女神転生 中島   作:ジャックオニール

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悪魔召喚プログラム

中島は白鷲 弓子について行くと小さなビルのオフィスにたどり着いた。

 

中島「ここは?」

弓子「あたしの事務所だ。入れ。」

 

見ると大きな看板が掲げられている。

 

『白鷲探偵事務所』

弓子はドアを開けて入っていく。

 

???「弓子、おかえり。」

弓子「おう!兄貴!」

???「おや?そちらの方は?」

弓子「ああ、豚だ。例のクライアントと接触している…。あれを持っている。」

???「君?妹の弓子が失礼な事を言って申し訳ない。僕は白鷲 大輔。ここ探偵事務所の所長なんだ。よろしく。」

中島「僕は中島 朱美なんだな。」

大輔「中島君だね。実は君が受け取ったノートパソコンなんだけど…。依頼者から僕達が受け取る事になっていたんだ。」

弓子「だからさっさと渡せよ豚!」

大輔「弓子!度々ゴメンね中島君。失礼な妹で…。」

中島「僕は…今日、化け物に殺されそうになってそこの弓子さんに訳も分からずいっぱい蹴られたんだな…。」

弓子「何兄貴にチクってんだ豚!ぶっ殺すぞ!」

大輔「弓子…。席を外してくれ。」

弓子「だってコイツ見た目がオークじゃんか!」

大輔「弓子…。僕はたった1人の兄妹を手に掛けたくない…。だから席を外してくれ…。これが最後の警告だ…。」

弓子「分かったよ…。(兄貴怒らせたらヤベェからな…。)」

 

弓子は渋々事務所を出て行った…。中島は所長の白鷲 大輔と2人きりになった。

 

大輔「中島君!うちの妹が本当に申し訳ない!許してくれ!!」

 

大輔は中島に土下座をした。

 

中島「頭を上げて欲しいんだな。」

大輔「中島君にはちゃんと説明しないといけないね…。君が襲われた化け物…。僕達の間では『悪魔』と呼んでいる。」

中島「悪魔?僕が襲われたのはバイオハザードに出て来るようなゾンビだったんだな。」

大輔「そういうのも含めて『悪魔』って呼んで居るんだよ。ちなみにファンタジーに出て来る妖精達やモンスターもひっくるめて『悪魔』って位置付けしているんだ。」

 

大輔の説明は続く…。

 

大輔「中島君が受け取ったノートパソコン…。今回、それが原因で悪魔が出て来たんだ。」

中島「これが?」

大輔「悪魔召還プログラム…。」

中島「え?」

大輔「弓子が会う予定だったクライアントはその悪魔召還プログラムを悪用していたのだけど自分の手に負えなくなって僕達の所で処理をして欲しいって依頼だったんだ。」

中島「何で僕に依頼の話をするんだな?」

大輔「中島君…。君は偶然その現場に居合わせてしまった。悪魔は普段人目に付かない用に行動しているんだ。中島君は悪魔を目撃してしまった事でこれから悪魔に命を狙われるかもしれない。」

中島「何で…。何で僕がこんなことに…。」

大輔「そこで、僕から提案が有るのだが…。」

中島「提案?」

大輔「僕の探偵事務所の助手として手伝ってくれないか?」

中島「………でも僕は今、会社をクビにされて新しい仕事先を見つけないと生活が出来ないんだな。」

大輔「なんだ。そんな事か。お給料もちゃんと出すよ。これでもウチは自分で言うのはなんだけど余所の探偵事務所より稼いでいるからね。君1人増えても問題ないよ。」

中島「お給料も出る?探偵って浮気調査とペット探しを手伝うって事?」

大輔「ハハハ!そんなに難しく考えなくてもいいよ。しばらくは弓子と一緒に行動して貰うから大丈夫さ。」

中島「えっ?それは…」

大輔「じゃあ決まりだね!これからは仕事のパートナーとしてよろしく!」

中島「いや…あの…。」

 

中島は断る事も出来ずに探偵の仕事を手伝う事になってしまった。

 

大輔「中島君、そのノートパソコン…渡してもらえるかな?」

中島「分かったんだな。僕が持っていても仕方が無いんだな…。」

 

中島は大輔にノートパソコンを渡した。そして大輔はノートパソコンを起動させる。

 

弓子「兄貴!話は終わったのか?」ガチャ

 

弓子は待ちきれなかったのか事務所の中に入ってきた。

 

大輔「ああ、今終わった所だよ。そうだ、中島君は今日からウチの事務所で働いてもらうことになった。弓子の助手をしてもらうから。」

中島「僕は中島 朱美なんだな。」

弓子「はぁ?あたしがコイツの面倒見るのかよ!兄貴!ここは養豚場じゃないんだぞ!」

大輔「弓子、もう決まった事だから…。よろしく頼むよ。」

弓子「チッ。分かったよ…。」

 

弓子は軽く舌打ちをした。

 

弓子「所で兄貴、例のあれ…。どうなったんだ?」

大輔「ああ、悪魔召還プログラムだね。今起動させてる所なんだが…。全然作動しないんだよ…。」

弓子「そんなの所詮は機械なんだから叩いたら動くんじゃねぇの?」バンバン!

 

弓子がノートパソコンをバンバン叩く。それを見た中島が慌てて止めに入る。

 

中島「駄目なんだな!壊れてしまうんだな!」

弓子「だったらお前が起動させろよ、中島ー!!」

 

弓子は中島にノートパソコンを押し付けた。中島がノートパソコンの画面を触るとディスプレイがまぶしく光った。

 

大輔「えっ?プログラムが起動した?中島君?何をしたんだ?」

中島「ぼぼぼ僕はまだ何もしていないんだな!うわ!まぶしい!」

弓子「なんだよコレ!なんかヤバいぞ!」

 

まぶしい光と共に何かがパソコンのディスプレイから飛び出した!

 

???「ヒーホー!オイラを呼び出したのはお前だな!」

 

パソコンのディスプレイから飛び出したのは雪だるまのような姿をした生き物だった。

 

大輔「悪魔が出て来た!」

中島「ヒィィィイ!あっ悪魔!助けてー!!」

 

中島は弓子の影に隠れた。

 

弓子「中島!あたしを盾にするな!こんなクソ雪だるまにビビってるんじゃねぇよ!豚が!!」

???「ヒーホー!女!オイラが偉大なジャックフロスト様だと知らないのか?」

弓子「アギ!」

 

弓子の放った火の玉がジャックフロストに命中した。

 

ジャックフロスト「ああああ熱い!溶ける!オイラ死んじゃうよー!」

弓子「うるせー!そのまま死ね!!」

大輔「弓子、落ち着いてくれ。………君、ジャックフロストって言ったね?」

ジャックフロスト「兄ちゃん!あの女、いきなり攻撃してきてヒドいよ!」

大輔「ごめんね?僕が起動したプログラムでいきなり出て来てびっくりして攻撃してしまったんだ。」

ジャックフロスト「ん?オイラを呼び出したは兄ちゃんじゃないぞ?」

大輔「えっ?プログラムを開いたのは僕だけど…。」

ジャックフロスト「違う、そっちの隠れてるオークみたいな奴だよ。」

大輔「中島君が?」

中島「えっ?僕?僕は何もしていないんだな!命だけは助けて欲しいんだな!」

ジャックフロスト「オイラを呼んだ理由はなんだ?」

中島「ななな何がなんだか分からないんだな!」

ジャックフロスト「用も無いのにオイラを呼んだのか?オイラ、頭にきたぞ!みんな氷付けにしてやるぞ!ヒーホー!」

弓子「アギ!」

 

弓子の放った火の玉がジャックフロストに命中した。

 

ジャックフロスト「ああああ熱いよう!溶けちゃうよう!」

 

ジャックフロストは悶え苦しんでいる。

 

中島「弓子さん、もう許してあげるんだな。可哀想なんだな。」

ジャックフロスト「お前、助けてくれるのか?」

中島「僕も弓子さんにいきなり蹴られて今日死にかけたんだな。」

ジャックフロスト「お前もやられてたのか?あの女はヒドい奴だ…。オイラ、ヤラれっばなしで悔しいよう…。」

中島「僕の持ってるグミをあげるから元気出すんだな…。」

ジャックフロスト「オイラにくれるのか?お前、良い奴だな…。よし!オイラ、お前の仲間になってやるよ!これからよろしくな!ヒーホー!」

 

ジャックフロストが仲魔になった。

 

弓子「どういう事だよ!あたしが悪者みたいじゃないか!クソッ!」

大輔「ジャックフロスト君?」

ジャックフロスト「なんだい兄ちゃん?オイラ、兄ちゃん達とは戦わないぞ。」

大輔「君はこのパソコンから出て来たんだよね?」

ジャックフロスト「そうだよ。それがどうしたんだい?」

大輔「他にも君の仲間がこの中に居るのかな?」

ジャックフロスト「オイラだけだったよ…。その中に入ったり出たり出来るのは契約をした奴しか無理なんだよ。」

大輔「じゃあ、ジャックフロスト君?一度中に入って貰ってもいいかな?」

ジャックフロスト「でもオイラの契約者は中島だからな。だから兄ちゃんの言う事は聞かないよ。」

大輔「中島君が?」

ジャックフロスト「そうだよ。だからその機械も中島しか使えないよ。」

中島「僕が?」

ジャックフロスト「だからオイラは中島の言う事しか聞かないぞ。ヒーホー!」

大輔「中島君?一度彼に悪魔召還プログラムの中に入ってもらうように命令してくれないかな?」

中島「えっ?でも、1人でこの中に入るのは可哀想なんだな…。」

ジャックフロスト「ヒーホー!中島は良い奴だ!」

中島「でもいちいちジャックフロストって言うのは長ったらしいんだな…。」

弓子「じゃあクソダルマでいいだろ!逆らったら燃やしてやったらいいんだし。」

ジャックフロスト「中島、オイラあの女怖い…。」

中島「弓子さんはおっかないんだな…。ジャックも気をつけるんだな…。」

ジャックフロスト「ジャック?オイラの事?」

中島「いちいちジャックフロストって呼ぶのは長ったらしいからジャックって略したんだな。」

ジャック「ヒーホー!それ良いな!オイラ気に入ったぞ!」

大輔「そうだね…。これから一緒に居る仲間だもんね。ジャック君、僕は白鷲 大輔、これからよろしくね。」

ジャック「ヒーホー!大輔の兄ちゃん!兄ちゃんとは契約してないけど仲良くしてくれよな!」

弓子「兄貴、マジでかよ…。クソ弱えけど悪魔だぞソイツ…。」

大輔「弓子、彼は悪い事を出来る様には見えないよ。それに一緒いたら悪魔の生態についていろいろ分かるかもしれないじゃないか。」

弓子「分かったよ…。兄貴は一度言い出したら聞かないからな…。あっ!もうこんな時間かよ。おいクソダルマ!ちょっとでもおかしな真似したらぶっ飛ばすからな!覚えとけ!」バタン!

 

弓子は行きよい良く事務所を飛び出した。

 

大輔「ジャック君、弓子がゴメンね。」

中島「弓子さん…行っちゃたんだな…。」

大輔「ああ、大丈夫だよ。弓子は今日、テコンドーの道場に行く日だからね。」

ジャック「テコンドー?」

大輔「弓子はテコンドーの師範代なんだ。他にもムエタイ、空手、ボクシングいろいろ格闘技をたしなんでいるよ。でもテコンドーが一番続けているかな。」

中島「す、凄いんだな…。」

大輔「だから2、3時間したら帰って来るよ。その時に中島君達の歓迎会として一緒に食事をしよう。」

中島「僕は生まれて初めて人に歓迎されるんだな…。とっても嬉しいんだな…。」ポロポロ

ジャック「ヒーホー!オイラも人に歓迎されるのは初めてだよ!ヒーホー!」

大輔「ハハハ!大げさだな…。僕も張り切って料理をしないとね!後、出前で色々と頼もうかな。」

中島「ううう…。」ポロポロ

 

中島は泣いた。人が自分に優しくしてくれた事、ジャックという仲間が出来た事、ただただ嬉しかった。少し前に死の恐怖を体感した後だからかもしれない。自分は生きていて良いんだ。そう思った。

ガチャ!中島が泣いているとドアが行きよい良く開いた。

 

弓子「兄貴!戻って来たぞ!って、中島ー!お前、何を泣いてるんだよ!」

中島「ううう…。」ポロポロ

弓子「クソダルマ!お前が何かしたんだろ!消し炭にしてやろうか?」

ジャック「ヒーホー!オイラは何もしてないぞ!大輔の兄ちゃんがオイラと中島の歓迎会をしてくれるって言ったらいきなり泣き出しただよ!」

弓子「はぁ?歓迎会だぁ?兄貴はどこだよ?」

ジャック「料理を作るって言ってた。」

弓子「兄貴がマトモな料理出来る訳無いだろ!」

中島「うう…。でも、僕は嬉しいんだな…。人に優しくしてくれたは初めてなんだな…。」ポロポロ

 

弓子は軽く溜め息をついた。

 

弓子「なーかーじーまー!お前、いちいち下らない事で泣くなよ!嬉しい時は笑え!!泣くな!」

中島「ありがとう…。ありがとう…。」ポロポロ

弓子「泣くなって言ってんだろ!笑え!!」

中島「弓子さんも優しい人なんだな…。」ポロポロ

ジャック「中島?弓子は凶暴だぞ!今も中島に怒鳴っているぞ?オイラよく分からないぞ。」

弓子「おい、クソダルマ。今からお前を消し炭にしてお別れ会にしてやろうか?」

ジャック「ヒーホー…。中島、助けて…。」

 

大輔が奥の部屋から出て来た。

 

大輔「あれ?弓子、今日は早かったね。」

弓子「ああ、今日は本場の韓国からの選手が来ていてあたしが軽く相手したらてんで弱くてボコボコにしたら追い出されたんだよ!」

大輔「………。後で謝りに行く僕の気苦労も考えてから行動してくれるかな…。」

弓子「謝りに行くのに気苦労するのなら最初からあたしのように謝らなきゃ良いじゃんか。」

ジャック「なぁ、中島。あれでも弓子は優しいか?」

中島「ジャック、僕らはもう静かにしているんだな…。」

 

中島とジャックはとばっちりを受けたくなかったので静かにしていた。

 

弓子「まあ、テコンドーはもういいや。それより兄貴!何が歓迎会の料理だよ!兄貴、唐揚げしか作れない癖に見栄張った事を言うなよ!」

大輔「まあ、細かい事は良いじゃないか。もうすぐ宅配ピザも届く頃だし歓迎会にしよう。」

 

そして、白鷲探偵事務所ではささやかながら中島達の歓迎会 が行われた。

 

大輔「そうだ、中島君。この悪魔召還プログラムは君が持っていないと使えないらしいから渡しておくよ。」

中島「分かったんだな。」

弓子「それが有ったらお前も少しは役にたつかもな。」

中島「使い方はまだ分からないけど、これからはペット探しや浮気調査を頑張るんだな!」

ジャック「ヒーホー!オイラも中島を手伝ってペット探しを頑張るぞ!」

 

弓子「兄貴…。こいつ等にちゃんと仕事内容説明してないだろ…。」ヒソヒソ

大輔「………。ゴメン…。」

 

弓子は大きく溜め息をついた。

 

弓子「兄貴はどこか抜けてるんだよなぁ…。はぁ…。」

 

 

こうして、中島は白鷲探偵事務所の探偵助手としての第1歩が始まるだった。

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