俺達は町に戻りリィン達と合流した。
「ツヴァイ、アリサ!」
「ソナタらも終わったみたいだな。」
「お疲れ様、二人とも。」
「ああ。リィン達もお疲れ様。」
「ありがとう、みんな。」
と話していたら
大市の方から怒号が聞こえてきた。
リィンの提案で直ぐに向かう事になった。
駆けつけた先にいたのは、市の中央部で、客足が良さそうな位置にある店の前で胸ぐらを掴み、喧嘩し合っている二人の男性だった。
このままでは流血沙汰になるか。
はやく止めるか。
「リィン、止めるぞ!」
「分かった!」
俺達は喧嘩をしていた二人をそれぞれ背後から羽交い絞めにして押さえつけた。
押さえつけた当初こそ互いに興奮状態で部外者の話など聞く耳持たずだったが、
「大人なんですから、もう少し理性的になったらどうですか?」
という静かながらも的を射ぬいたアリサの言葉と
「もしも喧嘩を続けるなら、容赦しませんよ?」
という俺の言葉によって沈静化させた。
すると、騒ぎを聞きつけて駆けつけた人物がいた。
「いったい、なんの騒ぎだ!?」
「オットー元締め!」
オットー元締めと呼ばれる人物によって事態は一時収まりを見せ、ひとまずは市に平和が訪れた。
「私は、オットーというものだ。ここの元締めをやらせてもらっている。君たちはトールズの生徒さん達だね?」
「はい、そうです。」
俺達は、オットーさんに自己紹介をし喧嘩していた二人の男性に話を聞くことになった。
二人の商人が殴り合いの直前まで発展した理由を聞いてみたら、大市における店舗の位置が原因だった。
それだけならばどちらかの手違いだという事で解決を図る事ができただろうが、二人ともが同じ場所の店舗の設置許可証を持ち、どちらも本物であったことが問題だった。
いったいどういうことだ?
なぜ、どちらも本物の設置許可証を持っている?
「すみません、オットーさん。確認したいことがあるのですがよろしいでしょうか?」
「なんじゃ?」
「設置許可証は、どこから発行されているものですか?」
「許可証の発行は、公爵家からじゃ。」
「なるほど。ありがとうございます。」
ここで公爵家か。先ほどの領邦軍といい徐々に繋がって来はじめたな。
俺は考えを纏めていくのだった。
その間に、オットーさんが状況の沈静化を行い
そこで出した結論は、『同じ店舗の場所を時間で区切って交互に使用する』というものだった。
その案に二人は素直に従った。
その後、騒ぎを始めに収束させてくれた俺達にお礼をしたいということで、オットーさんが自宅へと招待したのであった。