弓子は一人で奥へと進んでいた。
弓子「殆ど戦う事なくボス戦かよ。なんか拍子抜けだな。」
奥に進んでいくと一人小柄な男が豪華な椅子に座っている。
「誰だ!」
弓子「アスラ組のボスに用がある。したっぱのお前には用はねえ。とっととボスの所に案内しろ。」
「女!我が誰か知っての振る舞いか無礼者!我は漢王朝の末裔、劉備玄徳であるぞ!」
弓子「劉備玄徳だぁ?」
「女、どうやってここまで来た!この前は雲長の配下に我が幹部ティターンがいた筈だ!」
弓子「その幹部のティターンをあたしがぶっ飛ばして来たんだよ。その配下の悪魔共も他の連中が相手をしているから後はテメエだけだ。」
「ティターンを倒しただと?」
弓子「そうだ。この白鷲 弓子様と戦うんだったらもっと強い奴を用意するんだったな。」
劉備玄徳は静かに目を瞑り、少しして目を開いた。
「メデューサにミノタウロス、趙雲までもが殺られている…。白鷲 弓子と言ったな?私の配下にならないか?」
弓子「誰が弱っちいテメエの下に付くか、舐めた事を言ってるんじゃねえぞ!」
「そうか、仕方ない。では、死んでもらうしかないな。『ネクロマ!』」
劉備玄徳はネクロマを唱えた!
オセの亡霊が現れた!
バロールの亡霊が現れた!
ミノタウロスの亡霊が現れた!
メデューサの亡霊が現れた!
ティターンの亡霊が現れた!
造魔の核が現れた!
弓子「あたし達が倒した連中か。知らねえ奴も居るが雑魚が集まってもあたしには勝てねえぞ。」
「白鷲 弓子、アスラ組の本当の恐ろしさを見せてやる。悪魔合体だ。造魔の核よ!そいつ等を吸収しろ!」
劉備玄徳の号令で造魔の核はアスラ組の幹部の亡霊達を吸収していく。そして、劉備玄徳自ら造魔の核と合体して、巨大な1体の悪魔に変身した!
弓子「合体しやがった…。なんなんだこいつは…。」
アスラ「白鷲 弓子!これがアスラ組の集大成、オセの剣術、バロールの魔眼の力、ミノタウロスの怪力、メデューサの魔力、ティターンのタフさ、そして!この劉備玄徳の頭脳が加わった合成悪魔アスラだ!覚悟するがいい!」
腕が6本、背丈は2メートル半はあり、体は硬い鱗に覆われて額には大きな魔眼が埋め込まれている。
合成悪魔アスラが現れた!
「先ずはこれでも喰らえ!『ベノンザッパー!』」
アスラの攻撃!
手持ちの2本の刀で弓子に斬りかかる!
弓子「一度見た技が通用すると思っているのか?」
弓子はアスラのベノンザッパーを難なくかわす。
弓子「今度はこっちから行くぜ!」
弓子の攻撃!
アスラに突進してお得意のティオヨプチャギを放つ!
アスラ「魔眼!」
アスラの魔眼が妖しく光り弓子の攻撃を弾き飛ばす!
弓子「なんだ今のバリアみたいなのは…。」
アスラ「魔眼の力の前ではお前の攻撃は当たらない!死ね!」
アスラは6本の腕を前に出し全ての指先に魔力を込めてタスラムショットを放った!
弓子「ちっ…。」
弓子は無数のタスラムショットを懸命に避けていくが避けきれずに1発右足に喰らってしまった!
弓子「ぐっ…。よりによって右足を喰らったか…。」
アスラ「フフフ、ハハハハハ!これでお前の蹴り技の威力は半減だな!」
弓子「ちっ…。『アギ!』」
弓子はアギを唱えた!
アスラに向かって火の玉が襲いかかる!
アスラ「魔眼の力の前ではそんなちんけな魔法は効かぬわ!」
額の魔眼が妖しく光り弓子の魔法は弾き飛ばされる!
弓子「これでも喰らいな!」
弓子の攻撃!
魔眼の力で魔法を弾き飛ばす隙を見てアスラの懐に入りティチャギを放つ!
しかし、アスラは6本の腕で弓子の攻撃してきた足を掴み力任せに投げ飛ばし壁に激突させる!
弓子「ぐわっ!」
弓子はダウンした。
アスラ「残念だったなあ白鷲 弓子!この劉備玄徳に逆らう者は全て死ぬがよい!」
弓子「やはりな、今のでお前の倒し方が分かったぜ。せいぜい今のうちに調子に乗っていろ。」
弓子はすかさず立ち上がる。
アスラ「何?この最強の力を前にしてまだ減らず口を叩くか!」
その時、大きな衝撃が走り船の動きが止まった!船の先端から船内の温度が冷えてきている。
アスラ「何だ?何が起きた!?」
弓子「どうやったか知らねえが船は無事に止まったみたいだな。」
アスラ「何だと!?」
弓子「これでお前達は逃げ道は無くなった訳だ。この船がテメエの墓場になるから中国行きは諦めな。」
アスラ「この最強の力でお前を倒し、船を再び動かせば済む話だ。」
弓子「何が最強の力だ、元々は他人の力だろうが。そんだけ最強の力を誇示するならテメエからかかって来いよ!」
アスラ「アスラ組の力の集大成、思いしるがいい!死ね!」
アスラの攻撃!
弓子の挑発に乗り今度は6本の腕で巨大な斧を持ち弓子にめがけて振りかざす!
弓子「今だ、喰らいな!」
弓子の攻撃!
アスラの攻撃をかわすと同時にカウンターのフリョチャギを顔面に喰らわせる!
弓子の攻撃!
アプチャギ、トリョチャギ、バンダルチャギと連続の蹴り技をアスラに御見舞いする!
弓子「思った通りだな、これで終わりだ!」
弓子の攻撃!
連続技を喰らったアスラに渾身のターンチャギを放つ!
アスラ「ま、魔眼!」
アスラは魔眼の力で弓子の攻撃を何とか弾き飛ばす!
弓子は吹き飛ばされるが直ぐ様体勢を整える。
戦いの最中、弓子の携帯電話が鳴り響く!
弓子「ちっ…。こんなときに誰だよ。」ピィ
弓子は戦いながら電話を取る。
大輔『弓子かい?』
弓子「今は忙しいんだ、後にしろよ糞兄貴。」
大輔『用件だけ言うよ。僕も今船に到着した。』
弓子「そうか、あたしがもうすぐアスラ組のボスを倒す所だ。今頃ノコノコと来て何だよ。」
大輔『それは僕を置いて弓子達が勝手に先に乗り込んだんじゃないか!』
弓子「うるせえな、それより用件を言えよ。」
大輔『分かったよ、今から僕はボイラー室に向かい船を爆破させる。弓子も直ぐに脱出するんだ。』
弓子「ぐっ…。」
電話の最中にアスラが放った無数のタスラムショットを1発喰らってしまった。
大輔『弓子!どうしたんだ!』
弓子「あ、ああ。大丈夫だ。それより船を爆破させるだと?ふざけるんじゃねえぞ!今、アスラ組のボスを倒す所だから邪魔するなよ!」
大輔『弓子、そんな連中船ごと爆破させて倒した方が早い。後、10分位でボイラー室に着くからそれまでに脱出するんだ。いいね?』
電話は一方的に切られてしまった。
弓子「あの糞兄貴、何を考えていやがる。」
アスラ「白鷲 弓子よ、その余裕な態度を恐怖の顔に変えてやる!」
弓子「余裕なんてあるか!後、10分で船が爆破されるから急いでテメエを倒さないといけなくなったんだよ!」
アスラ「何!?船を爆破だと!」
弓子「そう言うことだ。だからゆっくりテメエを倒す暇は無くなったんだよ!」
アスラ「この最強の力を得た劉備玄徳にまだ一人で勝てると思っているのか!」
弓子「いいや、あたし一人じゃねえな。中島!随分遅かったな!」
中島達が弓子の元に到着した。
三蔵「白鷲 弓子、えらい苦戦してるみたいやなあ。」
弓子「何だよ、テメエも居たのかよ。」
中島「ゆ、弓子さん…。あれは…。」
弓子「アイツがアスラ組のボスだ。今まであたし等が倒した幹部連中の力を吸収した糞野郎だ。」
中島「アスラ組のボス…。」
アスラ「援軍か…。まとめて死ね!」
アスラは6本の腕を前に出し指先からタスラムショットを中島達に放つ!
三蔵「小原が使ってた技やな。『マハザン!』」
三蔵はマハザンを唱えた!
衝撃魔法でアスラのタスラムショットを弾き飛ばす!
三蔵「白鷲 弓子お前、こんな奴に苦戦してんか。こんな奴ウチが瞬殺してやるわ。『ザンダイン!』」
三蔵はザンダインを唱えた!
強力な衝撃魔法がアスラに襲いかかる!
アスラ「魔眼の力の前では全ての魔法は無駄だ。」
アスラは魔眼が妖しく光り衝撃魔法は吸収された。
三蔵「なんやねんあれ!あんなんあかんやろ!反則やんけ!」
弓子「あの力が無かったら楽勝なんだけどな。」
中島「あの力は、僕達が名古屋城で戦った…。」
ティンク「魔眼のバロールだよ!なんでよ、アイツは中島とユキムラが倒した筈だよ!」
弓子「あたし等が倒した幹部の技を全て使ってくるから厄介なんだよ。それより中島、他の奴等はどうしたんだ。」
中島「それは…。みんなが僕を助けてくれて…。」
三蔵「それで力を使い果たしてリタイヤや。ウチの仲魔はカンテイセイクンにやられてしもうて戦線離脱や。」
弓子「タダカツもやられたのか。」
中島「タダカツはカンテイセイクンを食い止める為に一人で…。」
中島達の背後からコツコツと足音が聞こえてくる。
弓子「誰か来る!?」
タダカツ「カンテイセイクンは私が気絶させましたのでご安心を。」
弓子「タダカツか、ボロボロだな。お前がそこまでなるとはな。」
タダカツ「武器を破壊したらそこまで圧倒的な強さではなかったのですが…。」
ティンク「あんた、1回出血多量で死にかけているだから無理しちゃダメだよ。『ディアラマ!』」
スサノオの傷は回復した。
ティンク「ほら、弓子もだよ。『ディアラマ!』」
弓子の足の傷は回復した。
アスラ「カンテイセイクンまで殺られたのか!?不味いぞ…。」
弓子「ちなみにこの船に残っているのはあたし達だけだな。」
中島「うん、みんなは脱出したんだな。」
弓子「よし、時間がないからよく聞け。この船は爆発する。今から5分後だ。だから今から総攻撃でアイツを倒す!」
タダカツ「船が爆発?」
弓子「その説明は省く。先ずは中島!お前、あの目ん玉の奴を倒したんだな?」
中島「いや、あの…。ぼ、僕はバリアを破壊しただけで…。」
弓子「そうか中島、だったらもう1回破壊しろ!」
三蔵「バリアが無かったらウチの魔法でアイツの本体に直接魔法を喰らわせれる。見た限り、アイツは趙雲のバッタもんと同じタイプの悪魔や。ウチの魔法を喰らったら分裂して体を繋ぎ止める核みたいなんが出てくる筈や。」
弓子「それをあたしが破壊してtheENDって事か。タダカツ、お前はサポートに回れ。チャンスは1回だ。ミスしたらあたし等は船と一緒にお陀仏だ。」
中島「そ、そんな…。」
弓子「中島!お前にかかっているんだ!びびってるんじゃねえ!蹴り倒すぞ!」
中島「で、でも…。弓子さん…。」
ティンク「中島、大丈夫だよ。あたしも力を貸すから、それにノブナカさんとも約束したじゃない!」
中島「う、うん…。」
中島の瞳に闘志が宿る。
中島「あの時は無我夢中だったから上手くいったけど…。」
アスラ「何をする気かは分からんがアスラ組に逆らう者は全て死ね!『3連撃ベノンザッパー!』」
アスラの攻撃!
6本の腕全てに刀を持ち必殺のベノンザッパーを中島に放つ!
しかし、中島の前にスサノオが立ち草薙の剣でベノンザッパーを受け流す!
3撃目の攻撃は受け流せずスサノオはダメージを負った!
スサノオ「ぐっ…。一撃喰らいましたか…。」
中島「タダカツ!なんで僕なんかの為にどうして…。」
スサノオ「中島殿…。今です。」
ティンク「中島!」
中島「れ、錬気の剣!」
中島は悪魔召喚プログラムから錬気の剣を召喚した!
中島「お、重い…。」
ティンク「中島!魔力を剣に込めて!」
中島は両手に力を込めて剣を握りしめる!
中島「これなら…。剣を振れるんだな…。たー!」
中島の攻撃!
錬気の剣でアスラに斬りかかる!
アスラ「無駄だ!魔眼の力の前では貴様等の攻撃は効かん!」
アスラの魔眼の瞳が妖しく光り輝く!
中島の剣の前にバリアが現れた!
中島「グウウ!」
ティンク「中島!」
ハイピクシーが両手を錬気の剣に向けて魔力を送り込む!
アスラ「な、何だこの男は!?魔眼の力が押されて…。」
中島「ぼ、僕は…。負けないんだな…。」
中島とアスラの力が反発して同時に吹き飛ばされる!
アスラ「魔眼の力が押し負けるとは…。」
中島「うう…。まだ…。」
アスラと中島は同時に立ち上がる。
タダカツ「中島殿!メギドの力です!奴の至近距離で放つのです!」
中島「わ、分かったんだな…。」
中島はアスラの近づいてゆく。
アスラ「来るな!『タスラムショット!』」
アスラの攻撃!
アスラの全ての指先から魔力の弾丸が中島を襲う!
中島はアスラの攻撃を全て喰らってしまうが倒れずアスラに歩み寄る!
アスラ「な、何だコイツは!」
中島「こ、これが…僕の…最後の力なんだな…『メギドラオン!』」
アスラ「魔眼!」
中島はアスラの至近距離でメギドラオンを唱えた!
アスラは魔眼の力でバリアを張るがメギドラオンの威力の前に打ち破られる!
メギドラオンの核の炎がアスラに襲いかかる!
アスラの魔眼は破壊された!
アスラの6本の腕は爆発した!
アスラの鱗で覆われた皮膚は捲れ上がった!
中島は力を使い果たして静かに倒れた。
アスラ「グワァァァ!!!この最強の体がぁぁぁ!!」
三蔵「白鷲 弓子、一気に決めるで。」
弓子「あ、ああ。」
三蔵「なんや、びびってんのか?」
弓子「い、いや、あたし、中島のアレ、間近で見たの初めてなんだよ…。バリアを破壊した上にあれだけの力だなんて…。」
三蔵「アイツ、放って置いても死にそうな位のダメージ受けてるけどそうはいかんやろ。」
弓子「ああ、頼む。」
三蔵「よっしゃ、何が劉備玄徳や!ウチが化けの皮剥いだるわ、喰らえや!『テンタラフー!』」
三蔵はテンタラフーを唱えた!
本体の劉備玄徳の精神の中に直接攻撃する!
アスラ「ああああぁぁぁ!!!!」
アスラの体が分裂して緑色をした造魔の核が姿を見せる!
しかし、核の周りにはアスラ組の幹部の亡霊達が核を守っている!
タダカツ「相手が亡霊なら浄化させるのみです!『マハンマオン!』」
スサノオはマハンマオンを唱えた!
破魔魔法の浄化の光りが亡霊達に襲いかかる!
ティターンの亡霊は浄化した!
メデューサの亡霊は浄化した!
バロールの亡霊は浄化した!
ミノタウロスの亡霊は浄化した!
オセの亡霊は浄化した!
弓子「よし、よくやった!コイツでtheENDだ。喰らいな!」
弓子の攻撃!
走り込んで造魔の核に渾身のターンチャギが炸裂する!
造魔の核は飛び散り、アスラの体は劉備玄徳の体を残して跡形も無く消え去った!
合成悪魔アスラを倒した!