弓子「ここだ。入るぞ。」
???「ちょっと、君達!勝手に入ったら駄目だよ!」
弓子はタダカツを連れて山川組の事務所のビルに入ろうとしたら一人の男に止められた。
弓子「なんだてめえは?」
???「見たら分かるでしょ!立ち入り禁止!この黄色いテープが貼っているのが見えないの?」
弓子「あたしは山川組の若頭に用があるんだよ!テメエ、邪魔するならあたしのテコンドーでぶっ飛ばすぞ!」
???「テコンドー?あれ?もしかして…白鷲さん?」
弓子「なんだテメエ?」
???「ほら!中学で同じクラスだった!」
弓子「あー!お前!もしかして…デスメルか?」
デスメル「あ!やっぱり白鷲さんかぁ!いやあ、懐かしいなあ!中学校以来だから10年ぶり位かぁ!」
タダカツ「弓子?彼はいったい?」
弓子「ああ!あたしの中学の時のダチだよ!デスメル!お前、こんな所で何をしているんだ?」
デスメル「白鷲さんこそ、ここは山川組の事務所だよ。普通の人が来ていい所ではないよ。」
弓子「ああ、あたし等は山川組の若頭に用があってきたんだよ。」
デスメル「山川組の若頭…。今はたぶん会えないよ。1週間前にアスラ組の襲撃があってね。僕はここの現場聴取をしている所なんだよ。」
弓子「現場聴取だぁ?まるで刑事みたいな言い方だな?」
デスメル「ああ、そうなんだ。僕は今、愛知県警特殊捜査6科の刑事なんだ。」
弓子「デスメル、アスラ組の事を何か知っているのか?」
デスメル「…。ここでその話はまずいので場所を変えましょう。」
弓子「ああ、そう言えば兄貴も言っていたな。愛知県警がアスラ組と繋がっているって。」
デスメル「白鷲さん、他の警官も居るので今はその話はしないで。」
弓子「ああ、すまない。山川組の若頭は何処に居る?」
デスメル「名古屋中央病院です。行っても会えないと思いますよ。」
弓子「ああ、あたしは山川組の若頭とは仲がいいんだ大丈夫だよ。デスメル、ここで話すのは不味いのなら後で時間取れるか?」
デスメル「ええ。今が朝の10時なのでお昼の1時過ぎですと大丈夫です。」
弓子「昼の1時だな。デスメル、お互いの用事が終わり次第何処か近くの喫茶店で落ち合おう。」
弓子は刑事と携帯番号を交換した。
弓子「それよりまた、あのババアが居る病院か。つくづくあのババアと縁があるな。行くぞタダカツ。」
タダカツ「分かりました。」
デスメル「白鷲さん、また後で。」
弓子「ああ。」
弓子達は直ぐに病院に向かった。ナースステーションで聞き込みをして病室に入った。
弓子「若頭、こっぴどくやられたみたいだな。」
「白鷲 弓子か…。何をしに来た。」
弓子「おいおい、白鷲 弓子様が久しぶりに顔を出しに来てやったのにそんな言い方はないだろう。」
「お前が来るとろくなことがないからな。で、用事はなんだ?」
弓子「話が早くて助かるよ。アスラ組についてだ。何があった?」
「アスラ組か…。少し前から俺達山川組に因縁をつけてきてな。始めは軽くあしらっていたのだがな…。一週間ぐらい前か、事務所にアスラ組の連中が化け物を引き連れて襲撃してきた。」
弓子「末端の人間では手に負えないから悪魔を引き連れて来たって所か…。」
タダカツ「アスラ組…。人間相手に見境がないですね…。」
弓子「若頭、他の組員はどうした?」
「化け物相手に拳銃を使ってな。化け物は追い払ったが待ち構えた様に警官が来て銃刀法違反でしょっぴかれた。」
弓子「やはりアスラ組、警察と繋がっていたんだな。」
「どういう事だ?」
弓子「兄貴が仕入れた情報だ。愛知県警のキャリアがアスラ組と繋がっている。アスラ組に逆らったらもれなく警察にしょっぴかれるって事だ。だから若頭はしばらく大人しくしていてくれ。」
「大人しくも何も組員がほぼみんな警察に捕まって組どころじゃないからな。実質的に解散だ。」
弓子「天下の山川組がそんな情けない事を言うなよ。山川組が居なくなったら今度は外国人マフィアに名古屋の街が荒らされてしまうだろうが。頼むからあたしらがアスラ組をぶっ飛ばすまでに山川組を再建させてくれよ。」
「お前、アスラ組と戦う気なのか?止めとけ、素人が関わるべきじゃない。」
弓子「アスラ組の幹部は全員が悪魔が化けている。ヤクザや警察よりあたしらの領域だ、それにこのタダカツがアスラ組の幹部を既に一人殺している。もう後戻り出来ねえ。」
「タダカツ?気になっていたが何者だそいつは?」
タダカツ「私ですか?私は本多 タダカツ、イケメンおもてなし武将隊の一人です。」
「武将隊?あの名古屋城のか?」
弓子「まあ、それは仮の名だ。正式には鬼神スサノオ、日本の神様だ。このあたしとサシで戦える数少ない奴だ。」
「マジでか…。」
弓子「ああ、強さじゃあたしと互角だ。」
「いやいや、神様と戦うなよ!あーもう!何処から突っ込んでいいか分からねえ。お前と関わると本当にろくなことがない…。」
タダカツ「なんだか分かりませんがややこしくさせたみたいですみません。」
弓子「まあ、それはいいとしてだ。アスラ組のアジトを教えてくれ。警察があたしらの所に来るまえに倒したい。」
「ああ、それがだな…。俺達も2日前にパクらなかった手下達に奴等のアジトを全て洗い出さしたのだが…。全て藻抜けの空だった…。」
弓子「どういう事だ?」
タダカツ「我々がアスラ組の連中を退治した次の日ですね…。」
「幹部の一人を殺ったから名古屋から撤退するつもりなのかもな。」
弓子「ちっ…。」pipipipipi
弓子が軽く舌打ちをした時、ちょうど携帯が鳴った。
弓子「すまねえ。「もしもし?」」
『もしもし?白鷲さん?』
弓子「ああ、デスメルか。そうか、分かった。ここからだとすぐ近くにコメダがあったよな。そこで話そう。」
弓子は携帯を切った。
「病院で携帯を使うな。」
弓子「社会のルールもろくに守れねえヤクザが偉そうに言うなよ。」
「で、誰からだ?」
弓子「あたしのダチの刑事だよ。アスラ組の事で何か分かったみたいだ。」
「そうか、白鷲 弓子。気を付けろよ。」
弓子「ああ、任せておけ!」
弓子は病室を後にした。
タダカツ「それでは失礼します。」
「待て!」
若頭がタダカツを呼び止める。
タダカツ「何か?」
「白鷲 弓子の事を頼む。」
タダカツ「どういう事でしょう?」
「アイツは直ぐに他人の為に無茶をするからな。アイツを守ってやってくれ。」
タダカツ「何故私に言うのです?」
「俺じゃ出来ないからだ。」
タダカツ「何故ですか?」
「あー簡単に言うとだな…。フラれたんだよ、言わせるな!もう行け!」
タダカツ「分かりました。それでは失礼します。」
「この事絶対に言うなよ?」
タダカツ「承知してます。」
タダカツも病室を後にした。
弓子達が病室を出てロビーに向かうと見慣れた人物が居る。ちょうど中島達がバフォメットを大塩先生に見せる為に来ていた帰りである。
中島「それでは失礼するんだな。」
「お大事に。」
弓子が中島に気付くと直ぐに中島に近づいて話しかける。
弓子「中島、何をしているんだ?」
中島「あっ!弓子さん!どうしてここにいるんだな?」
弓子「こっちが聞いているんだよ!」バキ!
弓子は久々に中島を蹴りあげる。
中島「い、痛い…。」
ティンク「ちょっと弓子!中島を苛めないで!」
ジャック「弓子、酷いぞ!タダカツ、お前も何か言うんだぞ!」
タダカツ「今のは質問に質問で答えた中島殿がいけません。」
ティンク「ジャック、アイツに何を言っても無駄だよ。弓子の言うことしか聞かないもん。」
タダカツ「そんな事はありません。私は常に事実を言っているだけです。所で中島殿達はどうしてここにいらっしゃるのですか?」
中島「じ、実は…。」
中島は今までの経緯を説明した。
弓子「またアスラ組か…。中島、引き受けたのか?」
中島「う、うん。」
弓子「そうか、報酬の話はしたのか?」
中島「そ、それはまだなんだな。」
弓子「なーかーじーまー!あたしらはボランティア活動じゃねえんだぞ!」
中島「で、でも…。」
弓子「でもじゃねえんだよ!こう言うことは先に決めておかないと後で揉める事になるんだよ!あのクソDJだったな。何処に居る、話をつけてくる。」
弓子はズカズカと診察室に入って行った。
中島「あっ、弓子さん。待って欲しいんだな。」
タダカツ「お待ちなさい、ここは弓子に任せて置きましょう。」
ティンク「いや、他の人達に迷惑だから止めようよ。」
奥の診察室から大声が聞こえてくる。
「なんだ君は!」
弓子「どけ!やい!この山羊頭のクソDJ!この白鷲 弓子様を差し置いて勝手に依頼を出すとは良い度胸だな!ええ!」
「いや、居なかったから…。」
「誰か!この女を追い出してくれ!」
弓子は数人の警備員に取り押さえられて診察室から叩き出された。
ティンク「ほらやっぱり…。」
弓子「お前ら、話はつけてきた。行くぞ。」
中島「弓子さん、行くって何処に行くんだな?」
弓子「近くのコメダだ。そこでデスメル、あたしのダチの刑事と落ち合う約束をしている。」
タダカツ「所で弓子、デスメルって変わった名前ですね。」
弓子「ああ、アダ名だよ。アイツ、中学からのダチでな。アイツの両親がアイツを残して蒸発してな。アイツ、ずっと公園で寝泊まりしていたんだ。だから死ぬほど臭くてな。死ぬほど臭え、英語で略してデスメルだ。」
ティンク「酷い…。」
中島「酷すぎるんだな…。」
タダカツ「流石にそれは…。」
訴えても良いほどの酷いアダ名である。
弓子「…。なんだよ、言いたい事があったら言えよ。他のみんなもそう呼んでいたんだよ。デスメルが待っているから行くぞ。」