魔法つかいプリキュア 宝石と帝具使い   作:水甲

76 / 92
78 妖精の里で語られる古い物語

陽斗Side

 

僕らは妖精の里に来ていた。チクルンのことがあったとはいえ、まさか本当に妖精の里に来るとは…

 

「ここが、妖精の里!」

 

「すごいわ、なんてきれいな景色」

 

「モフー」

 

「ホントに帰ってきちまった」

 

風が吹いた瞬間、リンクルスマフォンが地面に落ちると…

 

「はーちゃん!」

 

何故かはーちゃんが妖精の姿になっていた。

 

「妖精になっちまった!?」

 

「昔のはーちゃんみたいモフ」

 

「はー!?昔って?」

 

「チクルン!」

 

不意にチクルンのことを呼ぶ声。チクルンは恐る恐る振り向くと…

 

「あー、やっぱりチクルン。あなたなのね!」

 

そこには昆虫みたいな格好をした妖精を引き連れた女性がいた。

 

「女王様…」

 

「チクルン、チクルン!」

 

「女王様ぁ!」

 

妖精の女王とチクルンがハグする。

 

「チクルン!」

 

「女王様ぁ!」

 

感動の再会かな?そう思っていたら、女王は怒った顔をしながらチクルンの頬を突いていた。

 

「チクルン!今までどこをほっつき歩いていたのです。悪い子には愛のチクチクです。チクチク、チクチク」

 

「あー女王様落ち着いて!」

 

「これには深い訳が!」

 

「しゅみませんでしたー!」

 

 

 

 

とりあえず落ちついたところで改めて僕らは歩きながら話をすることに

 

「チクルンが大変お世話になりました。ここは霧深く、妖精以外は他に誰も立ち入ることのないところ…訪れた人間はあなたがたが初めてです。」

 

たどり着いた場所は大きな木だった

 

「あれが、わたくしたちの城です」

 

僕らは中に入り、女王から歓迎を受けていた。目の前には美味しそうなパンケーキが並べられていた。

 

「さぁ、召し上がれ」

 

『いっただきまーす!』

 

「花粉のケーキ!美味しいね!」

 

「ハチミツたっぷりのパンケーキも!」

 

「人間ってよく食べるんだなー」

 

「あいつら、オイラと別れるのが辛ーい!ってついてきたんだぜ」

 

「それよりチクルン、女王様がどれだけ心配してたと思ってるの!?」

 

「女王様はねー、毎日君のことを探し回ってたんだよ」

 

仲間の妖精達にそう言われて、なんともいえない顔をするチクルン。

 

「はー!」

 

「はーちゃん、お口の周りに花粉ついてるモフ」

 

「でも、どうして妖精の姿に?」

 

「ここの景色を見てたら花の海の事を思い出してー」

 

「花の海?」

 

「ご存じなんですかー?」

 

「聞いたことがあります。かつて世界を覆っていたという美しき花園。それが花の海と呼ばれていたはず」

 

「それで!」

 

「他に何か!?」

 

「いえ…これ以上のことは」

 

「私は女王になって3000年。まだ日が浅いもので…」

 

妖精だから長生きだと思ってはいたけど、まさかの3000年か…

 

「3000年!?」

 

「それでも日が浅いって…」

 

「先々代の、そのまた先々代の女王ならばもっと知っているかもしれませんが」

 

「先々代の…」

 

「そのまた先々代って…」

 

「お呼びかの?」

 

するとリフトに乗って降りてきたの年老いた妖精だった

 

「ご紹介しましょう。先々代のそのまた先々代の女王。人呼んでレジェンド女王です」

 

「ご健在なのね…」

 

レジェンド女王ははーちゃんを見て、目を開き…

 

「そなたは…」

 

 

 

 

 

 

 

ある場所にて

 

「やはり、ただの力押しではダメだったね、シャーキンス。闇の魔法。誰かは知らないけど悪くない出来かな」

 

本の上に何かが降りてきて、それは蜘蛛に変わった

 

「1つ試してみようか。こうかな?」

 

指パッチンとならすと本の紋章が反応、蜘蛛が光って実体化した紋章の上に乗ったまま…

 

 

 

 

陽斗Side

 

「花粉のカステラと薬膳茶。寿命が延びる思いだこと…」

 

「はー」

 

「それにしても、魔法界とナシマホウ界の者達が手を携えて、この里にやってくるとはの。それに…よろしい、話してしんぜよう。私の知っている古い古い物語を」

 

レジェンド女王は語り出した。古い物語を…

 

「むかしむかーし、あるところに人、動物、妖精や精霊達が仲良く暮らす楽園があったのじゃ。その世界は一面の花に覆われ、みんな仲良く暮らしておった。そしてその中心には世界を見下ろすほどの大きな木がそびえ、そこにはあまねく命の母。マザーラパーパが我々を見守り、恵みを与えてくださっていたのじゃ」

 

「マザーラパーパ…」

 

「マザラパーパ様の祝福の下で幸せの時は長らく続いておった。しかし、災いが突然現れた。天を引き裂き現れた終わりなき混沌。デウスマスト…」

 

「デウスマスト!」

 

「眷族を率い…」

 

「世界を飲み込もうとする混沌にラパーパ様はおひとりで立ち向かわれた。そして、長く苦しい戦いの末、ラパーパ様は眷族たちを封印し、遂に終わりなき混沌を遠い彼方へと追い払われたのじゃ。しかし、戦いに疲れ傷ついたラパーパ様はその依り代たる世界の中心、母なる木と共に大地から離れていかれた。そして、ラパーパ様を失った大地はその姿を大きく変え、母なる木もまた時空の間を漂ううちにやがて1つの世界を形作った。それが…」

 

「魔法界!」

 

「母なる木って、魔法学校のあるあの木のことだよね?」

 

「そして残された大地は…」

 

「ナシマホウ界」

 

「みんなの記憶から、歴史からも忘れ去られるほどの遠い昔の出来事じゃ」

 

「花の海って、そんな大昔の事どうして私おぼえてたんだろう」

 

「はーちゃん…」

 

俯くはーちゃんを心配するみらい達。その時、不意に声が聞こえた。

 

「おやまぁ、なんだかしみったれたムードじゃないかい」

 

「あなたは!」

 

「久しぶりだねぇ、プリキュア!」

 

そこに現れたのは倒したはずのスパルダだった




感想待ってます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。