刹那の軌跡   作:Seli

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今回胸糞描写が少しありますので、閲覧される方は注意してください。


33話

俺とロジーヌは、特務支援課と別れ旧市街に来ていた。

 

 

「あちらは活気がありましたけど、こちらの旧市街は寂れて来ていますね.....」

 

 

 

「どうやら再開発区域に指定されているみたいだな。それに不良の溜まり場にもなっているみたいだ。俺からあまり離れるなよ。」

 

 

「は、はい。」

 

俺はロジーヌの手をとり、仲間がいるバー『トリニティ』の前にきた。そこには、肌が真っ黒で、サングラスをかけた人物が待っていた。

 

 

「悪いな、遅くなって。それと久しぶりだなアッバス。」

 

 

「いえ。久しぶりです。セルナート卿にロジーヌも。ここではなんだから、中に入るといい。」

 

俺は案内されて中に入ると、奥のテーブルで緑髪の中性的な人物が座っていた。

 

 

「やれやれ、ようやくご到着かい? 久しぶりだね、二人とも。」

 

 

「遅れてすまなかった、ヘミスフィア卿。クロスベルに来てから色々あったんだよ....」

 

 

「ヘミスフィア卿もアッバス卿もお久しぶりです。」

 

 

「堅苦しいよ、二人とも。ツヴァイもロジーヌも楽にね。公の場じゃないんだから。」

 

 

「それもそうだな。それで今のクロスベルの状況を詳しく聞かせてもらえるか?」

 

俺とロジーヌはイスに座り、ワジから話を聞くのだった。

 

 

 

「なるほどな。どうやらクロスベルも色々と動き初めているみたいだな。それに、教団の残党も間違いなくいるみたいだな...

ちょっと前にあったクロスベル市長暗殺未遂事件の詳細って分かるか、ワジ?」

 

 

「一応データはあるよ。これかな。何か気づいたことでもあったのかい?」

 

 

 

「ちょっとな.....」

 

 

 

俺は資料を受け取り、確認した。

やっぱりか。完全に犯人の精神状態や身体能力が、『楽園」に連れてかれて、人体実験を受けていた子達の状態と似てやがる。

 

 

 

「ツヴァイさん、何か分かったのですか?」

 

 

ロジーヌが俺に尋ねてきて、それに答えた。

 

 

 

「ああ。この暗殺未遂事件の犯人の症状と教団の事件の被害者の子供達の症状が似すぎてるんだよ。8~9割方『教団』が絡んでいると見て間違いないだろう。」

 

 

「そうなんですか。ですがこの犯人は、一体何をされてこうなったのですか? 経歴は市長の秘書で忙しそうにしていたみたいですし、実験を受ける機会など無かったのではないですか?」

 

 

「それは僕も気になったね。何か方法があるはずだよ?」

 

 

「! そういうことか!」

 

 

「アッバスは流石に気づいたか。俺が纏めた教皇に渡す前の教団事件の資料を見たことがあるから当たり前か。ロジーヌとワジは見たことないから分からないかもしれないが、教団事件では被害者の子供たちにあることをしていたんだよ。何をしていたと思う?」

 

 

「それは、戦闘訓練とかですか?」

 

 

「んー、人体実験で使われてたんだよね? もしかして薬関係で注射とかかな?」

 

 

「ワジの答えが近いな。薬ってのは合ってるが、方法が注射ではなく錠剤だったんだよ。プレロマ草を使って作られた錠剤を、子供達に飲ませ感知能力を高めたり、身体能力が常人ではありえないほどになったり等の症状を無理やり出させ、実験を行っていたんだよ....

中には精神が高ぶって性格が変わったりして、精神崩壊し、誘拐された罪のない子供がたくさん死んだんだよ....」

 

 

 

「そんな......ひどすぎる..」

 

 

 

「聞いていて気分が悪くなる話だね....」

 

 

 

「そんな外道達だったからこそ、騎士団も遊撃士等と連携して拠点を制圧していったんだ。まあ、その時の作戦には総長、副長、俺、ツヴァイの4人しかいなかったからな。ツヴァイは遊撃士としての参加だったがな。

各拠点内などは、ひどすぎて見れた物ではなかった。」

 

 

「そうなんですね....。」

 

 

 

「なるほどね....。それで今回のクロスベルの市長暗殺未遂事件の秘書も同じように錠剤を飲んだ可能性が高い訳だ。そうだよね、ツヴァイ?」

 

 

「ああ。薬が犯人から出てくれば確定なんだがな... しかし、薬を流した犯人の目星がつかないんだよな。」

 

 

「この秘書が、教団の残党であるとは考えられないのですか?」

 

 

「それは、まずない。教団の残党なら自分が関与していることを絶対にばれないように動くからな。奴らはそういう連中だった。

今後街中でも、出回る可能性が高いから注意しておけよ、ワジ。」

 

 

「分かったよ。でもこれからはどうするんだい? 薬が出回るまで待つかい?」

 

 

「そうだな....いや待てよ? そういや、さっきワジが『黒の密売会』があるって言ってたよな? それに参加しよう! 薬を回すとなればこれほど絶好な場は無いからな。」

 

 

 

「なるほどね。分かったよ。参加するメンバーはどうするの? 招待券は2枚しかないよ?」

 

 

 

「潜入するメンバーは、俺&ワジでいこう。

ロジーヌとアッバスは街で情報収集しておいてくれ。」

 

 

「分かりました。お願いですから無茶だけはしないでください。それと無事に帰ってきてください、ツヴァイさん。ワジさんも」

 

 

 

俺はロジーヌの頭を撫でながら

 

 

「分かったよ。だから心配するな。」

 

 

俺の言葉にロジーヌは安心し、笑顔になった。

 

 

「相変わらずだね~ 了解したよ。」

 

 

「分かった。気をつけるんだぞ、二人とも。」

 

 

俺達は、作戦を決めて『黒の密売会』に向けて準備をしていくのだった。

 

 

そして、当日になった。

 

 

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