女神転生 中島   作:ジャックオニール

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脱出

中島「うう…。」

 

中島がふらつきながら立ち上がる。

 

ティンク「中島、大丈夫?『ディアラマ!』」

 

中島の傷が回復した。

 

中島「あっ、アスラ組のボスを…。」

弓子「アスラは倒した。」

タダカツ「中島殿、お見事でした。」

ティンク「タダカツ、安静にしてなよ。『ディアラマ!』」

タダカツ「すみません、助かりました。」

三蔵「後はそこの劉備玄徳だけやな。そろそろ正体現せや。『テンタラフー!』」

 

三蔵はテンタラフーを唱えた!

三蔵の魔法が劉備玄徳の精神を蝕む!

 

「ヒィィ!頭がー!頭がー!」

 

ボンっと大きな音と煙をあげ劉備玄徳の体がみるみるうちに1匹の人間の子供位の大きさの狸に変わっていった。

妖獣マメダヌキが現れた!

 

タダカツ「こ、これが劉備玄徳の正体…。こんな奴の為に我々は…。」

弓子「くだらねえ…。こんなのがアスラ組のボスだったのかよ…。」

三蔵「狐に化かされたって所か。まあ、狸やけどな。」

「た、助けてくれ!な、な、助けてくれよう!ほんの出来心だったんだよ!」

 

マメダヌキは謝りながら隙を見て逃げようと試みている。

 

中島「君が劉備玄徳の正体…。」

「だ、旦那ぁ、許してくれよう。ほ、ほら、男はさ、誰だって強さに憧れる者じゃないか?な?な?」

中島「君は自分のしたことが分からないのか。」

 

中島は静かにマメダヌキに対して敵意を向ける。

 

「ほ、ほらぁ、旦那だってその悪魔召喚プログラムがあるから強くなった訳でして、俺だって劉備玄徳のふりをしてカンテイセイクンを味方につけて強くなったんだからやってる事は大まかには同じって事で…。な?な?見逃してくれよう。」

タダカツ「貴方と中島殿を一緒にしていただきたくありませんね。」

弓子「ああ、中島は少なくとも他人の力で偉そうにはしねえ。」

タダカツ「ええ、中島殿は毎日、強くなる為に努力をしています。」

「な、なんだよぅ。俺だってよぅ!大金持ちになってハーレムを築きたかったんたよぅ!な?旦那だって男だからそう思うだろ?な?な?だから見逃してくれよう!」

中島「き、君は、そんな勝手な理由で町の人々や僕の大切な友達を傷つけて…。ジャックが…ユキムラが…パスカルが…タダカツが…ティンクが…君の勝手な理由で痛い思いをしたなんて…許さない…。君だけは…。誰が許しても僕は絶対に許さない!許さないんだな!」

「ゆ、ゆ、ゆ、許してくれよう!な?たのむよう!」

弓子「駄目だな、中島は聞き分けがねえんだ諦めな。」

三蔵「まあ、自業自得やな。地獄に行ったら小原によろしく言っといてくれや。」

 

中島の攻撃!

最後の力を振り絞り錬気の剣でマメダヌキを斬りかかる!

マメダヌキの首は切り落とされてそのまま力尽きた。

マメダヌキを倒した。

 

弓子「中島、よくやった。行くぞ。」

中島「あっ…。力が…。」

 

中島は力使い果たして倒れこむがタダカツが中島の肩を組み歩き出す。

 

タダカツ「中島殿、帰りましょう。皆が待っています。」

 

ドーン!と大きな爆発音がして辺りが火の海に包まれていく。

 

弓子「ちっ…。あの糞兄貴、マジでボイラー室に火をつけやがった…。」

タダカツ「お兄さんが?」

中島「そんな…。どうして…。」

ティンク「あの人だったらやりかねないよ。」

三蔵「!!前から誰か来るで!」

 

前方から何者かが近づいてくる。

 

タダカツ「貴方は…。カンテイセイクン!」

カンテイセイクン「貴公達を逃がす訳には行かぬ。」

弓子「どけ、もうテメエの相手をしている暇はねえ。」

中島「き、君は劉備玄徳に化けた悪魔に騙されただけなんだな。だから、僕達が戦う理由はもうないんだな。」

カンテイセイクン「何?」

三蔵「これが劉備玄徳の正体や。受け取れや!」

 

三蔵がカンテイセイクンにマメダヌキの首を投げつける!

カンテイセイクンはマメダヌキを首を手で弾き飛ばす!

 

三蔵「おー!偉い遠くに飛んで行ったなあ。サヨナラ逆転ホームランやな。」

カンテイセイクン「フン、下らぬ。」

三蔵「ウチのボケの何がしょうもないんや!佐野のおっさんと一緒にすんな!」

弓子「カンテイセイクン、お前も一緒に脱出するぞ。」

カンテイセイクン「武人として拙者は最後まで戦い抜くのみ、貴公達の情けは要らぬ!来い!来ぬなら拙者から行くぞ!」

タダカツ「…。良いでしょう。この鬼神スサノオが貴方の最後のお相手をいたしましょう。」

 

タダカツは組んだ中島の肩を下ろし戦う体勢をとる。

 

弓子「タダカツ、あたしも加勢する。時間がないから一瞬で片付けるぞ。」

タダカツ「いえ、ここは私に任せて先に脱出して下さい。」

中島「そ、そんな…。タダカツだけ置いて行けないんだな。」

タダカツ「中島殿、私にはトラポートの魔法があります。だから、心配せずともかならず脱出します。」

弓子「タダカツ…先に港で待っている…。中島!行くぞ!」

 

弓子はそう言うと先に上の階段をかけ上がって行った!

 

中島「そんな…。弓子さん…。」

三蔵「中島 朱美!スサノオの心意気を無駄にするな!」

中島「でも…。」

三蔵「どうやらウチ等の迎えも来たようやな。」

「ヒヒーーン!!」

 

ケルピーが背中にパスカルを乗せてやって来た!

 

三蔵「たれぞう、よう来てくれた。」

「ヒヒーン!」

パスカル「ナカジマ タスケニキタ!」

中島「パスカル!どうして…。」

三蔵「犬っころ!中島 朱美を無理矢理連れて行け!脱出や!」

 

パスカルは巨大化して中島を背中に乗せて階段をかけ上がる!

 

中島「パスカル!タダカツが!」

パスカル「ナカジマ トクガワサイキョウノオトコハゼッタイカツ!ナカマシンジル!」

ティンク「中島、大丈夫だよ。」

中島「うん…。」

 

船内はカンテイセイクンとタダカツの二人だけとなった。

 

カンテイセイクン「先ずは貴公から倒させてもらう。その次に拙者に傷をつけたデビルサマナーの女と雪ダルマの悪魔を倒しに行く。」

タダカツ「残念ですがそれは出来ない相談ですね。この船が私と貴方の墓標となるのですから。」

カンテイセイクン「貴公、拙者と心中するつもりなのか!」

タダカツ「貴方を止める為です。それに後悔はありません。中島殿に弓子、それに私を受け入れてくれた仲魔達、彼等の為に死ねるのです。武人としてこれ以上の誉れはありません。」

カンテイセイクン「貴公とは違う形で会いたかった。」

タダカツ「お喋りは終わりにしましょうか。後は拳で語るのみ、鬼神スサノオ、参る!」

 

崩れていく船の中、スサノオとカンテイセイクンの戦いが始まった。

 

 

 

 

 

そのころ弓子は先に船のデッキの上に出てきた。

 

弓子「ちっ…。船の上も火の海か…。海に飛び込むしかないのかよ…。」

「白鷲ー!」

 

上空から弓子を呼ぶ声がする。

 

弓子「なんだ?ヘリコプター?」

「白鷲ー!掴まれー!」

 

上空のヘリコプターからはしごが降りてきた。

弓子は直ぐ様はしごに掴まった!

 

弓子「山川組の若頭か!助かったぜ!」

「よし、行け!脱出だ!」

弓子「ま、待て!まだあたしの連れが…。」

 

弓子が言いかけて下を見るとケルピーが三蔵を乗せて、巨大化したパスカルが中島を乗せて海を駆け抜けていた。

 

弓子「なんでもねえ。行ってくれ!」

「白鷲、しっかり掴まっていろよ!」

 

ヘリコプターはそのままはしごを降ろしたまま陸へと向かって行った。

 

弓子「なんだよ、これじゃあ怪盗二十面相じゃねえか。あたしは探偵だぞ、なんの冗談だよ…。」

 

 

 

 

 

名古屋港では救出されたアスラ組に捕まった人達はすでに警察に保護されていて、残っているのはイケメン武将隊のメンバーと中島の仲魔達だけであった。

 

ユキムラ「ううーん…。」

「ユキムラ!気がついたか、ノブナガさん!ユキムラが目を覚ましました!」

ユキムラ「こ、ここは…。」

ノブナガ「名古屋港だ。」

ユキムラ「ノブナガさん?みんな?どうして…。」

ノブナガ「ぶっ倒れたお前とそこのやつを回収して先に戻って来たんだ。」

ジャック「ヒ、ヒーホー…。ユキムラ、中島達を助けに戻るぞ…。」

 

ジャックはふらつきながら立ち上がりユキムラに声をかける。

 

「おい、じっとしていろ。」

ジャック「オイラは偉大なる悪魔、ジャックフロスト様だぞ…。偉大なるオイラが中島を助けに行かないと…。」

ノブナガ「いや、行かなくていい。」

ユキムラ「ノブナガさん、僕達が行かないと…。」

ノブナガ「だからもうすぐ戻って来るから行かなくていい。今、こっちに向かって来ている。」

 

双眼鏡を見ながらノブナガが答える。

 

ノブナガ「デブの探偵とあの女が戻って来ている。海の上を走っている。」

ユキムラ「よ、良かった…。」

ジャック「弓子は?」

ノブナガ「海の上には居ない。ん?あれは?ヘリコプターか?はしごにぶら下がって誰かいる…。」

ユキムラ「ノブナガさん、貸して。」

 

ユキムラはノブナガに双眼鏡を受け取り覗く。

 

ユキムラ「弓子だ…。みんな、無事だったんだ…。」

ジャック「よ、良かったぞ…。みんな無事で…。」

 

皆が安心していると中島達が港にたどり着いた。

 

ジャック「中島!」

中島「ジャック!」

三蔵「よっしゃ、無事到着や。」

ノブナガ「デブの探偵、約束は果たしたのか?」

ティンク「バッチリだよ!中島がアスラ組のボスをバッサリと一刀両断だよ!」

ノブナガ「そうか。まさか、本当にやるとはな。」

 

中島の帰還を皆が喜んでいるとヘリコプターが間近に来ている。

 

弓子「退けお前等!白鷲 弓子様のご帰還だ!場所を空けろ!」

 

そう言うと弓子ははしごから飛び降りて帰還した。

 

弓子「若頭!助かったぜ!ありがとうよ!」

 

ヘリコプターは答える事なく飛び去って行った。

 

「あれが噂の女探偵…。」

「ヘリコプターで登場とはスタイリッシュだな。」

弓子「よう、お前等が名古屋城の武将隊だな。いつもユキムラのバカが迷惑をかけてるみたいですまねえな。」

 

弓子は武将隊の面々に軽く挨拶をする。

 

ノブナガ「女探偵、白鷲 弓子か…。なかなか面白い奴だな。本来ならもっと早くに挨拶をするべきだったが…。織田 ノブナガだ。いつもユキムラのバカが迷惑をかけてるみたいで申し訳ない。」

 

ノブナガは弓子に手をさしだして軽く握手をした。

 

ユキムラ「ちょ、ちょっと!このイケメンである僕がみんなに迷惑をかける訳がないじゃないか!」

ティンク「ユキムラ、そう言う所がダメなんだよ…。」

ノブナガ「それより…。」

弓子「ああ…。すまない…。タダカツの奴が…。あたし達を逃がすために…。」

ノブナガ「タダカツが…。」

中島「弓子さん、タダカツは魔法で戻って来るって言っていたんだな!」

弓子「中島…。あの時、アイツにそんな力は残って無かった…。」

中島「そんな…。だったらあの時、僕等も残ってカンテイセイクンと戦っていたら…。」

三蔵「中島 朱美、スサノオはウチ等を脱出させる為にあえてウソ吐いたんや。」

中島「そんな…。そんなの…。みんな、知っていてタダカツを置いてきぼりにするなんて…。」

弓子「中島、黙れ…。」

中島「嫌だ!そうだ!今からでも遅くは無いんだな!タダカツを助けに行かないと!」

ノブナガ「探偵、もういい。気持ちは充分だ…。」

中島「良くないんだな!僕は助けに行くんだな!」

ティンク「中島…。」

ユキムラ「タダカツ…。君は…。僕以上の大馬鹿者だよ…。マスターを悲しませて…。」

ジャック「タダカツ…。せっかくオイラ仲良くなれて来たのにそんなの嫌だぞ…。」

中島「みんな、タダカツを助けに行くんだな。」

弓子「中島!!いい加減にしろ!!」

中島「な、なんで…。みんなどうしてそんなに冷たいんだな!」

弓子「お前だけが辛いんじゃねえんだよ!タダカツの気持ちを分かってやれ!!アイツは…お前を助けたいから一人でカンテイセイクンを食い止めたんだよ!」

中島「だから、今度は僕がタダカツを助けに行くんだな!」

弓子「今のテメエに何が出来る!!」

中島「そこの船があるんだな。その船で…。」

「燃料が足りない…。出航は出来ない…。」

中島「だったら…。」

三蔵「たれぞうは貸されへんで…。こいつは今日1日走りっぱなしで疲れ果てとる。あんたのわがままでたれぞうを殺さす訳にはいかん。そこの犬っころもあかんで。無理して最後の力を振り絞ってあんたを助けに来たんや。」

中島「そんな…。だったら…。」

 

中島は海に飛び込もうとする所を弓子に蹴り飛ばされる。

 

弓子「いい加減にしろ!!まだ分からねえのか!!」

中島「そんなの…。分からないんだな!タダカツを見殺しにする人の言うことなんか分からないんだな!」

弓子「テメエ!口で言っても分からねえみたいだな!」

 

弓子は中島を容赦なく蹴り倒す!

 

ノブナガ「おい、止めろ!お前等!探偵を押さえつけろ!」

「は、はい!」

 

弓子は武将隊の面々に取り押さえられるが中島を蹴るのを止めようとしない。

 

中島「弓子さんの蹴りなんか…。ちっとも痛く無いんだな…。僕は泳いででもタダカツを助けに行くんだな…。」

 

中島は足元がふらつきながらも海に飛び込もうする。

 

「お前もいい加減にしろ!落ち着け!」

 

中島も残りの武将隊の面々に取り押さえられる。

 

弓子「中島!テメエ!今度は手加減無しでやってやる!!放せ!」

ノブナガ「止めろ!」

中島「僕はタダカツを助けに行くんだな!放して欲しいんだな!」

「無理だ!泳いでいける訳無いだろ!」

 

中島と弓子が言い争いをしていると、突如空間に歪みが現れ1匹の悪魔が出てきた!

 

メルコム「ホホホ!これはこれは、お二方。いったいこの騒ぎは何があったのですか?」

弓子「なんの用だ、失せろ。今のあたしには冗談は通用しねえぞ。」

メルコム「ホホホ!相も変わらず好戦的な方ですね。全く貴女といい、先程回収しましたスサノオさんといい、似た者同士気が合うと言う事でしょうか。」

ティンク「えっ?」

中島「メルコム、タダカツは仲魔を見殺しにする弓子さんなんかとは全然違うのだな!」

「止めろ!あの女探偵を挑発するな!」

弓子「中島!!もういい!!勝手に海に飛び込んで溺れ死ね!命をかけてタダカツに助けてもらった命を無駄に散らせ!!お前等!もう放せ!」

メルコム「デビルサマナーの彼があそこまでなるなんて珍しいですね。」

弓子「あの野郎、あそこまで聞き分けねえとは思わなかった。もうアイツはクビにしてやる。」

メルコム「スサノオさんも聞き分けがなくて船から救出した時も今カンテイセイクンを倒さないと駄目だと言って空間の中で暴れようとしたので先程魔法で動きを封じたのですが…。デビルサマナーと白鷲 弓子の悪い所だけを影響を受けてるようですね。」

ユキムラ「えっ?今、なんて?」

メルコム「ですから、デビルサマナーと白鷲 弓子の悪い所だけを…。」

ティンク「そこじゃなくて!タダカツ、助け出したの?」

メルコム「え、ええ…。」

ティンク「なんでもっと早くに言わないのよ!中島!弓子!喧嘩している場合じゃないよ!タダカツは生きてるよ!メルコムが助け出してる!」

 

ティンクの声を聞き皆がいっせいにメルコムの方を向く。

 

ノブナガ「何?」

「本当か?」

中島「メルコム?」

弓子「メルコム、テメエ!もっと早くに言え!蹴り倒れてえのか!」

メルコム「ホホホ、いきなりですね。スサノオさんはお返しします。」

 

空間の歪みの中からタダカツが出てきた。しかし、起き上がれないのか横たわった状態のままである。

 

中島「タダカツ…。良かった…。良かったんだな…。」

 

中島は嬉しさのあまり泣き出した。

 

弓子「タダカツ、しっかりしろ!」

タダカツ「ゆ、弓子ですか…。すみません…。メルコムの魔法で体が痺れている状態で…。」

ユキムラ「船で何があったんだい?」

タダカツ「細かい事は省きます。私が崩れ落ちる船の中でカンテイセイクンと戦いの最中にそこのメルコムに邪魔をされました。」

メルコム「ホホホ!邪魔とはあんまりですね。私の仕事は貴方達のサポートですよ。」

ティンク「タダカツ、取り合えず体の痺れをとるけど暴れちゃ駄目だよ。『パトラ!』」

 

タダカツの体の痺れがとれた。

 

タダカツ「すみません…。」

ティンク「無事で良かったよ。」

タダカツ「良くなどありません。カンテイセイクンを取り逃がしました…。メルコム、貴方のせいです。」

メルコム「ホホホ!私の仕事は貴方達のサポートです。スサノオさん、改めてお聞きしますが貴方の最後の仕事は何ですか?」

タダカツ「私の使命はカンテイセイクンを倒す事、貴方の邪魔が入った為にカンテイセイクンを取り逃がし、また今度は何時襲って来るか分からない状況になってしまいました。だから私があの場でカンテイセイクンを道連れにしなければいけなかったのです!それを貴方が!」

 

タダカツの話を割ってメルコムが即答する。

 

メルコム「ホホホ!スサノオさん、やっぱり貴方は目的を履き違えていましたね?」

タダカツ「何?」

メルコム「良いですか?貴方の最後の仕事は生きて仲魔の元に帰る事、別にカンテイセイクンなど放って置いて良いのです。そうですよね?デビルサマナーに白鷲 弓子?」

弓子「ああメルコム、お前にしては気が利いたな。感謝する。」

中島「タダカツ…。無事で…本当に…良かったんだな…。メルコム…。タダカツを助けてくれて…ありがとうなんだな…。」

 

中島は泣きながら答える。

 

弓子「なーかーじーまー!いちいち泣くな!」

中島「でも…僕は…嬉しくて…。」ポロポロ

弓子「何時も言ってるだろうが!嬉しい時は笑え!いい加減に泣き止まないと蹴り倒すぞ!」

中島「でも…さっきも僕は弓子さんに滅茶苦茶蹴られたんだな。」

弓子「口答えするな!」

 

弓子は中島を蹴りあげる!

 

中島「い、痛い…。」ポロポロ

弓子「なーかーじーまー!さっきはあたしの蹴りなんて痛く無いとか舐めた事を言っていたよなぁ?ええ?」

中島「あ、あれは、痩せ我慢していただけで…。」

弓子「中島、安心しろ。これからは今までの倍の力で蹴り倒す事にするから思う存分苦しませてやる。覚悟しろよ?」

 

弓子は中島を思いっきり蹴りにかかる。

 

中島「い、痛いー!だ、誰か、助けて欲しいんだな!」ポロポロ

ノブナガ「おい!みんなで女探偵を止めろ!」

「は、はい!」

 

武将隊の面々が一斉に弓子を止めに入る。

 

弓子「放せ!ふざけるんじゃねえぞ!」

「なんでこの女だけこんなに元気なんだよ…。」

弓子「中島!このあたしにハズレくじばかり引かせやがって!いいか!あたしがぶっ飛ばした幹部の奴なんか一瞬で死んじまいやがったんだ!中島!お前が落とし前をとってボコボコされろ!」

「無理だ…。俺達じゃ止められない。」

中島「た、助けて!誰か!」ポロポロ

 

弓子の言いがかりで蹴り倒される中島であった。

 

 

タダカツ「私は敵を倒せずに不本意とは言えノコノコと戻って来て…。」

ノブナガ「タダカツ。」

 

タダカツが一人思い悩んでいるとノブナガが思いっきりタダカツを殴りつける!

 

ティンク「ちょ、ちょっと!ノブナガさん、タダカツは絶対安静なんだから!」

ノブナガ「日本の神様が俺のパンチぐらいじゃ全然効かねえだろ。多目に見てくれ。タダカツ!お前、俺と約束したよなあ!絶対に戻って来るって!」

タダカツ「ノブナガさん、それは…。」

ノブナガ「約束したよなあ!」

ユキムラ「ノブナガさん?」

タダカツ「ですが…。あのカンテイセイクンを取り逃がしたら今度は皆に襲いかかって来るかも知れないので…。」

ノブナガ「この大バカ野郎!周りを見ろ!お前は一人なのか!仲間が居るだろ!探偵達が、それに俺達が居るだろ!一人で抱え込むな!仲間を頼れ!何かあったら相談しろ!それが仲間だろうが!ええ!」

タダカツ「…。」

ジャック「タダカツ、ノブナガの兄ちゃんの言う通りだぞ。まあ、カンテイセイクンなんて来てもオイラがやっつけてやるから安心したら良いぞ。」

ユキムラ「ジャック、君がかい?」

ティンク「ジャックは直ぐに調子に乗るんだから…。」

タダカツ「いえ、ジャックの言う通りですね…。ノブナガさん、私が間違っていました。すみませんでした。」

ノブナガ「だから…。お前は頭が硬いんだよ。まあ、ユキムラみたいになってもそれはそれで困るけどな。」

タダカツ「そうですね…。精進します。」

ノブナガ「もうすぐ12時になるから明後日か。明後日は名古屋城で全員集合の日だからな、タダカツ、ユキムラ、それまでに体調を整えておけよ。俺達は先に帰るからな。みんな、俺達は帰るぞ!」

「タダカツ、お前が無事で良かったぜ。また明後日な!」

タダカツ「ノブナガさん、皆さん、ありがとうございました!」

 

タダカツは立ち上がり去っていく武将隊の面々にお辞儀をした。

 

ティンク「あたしが公園で暮らしていた時は毎日うるさいなって思っていたけどみんな、いい人達だね。」

タダカツ「ええ…。素晴らしい方々です。所で中島殿と弓子が凄い言い争いをしていましたが…。」

ユキムラ「ああ、それは…。」

 

ユキムラはタダカツが戻る前の出来事を説明した。

 

タダカツ「そうでしたか…。中島殿が私のために…。」

ティンク「弓子も本当は自分が助けに行きたかったはずなのに中島を無茶させない為に必死だった…。だから、あたしは二人を止めれなかったよ。」

ユキムラ「うん。」

タダカツ「中島殿…。あっ、まだ弓子に蹴られている…。今は弓子を止めましょう。あのまま中島殿が蹴られ続けたら本当に死んでしまいます。」

 

見ると中島は弓子にまだ蹴られ続けている。皆で弓子を止めに入る。

 

タダカツ「弓子、もう止めて下さい!中島殿が死んでしまいます!」

弓子「タダカツ、動ける様になったか。流石にタフだな。」

タダカツ「かろうじて動ける程度です。」

中島「うう…。」ポロポロ

 

中島はまだ泣いている。

 

ティンク「中島、大丈夫?」

中島「うう…。良かった…。タダカツも…。ユキムラも…。ジャックも…。無事で良かった…。良かったんだな…。みんなにもしもの事があったら僕は…。」ポロポロ

弓子「だから、いちいち泣くな!嬉しい時は笑え!まだ蹴られ足りないのか!」

ティンク「弓子!いい加減にしなよ!」

中島「みんなが傷ついていたのに僕は…。いつも何も出来なくて…。」ポロポロ

タダカツ「中島殿、そんな事はありませんよ。貴方は立派です。現にアスラ組の大将首を捕ったではありませんか。さあ帰りましょう。」

弓子「帰るか。」

 

中島達が帰る為に港から出ると一台のワゴン車にクラクションを鳴らされる。

 

「探偵さん達、送って行くッス!」

 

弓子達が劉玄丸に乗り込む時に協力してくれた作業員のしたっぱである。

 

弓子「おう、何から何まですまねえな。助かるぜ。」

「みんな乗るッス!」

中島「あの…。一緒にいた…。」

「ゴブリやコボル達ッスね?先に山ちゃんに飲みに行ってるから心配ないッスよ。」

弓子「したっぱ、今回は助かった。愚図の中島まで助けてもらったみたいで。」

「自分がしたくてしたことなんで気にしないで欲しいッス。」

弓子「そうか。今度改めて礼をするよ。中島、お前等は後ろだ。助手席はあたしだ。」

三蔵「白鷲 弓子、残念やったなあ。助手席はウチが先にいただいたからお前は後ろや。」

弓子「なんだよ。何時の間に居たんだよ。」

三蔵「兄ちゃん、先に病院に寄ってくれや。佐野のおっさんが病院に運ばれたから行かなあかんねん。八戒達が先に行ってるから急いでくれや。」

「分かったッス!」

メルコム「皆さん、詰めて下さい。私もご一緒します。急ぎの患者を預かって居ますので。」

タダカツ「急ぎの患者を?まさか?」

メルコム「ええ、一命をとりとめました。デビルサマナー、お願いがあります。ヨモツシコメさんの所に彼をお願い出来ますか?私は過去に少し因縁がありますので貴方達から彼を運んで欲しいのです。」

中島「分かったんだな。」

「それじゃあみんな、先に病院に行くッスよ。」

 

中島達を乗せたワゴン車はいつもの病院に向かって走って行く。

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