それで、何か色がね、色が赤くなっていてだね。
皆楽しく読んでくれているんだなぁって思って
めっちゃ書いたんやで。
人を駄目にするものがある。……それは酒、タバコ、女、賭け事である。
――酒。
適度に飲むだけならば何も問題はない。問題は飲み過ぎにある。酒は飲めば飲むほど、酔えば酔うほど気分が高揚していく飲み物だ。
高揚するだけなら問題ない。しかし、侮ることなかれ。酒の真に恐ろしいところはそこではない。気分が高揚しすぎて、冷静さを失うところにある。普段は物静かで大人しい人物が、傍若無人に理不尽極まりない振る舞いを見せたり、普段は豪快で明朗快活な人物が、卑屈で涙脆い振る舞いを見せることもある。己の感情を制御できなくなって暴力沙汰を起こしたり、その挙句に人を殺してしまう事もあるのだ。
そして、酒には中毒性がある、人を虜にしてしまう魔力を秘めているのだ。酒を飲まないと落ち着かない、酒を飲んでいないと手が震えてしまう、なんて禁断症状を引き起こし、その魔力に溺れていってしまう。
故に本人の意思で酒を断つことは難しい、ほぼ不可能と言ってもいいだろう。……極論だとは思うが、酒は一種の麻薬と同じなのである。一度、その魅力に取り憑かれてしまったら、余程の事が無ければ逃れる術はないのだ。
――煙草。
色々な煙草がある。
一般的に普及しているのはダース単位で売られている紙巻き煙草、煙を味わう葉巻。煙草を刻んでパイプの様な器具に入れて吸う煙管、などがある。
煙草は恐ろしい代物だ。その中毒性もさることながら、何よりも恐ろしいのはその毒性だろう。吸った人間の老化を促進し、病気になりやすい身体を作り出し、寿命を削り取っていく。……百害有って一利無し、とは良く言ったものだ。
――女。
古来より女という生き物は、男を堕落させる魔性を秘めている。美しい色香に惑わされ、財を注ぎ込み、破滅へと道を進めた者は多いだろう。
彼の有名な楊貴妃も、それはそれは美しい女性だったと聞き及ぶ。
ただ一人の女の身でありながら、その美貌で時の権力者を骨抜きにし、弄んだ。権力者は彼女のために国が傾くほどの財を注ぎ込み、やがて国そのものを破滅へと導いたのである。
一人の女の色香が、国すらも傾ける。……それ故に傾国、全く以て恐ろしい話である。
――賭け事。
少ない金銭が、上手くいけば一瞬にして数倍にも数十倍にも跳ね上がる。
もしもそのカタルシスを一度でも味わってしまったら、その魅力から抜け出すことは至難の業だ。
もしかしたら次は、その次は、そのまた次は、自分が勝利した時の光景を思い浮かべ、賭ける。賭け続けてしまうのだ。……絶対に勝てるという保証は何処にもない筈なのにだ。
勝ったら、あれを買おう、あれをしようなどと考え、賭ける。泡沫の、叶う筈もない泡の様な欲まみれの夢を見て、賭けるのだ。……その金があれば、もっと他に有意義な事が出来ただろうに。
此処までで、酒、煙草、女、賭け事が如何に人間を駄目駄目にする恐ろしい魔力を秘めているのか、手を出すのがどれほど危険なのか、分かっていただけたのではないだろうか。
その上で一言申し上げる。
はばかりながら、この博麗霊夢。その全てを修めております。……はいはい、駄目人間駄目人間。
一応、言い訳させて貰えると、私は別にこれらに取り憑かれているわけではない。むしろ人を駄目にするこれらの要素を飼い慣らしている、という自負すらある。
酒はいくら飲んでも酔わないし、酒の席でも周りが酔い潰れている中、最後まで一人だけ素面のままでいるのは珍しくもない。
煙草は煙管を愛用しており、健康に害がないように薬草を煎じて使っている。吸うと気分がすこーしだけハイになるだけの細やかな品だ。中毒性なんてものはない。だから問題はないのだ。問題は、ないのだ。
賭け事に関しては、幻想郷に住んでいるのであれば、いくらか嗜んでおかないとならないだろう。
娯楽が少ないからか、幻想郷の住人達はやたらと賭け事を好む。特に古い時代から生きてきた大妖怪などはそれが顕著である。つまり妖怪の美少女と仲良くなるためには、賭け事は一種の常套手段。……やきゅうけんとか楽しそうだから絶対広めよう、そうしよう。
ちなみに、私は賭け事では常勝無敗である。これまでの人生でただの一度も敗北したことはない。……無駄に勘が当たるんだよ。態と外そうとしない限りは、絶対に外れないんだよ。博麗の巫女ってスゲぇ(小並)。
……はい? 女には狂ってるだろ? 美少女狂いの色狂い? え、ちょっと何言ってんのかわかんないです、こわぁ。
まぁつまり、結論として何が言いたいのか、それは――
「丁か! 半か! さぁ、勝負勝負!」
「ピンゾロの丁だ」
「さ、サブロクの半!」
「……ピンゾロの丁! ピンゾロの丁が出ました! またまた霊夢さんの勝ちです!」
「ぐがぁぁぁぁぁ!?、また負けたぁぁぁ!」
――博麗は宴会にて最強。
審判役の文ちゃんの判定を受けて、小さな鬼の萃香ちゃんが崩れ落ちる。
よっぽど悔しかったのだろう。うつぶせのまま、「あああああ」などと変な呻き声を上げたまま、ピクリともしない。
地面は土だから汚れるで?……後で顔を、色んな所を拭き拭きしてあげねば(使命感)。
いやまぁ、如何にポジティブで豪快な鬼でも、連続で賭けに負けたら流石に堪えるだろうね。賭けが強すぎてごめんね。……賭けたモノは容赦なく要求しますけど(ゲス顔)。
現在、博麗神社では宴会が行われている。
人間、妖精、天狗、鬼、吸血鬼、幽霊。……などなど、ありとあらゆる種族が入り混じり、飲めや騒げやのどんちゃん騒ぎ。
あちらこちらで間抜けに芸を披露していたり、死なない程度に弾幕ごっこで遊んでいたり、仲良く談笑していたり、それぞれがそれぞれで楽しく過ごしている。
彼女たちが楽しそうにはしゃいでいる光景を見る事が出来て大変満足している。彼女たちの幸せこそが、私の喜びであり、幸せであり、生きる意味その物である事は、最早言うまでも無い事だろう。……美少女可愛い、美少女可愛いよ、はぁ、はぁ(恍惚の笑み)。
私も彼女たちと戯れるために、賭け事をしていたのである。
ちなみに連戦連勝。ついさっき十回目の勝利を飾ったところである。常勝無敗、最強無敵の天才美少女とは、この博麗霊夢の事さぁ!(渾身のドヤ顔) やだ、わたしってば、サイキョーね!
「いやはや、流石といいますか、何といいますか……萃香さんも賭け事は強い方なんですがねー」
「審判ご苦労だったな、文」
審判役を任せていた文ちゃんこと、
ショートボブの黒髪に赤の瞳、尖ったお耳が可愛らしい。
服装はシンプルなもので、白いフォーマルな半袖シャツに、フリルがあしらわれた黒いスカート。頭には山伏風の帽子を被り、赤い靴は天狗の下駄の様に高くなっている。
射命丸文。妖怪の山に住まう烏天狗で、由緒正しき幻想郷の新聞記者である。彼女の書く「文々。新聞」は、面白可笑しい捏造も多々あるが、それなりに読み物としての完成度は高いため、毎日楽しく読ませて貰っている。
能力は『風を操る程度の能力』で、竜巻を起こしたり、風を推進力として圧倒的加速で飛び回ったりと、文字通り自由自在に風を操る力だ。その力と本人の高い飛行能力も相まって、幻想郷最速の文屋とも呼ばれている。
空を自由自在に舞う度に彼女のスカートが翻り、白くスラリと伸びた生足と、その奥に見える純白の輝きが、何物にも変え難き名画のように、私を魅了してくれる。……あぁ、風が、風が、風が泣いている。
文ちゃんは私の友人である。
勿論、文ちゃんだけではない、この宴会に集まっている美少女達は全員が私のお友達(意味深)と言っても良い。
人間も妖怪も妖精も、幽霊もみーんな私のソウルフレンドなのさ! やだ、私のコミュ力高すぎぃ。
あんまりにも仲良すぎて、一緒にお風呂入ったり、眠ったりもしている仲の娘が殆どである。……あの娘のあーんな姿やこーんな姿、あんな一面やこんな一面、その全てが私の脳内フォルダに大切に厳重に、保管されておるのだよ。
文ちゃんも博麗神社でお泊り会したよねー。
霊夢知ってるよぉー。文ちゃんってばパッと見ではスレンダーに見えるけど、脱いだら結構凄いってこと知ってるよぉー。お風呂場で洗いっこしたから、感触も知ってるよぉー、ゲヘヘへへへ。
霊夢知ってるよぉー。文ちゃん眠っている時、抱きつき癖があるってこと知ってるよぉー。抱きつかれた時の柔らかいふわふわ感と、あったかい温もり未だに思い出せるよぉー。
霊夢知ってるよぉー。起きた時に、私に抱き付いている事に気付いて、羞恥に悶えていたけど、寝た振りしていたこと知ってるよぉー。あんまりにも可愛すぎて微妙にイッたからよーく覚えているよぉー。
私、変態過ぎワロタ。
「いえいえ、私も見てて楽しかったですし、何よりもいい絵が撮れましたしね。……ふふーん、明日の一面は『山の四天王敗れる!? 賭博の覇者、博麗霊夢!?』でしょうかねー」
「フフフッ、いつも通り面白く可笑しく書いてくれよ? 楽しみにしているからな」
「あはは、任せてくださいよ! 完成したらいの一番に届けますので! 是非とも楽しみにしててくださいね!」
それでは私はもう少し飲んできますね、と身を翻して酒の席へと戻っていった。……身を翻した際に、黒いスカートが風でめくり上がり、その艶めかしいお御足の先に、非常に美しい輝きの純白が見えたのはきっと気のせいではない。脳内保存余裕でした。あややのおぱんちゅ、脳内保存余裕でしたよ。ありがとうございますっ! ありがとうございますっ! これだけで今晩ご飯三杯は軽く食べられますっ!
文ちゃんが去り、この場に取り残されたのは、私とうつ伏せになって悔しがる鬼の少女、萃香ちゃんの二人。
この鬼の少女、フルネームを伊吹萃香という。
伊吹萃香と聞けば、この幻想郷に知らぬ者など一人としていないだろう。
幻想郷に於いて最強と称される鬼であり、その中でも取り分けて強力な力を持った存在である。
先っぽを一つに結んだ薄い茶色のロングヘアーに赤い瞳を持ち、その頭には幼女然とした見た目に不釣り合いな、水牛を思わせる立派な二本角が誇らしげに聳え立っている。
服装は、白いノースリーブに紫のロングスカート。可愛らしい大きな赤いリボンを頭につけ、左の方の角にも紫色のリボンを結びつけている。そして、腰の方には、それぞれ三角、球、四角形の分銅と酒が入った紫色の瓢箪を、鎖で吊るしている。
そのロリロリしい見た目とは裏腹に内包する力は、強大だ。
『疎と密を操る程度の能力』という、あらゆるものの密度を操る力を持ち、自身の身体の大きさなんて自由自在、霧にまで変化することも可能とし、自身の身体を分割して分身を作り出す事も出来るのである。
一応、妖怪としては、ごく一部の例外を除けば最強の一角である。
目の前で「ふおぉぉぉぉぉ」などという、何とも情けないうめき声を上げていても、最強の一角なのである。……威厳? 知らねぇな。
そして、この鬼っ娘。博麗神社に住み着いていたりする。……正確に言えば、博麗神社の横に作った小屋にだけども。
住む場所がないって言ってたから、私が作ってあげたのである。本当、私ってば最高に優しいわー(棒)
萃香ちゃんが快適に過ごせるように、思いつく限りでオプションを付けまくった幻想郷最高峰の小屋である。
手始めに霊力によるゴリ押sげふんげふんっ……特別な術式で冷暖房完備! 夏だろうが冬だろうが関係ないっ!
風呂は露天風呂を採用し、霊脈を無理矢理引っ張ってきて力任せに再現したっ! 疲労、肩こり、腰痛、癌なんでも完治させる効能有り!
擬似的に再現した冷蔵庫も有るし、炊事洗濯は私がやったげるからもーまんたい! 更に更に幻想郷では全く存在しないだろう水洗式トイレ(ウォシュレット、便座ヒーター付)も完備しているのだっ!
ここまでやって、なんと家賃は無料! 無料なのですよ! どうですか! お買い得でしょう!?
偶に私と一緒にお風呂に入ってくれたり、一緒のお布団で一夜を明かしてくれるなら、もっとサービスしてあげるぜ! R指定な事をしてくれたら、死ぬまで面倒見てあげちゃう!
美少女には優しくがモットーの駄目人間製造機こと博麗霊夢、博麗霊夢です。どうぞ、よろしくお願いします。
「いつまで倒れているつもりだ。いい加減に立て」
「あああああ、強すぎだろぉ霊夢ぅ」
首根っこを引っ掴まえて、無理矢理立たせる。
ほーらほら、しっかり自分の足で立ちなさいな。全くもう、この子はいっつもこうなんだからー。
あんまりにもだらしないと、お仕置きにその小さい胸を揉みしだいちゃうよ? 小さいと感度が良くなっちゃうらしいから、余りの気持ちよさに昇天しちゃうよ? むしろそれ以上の事もぐっちょりとヤッちゃうよ? なんせ私は、美少女であるなら、上は老女から下は幼女までイケる口だから大変な事になっちゃうよ? ねぇ(ねっとり)?
「さて、萃香。賭けの約束は守らないとな?」
「うぐっ……くそぉ分かったよぉ」
「鍵は開けてあるから、神社の中で着替えてくると良い。……それとも手伝ってやろうか?」
「うっさい! 自分で着れるわ!」
萃香ちゃんは、あっかんべーと私に向かって舌を突き出して、そのまんま神社の方へと駆けて行った。……何それ可愛い。
私が賭けをする理由がコレだ。……賭けに勝利して、自分好みの服を、私の趣味趣向の限りを尽くした服を、私に敗北した美少女達に合法的に着せる。着せることが出来るのだ。
どんな際どい服であっても――そう、どんなえっちぃ服であってもだ。
過去にはゆかりんに、ピンクのフリフリドレスやバニー服を着て貰ったり、魔理沙にミニスカメイドや、スク水を着て貰ったりして楽しんだ。
そして、色々なポージングを取らせ、私の記憶領域に鮮明に焼き付けた。……恥じらう乙女の顔を、私のもの(意味深)に包まれた美しき肢体を、その最高の瞬間を焼き付けたのだ。
宴会の度に、私の手に掛かる美少女が増えていく。これから先も増えるだろう。いや、増やす。増やしてみせる! 博麗の巫女の名に懸けて!
幻想郷が私色に染まる日も近い。……ああ、素晴らしきかな幻想郷ッ!
今回の敗者である萃香ちゃんには、それはそれはもう、とびっきりに可愛らしい衣装を用意してあげている。……クククッ、ああ楽しみだ。とてもとても楽しみだ。
さて、萃香ちゃんが戻ってくるまでの間、のんびり一人酒と洒落込もうか。
秘蔵の日本酒を豪快に盃に注ぎ込み、一気に呷る。
喉を通り過ぎる熱、それが徐々に食道を伝い、胃の底へと下っていく。鼻を突き抜ける米酒特有の香りに、ある種の風情を感じる。
いやー美少女が沢山いる中での日本酒はやはり味が違うね。いつもより何倍も美味しく感じるよ。
酒を飲んだ後は、つまみである刺し身を一切れ醤油に浸して、ぱくりと一口。
魚介類特有の臭みなどはなく、醤油の塩辛さと相まって、非常に美味しい。……ふむふむ、下処理さえしっかりとしていたら、川魚でも刺し身で美味しく頂けるね。
味に不安があったけど、これなら、皆も喜んで食べてくれるだろう。作った以上は美味しく食べてほしいし、それが美少女ならなおさらだよね。
それにしても我ながら良く出来ていると思うな、辛味の酒に良く合うこと。まさに酒の肴には持ってこいやね、魚だけに……ごめん、ちょっと首吊ってくるわ。
「「霊夢!」」
酒を楽しんでいた私に襲いかかってきたのは、薄いピンク色の影と赤色の影。……私の超直感が言っている、影の主は確実に美少女である、と。ならば取るべき行動は唯一つ。
万が一にでも怪我をしないように、瞬時に振り向き、片手で一人ずつ、受け止める。
いいかね? 激流に逆らうのではない、同化して流れを掌握することが大事なのだ。受け止めた時に発生した衝撃は、私の身体を通して、全て地面に逃がしていく。
如何に日常的な場面であっても、無駄に高等な技術を使うのが博麗クオリティである。
「レミリアにフランか、危ないから飛び付くなといつも言っているだろう?……もし怪我でもしたらどうするんだ」
飛びついてきた影の正体は、可愛らしい吸血鬼の姉妹。……レミリアちゃんと、その妹であるフランちゃんだった。
レミリアちゃんこと、レミリア・スカーレット。
紅魔館という場所の当主を務めている吸血鬼の少女で、御年五百歳を迎える合法ロリ。
青みがかった銀色のウェーブ掛かったセミロング、真紅の瞳。日に一切当たっていないと分かる色白の肌。そして、背中には大きい悪魔の様な翼が生えている。
頭に被るナイトキャップは、白が強いピンクで、可愛らしい赤のリボンで締められている。その身に纏う衣服もナイトキャップに倣った色合いをしており、所々にレースやリボンがあしらわれ、大変可愛らしい。
『運命を操る程度の能力』という強力な能力を持っており、本人曰く、現実的に実現可能な運命を引き寄せたり、都合の悪い運命を遠ざけたり、極めて大雑把にではあるが、未来の出来事を予知することが出来たり、と。何処のラスボスかな? かな? と言いたくなる様なカリスマックスな力を持っている。この力に加えて、吸血鬼としての怪力だったり、魔法力だったりもあるため、その実力は並みではない。
普段のレミリアちゃんは、紅魔館の当主らしくカリスマ溢れる姿を披露してくれるのだが、私の手に掛かればこの通り、かりちゅまぶれいくはお手の物さ。まるで飼い主に懐くワンコもかくやと言わんばかりに、構って構ってオーラ全開で、私にしがみついている。……幼女特有の温もりと、慎ましやかながら、確かに存在しているちっぱいの感触が大変よろしい。もっと擦り付けてもらいたいものである。
フランちゃんこと、フランドール・スカーレット。
レミリアちゃんの妹で、御年四百九十五歳を迎える吸血鬼の合法ロリ。
濃ゆい黄色の髪のサイドテールに、姉のレミリアとよく似た真紅の瞳、白い肌、そして、背中には一対の枝に、七色の結晶がぶら下がっているかの様な、特徴的な翼が生えている。
ナイトキャップを頭に被り、服装は真紅の色を基調とした、半袖とミニスカートを着用している。スカートは一枚の布を腰に巻いて、二つのクリップで留めた、ラップ・アラウンド・スカートという奴である。……ズリ落ちてしまわないか、心配です(正直、見たい)。
『あらゆるものを破壊する程度の能力』というラスボス的な能力を持ち、理屈の上ではこの世の全ての物質を破壊出来るとんでもガール。
その振る舞いは無邪気な子供そのもので、四百九十五年もの月日を生きている吸血鬼とは、到底思えないほどに純粋な少女で、とても好奇心旺盛である。……純粋な娘ほど、染まりやすいよね? 今から仕込めば、ドスケベ吸血鬼フランちゃん爆誕! って、出来るのではなかろうか?
「私達は吸血鬼だから大丈夫! 結構頑丈だし、それに怪我してもすぐに治るよ!」
「それに、貴女が私達を受け止め損なうなんて、ありえないでしょう?」
一体どういうわけなのか、二人共私にすっごく懐いていたりする。
紅魔館に行ったら、すぐに私に向かってダイブしてきて両サイドを固めてくるし、帰ろうとしたら、捨てられた子犬の様にションボリとした表情をする。
何かした覚えもないのに、大好きな飼い主にじゃれつくワンコの如き勢いで、懐いてくれているのである。
どうしてなのか本当にわけ分からんけど、私としてはロリッ娘と戯れられて嬉しい限りなんで、好きにさせている。
あっちから近づいてくるんだから、犯罪じゃないんやで? ロリっ娘の方から身体なすりつけてくるんだから、犯罪じゃないんやで?
ぜーんぶ、しっかりと堪能しているけど、犯罪ではないんやで?……おまわりさん、博麗です。
「いや、私が怪我する可能性もあるのだが……」
「「いや、ないから」」
人外に断言されたでござるよ、解せぬ。
アレだね。美少女に真顔で断言されると、何とも言えないくるものがあるね。……ちょっとだけ首吊ってきますね、はい。
私、いっつも首吊ろうとしてんな(首に荒縄を卷きつつ)。
「霊夢が怪我? え、何の冗談なの?」
「笑えないよ?」
「……私は人間だぞ?」
「「にん……げん?」」
お前何いってんの? みたいな不思議そうな顔しないでくだせい。ショックで死んでしまいます。
いやいやいやいや、私人間だからね? 完全無欠に人間だからね? デオキシリボ核酸的な意味でもモノホンの人間だからね?
ちょっと空飛んだり、未来予知並みの勘を持っていたり、空間引き裂いたり、幻想郷中の気配(美少女限定)を探れたり、全力出したら宇宙が蒸発したりするけど普通に人間なんだからね!……え、にん……げん?
「この、悪い子め!」
「「キャー!」」
私のガラスハートがブレイクしちゃったのでお仕置きします。
ほーらほら、霊夢お姉さんがギュッてしてあげよう。ただ愛のままに抱き締めてあげよう。愛ッ! 愛ッ! 愛ィィィィィッ!……擽り込みでな(ド外道)!
このロリっ娘吸血鬼共は、博麗が誇る対悪戯っ子専用奥義が一つ、「擽りハグ」の刑に処す。
せっつめいしよう(裏声)! この技は相手を腕で押さえつけながら、その娘の脇腹などに手を伸ばし、延々と擽り続けるという、限りなく恐ろしい技なのである。
その効果は単純、相手は笑い悶える! そして、ヤり過ぎると相手を大変な状態にしてしまうのである。
さぁ、笑え笑えぇぇぇ! 私の手で笑うのだぁ! そして、悶えろぉ! 悶えるんだぁ! エロ可愛くぅ! 息を荒げてぇ! 色っぽく悶えるのだよぉ! フハハハハハッッッ!
「あっちょ、霊夢、待って、あんっ! 擽ったい、からっ! んひっ!?」
「あ、謝るきゃら、んくっ、ふあっ!? もぉ止めてぇ!」
「だ が 断 る」
この私、博麗霊夢の最も好きな事は、止めてと悶え続ける美少女にNOと行って無理強いすることだ。……クッソ外道ですみませんね。
いやー私としてもこれは逃せないチャンスなのでね。
お仕置き判定であるためか、覇王モード先輩がストップしないので、思う存分、ロリっ子吸血鬼姉妹の身体を堪能できるんですわ、これが。
擽っている、という意識さえしっかり持っていれば、結構ギリギリな部分もお触りできるのである。これがもう堪らないんですわ。
スカート越しに足の付け根部分とかさわさわしたり、脇のところから若干その慎ましやかな果実に触れたり、お腹から上へと上下運動させている時に、偶然を装って、果実の先端部分に触れたり……ああ、ロリは良いぞぉ(ド変態)。
私だって、二人のお願い聞いてあげたいんだよー? 聞いてあげられないのは、私の両手が何者かの意思によって勝手に動き回っているせいなんだよー本当だよー(棒読み)。
「「やっああっあぁぁぁぁぁ!?」」
遂に私の責苦に耐えきれなくなったのか、二人の身体が一瞬だけビクッと海老反りになって、グッタリと脱力して私にもたれ掛かる。
ふぅ……これが博麗式のお仕置き、というやつである(賢者モード)。
息を荒げて、グッタリしている二人を横にして、頭を私の膝に乗っける。……楽しませてもらった礼だ、青春の憧れである
私のお膝は美少女の頭を乗っけるために存在しているので、柔らかさも弾力性もバッチシなのである。どんだけ眠れない人でも、すぐに安眠できること間違いなしやで! あのゆかりんでさえ「人を駄目にする膝」って言ってたからね!
「お嬢様! 妹様! どうなされたのですかっ!?」
さっきの嬌声を聞きつけたのか、保護者もとい、レミリアちゃんの従者であるさーちゃんが駆け付けてきた。
今日もメイド服から覗く白いお御足が素敵でございますね。酒が進む進む。
十六夜咲夜……通称、さーちゃん。
さっきイカせた吸血鬼姉妹の姉、レミリアちゃんの従者を務めているメイドである。
銀髪のボブカット、もみあげ辺りから三つ編みを結っており、その三つ編みの先端には緑色のリボンが付けられている。瞳の色は深い青で、興奮したりすると、赤になったりする。
服装はミニスカのメイド服、青と白の二つのシンプルな色合いで、頭にはホワイトブリムを着けている。そして、腰には銀色の懐中時計が取り付けられている。
二つ名を「完全で瀟洒な従者」といい、その名に恥じないくらいの働き者である。メイドとしての仕事で彼女の右に出るものは、この幻想郷には一人としていないだろう。
普段は冷静沈着で落ち着き払った態度をしているのだが、今のさーちゃんの姿にはそんな様子はない。自身の仕えている主の嬌声を聞いたせいで、冷静になれないのだろう。
表面上は冷静を装ってはいるが、かなり焦っていることが見て取れる。
「霊夢! お嬢様と妹様に何をしたの!?」
「何、失礼な事を言われて傷ついてな、少々お仕置きをしてやっただけだ」
「お仕置き、ですって、一体どんな――ハッ!?」
へーい、そこのメイド長さんよぉ。一体ナァニを想像したんですかねぇー?
顔が真っ赤で、視線があっち行ったりこっち行ったりしていますぜ? もーさーちゃんってば、ムッツリさんよね。イケない子だわ、イケない子。やらしいんだからー。
いやらしいメイド長って単語聞くだけで、心のマーラ様が荒ぶりだしたので、さーちゃんさんは責任持って私の霊夢を鎮めるべきだと思うんですけども。
具体的にはさーちゃんのさーちゃんで、私の霊夢をザ・ワールドして、私の夢想封印がさーちゃんのさーちゃんに放たれるみたいな感じで。
「いや、擽っただけだぞ?」
「う、うううう嘘言わないで! 擽られた程度で吸血鬼であるお嬢様や妹様が、こんなになるわけがないじゃない!」
擽っただけなんやで(すっとぼけ)。
ギリギリを攻め続けた結果とも言う。覇王モード先輩がアップをしない程度のギリギリを狙って、擽り続けた結果なのだよ。
正直ヤりすぎた思うので、反省はしている。無論、後悔なんて毛ほども抱いていないけど。……ロリっ娘吸血鬼のお身体、存分に堪能致しました。次の機会では最後までヤりたいですね、はい。
それよりさーちゃん、全然信じてくれないのね。仕方ないので、これはもうさーちゃんの身体も堪能……もといお仕置きして差し上げなければなりませんね、はぁはぁ。
「なら、一度その身で体験してみるか?」
「なっ!?」
ほーらほらさーちゃん、私だよー。博麗の巫女の霊夢さんだよー。全然怖くないよー。
ちょっとギュッとして、身を委ねていればすぐに全部終わるから。先っぽだけだから! 先っぽだけだから!
ジリジリとさーちゃんの逃げ道を塞ぎつつ、ゆっくりと距離を縮めていく。
さーちゃんはさーちゃんで私が近づいて来る分だけ、距離を離す。……相当怖いのか、涙目である。
「い、いや。やめて、こないで」
「安心しろ、加減はしてやる」
これだと私が無理矢理関係を持とうと迫る変態みたいだな。というか、此処まで拒否られると興h……泣けてくるんですが、それは。
そんなに嫌なん? ただの女同士のハグじゃないですか(ゲス顔)。――おやぁ?
「嘘っ!?」
「つ か ま え た」
残念、博麗の巫女からは逃げられない。
駄目だよ、さーちゃん。時を止めて逃げようとしちゃー。思わず、距離詰めちゃったじゃないかー。もーじっくりと追い詰めようと思っていたのにー。
まぁ、時止め程度で動けなくなるほど、軟な鍛え方はしていないんですがね。そっちだと、圧倒的絶望感でさーちゃんが気絶しちゃうから、ね。
希望は最後まで残してあげるのが、ラスボススタイルなのだよ。……その希望が通用するとは言ってないけども。
絶対に逃げられないように、背後からガッチリと羽交い締めである。さーちゃんの髪ってええ匂いするね。フローラルな香りだ。
「どうして逃げるんだ?……お前が信じてくれないから、実演してあげようとしてるんだぞ?」
「あ……い、いや。やめて、やめてよ、霊夢」
さぁ、その身を明け渡すのだ、さーちゃん!
私の魔の手が、さーちゃんのスレンダーな身体に伸びる。……擽るだけや、擽るだけなんやで。
さーちゃんはギュッと目を瞑って、唇を固く引き結んでいる。何が来ても耐えられるように、出来る限りの必死の抵抗をしている。……何で微妙に頬を染めているのかは聞かないでおいてあげよう。
そんな彼女の姿を見て私は――
「なんてな……期待したか? 咲夜」
「……へ?」
ポンッという気の抜けた音を立てて、彼女の頭に手を乗せる。……そして、そのままナデナデにシフトする。
お仕置きするための理由が出来ていないのに、お仕置きできるわけないじゃないですかー。私がああいう事出来るのは、お仕置きっていう名目が有ってこそ、なのだよ。
さーちゃんはアタシに何もシツレイしてないから、アタシはさーちゃんにナニも出来ないのヨ。これジョーシキアルネ。
もしもオシオキしてもらいたかたら、私にシツレイするよろし。ハクレイのミコとの約束ネ。
「……本当、貴女って意地悪な人よね」
「何、気になる相手にはちょっかいを掛けてみたくなるだけだ」
「〜〜ッ!? またそんな事言って!」
嘘ではないのでね。
幻想郷の美少女の事は、毎日気になっておりますからな。
それに、さーちゃんはからかうとしっかりと可愛らしい反応を返してくれるから、私もからかい甲斐があるというもの。これからもからかっていきたいと考えているのでどうぞ、よろしくね。
「あー! 咲夜が霊夢を取ってるー!」
「こうしちゃいられないわ! 私達も行くわよフラン!」
「分かったわ! お姉様!」
おい、学習しろよ吸血鬼。
復活した吸血鬼姉妹が、力の限り突進してくる。……さっきよりも速い。勢い的に人間を軽くミンチに出来る程度の威力はありそうだね。
一旦、さーちゃんを上に放り投げて、一人ずつ受け止める。受け止め方は前と同じで、衝撃を地面に流すだけ。次にその場に一瞬で胡座をかいて、両膝の方に吸血鬼姉妹の頭を乗っける。
そして――
「え? え?」
――空中散歩から帰ってきたさーちゃんをお姫様抱っこで受け止める。
この間、実に三秒である。
あんまりにも短い出来事だったせいで、さーちゃんも何が起きていたのか、分かっていないだろう。目を点にして混乱している様子だ。……可愛い。
そのまんま、胡座の間に腰掛けさせる。……紅魔館欲張りセットの完成である。
両膝にはロリっ娘吸血鬼を侍らせ、私の胡座の上には、私を椅子にしてやわっこいお尻で座っているさーちゃんがいる。
やばい、幸せ過ぎて死にそう。美少女の柔らかさと香りに包まれている状況が素晴らしすぎて昇天してしまいそうだ。
「すごーい! もう一回! もう一回やっtむぎゅ」
「寝ていろ」
「そうよ! もう一回だけ! もう一回だけでいいかrうにゅ」
「お休み」
何かはしゃぎまくっている吸血鬼姉妹は、お休みしましょうねー。
ほらほら、私の膝枕だよー。気持ちいいだろー? 眠たくなるだろー? 今ならナデナデもサービスしてあげようジャマイカ。
「えへへ、それはふりゃんのおかしぃ……すぅすぅ」
「うー、うーーッ!……すぴーすぴー」
約束された安眠をあなたに、博麗の膝枕。
お買い求めの方は、
ロリっ娘が眠ったので、今度はさーちゃんの番である。
「ふにゃあぁぁぁ」
「よしよし」
エロい事はしてないので、よろしくね。
猫を可愛がる様に、頭のツボを刺激するようにナデナデ、そして、耳の付け根とか喉とかもゴロゴロしてあげる。
どうだ、気持ちよかろう? 橙で鍛え上げたこのナデナデ技術。人間相手でも効果があるのか不安だったが、さーちゃんの表情を見る限りでは、それも大丈夫そうだね。
ほーれほれ、サービスでほっぺたもムニムニマッサージしてあげようか。
「え、何なんだ? この状況」
紅魔館の面々と戯れていたら、萃香ちゃんが戻ってきた。
この状況、と言われても。見たまんま吸血鬼姉妹を膝枕してて、胡座の上に咲夜ちゃんを乗っけて猫可愛がりしているだけなのだが。
「どうやらちゃんと着てきたようだな」
「めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど!? もう脱いできていいよな!?」
「いやいや、今日の宴会は、それで過ごしてもらうぞ?」
「そ、そんなー」
賭けで負けちゃったからね。仕方ないね。
うんうん、見立て通り、萃香ちゃんによく似合っているね。……その特製巫女服。
勿論、由緒正しき脇巫女スタイルでデザインされている。原作の博麗霊夢の衣装を、もう少し露出多めにした感じかな。
服の丈を短くすることで、ヘソを露出させ。スカートを短くして、黒いニーソを付け足すことで絶対領域を発生させる。本来有るべきサラシを無くす事で、もしかしたら少女の果実を見ることが出来るのでは? という期待感を演出する。
幼い見た目の萃香ちゃんが、そんな服装をしている。そこには何処か背徳的な情欲を駆り立てる魅力が溢れている。
「ふふふ、よく似合っていて可愛いぞ萃香」
「ふんっ!」
ほほぉう、ヘソ丸出しの鬼っ娘巫女が、ヘソを曲げておるわ。……相当にご機嫌斜めと見える。
まぁ賭け事負け過ぎて、着せ替え人形同然の扱いされていたら、そうなるかぁー。色々着せられたもんねー。ゴスロリとか、ナース服とか、スク水とか。
半ば無理矢理着せられたに等しいけど、何だかんだ褒められて嬉しいのは、その顔見てれば分かるよ。ニヤケ顔が全く隠せてないからね。……本当素直じゃないね、萃香ちゃんは。
「もう一回! もう一回、勝負だ霊夢!」
「別に構わないが、次は何を賭けるんだ?」
「負けた奴が恥ずかしい格好をする!」
「ふむ、そうか。なら次はーー」
そして、再び始まる十一回戦目の賭け事。
勝負前に着替えに行くのに、巫女服のままとは、相当気合が入っていると見える。ギラギラと戦意に満ち溢れた瞳で私を睨みつける。
対する私は、紅魔館の美少女を侍らせ余裕のスタイル。ぐっすりスカーレット姉妹に、猫と化したさーちゃんを装備した状態である。
勝負の形式は運が絡まない物にした。……将棋である。
これなら勝てる、と思ったのだろう。不敵な笑みを浮かべる鬼っ娘。……ふっ、浅はかなり。
ふふん、残念だったね。萃香ちゃん。実は私――
「ば、馬鹿な」
「王手……残念だったな、萃香」
――竜王クラスの実力があるのだよ。
ゆかりんと将棋したら嫌でも実力上がるよねって話。ゆかりん頭脳派だから、マジで強すぎるんだよぉ。
一応、最近になってから三戦中一回くらいは、勝利をもぎ取れるようにはなったけどね。……何故かゆかりん落ち込んでいたけども。
「さて、約束だ。これを着て貰おうか」
「い、嫌だ。そんな恥ずかしい物、着れるわけがないだろっ!」
「ふむ、ならば私が着替えを手伝ってやろう」
「い、嫌だァァァァァ! ぐへっ!?」
はいはい、博麗の巫女からは逃げられない、逃げられない。
無駄な抵抗は止めて、大人しく着なさいな。この――
「ま、前しか隠せてないじゃないか、それ!」
「こういう服なのだから仕方ないだろう? ちゃんと見えない様に工夫されているから安心しろ」
「そんな問題じゃないだろ!」
――
「や、やめろぉー! 離せぇぇぇ!」
必死に逃げようとする萃香ちゃんを、結界その他諸々で押さえつけ、身に付けている衣服を無理矢理剥ぎ取り。私が丹精込めて作り上げたエロ可愛いエプロンを身に着けさせていく。
「う、うぅぅぅ、見んなぁぁぁ! 見んなよぉぉぉ!」
涙目で露出部分を押さえている鬼の幼女の姿に、私の内側にいるケダモノもハッスルせざる得ない。……具体的に言うならば、萃香ちゃんの萃香ちゃんと、私の霊夢で初の共同作業(意味深)を行いたい。
「引っ張るな! 見えるからっ! 見えちゃうからっ! 力強っ!?」
エプロンの裾をちょっとずつ上の方にずらしていく。段々と露わになっていく萃香ちゃんの太腿。そしてその先にあるであろう魅惑の領域には、鬼の保有している大事な大事な宝物には、大変興味を唆られる。
匂いで分かるぞ? 萃香ちゃん、お主経験ないな?……じゅるり(獲物を狙うケダモノ)。
「ちょっとだけ、ちょっとだけ、先っぽだけ、先っぽだけだから」
「嘘だろ絶対っ! っていうか、お前いつもと何か色々と違うぞっ!? 何処の色ボケオヤジだよっ!」
酒に酔ってるんだよ(酔えない体質)。
おっかしいなー、覇王モードぱいせんが仕事してくれないな―、困ったなーどうしよっかなー……何はともあれ、裸エプロン着用時の萃香ちゃんは大変可愛らしかったです(小並感)。
その後は騒ぎを聞きつけて、色んな方々が乱入しての大騒ぎになってしまった。
酒に酔ったゆかりんが萃香ちゃんを執拗にからかったり、文ちゃんが際どすぎる写真を激写してたり、遂には萃香ちゃんがぶちキレて巨大化して大暴れしたり、そんな萃香ちゃんを止めるために、皆が一致団結して止めに入ったり。……私? 私は紅魔組を愛でながら、そんな面白可笑しい美少女たちの光景を肴にして酒を楽しんでいたよ。皆楽しそうで、私は嬉しかったです(全ての元凶)。
◆◆◆◆◆
紅魔館の当主、吸血鬼レミリア・スカーレットに仕える従者、十六夜咲夜にとって、博麗霊夢という少女は、意地悪な友人である。
何かにつけては、冗談とは思えないような冗談で、自分をからかってくる意地悪な友人。
自分が慌てふためく姿を見て、憎たらしいくらいに綺麗な笑みを浮かべるあの友人。
悪い人ではない、むしろどうしようもないくらいの善人だ。
自分が人里に買い出しに出かけている時も、人助けをしている姿を何度も目撃したことがある。
それに、重い荷物を運んでいる時は、然りげ無く持ってくれたりしてくれる。それでいて何の見返りも求めないのだ。これを善人と言わずしてなんとするのか。
紅魔館を訪れる度に、あの巫女は自分にちょっかいを掛けてくる。
掃除をしていようと、料理を作っていようとお構いなく、ちょっかいを掛けてくる。
急に抱き締められたり、頭を撫でられてべた褒めされたり、料理のダメ出しされたり、手伝ってくれたり……そして最後には決まってこう言うのだ。
――何、気になる相手にはちょっかいを掛けてみたくなるだけだ。
どうしてそんな恥ずかしげな言葉を臆面も無く言えるのか、この巫女の心臓は鋼か何かで出来ているんじゃないのか、何度もそう思った。
あの巫女の言葉に、どれだけ惑わされたか分からない。本気で言っているのか、冗談で言っているのか、どちらにしても質が悪い。
かと言って、霊夢の事が嫌い、とかそういうわけでもない。
毎度のちょっかいには辟易するが、それでもあの巫女の様に気楽に付き合える友人、という存在は咲夜にとっては希少なのだ。
話は変わるが、紅魔館に存在している人間は、咲夜ただ一人だけである。
それを苦だと感じたことはない。仕えている主は良識のある吸血鬼だし、妹様も無邪気で可愛らしいし、同僚の門番も気さくで明るく、図書館を住処にする魔女も知識が豊富で頼りになる。
まるで家族の様な、そんな温かい雰囲気が紅魔館には漂っていた。
そんな温かい空間なのに、いや、そんな温かい空間だからこそ、か。
稀に自分一人だけが、取り残されているような、気持ちになるときがある。
周りだけ自分と違う時間を生きているんだ、と強く感じる時が有るのだ。
周りが変わらない中、自分だけがどんどん歳を取っていく、変わらない景色の中で自分だけが変わっていく。
人間と妖怪であるならば、避けようがない絶対の摂理。そんな当たり前の事実がたまらなく恐ろしく感じる時があるのだ。
お嬢様に頼んで、吸血鬼にしてもらおう、と考えたこともある。
だけど、そうしたら、吸血鬼になってしまったら人間としての自分が死んでしまうような気がして、最後の一歩が踏み出せなかった。
皆と同じ時間を過ごしたいけど、人間のままでいたい。……そんな矛盾を抱えたまま、日々を過ごすのが苦痛だった。
そんな咲夜の苦痛を粉々に破壊したのは、一人の人間だった。……初めての人間の友人、博麗霊夢である。
博麗霊夢は、どうしようもなく人間だ。
その在り方が、その意思が、どうしようもなく人間なのだ。
人間として当たり前に生き、人間として当たり前に過ごし、人間として当たり前に歳を取る。
自分以上に妖怪と過ごし続けている彼女、それなのに微塵たりとも揺らぐことがない。悩み続ける自分とは全く違うその姿に魅せられた。
一度、聞いてみたことがある。
「どうして、貴女はそんなに堂々としていられるの?」
自分が一人で取り残されるのが恐くないのか? 周りが変わらない中、自分一人だけが歳をとっていく事が恐くないのか?……咲夜の疑問に対して霊夢は即答した。
「私が私だからだ。それ以上でもないし、それ以下でもない」
難しい理屈なんて一つもいらない。
単純な事だった。自分が自分として生きている以上、それを変えることなんて出来はしない。それならば、自分に一切の恥がないように生きていけばいい。……そういうことなのだろう。
人間である以上は人間。博麗霊夢という名の一人の人間。十六夜咲夜という名前の一人の人間。何も難しくない、当たり前の事なのだ。
「咲夜、お前という人間もまた、お前以上でもないし、お前以下でもない。お前以外の何者にもなれないし、なる必要もない。……何故なら。お前という存在はこの世にたった一人だけしかいない、唯一無二のものだからだ」
もう疎外感なんて感じなかった。
「だから胸を張れ、お前は私の大事な友人、十六夜咲夜という人間なのだから」
いや、そんなものを感じる必要は最初から何処にも無かったのだ。
――自分だけが人間で他の皆は妖怪? ただ、それだけでしょう?
――時の流れが違う? ただ、それだけでしょう?
恐れるものなど何もない。ただ人間として精一杯毎日を生きて、過ごして、歳を取っていけばいい。……なぜならば、それが自然で人間らしい生き方なのだから。
最後には別れもあるだろう。お嬢様、妹様、パチュリー様、小悪魔、美鈴。……家族である彼女たちとの別れはいずれ必ず訪れるだろう。でも、それでも自分は人間として生き、最後までこの温かな空間で過ごしていきたい。
――私は人間であることを誇りに思う。
人間だったからこそ、お嬢様に拾われ、この紅魔館でメイド長を務めていられる。
――私は人間であることを誇りに思う。
人間だったからこそ、あんなに素敵な友人を得ることが出来た。
――私は人間であることを誇りに思う。
人間だったからこそ――
「……馬鹿霊夢」
――貴女と同じ視点で、貴女の事を想うことが出来る。
紅魔の従者は人間である。完全で――されど不完全な、たった一人の人間なのだ。
書くのってやっぱりめちゃんこ楽しいね(粉ミカン)!
四話目、如何でしたでしょうか?
いつもかなり長く書いてしまいましたね。
何やねん15000って、書いてる私が一番意味が分かっておりません。
読みにくかったらスマンな。
プロットが完全に息を引き取ってて、完全に草も生えない砂の○星状態。
多分、誤字とか表現可笑しいところ出てくると思っているんで、
次の次に次の次? まで投稿したら、一旦清書というか、取り敢えず、全部細々と読み返して脱字などの部分とか、表現の部分をもう少し読みやすく改善する作業に入りたい、と考えています。
ではでは、次は五話とお楽しみに!