〈ツヴァイ Side〉
ワジとミシュラムに着き、ワジが前に予約していたホテルにチェックインし、部屋に荷物を置いていた。
ワジが俺の荷物について尋ねて来た。
「アシュリーからいったい何を受けとっていたんだい?」
「ああ、コイツだよ。」
俺はバーから出てすぐ、知り合いの店に向かい荷物を受け取りミシュラムに来ていた。
箱を開け、中身を見せた。
「ブレードライフル? それって君が、猟兵として仕事する時の武器じゃないか。」
「ああ。こっちの方が今回は動きやすいからな。『エクスカリバー』はバラせるし、持ち運びが便利なんだよ。必要になれば組み立てるって感じだな。ちなみに中は、威力の高いゴム弾にしてるから、気絶したりはするが殺傷能力は無いぞ。」
「なるほどね。その方が太刀より適してる訳だ。ただ、その武器を出すと変装してても正体がバレるんじゃないかい? 君の猟兵の経歴は知らない人がいないぐらい有名だし。」
「ヤバくなったら出すって感じだな。それまでは素手で何とか対処するつもりだし、バレたらバレた時だ。俺の正体に気づくのはランドルフぐらいしかいないから、大丈夫だろう。」
「ツヴァイがそういうなら分かったよ。」
そこで部屋の扉がコンコンとノックされた。
するとワジが
「あっ、そういや。ルームサービス頼んでおいたんだ。出てもらえるかい、ツヴァイ?」
「ああ、分かったよ。はーい、今出ます!」
俺はドアを開けると、そこにはロジーヌがいた。
「どうも。えっと、付いてきちゃいました。」
うん、疲れて幻覚でも見ているんだろう...
俺は目を擦りながらドアを閉めた。
「ツヴァイさん!? すみませんが、開けてもらえませんか!?」
何か外からロジーヌの声が聞こえるし、ワジを見てみるとめちゃくちゃニヤニヤしてやがる....
ワジの策略か....
来てしまったのは仕方ないか。
俺はもう一度ドアを開け、ロジーヌを部屋に招き入れるのだった。
ロジーヌを部屋に招き入れ、二人に事情を聞いていた。
「で、どうしてロジーヌがここにいるんだ?」
「それは... 私がツヴァイさんの任務に従騎士としてお供したかったからです!
ツヴァイさんはいつも1人で解決しようとして無茶をしてばかりで...
いつも心配している私の気持ちも考えてください! それに、私は従騎士です!
貴方の側でサポートがしたいんですよ!」
ロジーヌはありのままの気持ちを俺にぶつけてきた。
危険が及ばないように危ない任務からは遠ざけてたんだが、不満ばかりを貯めてたみたいだな。そういえば、アイツにもそう言われたんだった....
どうやら同じ失敗を繰り返してたみたいだ。
「分かったよ。これからは、俺のサポートに入った時にはどの任務でも連れていくから、よろしく頼む。」
「.....はい! こちらこそよろしくお願いしますね、ツヴァイさん!
それと、ワジさん、きっかけをくださりありがとうございました。」
ロジーヌは俺の言葉が嬉しかったのか、満面の笑みになっていた。
この笑顔を俺は曇らせていたんだな....
「うん! 話が纏まったみたいで良かったね。それじゃあ、ここからは別行動って形でいいかい? 」
ワジが俺達に確認してきたので
「ああ。黒の密売会が終わったら合流しよう。
それと、もしトラブルが起きたりしたら各自で対処しよう。 さてと、ロジーヌの服を見に行くか。」
「私の服ですか?」
ロジーヌは不思議そうな顔をしながら言った。
「そのカジュアルな服装だとドレスコードに引っかかるし、化粧とかもして変装しておかないと不味いだろうが。 ミラのことは気にしなくていいから行くぞ。 それじゃあ、また後でな。」
「はーい。それじゃあ、デート楽しんできてね~」
「ツヴァイさん!? ワジさんも何を言っているのですか!?」
俺はワジにそう言い、ロジーヌの手を引き店へと向かった。
〈ツヴァイ Side out〉
〈ロジーヌ Side〉
ツヴァイさんが私の全身コーディネートを終え、『黒の密売会』に参加するために私達は大きなミシュラムのテーマパークから、離れた箇所にある大きな屋敷へと向かっていた。
今の私の格好は、赤いドレスを着てネックレス等の装飾品を付け、髪にはエクステをして、普段の私とは別人になっていた。
ツヴァイさんは、黒いスーツを着て赤い眼鏡をかけ、金髪のカツラを付けている。
今の私達は知り合いが見ても気づかれることはないでしょう。
先程からすれ違う人達が、私達の方を見てばかりだった。
女性の方は、ツヴァイさんにばかり目がいっている。
何をしてもこの人はモテるのですね....
私はツヴァイさんの腕に抱きつくようにして、歩くようにした。
「急にどうしたんだ? 」
「こういうカップル的な雰囲気を出していると、怪しまれにくいかと思いまして。ダメでしょうか?」
「確かにその方が良いな。怪しまれず入ることも出来るだろうしな。よし、それで行こう。」
む.....
私はこんなにもドキドキしてるのに、ツヴァイさんはいつも通りなのですね。
それが彼らしさでもあるのですが、私としては意識してもらいたいです。
でも、今は任務にお供出来るようになっただけでも満足ですね。
私は、ホテルでのやり取りを思いだしていた。
私は彼に自分の想いをぶつけました。
彼は私の手助けしたいという想いに答えてくれました。
そのお陰で、こうして彼と供に潜入任務を行うことになり、私は彼の為に頑張ると決心した。
そして、屋敷の前に私達は到着したのだった。
〈ロジーヌ Side out〉