魔法つかいプリキュア 宝石と帝具使い   作:水甲

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21 空回りするリコ

学校に登校した僕、ポニィ、ツクシの三人。

 

「なんでこんな早く登校しなきゃいけないのよ~」

 

「だから言ったろ。無理に付き合うことはないって……」

 

「陽斗くんはいつもこの時間に?」

 

「まぁそうだな」

 

「てっきりみらいちゃんといつも一緒に登校してると思ってたんだけど……」

 

ツクシはニヤニヤ笑いながらそんな事を聞いてきた。何でみらいと?幼馴染だからか?

 

「ツクシ、駄目だよ。陽斗は鈍いんだから」

 

「そうだね~」

 

本当にこの二人はなんなんだ?僕のどこが鈍いっていうんだよ……

 

三人で他愛のない話をしているとみらいとリコの二人が教室に入ってきた。というか何だかカバンの中にモフルンが見えたのだけど、やっぱり連れてきてるんだな……

 

「おっはよー!」

 

「オッホン、みなさん、おはようございます」

 

リコは丁寧に挨拶をした。何だ急にどうしたんだ?

 

「あいつ、ちょっと大人っぽいよな…」

 

クラスメイトがそんな事を呟いているのが聞こえてきた。リコが大人っぽい?いや、まぁちゃんとしていればそうだろうけど……

 

それからリコは授業の予習を始めた。まぁ確かに授業前の予習は必要だけど……

 

「何というか心配だな……」

 

「まぁリコなりに頑張ろうとしてるんじゃないの?」

 

「きっとマホウ界からの留学生だからって気合が入ってるんだよ」

 

頑張るのは良いことだろうけど、本当に大丈夫か?僕のイメージ的にリコって空回りしそうだからな……

 

 

 

 

 

 

 

僕の心配どおり、授業でリコは数学の問題に答えるのだが、答えの図が黒板からはみ出すくらい書いたり、春の大三角の名称をマホウ界の呼び方で答えたりなど……本当に空回りしてるな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後になり、ポニィとツクシの二人はみらいとまゆみに誘われてバレーボールをしているため、僕が一人で帰ることになったのだが、帰り道の途中、リコとモフルンが河原でなにかしているのを見つけた。

 

「何してるんだ?リコ」

 

「陽斗!?これはその……」

 

リコが持っていた本はバレーボールの本だった。もしかしてルールがわからないから調べてたのか?

 

「それくらいみらいに聞けばよかったんじゃないのか?」

 

「駄目よ。それじゃ……私は魔法界を代表して来てるの!ルールだってプレーだって完璧でなくちゃならないの!だから、もっともっと練習しなくちゃ」

 

「リコ……少し肩の力を抜いたほうが良いぞ。そんなんだと誰もお前に話しかけてくれる人がいなくなるぞ」

 

「そ、それは……」

 

頑張るのは良いことだけど、それだけじゃ駄目だ。せっかくこっちに来たんだから……

 

「もう少し楽しんだほうが良いんじゃないのか?こっちでの生活を」

 

「………」

 

リコは黙り込み、僕はそのままそこから離れた。

 

「今日はお呼ばれしてるから夕食のときにまたな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから夕方になり、みらいの家で夕食を食べることになった。リコは昼間のことを気にしているのか僕の方を見なかった。

 

そんな中みらいのお父さんがある話を始めた。

 

「昔、皆でよく天体観測に行ったよなぁ。そういえばみらいがまだ小さかった頃、陽斗くんの家と一緒に山へ星を見に行ったんだよ。そしたらふと目を離した隙に、みらいと陽斗くんがどこかに消えちゃってね。慌ててみんなで捜しに行って…てっきり怖くて泣いてるかと思ったら…」

 

そういえばそんな事もあったな……たしかあのときみらいは……

 

 

 

 

夕食を食べ終え、家に帰ってのんびりしようとしていると魔法学校の制服を着たみらいとリコの二人が訪ねてきた。

 

「どうしたんだ?」

 

「ほら、夕飯のときに星の話になったから、折角だから見に行こうかなって思って」

 

「なるほどな……」

 

「そういえばポニィちゃんとツクシちゃんは?」

 

「二人なら出かけてる。多分だけどどこかで鍛錬でもしてるんじゃないのか?」

 

前にどこか人気のないところがないかって聞いてきたことがあった。二人なりに鍛錬をしようとしているのだと思い、その場所を教えた。

 

「そっか、陽斗くんは行くよね」

 

「あぁ……」

 

僕はみらいの箒にのり、モフルンとはーちゃんを加えた五人で星を見に行くことになった。

 

箒で空を飛んでいるとみらいがある話を始めた

 

「さっきのお父さんの話ね、山でまよっちゃった時…本当は怖くてずっと泣いてたの。一緒にいた陽斗くんが必死に慰めてくれてたんだけど……もう二人して泣いてたんだよね」

 

「そんなときだったよな」

 

みらいが不意に夜空を見上げると、さっきまで泣いていたのが笑顔に変わった。その理由は夜空を照らすような星のおかげだったな。

 

「暗くて怖かったはずなのに、キラキラしてて明るくて…同じ夜なのにね」

 

「見方が変わったのね」

 

「リコも同じだと思うの。まっすぐ前を見るだけじゃなくて、グル~ッと周りを見たら、星空みたいにキラキラでワクワクな事が、きっといっぱい見つかるよ!魔法界と同じようにみんなで楽しいこと見つけよう!」

 

「みらい……」

 

みらいもみらいなりにリコのことを気遣ってくれたんだな。リコも今日のことを思い出し、

 

「陽斗、ごめんね」

 

「別に謝ってもらうようなことはされてないから気にするな」

 

「……うん」

 

それから雲の上まで行って星を見に行こうとした瞬間、突然僕らが乗る箒が何かに遮られ、墜落してしまった。

リコは慌てて助けに来てくれたおかげで特に大怪我をしなくてすんだけど……

 

「こんな所で会うなんて、やっぱりあんたたちもエメラルド狙いだね!魔法、入りました!」

 

突如として現れたスパルダが雲と看板のヨクバールを生み出してきた。

 

「こんな夜中に騒がないでよ!」

 

「皆が起きちゃうじゃない!」

 

みらいとリコの二人は変身し、ルビースタイルに変わった。僕もリゼルファにルビーのかけらをはめ込み、ルビーフォームに変わると僕の前にザンクが現れた。

 

「このような所で会うとは……愉快愉快」

 

「お前も来てるのかよ!!二人共、ヨクバールは任せたぞ」

 

「「うん」」

 

ミラクルたち二人にヨクバールを任せ、僕はザンクと対峙していた。

 

「お前にはスペクテッドを攻略されているからな……皇具を使わせてもらうぞ」

 

ザンクはそう言いながら真っ黒な水晶玉を飲み込み、額にもう一つの目が現れた。

 

「皇具?」

 

「ある人物が帝具を超えるために作った武具。それが皇具。そして今飲み込んだのは無視流残スペーイド!!さぁその力の一端を見せようか」

 

ザンクがそう言いながら、体の力を抜いた。もしかして攻撃してくるのを誘ってるのか?こういうときどうすればいいかわからないけど、乗っておくべきだな

 

僕はザンクを思いっきりぶん殴ったのだが、殴る寸前ザンクの姿が消え、攻撃が当たらなかった。

 

「今のは!?がぁ!?」

 

突然背中に痛みが走った。もしかしてザンクが攻撃したのかと思ったが……

 

「どうしたんだ?俺は全く動いていないぞ」

 

ザンクは倒れた僕を見下ろしていた。こいつ、さっきまで姿を消していたんじゃ……

 

「どうして攻撃が当たらないと思っているんだろ。答えを教えてやるから、もう一回攻撃してみろよ」

 

僕は言われるままにザンクに向かって蹴りを放った。だがまたザンクの姿が消えた。いや、今度は違う……蹴りは……

 

「今のって僕?ぐあっ!?」

 

また背中に衝撃を受けた。やっぱり今見えた僕の姿は……

 

「愉快愉快。答えはわかったか?」

 

「攻撃をしたのが……僕自身だっていうのか?」

 

「そのとおりだ。無視流残スペーイドは発動している間、未来のお前を映し出すことができる。お前は未来のお前を傷つけているからこそ、そうやって急にダメージが入るということだ」

 

「じゃあどうしてお前がいなくなるんだよ」

 

「それも皇具の力だ。未来のお前を映し出している間はお前は俺のことを感知することはできない」

 

ザンクは思いっきり僕に蹴りを食らわせ、僕は吹き飛ばされて地面に倒れ込んだ。

 

「これでお前は終わりだ……ごほっ!?」

 

ザンクはとどめを刺そうとした瞬間、血を吐いた。一体どうしたんだ?

 

「やはりまだ慣れないみたいだな……またの機会にしようか」

 

ザンクはそう言って姿を消すのであった。残った僕は……

 

「厄介すぎだろ……」

 

どうすればいいのか分からなくなっていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事にヨクバールを倒したみらいたちだったけど、僕は考えることがあると良い、星を見に行かずに帰ると二人に伝えるのであった。

 

 

そして次の日、みらいから宇宙のリンクルストーン、タンザナイトを手に入れたこととリコもいつもどおりに戻ったことを教えもらうのであったが……

 

「皇具……」

 

「本当に厄介みたいだね。それにしても帝具に対抗できるような力を持ってるなんてね」

 

「本当に厄介だった。正直どうにかしないと行けないんだけど……」

 

「お父さんたちに手伝ってもらうのは難しいから……」

 

「こっちの世界に選抜組の誰かがいたりしたらな……」

 

仲間を増やして皇具に対抗するっていうことか?でもそう都合よく行くかどうか……

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