大きなパイオツを私に下さいー!」
「……はぁ」
しつこい天子ちゃん(顔真っ赤)に嘆息して、ギターを一旦止める衣玖サン。……そして、曲調が変化する。
「天子よー、パイオツはー、大きさではーないー
大きさーのことをー、気ーにしーてるのはー、お前だけだー、お前だけだー、すべーてーは
愛さーえあればー、愛さーえあればー、心満たされー、やーさしさー溢れだーす」
「「あーいさえあればー、あーいさえあればー」」
「愛にーまーさるものーなどー……なーいのーd「そーれーよーりーもぉー!」……あ?(威圧)」
ネタとは言え、かつて此処まで巨乳になりたいと叫んだ天人がいただろうか? いや、いない。……全く、自分の魅力が分かっていない娘には困ったものだね。
揉むほどなかったとしても、それが美少女の胸であるなら、もうそれだけでこの世のどんな宝にも勝る至高の宝になるんだよ。ましてや天子ちゃんの胸はこの幻想郷でも唯一無二、なだらかに築き上げられた比那名居一族がこの世界に生み出した天界の宝物なのだ。
それをどうして嘆き悲しむ事があるのだ。誇りに思えば良いじゃないか。確かに膨らみはないのだろう。平均値よりも遥かに下、幼女にすら敗北する大きさなのだろう。……だが、それがどうしたというのだ。大きさではない。貧乳だろうが、巨乳だろうが、胸があるという事実そのものが重要なのだ。
つまり何が言いたいのか……天子ちゃんはひんぬーかわいい、ただそれだけである。
そもそも、如何に小さい胸だとしても揉もうと思えば揉めるのだよ。……後、貧乳のほうが感度は良いってエロい人も言ってたし、天子ちゃんもきっと感度が良いはずだからそれだけで、並みの巨乳には余裕で勝てると思う。
「大きなパイオツを下さいー!」
「またそれですか」
「大きなパイオツを下さいー!」
「全然響いていないみたいですね」
「愛とか優しさなどいらぬッッッ!(劇画タッチ)」
「何処の世紀末ですか?」
「大きなパイオツをあたしに下さいー!」
「もう知りません、勝手になさってください」
「待゛っで頂゛戴゛ー衣゛玖ぢゃん゛ー! 待゛っで頂゛戴゛ー衣゛玖゛ぢゃん゛ー! 待゛っで頂゛戴゛ー衣゛玖゛ぢゃん゛ー!……(号泣)」
羞恥に耐えきれず、最後の最後で泣きながら衣玖サンの後を追って退場していった天子ちゃん。本当に色んな意味で頑張ったね、お疲れ様だ。……後で労ってあげねば(胸を揉み解す的な意味で)
「文字通り身を切りながらの突き抜けた漫才でございましたね! ではでは、気になる得点は!?」
「え?」
「え? ではなく、何点なんですか?」
「ふむ、難しい。実に難しい質問だな文。これは非常に哲学的で、とても複雑かつ難解な問題だ」
「いやいや、普通に百点満点中の何点か答えてくださいよ。此処に集まっている皆さんも霊夢さんの得点を楽しみにしているんですよ?」
「むぅ、だが普通に数字の羅列をするだけでは、面白くないだろう」
「点数に面白さは求めていません。イイから速く て! ん! す! う!」
「あやや……ごほんっ! いきゅいきゅ天子ちゃんの得点は──」
──修羅道至高天ッッ!
「……言った側からこの様ですか?」
「点数は私の匙加減で決める。数字であるかどうかも私が決める。異論反論は断じて認めぬ、この笑劇の場では私が法だ、黙して従え」
「はぁ、もう良いです。どうせ言っても聞かないんでしょうし……それで、意味は何なんですか?」
「修羅道至高天──それは永遠に繰り返される闘争によって支配された修羅の宇宙。
「ちょっと何言ってるのか分からないです」
「私は総てを愛している。……故にお前も破壊(意味深)する!」
「むぐぅぅぅぅぅ!?」
我が
我が愛は破戒の情。
まず感じたのは『絶賛』──求めしものは全霊の交わり
ああ なぜだ なぜ耐えられぬ 抱擁どころか 柔肌を撫でただけでなぜ壊れりゅ なんたる無情──森羅万象 この世の幻想は総じて繊細にすぎるから
愛でるためにまずは犯そう 生を想え 世界の果てを匍匐しろ
私は総てを愛している──百合道・至尊伝
エロスの日 開幕の時 天地万物は愛人と化し
愚梨と蔵のお話のごとくにほのぼのる
たとえどれほどの滑稽さが待ちうけようとも、(性)犯罪者が来たり
厳しく犯され 一つ余さず萌え萌え滾る
我が愛人に響き渡れ 妙なる快感 開戦(意味深)の号砲よ
皆すべからく 我が胸元に集うべし
彼の日 全裸か着衣の迷いを 卿ら 愛より 悟らん
さればマリアよ その時乙女を見守りたまえ
いと尊き者らよ 今永遠の性を与える ラァメェ
流出――
「──混沌より昂れエロスの日」
それは『総て(の美少女を)全力で愛したい(意味深)』という魔(乳)の宇宙。
ただ一人の人間が昂らせる欲望が世界の法則すらも犯し塗り替えていく。染め上げられた法則に囚われた少女達は、この世界に存在している限り、私が望んだその瞬間に、私のおっぺぇに強制的に挟まり、その奥深くに顔を埋めることになるのである。
例えこの星の反対側に居ようと、次元の壁を隔てていようとも関係はない。この私が認識し、そうであれと望んだ瞬間から、少女達は私が愛し慈しむ存在となり、私のおっぺぇに包まれるのだ。……故に、あややと反抗する余地すらなく、文ちゃんの可愛らしいお顔は、私の胸に強制的に埋まっているのである。
「もがぁっ!? もがぁ!」
「んっ!?……あまり動くな文、擽ったいだろう」
文ちゃんの顔面を押さえつけ、頭をなでりこなでりこする。いやー文ちゃんの髪の毛スベスベで気持ちが良いですわー、これなら世界の終わりが来るまで延々となでりこ出来る自信がありますわー。
え、窒息の心配? そんな危険なんてあるわけないでしょう。ちゃーんと文ちゃんが呼吸できるように気道も確保しているに決まっている。密着してるから私の体臭を直接体内に取り込むことになるがな!
あぁ、文ちゃんの鼻や口から入った私のスメルに含まれる酸素が、文ちゃんの肺に吸収され、血液循環して細胞に取り込まれていくのが分かる。……私と文ちゃんはまさに今この瞬間、深く繋がっているのだ! これはもうS◯Xと言っても良いのでは?
「とは言え、このままでは進行に差し支えるな。……仕方がない。非常に、非常に残念だが今回はこのくらいにしておくとしよう」
「ぷはぁーっ! い、いきにゃりにゃにしゅるんでしゅかぁー!」
顔真っ赤だね、これが所謂天狗面ってやつか。……アハハ、おもしろ(百点満点中五点)。
何するって言われてもねぇー、文ちゃんが文ちゃんであるが故に、私の内側にある修羅道が怒りの日しちゃった(はぁと)としか言いようがないんだけどねぇ。
ぶっちゃけると、文ちゃんが私の採点方法に異議を申し立てたので、イライラ(魔羅的な意味で)して物理的に黙らせました。おまいをぉー抱ぎだがっだんだぁーわだじぃゔぁ!
反省はしよう、だが後悔はしない。むしろ航海したい、今すぐに女体という大海原の果てへと大航海したい。
ありったけの胸をぉー! 揉み集めぇー! 捜しモノをぉ探しにぃゆくのさぁー! まんピーー!
さて、ふざけるのはこのくらいにしておこう。いい加減に進めないと、集まってくれた皆(美少女)に申し訳ないからね。……野郎共? 知らん。
「分かった分かった。ほら、お客様がお待ちだぞ?」
「うぅ、この鬼畜巫女めぇ!……こ、こほんっそれではお次はこの方々です!」
まだまだ宴は始まったばかりだからね、どんどん盛り上がっていこうね。私も色々と盛り上がっているよ(意味深)。
「幻想郷にやってきたぁ守矢が誇る最終兵器ぃ! この世総ての常識すらも打ち破る、奇跡の体現者がぁ! 笑いの奇跡を巻き起こすぅー! 現人神ぃぃぃ! 傲慢なる奇跡ぃーッ!」
──こぉちやぁぁぁさなえぇぇぇ!!
「ふっふっふっー、奇跡の漫才というのを見せてやりますよ!」
ノーマル早苗って意外とレアリティ高いよね。
最近、傲慢モードしか見ないから逆に新鮮で魅力的だ。……まぁ、どうせ漫才とか関係なくすぐに傲慢モード発動して、それが
「イエーイ」ピースピース
ハハッ、はしゃぎおる。
あのエネルギッシュ加減はとてもではないが真似できないねー(……と生まれて落ちて十と四年が申しております)。流石は元祖JK。この幻想郷に新たな息吹を感じさせてくれる最高の逸材だ。
「地底の底で開花したぁ悪の権化が牙を剥くぅ! 嫉妬の極限、人類種の天敵ぃ! その見上げる緑眼がぁ! 恐怖の感情を掻き立てるぅ! 嫉妬妖怪ぃ! 緑眼の者ぉぉぉ!」
──みずはしぃぃぃぱぁぁぁるすぃぃぃ!!
「早苗に誘われたし、霊夢にお願いされたから出てみたけど……うぅ、こんな大勢って聞いていないわよ」
ちょっとモジモジしてんのすっごくポイント高い。
誰かに嫉妬するのを生業とするジェラシーガールだけど、パルスィちゃんってそこらの美少女より圧倒的に愛らしくてあざといから、明らかに嫉妬される側なのよね。……本人にその自覚ないみたいだけどね! パルパル(される方)の化身だね!
「ガンバルゾイッ」グッ
あざとさがパルパルっ! 以上!(かぁーっ、見んねぇ! まっことかわいかおんなばいっ!)
「二人合わせてぇぇぇ! ジェラシィィィミラクルだぁぁぁ!」
嫉妬する奇跡か、中々洒落た名前ですな。……およよ?
「だーれだ♪」
背後から何者かが私の目を塞いできた。柔らかな手の平の感触が私の瞼を刺激し、芳しい乙女の香りが私の鼻孔を擽ってくる。
声から察するに私の背後を取っているのは女性だな、コロコロと胡散臭げに笑っているから相当の策士と思われる。……いっいったい何処の綺麗なおねえさんなんだ!?
「……紫か」
「うふふっ、正解よ。流石は霊夢ね」
「こんな悪戯をするのはお前しか考えられん」
もうゆかりんってばぁー悪戯っ子なんだからぁー。
そうです。私の育ての親にして、幻想郷一綺麗で素敵なスキマのお姉様、八雲ゆかりんさんじゅうななさいが現れたのでございます。
ゆかりんは背後から私に抱き付き、肩口から顔を覗かせている。まさにあざとさの極み、これで数千年生きてるっていうんだから、妖怪って本当にズルっこい生き物だと思うよ。
「いきなりどうしたんだ? この時期はまだ寝ている筈だが?」
「私がぐっすりと眠っている間に、何だか面白そうな事してるじゃない? 仲間外れはい・や・よ♪」
「仲間外れにしたつもりはないが。……まぁ良い」
指パッチンで、足りない椅子を呼び寄せる。指を鳴らせば魔法が叶うって、それファンタジーの常識だから。
「ほら、此処に座れ」
「話が分かるわね! 流石は私の愛弟子! ご褒美にギュッてしてあげる!」
「……前が見えぬ」
柔らかい双丘のせいでな! ゆかりんが持つ暴力的な果物が私の視界を遮っているせいで全く前が見えないな! あぁ、安心しゅりゅうぅ、ゆかりんのにほい安心しゅりゅにょぉぉぉ!
小さい時から嗅ぎ慣れている匂いは、何とも言えない安心感でこの身を包み込み、遠い遠い夢の彼方へと私の意識を誘っていく。今度から寝る時はゆかりんに抱き締めて貰おうかな? めがっさ安眠できること間違いなしやでコレ。
「そこの師弟! イチャイチャしないでください、目の毒です! はーなーれーてー!」
見かねた文ちゃんが、私に抱きついているゆかりんを引き剥がす。お陰様で視界が正常に戻った。しかし、この胸に去来する虚無感は、一体?
でも、文ちゃんが顔真っ赤にして憤慨してるの可愛いので、プラスマイナスゼロという事で満足してあげることにする。何様だって? 私は、私だぁ〜!
「あら、毒とは酷い言い分ね。そんなこと言って、本当は文も羨ましいんでしょう?……仕方がないわね、私は右側から抱きつくから、貴女には今回だけ特別に左側を貸してあげるわ」
「私は物ではないのだが……いや、何でもない」
ゆかりんに物扱いされるってシチュエーションだけでお米三合余裕でパックンチョ出来る。でででっできれば、乱暴に扱って欲しいんだな。
べ、別に私がドが付くMってわけじゃないんだからね! ちょっとだけ興奮するだけで、ゆかりんの物になれば、あーんなことやこーんなことは勿論、ゆかりんの椅子になったり、ゆかりんのお布団になったり、ゆかりんのゆかりんのゆかりんのゆかりんになったりするんだぁーッ!……ゆかりんの足拭きマットになりたい、博麗霊夢です。
「むふぅー!……では、このまま再開するとしましょうか」
「流石は幻想郷最速の文屋ね、ちゃっかりしてるわ」
この性の博麗の目を持ってしても、文ちゃんという女を読めなかった。この娘の、萌えに萌え萌えした動きを……。
気付いたら左腕にしがみついていた。私の動体視力を持ってしても、文ちゃんの動きが読めなかったのである。そ、そんな馬鹿ぁんな話があるかぁん! わ、私がっ! この博麗霊夢がっ! 負けたとでも言うのかっ!(茶番)
嘘でーす、ぶっちゃけ見て回避余裕だったけど、避けたら文ちゃんが泣いちゃうかもなので、敢えて避けませんでした。さっすが私、空気が読めるイイ女ねっ!
左側に抱き付いてきている文ちゃんは、むふぅーとでも擬音が付きそうな見事なドヤ顔を披露しながらマイクを片手に司会に戻っている。……この鴉天狗の愛らしさには流石の私も閉口せざるを得ないね。
ところで諸君、文ちゃんはあややだから、ドヤ顔をしている文ちゃんは、どややでドヤァ?(輝く笑顔)
「しかし、あの早苗とパルスィがなぁ。招待した私が言うのもなんだが、意外だな」
「奇跡の体現者と、絶対悪にまで駆け上った嫉妬の化身ですものね。……見たところあの二人、随分と仲が良いみたいね」
「私が調べた情報によると、一緒にお茶したり、色々と人に話せない悪巧みをするくらいには仲が良いみたいですね」
前に直接早苗に聞いてみたら「パルスィさんとは盟友ですからっ!」ってグッドボタン連打されたからね。さなパルとか新ジャンル過ぎて、私の博麗大結界が大決壊しちゃうわ。
「「……」」
あれ? 何だか二人の機嫌がかなり悪い感じが……。
「「ぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるッッ!!」」
あ(察し)。
「か、会場が震えています! 二人の全身から吹き上がるオーラで、会場が震えています!」
「すぐに結界を張ったからこの程度で済んでいるが。……あのままだったら、会場が吹き飛んでいたな」
余波だけで幻想郷はかるーく吹っ飛んでたね。相変わらず規模が可笑しくて草も生えない。
「「ね、妬ましいわぁぁぁぁぁ!!」」
激震。
嫉妬の感情を爆発させて、奇跡の体現者と、絶対悪たる嫉妬の化身が力の限りに叫ぶ!
その凄まじさたるや、荒ぶる神の怒りすらも軽々と超越し、森羅万象の尽くを震撼させ、溢れんばかりの膨大な圧力で空間そのものを捻じ曲げてしまっている。
「私達が真面目に漫才をしようって時に、霊夢さんとイチャイチャイチャイチャとぉ!」
「煽ってるんでしょう? ねぇ煽ってるんでしょう? 嫉妬妖怪の前であんな事するってことは、そういうことでしょう? 妬み潰すぞ、あ゛ぁ!」
上から押し潰すように、下から突き刺すように。某冒涜的な邪神達も素足で逃げ出すであろう恐ろしい眼力である。
だってだって、パルスィちゃんは緑眼化一歩手前くらいの嫉妬エネルギーを全身から垂れ流しながらガチでブチ切ちゃってるし。早苗だって、奇跡の体現者の二つ名に恥じないとんでもレベルな圧力を吹き上げながら怒気を顕にしてるし。
目の前のこれが最終決戦って言われたら、何も知らない人マジで信じちゃうよ。
「落ち着け、皆怯えているだろう」
「アンタらのイチャイチャ見せつけられて落ち着けるか馬鹿ぁ!」
「羨まけしからんとはこの事ですよ! 怒りますよ!? 早苗ちゃんカム着火インフェルノォォォしちゃいますよ!?」
ちなみ怒り表現の神級は激おこスティックファイナリティぷんぷんドリームらしい(古)。
駄目だこりゃ、二人とも怒りに飲まれてて全く話が通じない。……こりゃあ一回正気に戻すためにちょっとだけガチで仕置きしないと駄目かな?(下ネタ)
「そこのお二人さんに提案があるのだけど……」
「何よスキマ妖怪」
「良いご身分ですよねぇ紫さんは、私達が必死にひーこらと漫才やってる間、ずーっと霊夢さんと思いっきりイチャつけるんですから」
「まぁ話を聞きなさいな。……ちゃんと漫才できたら、と・く・べ・つ・に、この位置変わってあげても良いわよ?」
扇を開けば、其処には随分と達筆に「報酬」の二文字が描かれていた。
「報酬、報酬ですか。……パルスィさん、此処は一旦怒りを収めて落ち着きましょうか」
「そうね早苗、さっさと終わらせるわよ……ホウシュウホウシュウホウシュウ!」
ゆかりんによる鶴の一声で、一瞬で怒りが沈静化された。……流石に幻想郷の賢者は伊達ではないと言ったところか(何から目線)。
そもそもどうして私がゆかりんとあややってイチャついて、二人がパルパルしてたのかが分からない。私が友人同士でキャッキャウフフするのはいつものことだろうに。
「霊夢はそういうところ本当に鈍感で可愛いわ〜」
「むぅ、何故撫でる」
「霊夢さんってしっかりしているようで、結構抜けてますからね」
「文も止めろ、そんな目で私を見るな」
むむむ、この乙女とキャッキャウフフに関しては百戦錬磨の霊夢ちゃんを捕まえて鈍感とは?
や、やめろぉーそんな「しょうがないなぁ」って感じの目で私を見るのをヤメルンダァー! 何か恥ずかっ恥ずかしっ! ナニコレ!? 予想以上に恥ずかしっ!? ま、まるで自分の性癖を仲が良い子に知られてしまった時の何とも言えない生暖かい視線的な威力を感じるぅぅぅ!?
「う、うぅ」
「あらあら、拗ねっちゃたわごめんなさいね」
「流石は紫さんですね、霊夢さんの師匠兼育ての親は伊達ではないという事ですか」
もぉ霊夢知らない! 早苗とパルスィちゃん見るもん!
「霊夢さんの膨れっ面も見れましたし、準備も整ったみたいなので、改めまして、ジェラシーミラクルのお二人です! どうぞ!」
知らないもん! ぷんすこ!……ふぅ、気持ちを切り替えてネタに集中する。
「いきなりだけど早苗」
「はい、何でしょうかパルスィさん」
「妬ましいが足りない」
「いきなりどうしたんですか?」
「いやね、最近の幻想郷は質の良い妬ましさが足りない」
「さっき嫉妬してたじゃないですか、アレじゃ駄目なんですか?」
「アレは私自身の嫉妬だから駄目よ」
「じゃあ私のは?」
「盟友から摂るほど私は落ちぶれてないわよ」
自分由来の嫉妬は駄目だし、盟友である早苗から摂取するのも心情的に駄目らしい。
「そもそも嫉妬心に質とかあるんですか?」
「勿論あるわよ」
「例えば?」
「近所の子供の「友達が新しいおもちゃを買ったのを羨んでいる(妬んでる)」みたいな奴なら、大体五十〜百キロカロリー、隣の家のモテ女を呪いたいほど恨んでいる女の嫉妬が大体一万キロカロリーね」
「へぇどうしてその極端な二つを並べたのか分かりませんが、取り敢えず基準はあるんですね」
「ちなみに私が一日に摂取しないといけない嫉妬カロリーは大体十万キロカロリーね」
「わぉ女のドロドロした感情十倍分。……二重の意味でよく胃もたれしませんねパルスィさん」
「私、燃費悪いので」
ドクターなんちゃら風。
「本当に死活問題よ、全く足りてないの。需要に供給が追い付いてないわ。時代が時代なら一揆よ、一揆」
「出ました一揆、百姓の本気です」
「今思えば私が妖怪になる前の頃の人間は滅茶苦茶可笑しかったわ。やたら燕を切ろうとする農民やら、怪異殺しの専門家の無駄乳お化け、その無駄乳の部下であるやたらゴールデンな武将、恨み辛みで怒り狂って嘘つき絶対コロシテヤルって感じに化けて出たお姫様……色々、いたわ(遠い目)」
「ドン引きです」
い、一体何処の型○時空の話なんだー(棒)……時代背景が滅茶苦茶なのは多分仕様だと思う(メメタァ)
「そんな輩に一揆起こされたら幻想郷なくなっちゃうじゃないですか」
「今ならもれなく酔っ払わせた鬼の四天王とかも付いてくる勢いよ」
圧制者絶対死ぬんですね、分かります。
「分かりました。そんなに欲しいのなら、この私が一肌脱いでやりましょう」
「貴女に解決できるの?」
「私を誰だと思ってるんですか、この幻想郷の奇跡を司る女──早苗様だぞ?(渾身の傲慢スマイル)」
キャァァァ早苗様素敵ィィィ抱いてェェェ!
今まで見せていた見た目相応の乙女ムーブからは全く想像も出来ないその力強い眼差し、傲慢に満ち満ちた自信たっぷりの笑みがギャップ萌えという強力極まりない魅力となって、私のハートを鷲掴みしゅる。
はぁはぁ、やっやだわたしってば、こんな人前でッ! く、悔しいでもっでもっ感じちゃうにょぉぉぉ!……早苗ってば、漫才中に私に向かって流し目なんてするから霊夢さんの霊夢さんが霊力充填百二十パーセントォォォしちゃったじゃないの!
「で、具体的に何をするの?」
「簡単です、私の奇跡の力で以て、パルスィさんが満足する嫉妬を提供させていただきます」
「出たわ、困った時の奇跡の力」
スゴイな、まるでドラ◯ンボールだ。
「どんな嫉妬が欲しいですか?」
「まるでお店でご飯を注文するみたいに言うのね」
「嫉妬専門店『麗しき奇跡亭』ってどうでしょう?」
少なくとも私は毎日通うな。
「じゃあ、先ずは怒りが強い嫉妬を頼むわ」
「畏まりました、この東風谷早苗の手に掛かれば、嫉妬の一つや二つ──」
──エマタエナカヲイガネ、ラカチノキセキガワ……。
「ユ・ル・サ・ナ・エェェェ!」
「え、呪文ダサくない?」
ダサいです(無慈悲)。
早苗の呪文と共に、光の柱が天から降り注ぎ、パルスィちゃんと早苗がいる舞台の方へと到達する。
「これは……写真?」
「霊夢さんのちょっぴり恥ずかしい写真です」
は? え、ちょm
「同じ写真が二枚もありますので、盟友であるパルスィさんにも一枚贈呈致しましょう」
「あ、ありがとう」
「次に、写真をしっかりと見つめて下さい」
「こっこれはスゴイわね」
「はい、スゴイですね。……どうしよう、鼻血が止まらないです」ボタボタ
取り敢えず鼻を拭いてどうぞ。……いや、その前にどんな写真なの? え、どんな写真なの? 待って本当にうわ恥かしいぴゃあぁぁぁ!
何度も言ってるじゃないか! 私は攻めるのは良いけど、攻められるのは駄目だとぉ! こんな公衆の目があるところで、私の恥ずかしい写真を持ってくるとかどんな羞恥プレイだよぉぉぉ! きゃあぁぁぁん!
「良いですか、パルスィさん。この写真をこうします」
ペロリ。
【悲報】早苗、私の写真を舐める【公衆の面前】……ふぇぇぇもぉやだよぉ。恥ずかしいぃよぉ。
「ちょっと早苗!? いっいきなりナニをっ!?」
「見て下さい」
「へ?……え、こっこれは!?」
周囲を見渡して絶句するパルスィちゃん。……そりゃそうでしょう。
「「ぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱるぱる!!」」
この場にいる殆どの者が血涙を流さん勢いで、怒りが混じった嫉妬の感情を垂れ流しているのだから。……これ、何ていう地獄絵図?
私はこれでも、この幻想郷でも希少価値の高い最高峰の超絶美少女(外側のみ)。……そんな美少女である私の相当アレな写真に、変態チックな行為されて怒り狂わない奴がいないわけがない。
具体的に言うならば、世界中で人気を博すトップアイドルの胸を全国放送で揉みしだいた挙句、ブラを剥ぎ取って帽子代わりに引っ被り、煽りの呼吸を極めながら逃走するくらいの勢いでヤバイ変態行為なのである。
「へぇ? 霊夢の(際どい)写真にあんな事を、ねぇ?」
目からハイライトを消失させながらドス黒い感情を吐き出す我が育ての親。
「司会の文です。司会の文です。司会の文です。司会の文です。司会の文です。……司会の、司会の司会の司会の司会の司会の文なんなんなんですですですででですよォォォ!」
何だかヤバイ具合に壊れたご様子の幻想郷最速の文屋。
私の横で漫才を見ていた二人もどうやら憤りを隠せないみたいだね。……ま、まぁゆかりんは私の親みたいなものだし、娘にふしだらな行為をしてくる輩が許せないとかそんな感じの親心だと思う。文ちゃんは多分、写真にペロペロしたのが純粋に許せないんでしょうね、彼女自分の記事で使っている写真とかにはこだわりとかありそうだし(節穴)。
「大惨事じゃないの!」
「反省はしましょう、ですが後悔は微塵もありません。……さぁパルスィさん! 遠慮することはありません! この場に溢れる嫉妬を思う存分吸収するのです!」
「量にして軽く数千万を超えているコレを食えと!? お腹弾け飛ぶわ!」
過食は体に毒なんやで。……いや、嫉妬の食い過ぎでぽっちゃりしちゃったパルスィちゃんか、有りか無しかで言えば有りだな、採用。
幻想郷の女の子は多少太ったとしても余裕で愛せる自信がある。何なら元の体型に戻るまで一緒に運動(意味深)すれば私も楽しめるしねぇ。
「ほらどうした、食えよ盟友。貴女の大好きな嫉妬ですよ、ほら」
「このっ、そろそろ本気でしばくわよっ早苗ぇ!」
「何と、まだまだ足りないと申しますか、パルスィさんのいやしんぼ!」
「お前ぇぇぇェェェエエエ!!」
これ以上ない煽り顔、私じゃなきゃ殴ってるくらいうぜぇうぜぇ。まさか早苗にこんな特技があったとはね。
強引に奇跡を押し付け、相手の神経を逆撫でにする
「仕方がないので、この東風谷早苗、更にもう一肌脱いで差し上げましょう」
「やめっ……ヤメロォー!」
「エマタエナカー……あーめんどいので省略して! ユ・ル・サ・ナ・エェェェ!」
早苗は自分で作った呪文設定を秒で投げ捨てて奇跡の力を行使する。……残念だ、早苗のダサダサ呪文が聞けないなんて。
「それは、まさか」
「ええ、そのまさかですよ」
早苗の手元にあるアレはッまさかッ!?
「えぇ、そのまさかですよ、パルスィさん。……これは──」
動悸が激しくなり、顔に熱が集中していく。身体が物凄い勢いで震え出し、目の前に広がる現実を直視したくないと言わんばかりに視界がブレ始める。
早苗、それは、それだけはっそれだけはっ勘弁しtッ
「──霊夢さんのおぱんちゅですっ!」
「ッッッ!?」
ぎゃあぁぁぁぁぁすっ!? 恥ずかしい写真に続いてにゃんてものをぉぉぉ!? しかもそれぇぇぇ! それぇぇぇえええ!!
「驚いたことに、何とこれ……脱ぎたてです」
「うっそでしょ早苗」
下半身に感じる圧倒的な違和感。袴の隙間から風がスーッスーッと入り込み、私の心に不安が募り始める。……今、私という乙女の秘密を守ってくれる純白の守護者は何処にもいない。完全な無防備を晒してしまっている。
「早苗ぇぇぇ! それは流石にアウトでしょうがぁぁぁ!」
「これは異なことを申しますね。良いですかパルスィさん、これは奇跡が導き出した最適解です! 奇跡の力は全てにおいて絶対ッ! つまり、奇跡の力によって霊夢さんの脱ぎたておぱんちゅが召喚されたとしても何も問題はございませんっ!」
「問題しかないわ! 見なさいよ審査員席の霊夢を! 羞恥で真っ赤になるの通り越して燃えちゃってるじゃないの!」
はわわわ! 熱い熱い熱いっ! 羞恥で身体中が熱くて熱くて燃え上がってしまいそうっ!(物理的にも燃えてる)。
「あはははっ! 見てくださいよパルスィさん、あの可愛らしい霊夢さんの表情をっ! あの完全無欠な霊夢さんのっ! 究極的に可愛らしいあのお顔をっ!」
「くっ悔しいけど同意せざる得ないわ! 羞恥の余り目を回し動揺してる霊夢は確かに可愛い!」
やめてよね。本気で辱しめられたら、私が君たちに勝てるわけがないじゃないか。
「そして、残念ですね! この霊夢さんの極上な羞恥心を引き出すことが出来るのは……この私の奇跡の力しかありません」
「「ッッッ!?」」
会場が震撼する。
早苗は、東風谷早苗という女は何時でも何処でも奇跡を願えば、博麗霊夢を自由自在に辱しめる事が出来る恐ろしい力を有しているのだと。……別に何でも良いけど、これ以上辱しめを受けたら流石の私でも恥ずかしさの余り蒸発するぞ、おらぁ。
「嘘だッッッ!」
「早苗だけの特権……こんな、こんな妬ましいことが他にあるのかっ!」
「あたいさいきょーだけど、奇跡は無理だったよ! ガッデムホォォォットォ!」
「「ぱるぱるぱるぱるぱるパルパルパルパルパルっっっ!」」
会場中の乙女達が咆哮している。
守矢の神々が、氷の妖精が……ありとあらゆる種族の乙女達が血を吐かんばかりの勢いで、心の底からどうでも良いことを全力で叫んでいる。
種族の壁なぞ関係ない。この場にいる全員が共通の想いで吼えている。……何コイツらヤベェ(本日のテメェが言うな案件)。
「ふっふっふっ、刮目してごらんなさいパルスィさん、これが悲しみに満ち満ちた嫉妬です! さぁ存分にお食べなさい!」
「だから無理だって言ってるだろうが、この阿呆」
「これこそが
「は・な・し・を・聞・け!」
早苗はまさにゴーイングマイウェイ。最早誰にも止められない。
「さぁて、次は何を……もといナニをして差し上げましょうか」
傲慢に、妖艶に。興奮で頬を朱に染めながら、全身から溢れんばかりの劣情を放出させている奇跡の体現者、名は早苗。
私の下着を剥ぎ取る以上のナニって何だ。あんまりな目力に流石の私でも身の危険を感じざるを得ない。
具体的には巫女の一点の穢れなき柔肌がこの場で晒されてしまいそうな予感がする。……全部っ全部持っていかれてしまうッ!
「奇跡を唱えましょう。奇跡を
「……ヒェッ」
足がすくんじゃう、だって女の子だもん。
あぁこのまま私は公の場で全てを晒されてしまうのね。あの傲慢な女に全てを暴かれてしまうのね。
ちくせう何時もなら反撃でお仕置きするから、ここまでの辱しめは受けないのに。お仕置きしようにも漫才中だから手を出せぬ。……ぐぬぬ、くっころぉ!
「ぐへへっ! れ・い・むさぁ~ん!」
下衆顔を晒しながら、両手をワキワキさせて近付いてくる早苗に、流石の私でも(性的な)身の危険を感じざる得ない。……くっクルナァー!
「いい加減にしろぉぉぉ!」
「げっふぅぅぅ!?」
えええぇぇぇぇぇ!?……さっ早苗が上に吹っ飛んでいった。土手っ腹に素晴らしい一撃を食らってしまった為だ。
「ふぅーっ! ふぅーっ!……あぁぁぁ! スッキリしたぁ!」
下手人は早苗の相方であるパルスィちゃんその人。好き勝手に暴れ続ける早苗の土手っ腹を、いつの間にか手に持っていた槍で凪ぎ払ったのだ。
まさに一蹴。油断していたとはいえ、あの早苗が、傲慢なる奇跡が、ただの一撃でぶっ飛ばされた。
「って、え?……何っ、これ?」
パルスィちゃんは戸惑いの表情を浮かべている。……無理もない。何故ならパルスィちゃんの姿は
獅子の鬣の様に靡く長髪。緑色に煌々と光輝く両の瞳は瞳孔が開き、頬にかけて虎を思わせる模様が浮かび上がっている。
その歯は牙へと変わり、あらゆるものを噛みちぎり砕いてしまうだろう。両手の爪はより鋭利に研ぎ澄まされ、触れただけで切り刻まれてしまいそうである。
「何です、パルスィさん……その、姿は」
あの早苗も普段の傲慢さを綺麗さっぱりと引っ込めて、その顔に驚愕を張り付けている。
それは当然だろう。からかっていた相方が、いきなり自分に匹敵しかねない領域まで変化を遂げてしまったのだから、驚かないわけがない。
「……成る程、そういうことか」
周囲を見回して、パルスィちゃんの身に何が起こったのかを理解した。
「あーうー……頭、いたぁ」
「ぐぬぅ……さっ早苗ぇ、お前が滅茶苦茶するからだぞぉ」
「あたい、つかれたよー!」
消えていた。
あれほど荒れ狂っていた、愛と怒りと悲しみの嫉妬が全て綺麗さっぱりと消え去っていたのだ。急激な感情の変化により、観客の皆は一人残らず崩れ落ち、全身を襲う虚脱感に混乱している。
この場に満ち満ちた怒りと哀しみの嫉妬心。
パルスィちゃんは吸収したのだ。神が妖怪が人が、あらゆる存在達が生み出してしまった感情を吸収してしまったのだ。
この場にあったありとあらゆる種族のごちゃごちゃちゃんぽんな嫉妬の感情を吸い取ってしまったのだ、何も起こらないわけがない。
「あの槍……凄まじいな」
そして、パルスィちゃんがいつの間にか手に持っていた槍。……あれが相当ヤバげな代物だったりする。
パルスィちゃんが吸収した怒りと哀しみの嫉妬。……二つのうち、怒りの嫉妬から作り出されたその槍は、対人外用の最終兵器だ。
ただの一刺しで大抵の人外に致命傷を負わせ、持つ者には強靭な肉体と莫大な妖力を与えるだろう。
「ふ、ふふ、流石は我が盟友パルスィさん。此処にきて大きく化けましたね。……というか、食べきれないって言ってましたよね?」
「食った端から消費したに決まってんでしょうが! 馬鹿! ほんっと馬鹿!」
パルスィちゃん曰く、吸収した瞬間にエネルギーを全て自分のパワーへと変化させていったらしい。
(スーパー守矢神とかを含んだ)大量の嫉妬エナジーを存分に吸収していったのだ。……あんなデタラメちゃんぽんしたら、そりゃパルスィちゃんも強力進化しちゃうよね。
「こんな姿になるとは思わなかったけど、これであんたの暴走を止められるわ!」
「いだだだ!? いたっ痛いです、痛いですってパルスィさぁぁぁばばば!? 爪っ刺さってるぅぅぅ! 刺さってますからァァァ! 死んじゃう! 死んじゃいますぅぅぅ!」
見事なアイアンクローが早苗の頭部を襲っている。……流石にお痛が過ぎたから博麗の巫女も弁護してあげない。
公衆の面前で辱められて博麗の巫女、それなりにおこなので絶対に助けてあげない。……それよか、その手に握り締めているパンツ返して。
「貴女が好き勝手するから後のネタ全部飛んじゃったじゃないの! 観客もドン引きしてるし、いい加減にしなさいよ!」
「は、ははっ反省はしています、だけど後悔はしません……それと、霊夢さんのパンツも返しません。断固拒否します!」
「そう……ねぇ知ってる? 人間の頭部って圧力を掛けるとザクロみたいに弾け飛ぶらしいのよ」
「……」
「……(ニ゛コ゛ォ゛)」
パルスィちゃんは、とってもえがおがきれいですね。
「……ぱ、パルスィさん」
「何かしら、早苗」
「調子こいてすいませんでした、何でもするので許して下さい(泣)」
ん、今何でもするっt。
パルスィちゃんの高度な交渉術(脅し)の前には流石の早苗でも無力だったようだ。……いや、一瞬だけ緑眼の目で超絶至近距離から睨みつけられたら誰でもSAN値チェック不可避だと思う。
ちなみに私がパルスィちゃんの緑眼なお目々で睨みつけられたら、パルスィちゃんのことをもっと好きになって、緑眼と化したパルスィちゃんに大怪獣プロレスを吹っ掛けるかもしれないね。……はいはい、業が深い業が深い。
「……次やったら、生爪剥いだ後、傷口に五寸釘を打ち付けるから」
「……ヒィッ!」
流石の早苗も今の状態だと、パルスィちゃんには逆らえないみたいだね。……まぁ、無理もないか、だって今の早苗って、かなり弱体化しているんだもの。
今回、早苗は奇跡の力で二回ほど願いを叶えた。
一つ目は、この世界には存在しない筈の、私の恥ずかしい瞬間を収めた写真を奇跡の力で強引に、この世界に生み出した事。
二つ目は、実力が大きく掛け離れている存在に対して奇跡の力を行使し、その身に付けている衣服を、パンツを奪い取った事。
特に最後に行ったパンツ剥ぎ取りが拙かった。……写真ならまだしも、パンツを剥ぎ取るということは、私に対して術を行使しているに等しい行為だ。
そう、仮にも幻想郷最強の人間である私に対して術を行使してしまったのだ、色んな意味で最強な私にね。
「あぅ、こっ困りました。奇跡は暫く使えないですし、どっどうしましょう」
奇跡の力を一切使えないただの人間。……それが早苗の現状である。
私という存在から何かを奪うという許容範囲を大きく超えた奇跡は、早苗から一時的に奇跡の力を使えなくしていたのだ。……力を使い果たした早苗は最早何の抵抗も出来ない無力な少女でしかない。
この場にいる誰よりも弱い、何の力も使えない現人神。……今の早苗では、それこそただの村人にすら容易く力負けしてしまうだろう。
「……」
薄い本が厚くなりますねぇって事ですね、分かりmジュルリジュルリ。
「これってもしかしなくても、漫才終わったら、私とっても不味いことになるのでは!?」
「見なさい霊夢の顔を……まるで新しい玩具を買って貰った子供みたいにキラキラ輝いているわ。ざまぁないわね、早苗」
「パルスィさん、せめて後三時間くらい漫才引き伸ばしませんか? 私の一生のお願いです」
「……」
「……」
「ゆっくりして逝きなさい。……お疲れさまでしたぁぁぁぁぁ!」
「ですよねぇぇぇぇぇ!」
早苗、お前の敗因はただ一つ。……テメェは私(とパルスィちゃんと他大勢)を怒らせた。
「わっ!? ちょっとmモガッ!? むーッ!? むーッ!?」
逃げようとする早苗を光の速度で捕獲し、えっどい感じに縛り付けてみた。……これからどう料理してくれようか、ぐへへへへへ!
「はい、では霊夢さん、早苗さんにお仕置きする前に点数をお願いします」
早苗のお仕置きは後にして、取り敢えず点数を付けてやらねばならない。
やらかし具合はともかく、漫才の質としてはある程度纏められていて結構よく出来ていたのではないかと思う。
「そうだな、ジェラシーミラクルの点数は──」
──永劫回帰。
「例によって意味が分かりませんが……どういう意味で?」
「永劫回帰──それは一人の男の「納得の行く結末以外を認めない」という想いが具現化された回帰する宇宙。魔名
「やっぱり何を言っているのか分からないです」
「分からずとも理解せずとも良い。……貴女に恋をした文グリット、どうか跪かせて欲しい花よ」
「ちょっ今度は足ぃ!?」
アクタ・エスト・マレフィキウムゥッ!
まず感じたのは『視姦』――求めしものは未知のお触り
見ている 眺めている 触りたい ペロペロしたい
ああ何故 総てが魅力的に見えるのだ
輝く女神達よ 宝石達よ どうかその愛でもって 楽園へと連れて行っておくれ
あなたに恋をした(色んな女性の名前)! その総てを手にするまで
那由他の果てまで見守り触れん──辛抱解禁!
武器(意味深)も言葉も(美少女を)傷つける
Et arma et verba vulnerant Et arma
順境は友を与え、欠乏(欲が満たされない的な意味で)は友を試す
Fortuna amicos conciliat inopia amicos probat Exempla
運命は、軽薄である(軽薄な女神すこ) 運命は、与えたものをすぐに返すよう求める(だが、返さない)
Levis est fortuna id cito reposcit quod dedit
恐れは望みの後ろからついてくる(追跡者的な意味で)
Spem metus sequitur
喜んで(ナニを)学べ
Disce libens!
「──暗黒変態参上」
それは『この世のありあらゆる者(美少女)を見て触れ合いたい』という渇望により生まれた観察の宇宙。この幻想の地に存在しているありとあらゆる存在を見守り(SECOMなミカン)、是が非でも触れ合いたい(意味深)とする執着は、幻想という概念そのものすらも捕らえ、己の内側へと取り込んでいく。
過去未来現在、多元世界からあらゆる可能性に至る不確かなものさえも取り込んだ極大の宇宙は、幻想の箱庭さえも超えてあらゆる可能性を侵食し始める。……観察と(過度な)触れ合いを伴って。
「ふぁっ!? くぅんっ!?」
そう、見てるだけでは足りない、まるで足りないのだ──故に触れる、愛しい文グリットから齎される全てに触れるのだ。
その柔らかくきめ細かく滑らかな素肌を隅から隅まで撫で回して堪能し。吐き出す吐息を、文グリットが存在している空間ごと肺に取り込んでそのまま血肉へと変換する。
彼女が足を付けた大地を切り出し、博麗神社にある文グリットコレクションの一つへと加え。彼女の愛らしい唇から紡がれる声を、矮小なる我が脳髄でしかと受け止め、余すこと無く記憶していく。
「あぁ、その瞳が、その手が、その足が、その翼が、その声が……君を構成している全ての要素が愛おしい」
「れっ霊夢さん!? 駄目です! これ以上は駄目なんです!」
足に頬を寄せ、ゆっくりと愛撫しながら頬を擦り付ける。……何という甘美な感触。
まるで巨大なマシュマロを抱き寄せているかのような……甘い甘い幸福が私という存在を包み込んでいる。
彼女の黒曜の髪の毛の一本一本から、美しくスラリと伸びた足先の僅かな角質に至るまで、その全てが愛おしい。
この感情こそ、まさに愛。幾度生を繰り返そうとも、幾度転生しようとも決して色褪せることのない極限の感情が、物理的接触を伴って文グリットへと還元されていく。……うっ、ふぅ。
「……」
「あれ? 霊夢さん? おーい!……いきなり固まってしまいました」
文グリットって何だよ。冷静に考えて頭可笑しいな、大丈夫か私(大丈夫ではない)。
どうやら私はまだまだ錯乱していたらしい。
早苗のやらかしは近年稀に見るほどに盛大だったからね、仕方ないね。
公衆の面前で私にあんな事をやらかすとか。……早苗ェ、本当に許さんからな早苗ェ。
同じように公衆の面前で辱しめてやる覚悟しろよ、マジで早苗ェ。……早苗ェは絶対許早苗ェ。
そして、ついさっきの私の事を宇宙的暗黒大変態とか言った奴は逆さに吊し上げて、強制股裂きの刑な。……裂○るチーズみたいにしてあげるよ(ハイライトOFF)。
「……すまない文。少々、いやかなり混乱していたようだ」
「あやや、私の事を文グリットって言うくらいですからねぇ……流石の霊夢さんでも早苗さんの一件は堪えましたか」
「霊夢は意外と繊細なのよねぇ」
それな。……(性的な)攻めに特化した分、(性的な)受けは苦手なのよ。
何度でも言うが、私の紙装甲を舐めるな。マウストゥマウスを無理矢理されただけでくっころ即落ち女騎士よりもヒドイ、ひぎぃぃぃな様を披露することになるぞ。
「そうだ、私はこれでも純情だ。……だから早苗は許さない。絶対にっ絶対にだ!」
「あらあら、霊夢ったら。そんなにむくれちゃって、折角の凛々しい顔が台無しになっちゃってるわよ?」
ゆかりんが優しくほっぺをムニムニしてくれてるけど、早苗は絶対に許してやんないもんっ! ぷんすこっ!
「むぅー!? むぅー!?」
早苗は何かを目で訴えてきている。……何々「何でもするので許して下さいお願いします。二度とこんな非道な真似はしません。許して下さいお願いします。今なら早苗ちゃん特製の守矢せんべえも一緒にお付けしますので、許して下さいお願いしますぅ!」だって?
もうっ早苗ってば、お前は絶対に許早苗ェって言ってるでしょ?(一考の余地なし)……私が満足するまで離さないんだからぁ!
早苗は好き勝手やった。なら今度は私も好き勝手しても良いでしょ?(普段からやりたい放題)
「あっ、そろそろ切りが良いので一刻程休憩を挟みます! ご飯を食べるなり、一眠りするなり、お仕置きするなり、各々方好きになさってください!」
おやおや丁度良い。……楽しい楽しい休憩時間にしましょうねぇ(暗黒微笑)。
「むっ、むっ──」
──むぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうううううッッッ!?
助けを求める早苗の呻きが木霊したが、無論誰も助けに来なかった。
早苗はやらかし過ぎたが故に、その代償を己の身体で支払うことになったのだ。……早苗は犠牲になったのだ、私のパンツの犠牲にな。
何と上下構成である。