「はぁ…また会社クビになったんだな…。」
そう一言呟いて中島はトボトボと歩いていた。
「はぁ…。僕はどうしてこんなにもツイてないんだろう…。」
下を向いて歩いていたのでいつの間にか見たことのない路地裏に入ってしまった。どうやら道に迷ったようだ。
「はぁ…。」
中島が路地裏を歩いていたら男の人が倒れて居る。血溜まりができてる…。うううっ、まだ微かに息があるようだ…。
「人が血を流して倒れて居るんだな…。怖いんだな…。」
中島は怖くなって逃げ出した。
中島は………………
転けた!
「君…。待ってくれ……。」
男は必死で中島の足を掴んでいる。
「嫌だ!僕はまた無職になったけどまだ死にたくないんだな!助けて!」
中島は必死で泣き叫んでいる。
「君…。落ち…着い…て聞…いて…ほし…い。」
男はかすれた声で中島を止める。
「これ…を…、しら……し…ゆ…こ……に……わ……し……て……………。」
男は中島にノートパソコンを渡すと息絶えた…。
「………え、えっ、ちょっと?」
中島は事態が飲み込めず呆然としている。が、しかし何者かが中島に近づいてきた!
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
それは人の腐ったような容姿の化け物が三体中島に向かって近づいてきていた。
「えっ?えっ?映画の撮影?もしかしてバイオハザード?」
化け物は中島に襲いかかる。化け物は中島を掴んで噛みつこうとしている!
「うわあああああ!嫌だああああ!死にたくない!嫌ああああ!」
中島は化け物を振り払い必死で逃げ出した…………………
中島は…………………………………
転けた!
中島「あああああ、も、もう駄目なんだな………。」
中島は腰を抜かして動けない…。しかし、化け物達はお構いなしに中島に襲いかかる!
「アギ!」
いきなり現れた火の玉が化け物達を燃やしていく。
中島「た、助かったんだな…。」
???「死ねー!化け物がー!」バキ!
中島「ぶへぇ!」
???「この糞オークがー!人様を襲いやがって!人間を舐めるな!死ねー!」ドカ!バキ!ドカ!
いきなり化け物達を燃やして倒した女は中島を容赦なく蹴り倒している…。
中島「助けて!痛い!僕は何もしていないんだな!」
???「貴様等悪魔共は狡猾に人間の世界に入ってくる糞共だ!死ね!オークが!」ドカ!バキ!ドカ!バキ!
中島「僕は人間なんだな!蹴らないで欲しいんだな!助けて欲しいんだな!」
???「はぁ?どう見ても豚じゃねぇか!一度自分の姿を鏡で見てみろ!」バキ!
中島「うううっ……。酷い人なんだな…。今日は酷い日なんだな…。会社はクビになるし…目の前で人は死んじゃうし…化け物に襲われるし…女の人に蹴られて………僕はもう生きていく気力も無いんだな…。うううっ」ポロポロ…
???「おい、泣くこと無いだろ!」
中島「あなたが一番酷いんだな……。」ポロポロ…。
???「テメエ…。あたしのどこが酷いんだ!」バキ!
中島「痛い…。そうやって蹴る所なんだな…。僕もさっきノートパソコンを渡してきた人みたいに死んじゃった方がいいんだな…。」ポロポロ…
???「ノートパソコン?まさか!おい豚!それちょっと見せろ!」
中島「嫌なんだな…。これを持っていた人は僕に『これをある人に渡して欲しい』って頼まれたんだな…。だから渡せないんだな…。」
???「良いから見せろ!また蹴られたいのか!」
中島「声がかすれて聞き取りにくかったけど『しらしゆこ』って人に渡さないといけないから駄目なんだな!」
???「しらしゆこ?もしかして、白鷲 弓子か?あたしの事だ!」
中島「暴力を振る人は信用できないんだな…。」
弓子「良いから見せろ!あたしはそのノートパソコンを持っていた奴とここで落ち合う約束だったんだ!」
ファンファンファンファン パトカーのサイレン音が鳴り響く。
弓子「チッ、察か…。逃げるぞ!豚!ついて来い!」
中島「警察?じゃあ事情を話して助けて貰うんだな。」
弓子「警察が助けてくれる訳無いだろ。良いからついて来い!」
中島「でも……。」
弓子「警察はお前の話なんて聞く訳無いだろ。警察に見つかったらお前はそのノートパソコンを奪い取った強盗殺人として逮捕されるだけだけどな。それでいいならそこにいな。」
中島「分かったんだな。ついていくんだな…。」
中島は渋々この白鷲 弓子と言う女について行くことにした。これがきっかけで彼は人生を良くも悪くも変わっていくことになる。