自分の目を疑った「ファッ!?」ってなった。
嬉しすぎて書きまくってたら、気付いたら一万文字超えていた。
書き終わってから「……は?」ってなった。
突然だが、衣服とは何なのだろうか?
身に付けるもの? 知性ある生命体のみに許された文化の象徴?……本当にそんな単純なものなのだろうか?
曰く──最初の人間、アダムとイブは全裸であった。
衣服などという窮屈なものは一切身に付けておらず、フルティンをブンブン振り回し、オパーイをユサユサと揺らしていた。……それこそ動物と同じように、全てを曝け出し、丸出しのまま生きていたのだ。
ある日、アダムとイブは悪戯な蛇に騙されて、神の言いつけを破り、知恵の実を口にしてしまう。
これにより二人は知恵を身に付けた。……そして、何故自分達はこんなに恥ずかしい格好をしているのだろう? と、羞恥に悶えたのである。
羞恥に耐えきれず、二人は葉っぱや蔓などで即席の衣服を作り、身に付けた。胸を、股座を、大事なところのみを隠すことしか出来ない、本当に必要最低限の衣服だった。……これが最初の衣服である。
アダムは思っただろう、あれだけ見慣れていた筈のイブの素肌が、何故こうも美しく見えるのだろう? どうして私の股座にあるモノはこうも激しい熱を帯び、いきり立っているのだろうか?
イブは思っただろう、どうしてアダムは私の胸と股の方を舐め回すように見ているのだろう? あの股座にある巨大で恐ろしく脈打っている黒々とした物体は何なのだろう?
神は言ったことだろう。……おまいら追放ね。
楽園から追放された二人は、知恵を身に付けた反動で、盛りに盛った事だろう、何もかもが初めてで新鮮極まりない。こんな気持ちが良いことが、この世にあったのか、とドッキング作業を繰り返した事だろう。
アダムは悟った筈だ。
何も身に着ていない時よりも、何かを身に着けている時の方が興奮するッ!……隠されている物にこそ、僅かに見える隙間にこそ、神秘が生まれるのだと、理解したのだ。……恐らく、これこそがエロスの原点。
熱く長々と語ってしまったが、つまり私が何を言いたいのか。……それは、衣服を身に着けると瞬間的にエロスが増幅されるのではないか? という非常に哲学的な考えなんだよ、ワトソン君。
別に全裸が悪いわけではない、全裸はシンプルに魅力的だ。何も身に付けていない故に全てを見ることが出来る、その女性の自然体の魅力が余すこと無く表現されている素晴らしい状態だ。
だが、私は思うのだ。……衣服を身に付けることで、女性たちの性的な魅力を、より一層輝かせる事が出来るのではないのか? むしろ着ている方がより上質なエロスを表現できるのではないのか?
想像力を、想像力を高めてみて欲しい。
ミニスカートで足を組んで座る女性がいるとしよう。
足を組んでいるが故に、引き上げられたスカートの裾。そこから伸びている美しい足。更に奥へと目を凝らせば、そこに見えて来るものがある。……そう――白だ。穢れのない純白が、視界に映る筈だ。
白だけではない。そこには数多くのバリエーション……否、夢がある筈だ。大人びた黒、情熱的な赤、青春の香りを醸し出すストライプ、あるいは健康的でメルヘンチックな毛糸だってあるかもしれない。……その光景にこそ、我々は宇宙の神秘にも似た無限に等しい輝きを投影することが出来るのだ。
その時の心理にこそ、我々が求めたエロスがあった。……そう、チラリズムだ。
チラリズムには、衣服は決して欠かせない存在だ。どんな服でも良い、ちょっと動いただけで、中身がぽろりしてしまいそうな服装でも、それこそ露出が最低限な服装であっても、服越しに垣間見える瞬間にこそ、絶大なる希望が宿るのだ。……それは隠す物、衣服無くしてチラリズムは有り得ない。
様々なチラリズムがある。
衣服の数だけ、チラリズムがあると言っても過言ではない。
壊れかけの鎧から覗く素肌。乱れた着物から垣間見える素肌。メイド服から覗くガーターベルトに覆われた素足。スカートとニーソが生み出す絶対領域。
その全てにチラリズムがあり、オンリーワンのエロスがある。
私はチラリズムを、女性としての魅力を最大限にまで高めるチラリズムを、世界に、この幻想郷に広めていきたいと考えている。
つまりエロス溢れる衣服を、この幻想郷に存在する全ての美少女達に着て貰いたいと、考えているのである。……いや、ぶっちゃけよう。私がエロい服作るから、それを身に着けてエロいポーズして欲しい。眼の保養になって貰って、そのまんま私と弾幕ごっこ(意味深)して欲しいんだよ。
幻想郷の少女たちは、少々美意識に無頓着なところがある。それぞれ個性溢れる魅力的な服装をしてはいるが、そこには幻想的な美しさはあっても、垣間見えるエロスが足りないのだ。
私が趣味で服を作っている理由はそこにある。……幻想郷の少女たちを私の手でエロカッコ良く、もしくはエロ可愛くコーディネートしたいのだ。
既に私の魔の手に落ちた者は数知れず、少なくとも私の知り合いの美少女達は、私が丹精込めてハンドメイドした衣服を着用して貰っている。メイド服とかの色物系とか、シンプルに可愛らしい物とかね。……ゲヘヘ、奴ら自分が私色に染められていることも知らずに、ノコノコ服を強請りおって(暗黒微笑)。
私の作る衣服は、少女たちの個性を尊重し、少女たちの固有の魅力を最大限にまで引き出す。
例えば、魔理沙たんになら、彼女の快活な微笑みと、元気一杯な少女像を最大限に活かすために、スポーティで健康的なエロス溢れる衣服。……運動部女子をイメージさせる、制服とジャージ、更にはスパッツの組み合わせ。
ゆかりんになら、彼女の余裕溢れる笑みと、大人の女性としてのイメージを損なわせない、アダルトで扇情的な魅力を醸し出す衣服。……胸元、背中を大胆に開いたチャイナドレス、スリットは大きめにカット。
逆に意表をついて、それぞれのイメージにそぐわない服装をさせてみたりするのも面白い。
胸元がブカブカで丈も合わない服装で、子供が大人振っている様にしか見えない魔理沙たん。「やくもゆかり」と書かれた名札を胸元に、パッツンパッツンな園児服を身に付けた、明らかに無理があるゆかりんさんじゅうななさい。……ムフフ、想像するだけでも涎が出てくる、こりゃあ辛抱堪りまへんな。
また、私が普段身に付けている衣服も、当然私自身で手掛けた作品である。
原作の博麗霊夢の服装をベースにした、黒を主軸に置いたデザインの巫女服で、ところどころで赤の色合いを混ぜ込むことで、ダークで妖艶な魅力を醸し出すことに成功した。
博麗の巫女の伝統的なスタイルである、大胆な脇の露出を維持しつつ、私は更に巫女服の前を開かせてみた。全開である。
だが、残念だったな。中には黒のインナーを着込んであるから、おっぱい丸出しなわけではないぞ。……ただインナーがピッチピチに張り付いているため、胸のラインどころか、先端部分の乙女の果実の形までもがハッキリと見えるだけである。ちくび。
そして、黒のインナーにはおしゃれポイントとして、胸の谷間の下部分に穴を開けている。所謂ところのパイ○リ穴である。誰のイチモツも挟むつもりねぇけど、エロカッコイイから付けてみた。……別に痴女ではない、痴 女 で は な い*1。
更に頭のリボンは原作の博麗霊夢よりも長くしてみた、そうすることでポニーテールとの鮮やかなコントラストを演出し、まるで花魁の如き豪華できらびやかな魅力を演出する事に成功したのだ。
磨き抜いた美貌を極限まで引き上げる、それを成功させた私の作品の中でも上位に入る逸品だという自負がある。……言っては何だが、私以上の美少女は、この幻想郷に於いても、そうはいないことだろう(渾身のドヤ顔)。
そんな私には裁縫仲間という奴がいる。
その仲間とは、アリス・マーガトロイド。……通称、あーちゃん。私の裁縫技術の先生であり、一緒にお茶したりする仲でもある美少女だ。
まるで人形の様な、という言葉をそのまま体現したかの様な美少女であり、柔らかそうな金のショートヘアーに、宝石みたいな青の瞳をしている。
服装はノースリーブの青のワンピースに白のケープを羽織り、頭には赤いリボンがヘアバンドのように巻かれている。……可愛いトリコロールだな。まるでキャンディじゃねぇか、ペロペロさせろよオラァ。
また、あーちゃんは人形作りの天才でもあり、度々人里の方で人形劇を披露している。……ちなみに私は、これまであーちゃんの人形劇を一度も見逃したことはないため、皆勤賞である。私が見に来る度にちょっと嬉しそうにするあーちゃん可愛いよ、あーちゃん。
人形劇の内容も、ちょっとメルヘンチックで乙女な内容なところもポイント高いよ。あざとい、流石あーちゃんあざとい。……一緒に不思議な国(意味深)に行きたいですな〜。
今日は、そんなあーちゃんとのお茶会がある。
自分達が作った作品の見せ合いっこをしつつ、お菓子を食べて、お茶を飲んでお話したりしながら、イチャイチャするのである。……いやーあーちゃんのクッキーは、本当に美味しいから毎回毎回楽しみなのよね。絶対、嫁にしたい、する、した。
まぁ、本日のお茶会はこれまでとはちょっと違った雰囲気になるかもだけど、ね。
隣にいる人物に視線をやる。何が楽しいのやら、今日も今日とて、ニコニコと元気一杯な普通の魔法使いの少女。
「……? どうしたんだ? 霊夢」
ズバリ、魔理沙たんが付いてきているのでござる。
おっふ、不思議そうに首傾げんといて、白昼堂々襲いたくなっちゃうよ。その綺麗な金の髪を弄びながら、魔理沙たんの大事な大事な魔理沙たんを私の舌先でペロリとしたくなっちゃうよ。
以前、何時になくグイグイきて可愛かったので、ついつい連れてきてしまったのである。ちなみにあーちゃんにはまだ言ってない。事後承諾する予定である。……この言い方だと、私があーちゃんとヤッてから、けこーんする流れっぽくて正直興奮する。
あーちゃんには「誰も連れて来ないで、一人で来てね」って上目遣いで言われてるけど、両想いであろう魔理沙たんなら別に問題ないよね!
むしろ私が助け舟を出して、この二人の仲を取り持ってやろうかねぇ。……恋の伝道師ラブアンドピース*2とまで称された私の手助けを受ければ、その日のうちに既成事実すらも作れるまであるぜ! フハハハハハッ!……平和になってんじゃねぇか。
「いや、本当に付いてきて良かったのか? と思ってな」
「またそれかよー、いい加減しつこいぞ?」
「お前が退屈そうにしていても可哀想だからな、念を入れて言っているんだ」
「私が行きたいんだ……それとも、霊夢は私に来て欲しくない、のか?」
なして涙目になるん? 一滴残さず舐め取るよ? むしろ別のところまでペロペロするよ? むしろその身体をペロペロしても良い?……ペロペーロペーロペロペロ♪ ペロペーロペローペロー♪*3──圧 倒 的 出 落 ち。
盛大に醜態を晒してしまった私である。大変カッコ悪い事この上ない。
しかし、此処に来て、そんなの関係ねぇッッッ!!! と言わんばかりに、私の身体が勝手に動き出した。……は、覇王モード先輩! 覇王モード先輩じゃないっすか! 今日もお仕事お疲れ様です!
私の手が魔理沙たんの頭に伸び、優しく梳くように撫でる。同時に少しだけ屈んで、魔理沙たんとしっかりと目を合わせる。
「本当にお前は可愛いやつだな。……来たいなら来ると良い。出来る限り退屈しないようには努力しよう」
「──ッ!? ああ! 分かったぜ!」
パァーッと花開くとは、こういう事を言うんだね。
花が満開になった時の様な、とても綺麗過ぎる笑顔を魔理沙たんから頂戴しました。……ただただ無言で、脳内カメラのシャッターを切りまくる。そして、魔理沙たん専用フォルダに保存して、複製しまくる。
ふぅ、やっべぇ本気と書いてマジで浄化されるとこだった。……本当、魔理沙たんはマイエンジェルだよ、マイエンジェル。いずれ堕天させる予定だけど、本当にマイエンジェルだよ。
マイエンジェル魔理沙たんも元気になり、暫く歩いて、漸く目的の場所に到着である。……つまり、あーちゃんのお家に到着したって事だね。
あーちゃんのお家は、ドールハウスをそのまんま大きくしたみたいに、とても可愛らしいデザインをしている。白い壁に、赤い屋根、そして、レンガ造りの煙突からは白い煙がポカポカと出ている。……まるで自分が童話の世界に迷い込んでしまったかの様にメルヘンチックな光景だ。
いつものようにノックを一定のリズムで三回ほど鳴らす。
「はい、どちら様で──あら、霊夢じゃない。遅かったわね」
「すまないな。……代わりに今日はお客様を連れてきたぞ」
「よ、よう」
「魔理沙?……霊夢、誰も連れてこないでって言ったわよね?」
「置いていこうとしたら愛らしく拗ねてな。余りにもいじらしくて、つい連れてきてしまった。……約束を破ったことについては謝罪する」
「はぁ、貴女って人は……仕方ないわね。良いわよ、入ってちょうだい」
ちょっとモジモジしている魔理沙たんテラかわゆす。
それと、なしてあーちゃん不機嫌なん? 想い人を連れて来たのにそっけないのはこれ如何に?
ふむふむ。……ハッ!? そういうことか! 「べ、別に貴女が来てくれて嬉しいわけじゃないんだからね! 魔理沙の事が大好きだなんて、全然思ってないんだからね! 勘違いしないでよね! ぷんぷん!」って事かっ!? あーちゃんツンデレさんやったんや! 新しい発見や! 私もツンツンされたい! ツンツンされだいッッッ!!!
「そこに座っていて、すぐに準備するから」
「手伝おう」
「そう? なら手伝ってもらおうかしら」
「ああ……魔理沙、物珍しいからとアレコレ触らないで、良い子にしているんだぞ?」
「普通に待てるって! 子供扱いすんなよ!」
「そうね、魔理沙は 良 い 子 だものね」
「バカにしてんのかアリス! さっさと行け!」
こわぁい、魔理沙たんが怒ったぁ。……いやいや、その怒り顔も素敵だね! もっと怒らせたくなっちゃうよ!
それにしても、イジメっ子なあーちゃんもテラかわゆす。基本的にいつも無表情なのに、こんな時だけニヤッとドヤ顔しているのが本当可愛い。……これは是非とも、私にも意地悪して欲しい。私にも意地悪を、性的な意地悪をしてくださぁぁぁい! はあぁぁぁん!
「はい、これと、これを運んでちょうだい」
「分かった。それにしても良い香りだな。……ふむ、この香りはアーモンドか?」
「よく分かったわね。今日はアーモンドクッキーにしてみたの。表面はビターチョコレートを塗って甘さを抑えてみたわ。……その、貴女の口に合うと思って」
「私の好みなんて教えたか?」
「これだけ一緒にいたら、流石に覚えるわよ」
「フフッ、ありがとう、アリス」
「ど、どういたしまして」
ほんま、あーちゃんは友達思いの良い子や! お姉さん、感激し過ぎて、思わず心のマーラ様が
幾度、続けたお茶会で
何度も交流続けたが、
友の善意を身に受けて
うん千回目の〝侠客立ち〟
自主規制をも刻まれて
一歩も引かぬ〝侠客立ち〟
とうに理性は枯れ果てて
されど倒れぬ〝侠客立ち〟
とうに理性は枯れ果てて
女一代〝侠客立ち〟
花○さん、ごめんなさい。謝りますので握撃*5だけは、握撃だけは勘弁してつかーさい。
「お、来たか」
「はぁ、何をしているんだ?……私の記憶が正しければ、大人しくしていろ、と言った筈なんだがな?」
「宝探しだぜ!」
何そのドヤ顔、ドチャクソ犯したい。……やれやれ、すこーし目を離したら途端にコレだよ。
数分前まで整理整頓が行き届いた洋室が──何ということでしょう。辺りに本や何やらが散らばり、この家の持ち主の物であろう、服やら下着やらが散乱している光景に生まれ変わりました。……あーちゃんの下着とか、私とっても気になるんですけど? 貰って良いんですかね? むしろ食べたい。出来れば着用済みだと嬉しいです、はい。
匠の仕事には、この博麗の巫女も脱帽せざるえない。……こんな事をした仕立て人にはお仕置きを、お仕置きをしてあげねば、はぁはぁ。
だ、大丈夫だよ、魔理沙たん。最初は痛いかもだけど、後からどんどん気持ちよくなるだけだから、ちょーっとだけ、お姉さんとイヤらしい組体操の練習するだけだから、天井のシミ数えているだけで全て終わるから、ね?
「なーにーがー宝探しなんだ、この悪戯娘!」
「いふぁい! いふぁいってりぇいむ! はにゃせっ! はにゃせっちぇ!」
このほっぺか! このむちむちほっぺがいけないんか! このっ! このっ!
八割本気の冗談はさておき、この腕白天使にはちょっとした罰を与える事にする。これまでありとあらゆる悪戯っ娘たちを改心させた博麗の巫女が誇る最終奥義、ほっぺたふにふにの刑だぁ! これを食らった相手のほっぺは必ずすべすべになりゅぅぅぅ!
おーりゃおりゃおりゃおりゃおりゃっ! すべすべにぃ、すべすべになるんだよぉぉぉ! この悪戯天使めがぁ!……ふっふっふっ、私の尋常ではないこねりスキルの前では、流石の魔理沙たんも抵抗出来ないと見えるな、クケケケケケッ!
「ふにゃぁぁぁ!?」
「この通りだアリス。一応、罰は与えているから、許してやってくれないか?」
「はぁ、別にいいわよ、片付けは人形にさせればいいし。……そんな事よりも、お茶にしましょうか」
「ああ、了解した」
「はぁぁぁにゃぁぁぁしぇぇぇっっ!!」
こらこら大人しくしなさい、まだまだお仕置きは続くからね。……しばらくこねてやるから覚悟するんだなぁ。
悪戯の罰は重たいのである。……全く、悪戯するならあーちゃんじゃなくて、私にしろっての! 無論、性的なものでお願いします(渾身の土下座)!
「それで、今回はどんな服を見せてくれるのかしら?」
「ああ、今日は――」
何やかんや、色々あったけど、お茶会が始まった。
いつも通り、私が作成した衣服を見せ、あーちゃんの感想を聞く。あーちゃんの裁縫技術は幻想郷一といっても過言ではない。そのため、とても参考になる意見をくれるから、本当にありがたい。
この時のあーちゃんの真剣な表情は、とても美しい。そんじょそこらの芸術品では表現する事の出来ない、神秘的な美しさを持っている。……正直、お金取れるレベルだよ。いや、本当と書いてマジの方で。
そんなお金が取れるレベルの美貌を、ドロっとしたケフィアでペイントしたい、とか邪な事を考えている私は相当な変態エロスケベなんだろうか? ええ、とっても(無慈悲)。
「……霊夢? 私の顔に何かついてるかしら?」
「フフッ、すまない。余りにも綺麗でな。……少し、見惚れていただけだ」
「き、綺麗って……ばか」
はい、本日の「ばか」を頂きましたぁ! ありがとうございますっ! ありがとうございますっ! これだけで後百八年(煩悩の数と一緒)くらいは戦えます!
あーちゃんは頬を真っ赤に染めて、そっぽを向いている。未だに褒め言葉に耐性がないとか、本当可愛いよね。
私が褒める度に、こんな魅力的な表情を拝ませてくれるあーちゃんは、本当もう私のベストフレンドと言っても良いよね! いずれはベッドの上でその顔見せてね! 博麗の巫女との約束だよ!
ゆびきりげんまん、嘘吐いたら、胸千回揉ぉぉぉますッ! 指切ったッ!……何故だろうか、約束を守っても欲しいし、破って欲しいとも思っている、何というジレンマ。
「なぁなぁ霊夢! これ見てくれよ! アリスのやつ、何か面白そうなものを書いて――」
「きゃああああああ! それ私の日記! 返して、返しなさいよ!」
魔理沙たんは大変な物を奪っていきました*6。あーちゃんの日記です。
部屋の中を、普通の魔法使いと人形師が駆け回る。せっかく、上海や蓬莱といったアリスの可愛らしい人形たちがお片付けしてたのに、まーた振り出しに戻った。心なしか人形たちもションボリしている様に見える。……あーちゃんの作る人形も美少女多いよね。
あんまりにも可哀想だったので、ちょいちょい手招きして、一体一体を膝に乗せて頭をナデナデ。
おーよしよし、頑張ったのにね。偉かったねぇ。よーしよしよし。
気分は孫を思いやるお年寄りのそれである。あらあら喜んじゃってまー可愛い奴らめ、うりうりぃ。
さてさて、人形たちも慰めたので──
「お前たち、いい加減に落ち着け」
「にゃふっ!?」
「きゃんっ!?」
はいはい、大人しくしましょうねー。暴れて良いのはベッドの中だけだよー。
走り回る二人の首根っこを捕まえて、持ち上げる。……ちなみに、にゃふっ! が魔理沙たんで、きゃん! があーちゃんね。咄嗟の悲鳴が、まるで子猫と子犬じゃねぇか。
次の作品は、猫耳と犬耳がテーマで決定ですな。悪戯猫の魔理沙たんと、ツンデレワンコなあーちゃんか。……意地でもこの二人に着せてやる。絶対に、絶対にだッッッ!!!
私がそんな邪な決意を固めているのを他所に、最後まで二人の争いは続いた。
魔理沙たんがからかい、あーちゃんが怒る。あーちゃんが煽り、魔理沙たんが怒る。……喧嘩するほど仲が良いとはよく聞くが、そんなレベルの話ではないと思いました(小並感)。
げ、原作のゆるゆりは何処に行ったんや! もっと、私にくんずほぐれつの百合百合してる光景を見してくれてもええやん! ちくしょうめぇぇぇ!*7
帰宅する時に、あーちゃんに袖をクイクイされて、目を閉じて顔を近づけて欲しい、と言われたので、目を閉じて顔を近づけてみたら、一瞬だけほっぺに柔らかい感触を感じた。
あんまりにも一瞬すぎて何だったか分からないけども、あーちゃんが満足そうにしていたから良しとしよう*8。
ただその後、魔理沙たんが急に不機嫌になっていたのは、わけが分からなかったでござる。魔理沙たん、魔理沙たん、反抗期でござるか? 違う? 自分の胸に手を置いて考えろ? えぇぇ?*9
結局、魔理沙たんをお家に送るまで、魔理沙たんの機嫌は直ることは無かった。……本日最大のミステリーってやつである。
人形師、アリス・マーガトロイドにとって、巫女、博麗霊夢は王子様だ。……お伽噺に出てくる、強くて優しい、何処までも温かく光り輝いている素敵な素敵な王子様*10。
これまでの長い生、アリスは一人ぼっちだった。
誰とも必要以上に関わらず、友達も作らず、ただただ、一人で人形を作り続ける。そんな日々を送っていた。
全ては彼女の夢である完全に自律する人形を、命を持った人形を作り出すためである。その夢を叶えるために、他の事にかまけている余裕はないのだ。
寂しいと思ったことはない、辛いとも思わない。他者の必要性なんて感じないし、自分一人でも生きていける*11。
孤独に人形を作り続ける日々が続いた。一人で試行錯誤を繰り返す日々が続いた。……やがて、そんな日々に限界が生じ始めた。
進展がないのだ。ある時を境にアリスの夢は動きを止めた。どんな風に作っても、どんな手段を講じても、人形に命が宿ることは無かった。
──どうして? どうして成功しないの? 何がいけなかったの? どうして? どうしてどうしてどうしてどうして?
人形を作る事に関してアリスは天才だ。それは疑いようはない。だが、一人で成功させるには、彼女の夢は余りにも大きすぎたのである。
生命の創造とは神のみに許された特権だ。それを天才とはいえ、一介の人形師が出来る筈もない。
何をしても失敗し、挫折する日々……孤独に耐えられる程に強いアリスの精神は徐々に徐々に少しずつ摩耗していった。
悪い想像ばかりが頭を過ぎる。
このまま夢を追い続けても叶えられないんじゃないか? もしかしたら、夢の一歩目も踏み出せていないんじゃないか? このまま、無為に日々を過ごす事になるんじゃないか?
長い時を生きる魔女であるアリス。しかし、その途方もない時間を使ってなお、夢は叶わないのではないか、と考えてしまった。
アリスの心は折れ掛けていた。……そんな時だ。彼女に出会ったのは。
「そこの少女よ、落とし物だぞ?」
最初の邂逅は偶然だった。
人形作りに使う材料を落とし、それを拾ってくれた人間。──博麗霊夢。
その時は一言お礼を言っただけで、その場を後にした。どうせ次からは関わることもないと考えたからである。
それから不思議なことに、アリスは何度も何度も霊夢と出会った。人里で、森で、山で偶然にも霊夢と出会い続けたのである。
いや、アリスが行く先々に霊夢が現れるのだ。これを偶然として片付けるには、余りにも不自然だった。
ある日、アリスは霊夢に尋ねてみたことがある。
「どうして私に付きまとうの? 貴女には何のメリットもないでしょ?」
その言葉を受けて、霊夢は苦笑しながら言った。
「お前が、余りにも苦しそうな表情をしていたからな」
「苦し、そう?」
続けて「何か悩みがあるなら、力になれないかと考えていた」と微笑む。
訳が分からなかった。苦しそうだったからといって、何だというのか。貴女に何か関係でもあるのか。
確かに苦しい思いはしていた。夢は叶う気配を一向に見せず、ただ無為に時間のみが過ぎていくのだ。そんな日々に嫌気がさして、最近では碌に人形作りもしていない。
表情には出していないつもりではあったが、どうやらこの人間の前では通用しないらしい。
アリスは言った。
「私に悩みがあったとして、貴女に関係があるのかしら?」
純粋な疑問だった。この人間が何を思って、そんな事を考えているのか、少しだけ興味が湧いた。
「面と向かって言うのも、恥ずかしい話ではあるが──」
少し頬を染めながら、アリスとしっかり目を合わせて霊夢は言った。
──お前と友達になりたかったからだ。
「とも……だち?」
アリスは最初、霊夢の言葉が理解できなかった。
この人間は何を言っているのか? 友達? そんな事のために、私に関わり続けていた、と?
「ふざけているのかしら?」
「ふざけてなどいない。私は本気でお前と友達になりたいと思っている」
その目に一切の揺らぎは無かった。本気で自分と友達になろうとしている。そんな強い意思のみがそこには込められていた。
「そう、ご苦労様。けれど私はお断りよ。そんな暇なんて無いし、興味ないわ」
「そうか、だが諦めないぞ。必ずお前を私の友達にしてやる」
まだ言うか、その時のアリスは思った。何と言われようと、絶対友達になんかなってやらない、そう決意した瞬間でもあった。
「しつこいのは嫌いよ」
「安心しろ、すぐに慣れる」
何処に安心しろと?
楽しくなってきたと言わんばかりに綺麗な笑みを浮かべる彼女の表情に、途轍もない不安を抱いたのを覚えている。……少しだけ、ほんの少しだけ、自分を求められている事が嬉しかったのは気のせいだろうか?
「アリス、これを使ってみるといい」
「え、何それ」
「仙桃だ。天界からくすねてきた」
「何してるの!? 戻してきなさい!」
「これを──こうじゃ」
「何をどうしたら拳二つ分くらいの仙桃が上海と蓬莱の頭に入るのかしら……」
「はぁんどぉぱわぁー*12」
「黙 り な さ い」
「はぁぁぁぁぁ!」
「ちょっと何してるのよ!」
「ありったけの霊力だ! 全て持っていけ!」
「やめなさい! 家が吹き飛んじゃう、吹き飛んじゃうから! って、きゃあああああ!?……あれ、勢いの割に爆発しない?」
「省エネモードでの全力だからな」
「ま、紛らわしい」
「れ、霊夢、何を作っているの?」
「ガン○ムだ*13」
「は?」
「ガン○ムだ。……ちなみに上海と蓬莱をパワーアップさせるために核融合炉を積んでみたぞ」
「」
本当に色々なことがあった。
霊夢がよく分からない理論で、えげつない結果を齎したり。明らかに人間が出来ない事を平気でやらかしたり。
行動が予測できない霊夢に大変な思いもしたが、どうしてだろうか、そんな日々がどうしようもなく楽しく思えた。……有り体に言って、アリスは絆されてしまったのだ。
自分のために、一生懸命になってくれる霊夢の姿に、どんなに突き放しても、変わらず親身に接してくれる霊夢の優しさに、ささくれだった心が和らいでいった。
一人で人形を作り続けていた日々が懐かしく感じる。もう、どうやってもあの日々には戻れそうにない。
人形作りも順調だった。
一人で作っていた頃が嘘のように、どんどん成果を上げていく。やればやるだけ、少しづつ少しづつ、夢に近づいていく。
それこそ、夢を見ているみたいだった。起きたら自分がまだあの地獄の中にいるんじゃないか、と考えてしまいそうなくらいだ。
だが、夢ではないのだろう。
それはこのどうしようもないお人好しが……友人である巫女が証明してくれていた。
そして──
「上海、蓬莱……目覚めなさい」
──奇跡が起こった。
アリスの声に反応して、上海と蓬莱……二体の人形が目を開ける。手を伸ばし、足を曲げ、動き出す。
誰も、何も操作していないのに、不思議そうに顔を傾げたり、自分の顔を触ったりしている。それはまるで、その人形たちに意思があるようで。一個の命が宿っている様にも見えた。
「動い……た? 動いて……る?──ッ!? やった! やったわ! 霊夢! 私、遂にやったわ!」
思わず感極まって、霊夢に抱き付いた。
嘘みたいだった。本当に現実なのか、何度も自分の頬を抓ってみた。
命ある人形が作れた。予めそんな命令を下したわけでもない。本当の正真正銘の、自分自身の意思で動く人形が完成したのだ。
夢が、夢が叶うなんて、しかもこんなすぐに叶うなんて。
「霊夢、夢、ひっく、叶った。ぐすっ私の夢、叶った、よぉ」
涙が溢れ出てくる。拭っても拭っても止まらない。感情の制御が出来ない。悲しみではなく嬉しさで涙が溢れ、止めることが出来ない。……今、自分がどんな顔をしているか分からないけど、とても酷い顔をしているのだけは分かる。
何度も挫折した。何度も絶望した。何度諦めようと考えたか分からない。
それでも作り続けた。だって、夢だったから、小さい頃からの夢だったから、諦めることなんて出来なかった。
「ああ、おめでとうアリス。ここまでよく頑張ったな」
思えば、全てが変わったのは、この巫女と出会ってからだった。
一人暗闇の中で過ごそうとする自分を、無理矢理にでも手を引いて陽だまりの中へと連れて行ってくれたのは、霊夢だった。
霊夢はアリスの頭を撫で続ける。そして言うのだ。よく頑張ったな。偉いぞ。流石はアリス、私の友達だ。
その霊夢の柔らかな微笑みに、優しく自身を撫で付ける手の暖かさに、アリスの心臓はどくん、と熱い鼓動を放った。
──胸が熱い。
霊夢の顔を見るだけで、胸が熱くなり、ドキドキと心臓が痛いほどに拍動する。
──顔が熱い。
霊夢の声を聞くだけで、顔が熱を帯び、気恥ずかしい気持ちになる。まともに視線を交わそうものなら、それだけで、気を失ってしまいそうなくらいだ。
病気? いや、違う。魔女は病気にはならない。
呪い? いや、違う。恨みを持たれたことはないし、代わり身の人形も作ってある。
じゃあ何だろう?……アリスは唐突に思い出した。この時の症状に当て嵌まるものを、いつか目にした事があった。
あるお伽噺の一文に、こんな言葉があった。
貴方を見るだけで、私の心は熱を上げる。
貴方の声を聞くだけで、私の顔は燃え上がる。
貴方を思うだけで、私はいつも幸せになる。
恋するお姫様と隣国に住まう王子の恋物語だった気がする。
そう、恋物語だ。そこに書かれていた一文が、今のアリスの身に起きている症状と当て嵌まった。当て嵌まってしまったのである。
自覚してから、アリスの想いは日に日に強くなっていった。
霊夢の姿を見る度に、霊夢と言葉を交わす度に、徐々に徐々にその想いを強く強く募らせていった。
霊夢が会いに来てくれるだけで、幸せな気持ちに満たされ、霊夢が帰ってしまうだけで、寂しい気持ちが抑えられなかった。
──霊夢、会いたい。会いたいわ。
いつの間にか、貴女がいる日々が当たり前になってしまった。貴女がいない日々は、もう考えられない。
──好き。好きなの。貴女のことが、大好きなのよ。
まだ恥ずかしくって言えないけれど。いつの日か、面と向かって貴女に言いたい。
──私の王子様。
昔々、あるところに人形の姫がおりました──それはきっとそんな恋物語。
書くのってやっぱり楽しいね(粉ミカン)。
取り敢えず、閲覧頂きありがとうございますね。
プロット自体は用意しているのに、書いていると、どんどん当初の予定とは別の方向に行ってしまうこの不思議。
つまり、プロットが息してないのだよ。
まだ三話目なのに……どうしてこうなった。
2025/12/31 更新
2025/4/06
忘れた頃にやってくるタイプ
注釈付けたりなんやかんやしている。