東方博麗伝説   作:最後の春巻き(チーズ入り)

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いつも見てくれてる皆さん、ありがとう。
最近寝不足気味で、エナドリが友達の春巻きだぜ。
ギリギリの更新で済まない。本当に済まない。

一言だけ言わせて欲しい。
何か色々とテンションが可笑しい状態で書いたから、誤字とか
文章の言い回しがオカシイかもしれないけど。笑って許してくだちい。

今回は、あの人が出ます。


巫女、花

 お花はイイものだ。

 花と一言に言っても、その種類は膨大である。

 場所、季節、それぞれに応じて、様々な花が、この世には咲き乱れている。

 本当に色々な花があるのだ。定番なのものを挙げるならば、ひまわりだったり、桜だったり、薔薇だったりだろうか?

 

 花は、それぞれが独自の美しさを秘めている。一つ一つがオンリーワンの輝きを持っているのだ。……その輝かしい在り方は、何処か女性の様で美しい。

 色、香り、あるいはその花独自の花言葉など……花は、花それぞれに応じた魅力を持っているのだ。

 情熱的な赤色の花もあれば、控えめな美しい白い花もある。

 色気を感じさせる魔性の香りを持った花もあれば、目も覚める爽やかな香りを持つ花もある。

 暗く、恐ろしい花言葉もあれば、それとは逆に、明るく、心が安らぐ花言葉もある。

 それぞれの個性を、唯一の個性を秘めているのが、花という植物なのである。

 

 私はそんな花の中でも、百合の花が好きだ。

 それは、私がガチレズの変態だから、などという単純な理由ではない。

 確かに、百合百合している女の子同士のキャッキャウフフは大好きだ。見てるだけで興奮するし、自分もそこに混ざってイケない事をしたくなる。

 しかし、これに関しては、そんな不純な感情は一切なく、純粋に花として、百合が好きなのだ。

 百合の花は綺麗だ。白やピンク、黄色、オレンジなど様々な色が存在しており、その香りも芳しい。……何よりも、その花言葉には引かれるものがある。

 百合には花言葉として『威厳、純粋、無垢』というものがある。……そして、百合には色ごとに対応する花言葉が存在している。

 白であるなら『威厳』に加えて『純潔』。ピンクであるなら『虚栄心』。黄色であるなら『陽気』に『偽り』。オレンジであるなら『華麗』で『愉快』。

 

 言ってはなんだが、まるで私自身を指している花ではないか? そう思えてしまうのだ。

 

 威厳ーーというのは、私が普段から御用達である覇王モードの事を指す。

 純粋ーーある意味で、私以上に自分の欲望に純粋で、正直な者はいないだろう?

 無垢ーーおう、無垢やろ? 混じりけのない、ピンク一色やで? 文句ないやろ? な?

 純潔ーー処女やで? 下どころか上の経験もないんやで? それよりも童貞捨てたい。……モノがないけど。

 虚栄心ーーいっそ喜劇と思えるくらいに、滅茶苦茶取り繕ってますが、何か?

 陽気ーー私のポジティブに勝てるとでも?

 偽りーー覇 王 モ ー ド ぱ い せ ん。

 華麗ーー覇 王(略。

 愉快ーー私の頭の中。……うっさい、ちゃんと自覚あるわ、ばーかばーか!

 

 ね? 当て嵌まるでしょう?

 だから私は花の中では一番、百合の花が好きなのだ。……他の花もそれなりに好きだけどね。

 

 いきなり長々と花について語ったが、何故花なのか? もっと他に考えることはなかったのか? そう思われても仕方ないが、これに関してはちゃんとした理由があったりする。

 私だって、いつもこんな気取った感じて花について真面目に考えていたりしない。……こんなキャラじゃねえし。

 それに、そんな事考えている暇があるなら、美少女を頭の中で裸にひん剥いてエロい事考えていた方が、遥かに建設的だからだ。……美少女、じゅるり。

 まぁ、そんなどうでもいい話は、そこら辺に放り投げておいて、何故、私がお花の事を考えているのか、それは……。

 

「えぇそうよ、筋が良いわね れ い む。……うふっうふふふふふっ」

「そ、そうか」

 

 誰か、誰か助けてください、お願いしますっ!

 私は現在、圧倒的に危険な状況に立たされていた。その原因は語るまでもなく、私の横でにこやかに、淑女然とした笑みを浮かべている美しいお姉さん。

 

ーー風見幽香。

 

 恐らくこの幻想郷で、その名を知らない者は一人としていない。

 人、妖怪問わず、誰もがその名を聞いたら震え上がるに違いない。

 曰くーー幻想郷最強の妖怪。

 曰くーー妖怪の超越者。

 その高すぎる実力から、この幻想郷内で、最も恐れられている超が幾つも付く凶悪な妖怪である。

 

 癖のある緑色の髪。血のように真っ赤で怜悧な瞳。薄く微笑むその姿は余りにも美しいが、底が知れない何かを感じさせ、恐ろしくもある。

 白いカッターシャツにチェック柄の赤いロングスカートを着こなし、その上からは同じくチェックの入ったベストを羽織っている。

 首元には黄色のネクタイを付け、常に日傘を持ち歩いている。その傘が壊れたところは誰も見たことがなく、幽香本人も『幻想郷で唯一枯れない花』と言っている。

 自然そのものが人の形を取ったらきっと彼女の様な姿になるに違いない。そう思わせる程に彼女の姿は自然体で美しい。

 その母なる自然を彷彿とさせる抜群なプロポーションには、殺されると分かっていても手を出す輩は多いらしい。……勿論、触れる前に醜い肉塊にされるそうだが。

 私も彼女の身体の事はよく知っている。何せ博麗神社に訪れた時に、いつもマッサージを頼まれて触りまくっているからね。……うん、隅々まで知ってるよー、一応、性感帯とかも全部把握しているよー。

 

 今、幽香は私にガーデニングのやり方を教えてくれているんだ。

 こんなに綺麗なお姉さんに手取り足取り、色々と教えて貰えるなんて私ってば勝ち組じゃねぇ? アハハハハハー……はぁ。

 

 いつもよりも食いつきが悪いだろ? 流石の私でも火傷すると分かっていて手を出すほど愚かじゃあないよ。……端的に言って、私はこの風見幽香という美しいお姉さんが苦手だ。

 嫌いではない、むしろその逆で、幽香の事は好きだ、大好きである。出来ることならそのままの勢いでベッドインからのくんずほぐれつのキャッキャウフフの展開に持ち込んでしまいたいくらいに好きだ。……好き、好きなんだけど、それ以上に苦手なのである。

 

「幽香っ!? 何処を触っている!」

「別に良いじゃない。……私と貴女の仲でしょう?」

 

 何か、このお姉さん、いきなり真後ろから胸を鷲掴みにしてきたんですけどっ!? ガーデニングはどうした! ガーデニングは!……しかし、意外と揉み方優しいな、オイ。

 まるで私の胸の感触を楽しむようにゆっくり、じっくりと指を動かし。時折、先端部分を摘み上げたり、挟み込んだり、と色々とテクニシャンな事をしている。……くっ、殺せ。

 

「ふっ、くぅ、やめろ馬鹿!」

「あら、つれないわね」

 

 これ以上のお触りは厳禁でっせ、姉御。

 腕を振り払い、二、三歩ほど距離を取る。……私が、幽香を苦手としている最たる理由がコレだ。

 幽香は私に対して、セクハラまがいの執拗なボディタッチが多い。それもかなりのギリギリを攻めてくるところが、非常にイヤらしい。……はいはい、普段の私、普段の私。

 

 この幽香のセクハラが、私の身体を良いように弄ばれるのが苦手なのである。

 私は普段攻める側だ。触る側で、揉む側で、愛でる側だ。

 そんな立場に居続けたせいなのか、私はこうして触られたり、揉まれたり、愛でられたりすることに耐性がない。皆無と言っても良い。……自分で言うことではないが、攻めるのは強いが、攻められると非常に弱いのである。

 つまりアレだ。攻撃力は高いが、防御力はまるで紙の様にペラペラの紙装甲なのだ。

 あんまりにも、紙過ぎて、素人(美少女)の技でも即落ちニコマ出来る自信がある。……これ、美少女限定の話な。野郎に触られたら、首を捩じ切って殺してやる。絶対に、絶対にだ。

 

 いつもは攻撃は最大の防御と言わんばかりに、攻め続けているから、受けのことは考えなくても良いんだけども……この幽香に関して言えば、別だ。

 私が幾ら攻めても攻めても、常に余裕を崩さず、逆に反撃と言わんばかりに私を攻め返す。その返しが恐ろしく、強力なのだ。

 さっきの胸鷲掴みも、一時的に視覚以外の感覚を遮断して、頭が妙にエロいことを考えてしまわないように、自己暗示を掛けて、漸く回避できたのだ。……それでも、多少感じてしまう辺り、自分の煩悩に呆れればのいいやら、幽香の技量に感心すればいいのやら。

 

「はぁ……ガーデニングを教えてくれるんじゃなかったのか?」

「もう教えたでしょう? 後は私と貴女の時間よ。……もう、我慢できないのよ、霊夢。早く、早くっ!」

 

 種の蒔き方と、水の掛け方しか教わってないんですが、それは。そして、それも開始五分位で終わったんですが、それは。

 おいおい、何だよ。その興奮した表情は。真っ昼間からおっ始める気満々じゃねぇかよ。オ○ニー覚えたての年がら年中発情している男子中学生でもここまで酷くねぇよ。……はいはい、特大ブーメラン特大ブーメラン。

 

「結局、こうなるのか」

「さぁ、始めましょう霊夢! 私と貴女、貴女と私だけの殺し愛!」

 

 幽香は興奮で目をギラつかせて、私は対照的に気を沈めながら、お互いに距離を取る。

 

 ナニするのかって? そりゃあ当然、幽香曰くのーー殺し愛だ。

 幽香は戦闘狂だ。……それもかなりの戦闘狂だ。自分の命を脅かしてくれる強者が相手でないと満足できないタイプの厄介な戦闘狂で、こうして時々、私が相手をしてやらないと、その衝動は治まらない。

 これは放置できない問題だ。幽香の戦闘衝動を抑えておかないと、無差別に破壊と殺戮を撒き散らす凶悪な暴力装置と化すからだ。

 それは幻想郷にとって大変よろしくない。幽香ただ一人のせいで、幻想郷という土地が壊滅する恐れもある。また、幽香の殺戮に巻き込まれて、有望な美少女が死んでしまうのは嫌だし、友人である幽香が美少女を殺す姿なんか見たくもない。

 私としても幽香は、余裕たっぷりのエロいお姉さんで居て貰わないと困るからね。……まだ、攻め勝ったこと無いし。

 

「アハッ、アハハハハハーッ!」

「はぁ……相変わらず、滅茶苦茶だな」

「貴女だけが私と戦えるっ! 貴女だけが私をっ、私を楽しませてくれるっ! だからもっとっ! もっと私にっ、貴女を感じさせてよっ! 霊夢ぅぅぅぅぅ!」

 

 豪腕一閃。ただのテレフォンパンチが、大地を砕き、強風を引き起こす。……これをまともに食らったら、如何に最強である私でも痛みを感じるだろうな。

 技なんて欠片も感じさせない、ただの腕力だけでそんな災害を引き起こすのが幽香だ。流石は最強の妖怪と言えるだろう。

 

「いい加減に落ち着けっ! (ウーノ)ッ! (ドス)ッ! (トレス)ッ!ーー100(シエントス)ッ!」

「かはっ!?」

 

 大振りの拳を躱した後に、その懐に一瞬で入り込み、某死神漫画に登場するオレンジアフロの得意技である百連続の打撃を叩き込む。

 最後の一撃には霊力を込めて、打撃の瞬間に開放して、吹き飛ばす。それにより幽香の身体は吹き飛ばされて、地面に激突し、粉塵が巻き上がる。

 一瞬で距離を詰めたのは、某死神漫画の死神さん達が多用している高速移動方法、瞬歩である。霊力を足に集めて、反発させての高速移動は日常生活でも重宝させてもらっている。サラマンダーよりも、速い。

 

「うふふ、良いわよ。面白くなってきたわ」

「やはり、あの程度では傷一つ付けられないか。……流石の耐久力だな」

 

 煙から歩いてゆっくりと出てくる幽香、服は多少汚れているが、その身体には傷の一つも見当たらない。

 身体から無尽蔵に溢れ出ている膨大な妖力、そして、彼女自身の強靭な身体が、私の拳の威力を完全に押さえ込んだのだろう。

 

「本気を出していない貴女に言われてもねぇ」

「何を言っているんだ。お前も全く本気じゃないだろう?」

「だって、貴女がまだ結界を張っていないんですもの。私達の全力にこの地が耐えられるわけないじゃないの……ねぇ、もう我慢できないのよ、霊夢。準備運動は終わりにして、そろそろ……ね?」

「はぁ……堪え性のないやつだ。

 

軍相八寸(ぐんそうはっすん) 退くに能わず(ひくにあたわず)

 

青き閂(あおきかんぬき) 白き閂(しろきかんぬき) 黒き閂(くろきかんぬき) 赤き閂(あかきかんぬき)

 

相贖いて(あいあがないて) 大海に沈む(たいかいにしずむ)

 

 流石に、私と幽香が普通に幻想郷でぶつかりあったら、余波だけでも大変なことになるからね。それなりの対策は取らないといけない。

 

竜尾の城門(りゅうびのじょうもん)

 

 私の詠唱と共に、私の背後に白い柱が幾つも出現し、積み重なり、巨大な門へと変化する。

 

虎咬の城門(ここうのじょうもん)

 

 光の輪っかが出現し、それが巨大な円形の物体へと変化する。

 

亀鎧の城門(きがいのじょうもん)

 

 光り輝く六角形の結晶がが幾つも出現し、やがてそれらが積み重なり巨大な六角形の板へと変化する。

 

鳳翼の城門(ほうよくのじょうもん)

 

 炎の円が頭上に描かれ、それが傘の様な物体へと変化する。

 

四獣塞門(しじゅうさいもん)ッ!」

 

 完成だ。

 私と幽香を閉じ込めるのは巨大な結界、四獣塞門。当然参考にしたのは、某死神漫画のピンク髪の巨大なおっさんだ。

 これならば、私と幽香がぶつかりあってもそうそう壊れることはない……筈だ、多分。

 ま、まぁ、そこそこ力を込めて構築したから簡単には壊れないだろう。……壊れるなよ? 振りじゃないからな?

 

「貴女の使う術って、本当、強力な代物が多いわね。この結界は私でも壊すのに苦労しそうだわ」

「無理だと言わないお前が恐ろしいな。……さて、準備は整ったぞ、何時でも来い」

「じゃあ、遠慮なーー」

「っ!?」

「ーーくっ!」

 

 瞬きの間に距離を詰められて、殴り掛かられる。

 それを、両腕に霊力を纏って防御力を増加させ受け止める。……この異常な加速は。

 

「……瞬歩か」

「へぇ、これ瞬歩って言うのね。便利そうだったから……覚えてみたわ」

「はぁ、出鱈目な学習スピードだな。……お前には幾つの技を盗まれたか分からん」

「例えばこれとか?ーー虚閃(セロ)

 

 幽香の指先に緑色の妖力が収束し、それが一筋の閃光として私目掛けて放たれる。

 虚閃。某死神漫画の敵キャラが使用した技である。簡単に言ってしまえば、自分の霊力、または妖力などを収束させて放つ破壊光線だ。単純な破壊力もそうだが、何より驚異的なのが、その攻撃範囲である。……魔理沙のマスタースパークと同程度の規模といえば、この脅威が理解できるだろうか?

 

「だが、甘いな」

 

 至近距離で放たれたそれを、片手で掴み取り握り潰す。

 この私に対して、霊力や妖力での戦いを挑むのは間違いだ。言ってはなんだが、この幻想郷で私以上に霊力などの力の使い方を極めている者は一人としていないだろう。

 先の虚閃もこうして、霊力を纏わせた上で、上手く相殺しながら打ち消せば、簡単にかき消すことが出来る。

 

「あら、あっさりと受け止めるのね。……本当、貴女に出鱈目なんて言われたくないわ」

「手を抜いているとはいえ、この私をここまで梃子摺らせることが出来るのは、お前以外にはいないよ。……それで十分出鱈目だろう?」

「その自信はどこから来るのかしら、ねェッ!」

虚弾(バラ)

「ぐふっ!?」

 

 殴り掛かる幽香を、虚弾で弾き飛ばし、ダメ押しに連発で幽香にぶつけていく。

 虚弾。これも先に述べた某死神漫画の敵キャラが使用した技である。その仕組みは単純明快、霊力の衝撃波を飛ばすだけである。

 この虚弾は先程の虚閃よりも、威力は小さいが、その速度は虚閃の二十倍にも及ぶ。こうして至近距離から打ち込めば、如何に幽香でも躱すことは不可能に近い。

 

「……ふふふ、今のは効いたわよ」

 

 効いた、と言いつつも外傷は一切見当たらない。……やれやれ、土手っ腹に数発撃ち込んでみたが、全く応えた様子は無いな。

 それに、先程よりも幽香の妖力が上昇している。……これが、幽香の恐ろしいところだ。

 二割ほども力を出していないとはいえ、この私とほぼ互角に渡り合っている現状でありながら、幽香はまだまだ底を見せてなどいない。

 勿論、幽香は本気のつもりだろう。本気で私と戦っているつもりなのだろう。それは彼女の楽しそうな顔を見ていれば分かる。だが、幽香自身の感情に反して、身体の方にはまだまだ余力がある。……つまり、何が原因かは分からないが、幽香は本来の実力を全く出し切れていないのだ。

 私の目測では、幽香の本来の実力は、私の正真正銘の全力のおよそ七割強程度は軽くあると見ている。……分かりやすく言えば、幻想郷を一撃で真っ二つに出来るレベルだ。

 しかし、現状の幽香は、その十分の一ほども力を出し切れていない。

 私との戦闘の影響で、枷が外れていくように本来の実力に少しずつ近づいていっているが……このペースでは、百年同じことを繰り返しても、半分程もいかないだろう。

 仕方ない、あんまりやりたくはなかったけど……

 

「荒療治だが、これも幽香のためか……」

「何を言ってーーッ!?」

 

 幽香の本気を引き出す方法、それは単純に命の危機レベルの状況に晒すことだ。

 この幻想郷において、それが可能な人物は私だけだ。他と幽香では余りにも実力差が有り過ぎる。……ならば、私が責任を持って幽香の面倒を見てやらないといけない。

 

「アハッ、それが貴女の本気なの?」

「期待させてしまって悪いが……これで五割だ」

「何それ、最ッ高じゃない!」

「これ以上力を開放したら、結界の方が持たないからな。……では、始めようか」

「霊夢ぅぅぅ!」

 

 さぁ幽香、思う存分に楽しみなさい。

 

 

ーーー

 

 

「はぁ、はぁ……クフフッ、アハハハッ! 最高ッ、最高に楽しいわ!」

 

 あれからそれなりに時間が経ったが、私の目論見通り、命の危機に瀕するレベルで戦闘を繰り返せば繰り返すほど、幽香は本来の力を取り戻していった。

 現在は、彼女の本来の力の半分並……つまり、私の全力の三割強から四割の力を持っている計算になる。

 生かさず、殺さず。その絶妙な力加減で攻撃を繰り返し、幽香が傷を負うギリギリを狙い続ける。言うは易し、されど実行するのはいささか難しいところだった。

 でも、私やり遂げたから偉いよね。神経滅茶苦茶疲れるけどもね。

 

「妖力を撒き散らしても潰れない、どれだけ殴っても壊れない。アハハッ! 本当、貴女と戦っていると、血が沸騰するように熱くて、心がぐちゃぐちゃに掻き乱されてッ! 楽しいッ!」

「そうか、それは良かったな。……だが、まだだ」

「アハッ! そうよ。まだ足りないの、まだまだ満足できてないのよ、私はァ!」

 

 先のそれとは別次元の一撃が幽香から繰り出される。

 単純な右ストレートであるが、そこにはかなりの量の妖力が込められている。

 それを、私も同じ量の霊力を込めて相殺し、お返しに幽香を殴りつける。それを、幽香も同じように妖力を込めた拳で相殺し、そして、殴り返し、殴り返し、殴り返し、殴り返し続ける。

 瞬歩による高速移動で離れ、ぶつかり合い。虚閃や虚弾などの光線や衝撃波の撃ち合いによる応酬が。何度も何度も繰り返される。

 

「はぁぁぁぁぁ!」

「アハハハハハッ!」

 

 一進一退の攻防、殴り殴られ、撃ち撃たれが幾度と無く繰り返される。

 そうしている内に、幽香の力も徐々に開放されていく。……もう少し、もう少しで完全だ。

 後ほんの少し、ほんの一歩を進めば、幽香は彼女本来の実力を完全に取り戻せる。

 私は、柄にもなく戦闘で興奮していたりする。現状、私以上に強い存在など、この幻想郷には一人としていない。将来的に私並に強く慣れるであろう素質を持った者はいるが、それだけだ、確定的ではない。

 だが、幽香は違う。彼女本来の実力を取り戻し、彼女がかつての自分を取り戻せば、少なくとも私を害せるだけの力を持つことになる。そして、幽香には類稀なる戦闘センスが、私に匹敵するであろう才を持っている。

 そんな幽香が鍛えたら、どれだけの実力を持つのだろうか? それこそ、私に匹敵するだけの力を身に着けてくれるのではないだろうか?

 それを考えてしまったら、私には幽香の力を取り戻させる以外の選択肢はなかった。……ふふふ、私も幽香の事を戦闘狂などとは言えないな、自分と同格かもしれない存在が出来るのに強い興奮を覚えている。

 私はエロスだけの人間ではない。エロスも大事だが、この幻想郷を守護する者として、力への執着もそれなりにあるのだ。

 だが、私も強くなり過ぎた。切磋琢磨出来る存在が一人もいないのは、苦痛なのだ。その苦痛を終わらせてくれるかもしれない。……そう思うと、期待が高まる。

 

 私の期待を他所に、幽香の力の解放が収まった。……まだ、完全ではないにも関わらず。

 まるで幽香自身が越えることを躊躇するように、力の開放が、ピタリッとそこで止まってしまったのだ。

 

 どうした幽香、何故、最後の最後で躊躇する?

 後、もう少しだ。もう少しなんだぞ? 後、もう少しで、お前は本来のお前自身を取り戻せるんだ。なのに何故そこで恐がるんだ?

 遊び相手がいなくなるのが恐いのか? また、頂きで独りぼっちになるのが恐いのか?

 なら安心しろ、お前の上には私がいる。お前の遊び相手は私がしてやる。超えられない頂きとして、ずっとずっとお前の上で立ち続けてやる。だからーー

 

「いい加減に、目を開けろ! この寝坊助め!」

 

ーー王虚の閃光(グラン・レイ・セロ)

 

 瞬歩で幽香から距離を取り放ったのは、私自身の霊力を収束させた虚閃の完全上位互換の破壊光線。

 先に紹介した虚閃の更に上、血を媒介として莫大な霊力を込めた、絶対なる破壊を撒き散らす死の光線だ。

 紅黒い霊力が、空間を捻じ曲げながら幽香に迫る。このまま喰らえば如何に幽香であろうと、ただでは済まない。お前が完全に力を出さないと、防げない一撃だぞ……さぁ、起きろ。起きてこい。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 幻想郷最強の妖怪、風見幽香は、生まれたその瞬間から自身が最強の存在である、という事実を理解していた。

 この世界に己よりも強い存在は誰一人としていない、と確信していたのである。

 普通ならそれはただの思い上がり、すぐに潰されて消えていく感情だ。……だが、彼女、風見幽香は普通ではなかった。

 

 彼女の妖怪としての種族、花妖怪は、本来戦闘能力など殆ど持たない弱小種族だ。

 妖力は最低値、身体能力も低く、下手をすればただの人間にすら殺されてしまう恐れもある最弱の妖怪。

 唯一の長所と言えば、花の声を聞いたり、花をを自在に操ったり出来る事だけ。……そんな花妖怪として誕生したにも関わらず、風見幽香は最強だった。

 妖力は誰にも、それこそ本人ですら底が見えないほどに膨大で計り知れない。身体能力もまた、最強の妖怪の代名詞である鬼に匹敵、あるいは凌駕するほどに優れていた。

 

 中級以下の妖怪は、彼女が無意識に垂れ流す妖力だけで押し潰された。

 同じ最上級クラスの妖怪が相手でも、少し本気で相手をすればそれだけで容易く殺すことが出来た。

 妖怪を殺す力に長けた陰陽師などの人間側の実力者を相手にしたこともあったが、尽く鏖殺した。

 

 誰も、誰も、誰も、誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も! 彼女の、風見幽香の足元に迫れる存在はいなかった。

 誰にも辿り着く事が出来ない、最強という頂きに立ってしまったのだ。それが、その事実が幽香を失望させた。

 

 頂きに立つ、ということはもう登るべき場所がない、という事だ。

 それはこれから先の未来、目指すべきものが何一つとしてない、という意味を現している。つまり、強さにおいて自分が目指すべき場所はもう何処にも残っていないのだ。

 

 幽香は戦闘狂だ。戦うことを喜びと感じる。自分が苦戦するほどの戦いが、自分と相手が命の取り合いをしているという感覚がどうしようもないくらい好きな、戦闘狂だった。

 そんな彼女が最強であるなら、最早、楽しい戦いは味わえない。誰も彼も自分より格下の弱い存在でしか無く、ちょっと本気で殴れば瞬時にただの物言わぬ肉の塊になってしまう。

 自分と拮抗、などという贅沢は言わない。せめて、足元程度の実力を持った存在がいればこの苦痛も少しは和らぐというのに。……絶対的な強者として生まれたが故の苦痛。それが幽香を蝕んでいたのである。

 強く生まれ過ぎたせいで、幽香は最早、梃子摺ることさえも難しくなっていた。

 

 やがて、幽香は自分の力に枷を設けた。どんな相手とも楽しい戦いを演じられるように力を抑えたのだ。……そして、幽香の考えは半分当たって、半分外れた。

 以前に比べて、力を抑えたことにより、自身に向かってくる妖怪が増えた。だが、その全てが幽香の圧倒的な実力の前にただの骸と化した。

 幽香は愕然とした、これほどまでに力を抑え込んでも、お前たちは自分に手傷一つ負わせることが出来ないのか? と苛立ちもした。

 そして、更に幽香は力を抑え込んだのだ。それこそ、自分が本来どれほどの実力を持っていたのかを忘れるほどに強力に力を抑え込んだ。

 

 だが、それでも、それでも幽香は最強だった。誰も彼女に勝てる者はいなかった。

 如何に力を抑え込んでいたとしても、本来の自分の力を忘れてしまっていると言っても、彼女の戦闘センス、才能だけは抑えられない。どれだけ強力な能力を持っていようと、例え幽香以上の妖力を持った敵だったとしても、幽香は圧倒的な勝利を飾った。

 これからも幽香は孤独のまま、頂きで一人寂しく佇む事になる。……それが覆ったのは、最近の話だ。

 

 博麗の巫女、と呼ばれる存在がいる。

 この幻想郷において、守護と結界の管理を担っている、力ある人間。無論、ただの人間ごときではこの風見幽香の相手にはなりはしない。……そう、ただの人間だったなら。

 

ーー博麗霊夢。

 

 彼女との出会いが、幽香の失意に彩られたこれまでの全てを変えたのだ。

 

「ぐっ、うぅ……身体が、動か、ない?」

「あまり手荒な真似はしたくなかったからな、縛道で徹底的に縛ってある。お前が如何に強力な妖怪と言えども逃れられんよ」

 

ーー敗北。

 

 初めて出会った時に殺し合いを吹っかけ、完膚なきまでに叩きのめされた。

 手も足も出なかった。清々しいくらいの敗北だった。どれだけ拳を叩きつけても受け止められ、どれだけ妖力をぶつけても欠片も怯まず、本気のマスタースパークをぶつけても焦げ目一つ付けられなかった。

 挙句、傷つけたくないから、と身体の動きまでも完全に封じられてしまう。

 その後に行われたお仕置きは、今も夢に見るくらいに幽香にとっては色々と衝撃的な体験だった。後にも先にもアレ以上の衝撃はない、と断言できる。

 

 幽香にとって、敗北とは初めての経験だった。

 これまでは自分が圧倒的な強者であり、誰にも、それこそ人間だろうと妖怪だろうと、神であろうと一方的に捻じ伏せてきたのである。

 

ーーーそんな自分よりも、強い存在がいた。

 

 その時に自身に浮かび上がった感情を、どう表現すれば良いのか、幽香には分からなかった。

 ただただ、嬉しかった。ホッとした。自分以上の存在がいた、いてくれた事に、どうしようもないくらいに心が震えた。

 

 彼女なら、霊夢ならば、自分の全力を受け止めてくれるんじゃないか?

 霊夢ならば、私とずっと戦ってくれるんじゃないか?

 

 幽香が霊夢にゾッコンになるのに、そう時間は掛からなかった。

 自分が望んだ強者、自分の全力を受けても死なない存在、逆に自身を打ち負かす力を持った唯一無二の存在。いつも自分と遊んでくれる、大好きな好敵手!

 

 そしてーー現在(いま)

 その大好きな好敵手から送られてきたのは素敵なプレゼントだ。

 

「何て、綺麗な光なの」

 

 凶悪な光が自分に迫ってくる。たしか名前は王虚の閃光。

 次元を歪ませながら迫りくるその光に、幽香は恐怖を感じるのでもなく、ただただ幸福と安堵を感じていた。

 この一撃に込められた霊夢の想いが、伝わってくる。

 

ーー起きてこい。もう我慢しなくてもいい。全力で遊んでも良いんだ。

 

「この感覚、何年ぶりかしらね。……アハッ!」

 

ーーパキンッ

 

 何かが壊れる音が、幽香には聞こえた。そして、音が聞こえたと同時に、己の内側から止めどなく溢れ出す膨大な妖力。

 幽香はかつての自身を思い出していた。力を封じる前の、圧倒的な力を惜しげもなく古い森羅万象の尽くをぶち壊していたあの頃の自分自身を、思い出していた。

 

「アハハッ、アハハハハハーッ!」

 

 幽香の内側にあった最後の枷が完全に取り払われた。

 最強の妖怪が高嗤う。己の枷を引き千切り、愛しい巫女を見て嗤う。

 今ここに、もう一人の超越者が降臨した。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 五割で放った王虚の閃光が、幽香が覚醒した時の余波だけで、完全に吹き飛ばされた件について。

 覚醒した幽香の姿は、かなり様変わりしていた。

 

 元々ショートだった髪は一気に、腰丈まで伸び、背中からは悪魔を思わせる緑色の翼と、腰から紫色の翼がそれぞれ一対ずつ生えている。

 そして、身に纏う妖力の総量は想定よりも強大だった。……その強さ私の八割強にも匹敵する。つまり、私の命を脅かせるだけの力を持っている、という事になる。

 

「お目覚めか、幽香」

「お陰様で、本来の私自身を取り戻せたわ」

「で、まだやるか?」

「本来の力を取り戻せたし、早速……と言いたいところだけど、無理そうね」

 

 幽香の視線の先では、私達を囲っていた結界が罅割れて崩壊し掛けていた。

 私の放った王虚の閃光でもギリギリだったのに、そこに加えて完全に力を取り戻した幽香の妖力が撒き散らされたのだ。

 逆にここまでよく持ってくれたものだとも思う。

 

「そうだな。……だが、完全には壊れていない。後一撃だけなら耐えられそうだ」

「そう、ならお互いに最後の一撃を撃ち合って、今回の遊びは終わりにしましょう」

「フフフッ、ああ、そうしようか」

 

 私と幽香は笑い合い距離を取る。

 そして、構えを取る。幽香はただただその右腕に膨大な妖力を集中させ、私は力を八割程度まで開放して、幽香と同じように、膨大な霊力を右腕に集中させていく。

 ただの力の比べ合いに、まどろっこしい技などいらない。必要なのは力、ただそれのみだ。

 やがてお互いの力の収束が終わり、後はタイミングを見計らいーー

 

「はぁ!」

「やぁ!」

 

ーーぶつけ合うのみ。

 

 私と幽香、二人の拳がぶつかり合う。ただの拳のぶつかり合いと思うこと勿れ、これは私と幽香、二人の超越者が放った本気の一撃だ。

 ただ幻想郷に打つだけで、大地を砕き、博麗大結界を損傷させ、外の世界にすら破壊を撒き散らすであろう、破壊の一撃だ。

 私がそれなりに真面目に張った結界も、その衝撃により罅割れが大きくなり、今にも消えてしまいそうなほどだ。

 

「礼を言うわ、霊夢」

「いきなり改まってどうした?」

「私に本当の自分を思い出させてくれて、私の先にいてくれて」

 

 幽香の拳から感じられる圧力が数段上がる。……ほぅ? ここにきて更に力が増すのか。

 

「だから、貴女にも敗北というものをプレゼントしてあげるっ!」

「フフフ、それは面白い、なっ!」

 

 敗北、敗北か。それは楽しみだ。楽しみだが……すまないな、幽香。

 

「うそっ!?」

「すまないな、幽香。……博麗の巫女に敗北は、ないッ!」

「きゃあぁぁぁぁぁ!?」

 

 幽香の拳を真正面から押し返す。

 その時の衝撃で、幽香は吹き飛ばされ辛うじて残っている結界にぶつかるーー

 

「ふっ」

「っ!?」

 

ーー前にお姫様抱っこでーす。

 

 美少女お姉さん、ゲットだぜ! ピッピカチュー(下手な裏声)!

 柄にもなく、幽香は赤面している。幽香はね。普段はエロいセクハラお姉さんなんだけどね。こういうお姫様抱っことか、女の子女の子しているのには、弱いんだよね。……私が知る数少ない幽香の弱点である。

  

「ちょ、下ろして! 下ろしなさいっ!」

「そうか、可愛かったのに……残念だ」

「くっ!? いいから! 下ろしなさい!」

「了解しました、お嬢様」

「あ、貴女ねぇ」

 

 もう少し、赤面ゆうかりんを堪能していたかったけど、コレ以上は幽香の報復が恐いので止めることにする。

 まぁ、赤面ゆうかりんの光景はぁ、私の脳内フォルダぁにたぁっぷりぃと保存してぇいるぅんですがぁーげへ、げへへへっ!

 

「ふぅ、それにしてもまだ勝てないのね。貴女、強すぎないかしら?」

「いや、正直私も危なかったからな。……まさか、九割まで使わされることになるとは思わなかったぞ?」

 

 いや、本当にマジで。幽香さんの成長スピードマジパネェっすわ。

 私の最初の予想を大きく超えて、幽香の実力は私の九割程度まで届いていた。その上、純粋な腕力などでは私でも敵わなかったりする。

 これにまだ伸びしろがあるというのだから、恐ろしいな。

 これは私もうかうかしていられない。今以上に力を付けないと、幽香に追いつかれてそのまま抜かれる可能性も十分に考えられる。

 

「……貴女の本気ってどのくらいなのか、少し興味が出てきたわね」

「見たいなら見せても構わないが……辛うじて結界も残っているからな、一瞬だけなら見せてもいいぞ」

「へぇ……じゃあ、お願いしようかしら」

「では、いくぞーー」

 

ーー限定解除。

 

 瞬間、比喩でも何でも無く。私以外の全ての音が消えた。

 一瞬で、残っていた結界を粉砕し、尋常じゃない速さで辺りに広がろうとする私の霊力。それが幻想郷に何かしらの影響を及ぼすーーその前に、再び限定霊印を施す。

 限定解除、とは文字通り私の本来の霊力を封じている限定霊印を解除する方法だ。これにより私が本来持っている霊力を完全に解放することが出来る。

 何故、私が限定霊印で自分の霊力を縛っているのか、それは私の霊力が余りにも膨大過ぎて、ただ垂れ流しているだけで幻想郷の住人たちに悪影響を及ぼすからだ。

 私の霊力に当てられて、本来力を持たない存在が力を持ってしまったり、逆に力のない存在が、魂ごと消滅してしまったりする。

 そんな事になってしまわないように、こうして封印している、というわけだ。

 近くには幽香以外には誰もいなかったし、今回は結界が張ってあったために、辺りに影響を及ぼす前に、霊力を抑えることが出来た。

 

「どうだ幽香。これが、お前の上にある頂きだ」

「……」

「幽香?……うっ!?」

 

 いきなり、そう、いきなりである。……押し倒された。幽香に、私は押し倒された。

 更に、幽香は私の両腕を片手だけで封じ込み、逃げられないように、馬乗りになっている。

 待って、待ってくれよお姉さん。ちょっと力強過ぎじゃない? 掴まれている腕が痛いんですけど? 何かピキピキ音がなっている気がするんですけど? あばばばば。

 今の状態だと、流石に貴女の相手できないんですけども? 限定解除なしだと、腕力では勝てなくなっちゃってるんで。……あれ、私詰んだ?

 

「あんな、あんな物凄いの見せられてっ! 我慢できる筈がないじゃないのっ!」

「やめ、止めろ! 何処を触っあんっ」

 

 何処触ってんねん!? 変な声出ただろうが! ええ加減にせぇよ!

 幽香の白く細い指先が、私の脇のところから服の中に入り込み、直に素肌を撫ぜる。……お、落ち着け霊夢。私は襲う側なんだ。襲って興奮する側なんだ。決して、襲われる側じゃないんだ。襲われて興奮する側ではないんだ。……でも、悔しい。ちょっと感じちゃうビクンッビクンッ。

 

「やめっ、あっ!?」

「はぁはぁ、霊夢っ、霊夢っ!」

 

 幽香は私の身体に自身の身体を擦り付けながら、身体中を弄ってくる。

 あ、ば、馬鹿者! そ、そんなところに手をやるんじゃない! 触るんじゃない! やめ、やめろぉー!

 ふあぁぁぁ!? 嘘だろ!? 何処でそんな技術を覚えて、くぅぅぅぅぅ!? 駄目だ、このままでは駄目だ、ヤバイヤバイヤバイヤバイ。

 私にお仕置き受けている娘達はこんな感じだったのか!? ごめんね!? 確かにコレはヤバイ、こんなん即雌落ちするわ。……これからもヤメないけどぉぉぉ!? うにょおぉぉぉ!?

 

「ふ、っく、あんっ。ゆ、ゆうっかぁっ!」

「良いわ、良いわよ霊夢、その表情が堪らないわぁ」

 

 幽香の指が、私の聖域近くを行ったり来たりぃぃぃ!? ひえぇぇぇ!?

 脇を、脇を舐めるんじゃあない! 汚いでしょうが! ペッしなさいペッ! それよりもザラザラしてる舌の感触ががががが……あ、アッーーー!?

 

 幽香による攻めは、この後数時間に及んだ。……う、うぅもう、お嫁に行けない。

 貞操は死守したけど、何か大事な物を奪われてしまった、そんな気がする。

 おのれ、この恨み晴らさでおくべきか……絶対に、絶対にいつかギャフンと言わせてやる! 幽香めぇ、覚えておけよ! この私の超絶テクニックでヒィヒィ言わせてやる。絶対に快楽地獄に叩き落としてやるぅ。……ごめん、何か自分の体液とかで下着とかグチャグチャだから着替えてくるわ。




かくたの!

如何でしたでしょうか?
個人的にはちゃんと描写できてたんじゃね?って思って入るんですが……駄目だ、一旦寝ないと正常な判断が出来ねぇ。

取り敢えず、二日目に読んだ範馬刃牙に影響は受けてませんよ? 受けてないからね?
後、ブリーチのノイトラVS剣八も見てませんよ? 本当だよ?

ハルマキうそつかないアルヨ、ほんとうヨ。

次回更新はもっと余裕で行けたらいいなぁー。
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