アスラ組との戦いから1週間ほどたったある日、みんなが事務所でくつろいでいるとユキムラが1枚のチラシを持って中島達に提案をする。
ユキムラ「HEYみんな!しばらく依頼もないみたいだから名古屋港水族館に行かないかい?」
中島「名古屋港水族館、昔にお爺ちゃんに1回だけ連れて行ってもらった事があるんだな。」
ティンク「そう言えば前にも水族館がどうのって言ってたよね。」
ユキムラ「そう、今行くと美しいマーメイドが僕達をお出迎えしてくれるのさ。」
ジャック「水族館ってどんな所なんだ?」
ユキムラ「だから美しくキュートなマーメイドがお出迎えしてくれるのさ。このイケメンである僕の為にね。」
ジャック「それはさっき聞いたぞ。他には何があるんだ?」
大輔「名古屋港水族館か、水族館だから色々なお魚がいるね。見所は迫力のあるイワシトルネードに光に反応して色が変わるクラゲ達、更にシャチのショーもあるね。これは名古屋港水族館にしかない催しなんだ。是非とも見ないといけないよ。」
ティンク(勝手に話に入ってきた…。)
ジャック「面白そうだな。オイラも行きたいぞ。」
ユキムラ「じゃあ、明日の土曜日にみんなで行こうではないか。」
弓子「すまんがあたしとタダカツはパスだ。」
ユキムラ「えっ?マーメイドが居るんだよ?」
タダカツ「すみません、その日はテコンドーの道場を貸切にしていまして弓子と久々に思いっきり鍛練をする事になっています。」
弓子「そう言うことだ、せっかくの誘いだのにすまねえな。中島達とだけで楽しんで来てくれ。」
ユキムラ「しょうがないね。僕達だけで行ってくるよ。」
中島「楽しみなんだな。」
ティンク「そうだね。」
ジャック「オイラも楽しみだぞ。」
パスカル「オレサマ ソノヒ ユミコト コウドウスル。」
弓子「はぁ?バカ犬、どういう風の吹き回しだ?」
パスカル「オレサマ タンレン!カラダキタエル!」
弓子「ほう?なかなか良い心がけだな。まあ良いや、この白鷲 弓子様が鍛えてやるからありがたく思え。」
ティンク「パスカル、弓子とタダカツが相手だから無茶したら駄目だよ?」
弓子「チビ、あたしに口答えするとは良い度胸だな?」
ティンク「何言ってるのさ!毎回、二人共死にかけの状態で帰って来て毎回あたしが回復魔法をかけてるんだよ!」
タダカツ「毎回、全力でやるから鍛練の意味があるのです。それは仕方のない事です。さぁ、食事にしましょうか。」
ユキムラ「そう言えば今日はタダカツが食事当番だったね。ちなみに今日のメニューはなんだい?」
タダカツ「今日は本田 タダカツ流甘口小倉パスタです。」
中島「え…。」
ジャック「…。」
ティンク「なんで…。」
ユキムラ「そんな…。」
中島達に例の喫茶店での悪夢が蘇る…。
弓子「おい、タダカツ。あたしもそれを食わす気か?」
タダカツ「はい、ちゃんと皆さんの分を用意してます。それではいただきましょう。」
大輔「パスタというよりデザートだね。へえ、渋めの抹茶のパスタにシロップかな?それですすりやすいパスタに仕上がっているね。美味しいじゃないか。あれ?みんな食べないのかい?」
タダカツ「今日は気温が高いので冷製パスタにしてあります。」
中島「た、食べてみるんだな…。」
中島は恐る恐るパスタを口に入れる。
中島「あっ、美味しいんだな。」
ティンク「えっ?中島、無理して美味しいなんて言う必要ないんだよ。」
中島「本当に美味しいんだな。」
中島の感想を聞いて他の面々もパスタを口に入れる。
ティンク「あっ、本当だ。油で炒めていないから美味しい。」
ユキムラ「これは確かに美味しいけど、前に弓子に連れて行ってもらったやっぱり喫茶店の悪夢を思い出すよ。あの時は小倉トーストを頼んだのにフランスパン丸々1つに大量の生クリームと小倉あんが乗ったのが出てきたからね。」
弓子「確かにあれが出てきた時は流石のあたしも引いたな。後、糞ダルマが頼んだかき氷の大盛り。」
タダカツ「ああ、マッターホルンの様なかき氷でしたね、私もビックリしました。まだまだ私の知らない興味深い物がたくさんあって良い刺激になります。」
ジャック「オイラ、またあのかき氷食べに行きたいぞ。」
タダカツが作った冷製甘口小倉パスタは意外にも好評でみんな綺麗に平らげた。
弓子「タダカツ、甘口のパスタは2度と作るなよ。まだ口の中が甘ったるじゃねえか。」
大輔「あれ?弓子は確か甘い物好きだったよね。よくういろうを食べてるじゃないか。」
弓子「甘さにも限度があるだろ。青柳ういろうの程よい甘さがいいだよ。」
タダカツ「すみません、精進します。」
大輔「僕的には美味しかったけどね。それより明日だよね、水族館。」
ユキムラ「そうさ。だからお兄さん、もしも明日に依頼があっても僕達は行けないからよろしく頼むよ。」
弓子「あたし達も道場に行くからな。兄貴は留守番しといてくれ。」
大輔「いや…。水族館へ…。」
ジャック「ヒーホー!水族館は留守番してくれる大輔の兄ちゃんの分もオイラ達が楽しんでくるぞ。」
大輔「あの…。だから…。」
ティンク「決まりだね、パスカル、鍛練っていっても弓子とタダカツが相手だから無茶したら駄目だよ。」
パスカル「マカセロ!オレサマ ツヨイ!フタリトモ ボコボコ!」
弓子「ほう?バカ犬、言うようになったな?」
タダカツ「まあ、皆さん。明日は早いので今日はこれぐらいで寝ましょうか。」
中島「僕も夜の素振りをしたら寝るんだな。」
弓子「中島、その糞重たい剣をよく毎日素振り出来るよな。」
中島「うん、毎日やってるから習慣になってるんだな。」
タダカツ「中島殿、今日は程々にして休んでください。」
中島「うん、ありがとうなんだな。」
タダカツ「それでは我々は部屋に戻りましょう。」
みんなそれぞれ部屋に戻って行ったので事務所は大輔一人取り残された。
大輔「なんだよ、僕一人に留守番をさせるなんて。やっぱり悪魔は倒すべき敵だ、今に見ていろ…。」
次の日、中島達は朝の開園前から水族館に来ている。
中島「ユキムラ、今日は誘ってくれてありがとうなんだな。」
ユキムラ「ハハハ、気にする事なんてないさ。当然の事ながらそれはこの僕がイケメンだからみんなを誘う事なんて当たり前の事なのさ。」
ジャック「みんなを誘うのにイケメンは関係ないと思うぞ。」
ティンク「ユキムラはいちいち自分がイケメンだって主張するから女の子にモテないんだよ。」
ユキムラ「ちょっと、君はなんて事を言うんだい!」
ティンク「だって、タダカツはユキムラと違ってこの前女の子にファンレターをもらっていたよ。」
ユキムラ「えっ?なんで!」
ティンク「そう言うところが駄目なんだよ。」
中島達が話し込んでいると開園時間になり次々と人々が中に入って行く。
ユキムラ「さあみんな、マーメイドは北館さ。早速行こうではないか!」
中島「北館はシャチやイルカも居るんだな。行ってみるんだな。」
中島達は北館に入って行く。入り口の水槽の端にはマーメイドが怯えた様子でいる。
中島「あれがマーメイド…。」
ティンク「なんか怯えているね…。」
ユキムラ「…。」
ジャック「中島、あっちにイルカがいるぞ!」
中島「あっ、本当なんだな。」
ティンク「シャチも居るよ!」
中島達はシャチやイルカを見て大はしゃぎである。
ユキムラ「僕が見たかったのこんなのじゃない…。」
中島達はそのまま水族館の中を見て回っている。
中島「もうすぐイルカショーが始まるんだな。」
ティンク「楽しみだね。」
ジャック「ん?ユキムラ?さっきから元気無いぞ?」
ユキムラ「…。大丈夫さ、心配ないよ!」
中島達はお昼過ぎまで水族館にいた。
中島「そろそろお腹が空いたんだな。」
ティンク「そうだね。お昼にしようか…。」
ジャック「さっき通ったレストランに行くぞ。」
ユキムラ「あ、ああ。みんな、すまないが僕はちょっとこれで失礼するよ。」
中島「ユキムラ?」
ユキムラ「やっぱりちょっと体調があまり良くなくてね。せっかく僕が誘ったのにゴメンね。」
ユキムラは一人先に帰って行った。
ジャック「ユキムラ、どうしたんだ?」
ティンク「あのマーメイドを見てからだよね…。」
中島「心配なんだな…。」
ティンク「まあ、とりあえずお昼にしようよ。」
中島「うん…。」
中島はユキムラを心配しつつもレストランでお昼をとることにした。
しばらく時間が経ち中島達は夕方前に事務所に戻ってきた。
大輔「中島君、お帰り。僕一人に留守番をさせて行ってきた水族館は楽しかったかい?」
中島「えっ…。いや…。あの…。」
なんとも器の小さい男である。
ジャック「大輔の兄ちゃん、水族館楽しかったぞ!」
大輔「そ、そうかい…。」
中島「そ、そうだ、ユキムラは?」
大輔「ユキムラ君?まだ帰って来てないよ。」
ティンク「え?うそ?まだ帰って来てないの?」
大輔「知らないよ、僕に留守番をさせた奴の事なんて。」
ティンク「何よその言い方。」
大輔「君こそなんだい、ここは僕の事務所だぞ!僕が気に入らないなら出ていけよ!」
ティンク「あたしは中島の仲魔よ!あんたの様な人間に指図される言われは無いわよ!」
大輔「僕をバカにするな!悪魔め!」
ティンク「あんたこそ!前回、あたし達を船で…。」
中島「ティンク駄目なんだな!もう止めるんだな!」
ティンク「中島!だって!」
中島「お兄さん、僕達はユキムラを探してくるんだな!さあティンク、行くんだな!」
大輔「何処にでも行けばいいさ。」
中島はティンクを連れてユキムラを探しに外に出ていった。
中島「ティンク、船での件は黙っているって弓子さんと約束している事なんだな。」
ティンク「でも中島。あの人は中島を殺そうとした人だよ。あの人は弓子と違って信用はできない。」
中島「お兄さんのお陰で僕は探偵の仕事が出来てみんなと仲良くなれたんだな。」
ティンク「うん。それは分かるよ。」
中島「もうその話は止めにするんだな。ユキムラを探しに行かないと。」
ティンク「ユキムラ、あのマーメイドを見てから様子がおかしかったよね。」
中島「うん…。」
ティンク「あのマーメイド、人間達に捕まってあの水族館に居るのかな…。」
中島「あの子、とても悲しそうにしていたんだな。」
ティンク「もしかして、ユキムラはあのマーメイドの所に行ってるのかな?」
中島「そうだ、悪魔召喚プログラムを使うんだな。」
中島は悪魔召喚プログラムのオートマッピンク機能を作動させる。
中島「あれ?こっちに近づいて来ているんだな?3つの内、1つは赤い点滅になってる…。」
すると前方から中島を呼ぶ声が聞こえる。
ユキムラ「マスター!良いところに来てくれたよ。手伝って、弓子達がボロボロで死にかけの状態なんだよ!」
見るとユキムラがボロボロで気絶している弓子とタダカツを抱え、気絶して豆芝の状態でいるパスカルを頭に乗せている。
ティンク「もー!だから行ったじゃない。『メディアマ!』」
ティンクの回復魔法で弓子達の傷を回復させる。
弓子「おうチビ、出迎えご苦労だな…。」
パスカル「オレサマ ウゴケナイ」
中島「タダカツがまだ目を覚まさないんだな…。」
弓子「ああ、アイツはトレーニング中にふざけやがったからな。殺す気でバカ犬と徹底的に叩きのめしてやったんだ。」
ティンク「タダカツがふざける?」
中島「真面目なタダカツがふざけるなんて考えられないんだな。」
ユキムラ「とりあえず事務所に戻ろうよ。」
弓子「たまたま、ユキムラが道場の近くを通ってくれて助かったよ。」
中島はボロボロの弓子達を運んで事務所に戻った。