陽斗Side
みらいたちと少し離れて、僕はゴズキ師匠、ツクシ、ポニィと見回りをしている。人が多いけど怪しい奴は特に見当たらなかった。
「怪しい奴いないみたいですね」
「そうだな。だが油断するな」
「分かってます」
「何というかこんなお祭りで怪しいことする人なんて…」
「いるとは思うよ。人が多いって、何かしたとき見付かりにくかったりするし」
ポニィ、ツクシの2人がそんな話をしている中、向こうの方でドンヨクバールの姿が見え、僕らは急いでみらい達の所に行こうとするが…
「止まれ!」
ゴズキ師匠が呼び止めた瞬間、僕の前に1本の剣が突き刺さり、黒い穴から1人の男が現れた
「どうやら目的のものを持っている奴ではないみたいだな」
男は剣を抜き、ため息をついていた
「何者だ?貴様」
「そうだな…リュウトの同士と言うべきだな」
男が殺気を出した瞬間、ツクシが銃弾を放つ。銃弾はカーブを描きながら男に向かっていくが、男は銃弾を剣で弾き、背後から蹴りを入れようとするポニィを鞘で殴り飛ばす
「くっ!?」
「殺気を見せた瞬間に動くのはどうかと思うぞ…」
僕とゴズキ師匠は同時に動き、僕はサファイアの槍で攻撃を仕掛け、ゴズキ師匠は刀で斬りつけようとするが、男は剣と鞘で防ぎ、僕らを吹き飛ばす
「強い!?」
「強い…って言うよりも極めた存在だな」
極めた存在?どういう事だ?
「こいつの実力は思っている以上にあると思え」
僕とゴズキ師匠は左右から同時に攻撃を仕掛けつつ、ポニィは再度背後から、ツクシは前から何発もの銃弾を放つ。男は剣を鞘に収めた状態で構えると……
「無駄だ」
男が鞘から剣を抜いた瞬間、僕らは吹き飛ばされる。
「今日だけ手伝いのつもりで来たが……まさか目的のものと会えず、切りがいのない奴らと戦うことになるとは……」
こいつの目的って…だけど今、こいつを…
僕はリゼルファにエメラルドの欠片をはめ込み、大剣を構える
「エメラルドの力とやらか…それならばどんな力も凌駕するらしいが……俺は皇具を持っていない。意味の無い力を使うとはな」
皇具なしでその力…ヤバすぎる相手だろ…だけど…今、こいつをここで足止めすれば……みらい達への負担になることはない
「その目…どこかで…」
男は僕の目を見て何かを思い出そうとしていた。その隙に僕は全力で斬りかかる。
「あぁ思い出した」
男がそう告げた瞬間、エメラルドの大剣が弾き飛ばされ、僕の首筋に男の剣の切っ先が当てられる
「あの時、切り残した子供か。それにその帝具…まさかこうして出会うとはな」
切り残した子供…何だ?何の話だ?こいつの言うことは……
「はめ込んだ宝石によって、性質を変える帝具。手に入れようとしたが時間切れで手に入れられず、ましてや切り残しを出してしまう……俺の最大の失敗だが…まさかまたこうして会うとはな」
男の笑みを見た瞬間、僕の中にある記憶が呼び起こされる。男の笑み、血塗れの両親、血に濡れた男の剣。こいつが…こいつが…あの時の……
「う、うおおお……」
僕は咄嗟に殴りかかろうとしたが、男の鞘に殴られ、意識を失った。
「時間切れだ、またいつか会えたら…その時は斬り殺してやる」
目を覚ますと僕は自宅の部屋にいた。そこにはみらいが心配そうにしていた
「陽斗くん!?大丈夫?」
「み…らい…僕は…」
「私達がドンヨクバールと戦ってる間に陽斗くん達も戦っていたって…」
「そうだ…そうだった」
両親の仇と再会して、僕は……
「ゴズキさんたちから聞いたよ。大変だったって…」
「師匠達は?」
「マホウ界に戻ったよ。『感情のまま戦うな』って」
「そっか……」
それからみらいはハロウィンでマホウ界のみんなとナシマホウ界のみんなが手を取り合って一緒に作業をしたりしたことを教えてくれた。それってみらいからしたら嬉しいことかもしれないけど…
「悪いな。心配掛けて…」
「ううん、陽斗くん、落ち着いてるみたいで良かったよ」
そう言いながらみらいは抱き締めてくれた。
「ありがとう。みらい」
感情のまま戦うなか……僕の場合、そう言う戦い方はきっと合わないのかもしれない
「仇のことを忘れるべきだよな…」
「どういう事?」
「もしかしたら…みらいの…みらい達の事を見えなくなるかもしれないから……」
「陽斗くん、陽斗くんがそうするべきって思うなら…」
「うん…」
こうしてハロウィンの日は終わりを告げるのであった。
だけど僕らは知らなかった。ゆっくりとマホウ界とナシマホウ界の異変が大きくなっていくことに……
謎の男との決着はクロトの方で…
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