女神転生 中島   作:ジャックオニール

35 / 51
海の魔王フォルネウス

一同は水族館の外に出て来た。いつもの夜と空気が違う。

 

弓子「居るな…。」

中島「うう…。空気がピリピリする…怖いんだな…。」

「探偵さん達…。あのメルコムは魔王と言っていましたが本気で悪魔と戦うつもりなのですか?」

弓子「なんだよ何で付いて来てるんだよ館長、危ねえから中に入っていろよ。」

「しかし、私の違約金をチャラにする為に戦われるのですから…。」

弓子「あたし等は悪魔がらみ専門の探偵だ。悪魔退治もお手の物だから大船に乗った気でいてくれていいよ。」

「悪魔退治専門ねえ…。」

 

館長さんはヒビっている中島をチラリと見る。

 

弓子「館長、分かってない様だから言っておくがその中島が1番ヤベエぞ。キレさせたらこんな水族館なんか一撃で簡単に吹き飛ばす魔力があるからな。」

「まさか…。ご冗談を…。」

弓子「あたしが冗談を言うと思うか?まあいい、来るぞ。たぶんあれがフォルネウスだ。」

 

弓子が指差す海の方向から大きな水しぶきが上がり中島達の前に巨大なエイの姿をした悪魔が宙に浮いている。

魔王フォルネウスが現れた。

 

「フォフォフォ!メルコムの言っていた通りなかなか美しい人間の女だな。メルコムに紹介料として高い金を払って来たかいがあったわい!マーメイドをワシの嫁にした後にワシの目かけにしてやろう!フォフォフォ!女、光栄に思え!」

弓子「この白鷲 弓子様に舐めた口を利くとはいい度胸だなデカブツエイが、乾燥させてフカヒレにしてやるから覚悟しな。」

 

フカヒレは鮫のヒレを乾燥させた物である。ちなみにエイのヒレを乾燥させた物は人工フカヒレと言う。

 

「フォフォフォ!なかなか威勢の良い女だ。気に入ったぞい。」

ユキムラ「残念だけど、君はこのイケメンである僕が華麗に退治させてもらうよ。みんなはそこで見ていてくれたまえ。」

「フォフォフォ!お前の様な者にワシの相手が務まるか!いでよ!我がしもべ達よ!」

 

海から無数の水しぶきが上がり悪魔達が飛び出して来た!

 

アズミが6体現れた!

ヴォジャノーイが5体現れた!

 

タダカツ「仲間を呼びましたか。」

弓子「あたし等相手にたったのこれだけとは舐められたものだな。」

中島「いっぱい居るんだな。」

「フォルネウス様!コイツら全員食っても良いですか?」

「フォフォフォ!女以外は八つ裂きにしてしまえ!」

「ヒャヒャヒャヒャ!速いもの勝ちだ。テメエ等!俺が食いちぎってやるぜ!」

 

アズミの1体が中島達に襲いかかる!

 

弓子「オラ!」

 

弓子の攻撃!

先攻して向かってくるアズミをお得意のティットラチャギで吹き飛ばす!

 

「なんだこの女!」

「クソ、今のは油断しただけだ!」

弓子「ほう?三下の雑魚が口だけは一丁前だな。テメエが油断したのじゃない事を証明してやるぜ!」

 

今度は弓子が先攻して悪魔の群れに突っ込んでいく!

 

タダカツ「それでは私も戦いますか。中島殿、館長さんをお願いします。」

中島「わ、分かったんだな。」

 

スサノオは弓子の加勢に向かう。

 

フォルネウス「フォフォフォ!あの女とスサノオは厄介じゃの。ワシのブレスで凍らせるとするかのう。」

ユキムラ「さっきも言ったけど君の相手はこのイケメンである僕さ。油断大敵、余所見は禁物さ。喰らいたまえ『ザンマ!』」

 

クーフーリンはザンマを唱えた!

風の衝撃魔法でフォルネウスを怯ませる!

 

フォルネウス「フォフォフォ!どうやら貴様が1番最初に死にたいようじゃな。」

ユキムラ「流石にこの大きさじゃ吹き飛ばす事は出来ないようだね。」

 

フォルネウスとクーフーリンが対峙している中ヴォジャノーイ達の中の1体が館長さんを襲いかかろうとしている。

 

「ヒャヒャヒャ!俺は弱そうな人間からいただくぜ!」

中島「館長さん!危ないんだな!」

 

ヴォジャノーイ達の前に中島が割って入る!

 

「なんだテメエ!」

中島「君の相手は僕がするんだな。」

 

中島は錬気の剣を召喚して戦闘態勢に入る。

 

「丸々太っていてお前の方が旨そうだな!」

中島「今のうちに館長さんは中に入って避難するんだな。」

「す、すまない。」

 

館長は水族館の中に逃げて行った。

 

「人間が1匹逃げたぞ!追え!」

中島「君達は行かせないんだな!」

 

中島はヴォジャノーイ達を食い止める為に奮闘する!

 

「デブのお前が俺達を止めるってか?ヒャヒャヒャヒャ!」

中島「き、君達を水族館の中には行かせないだな。」

「ヒャヒャヒャ、お前一人で俺達を止められ訳ないだろうが!」

 

ヴォジャノーイ達が水族館の中に入ろうと走って行く!

 

ティンク「中には行かせないよ『マハジオ!』」

 

ハイピクシーはマハジオを唱えた!

無数の電撃がヴォジャノーイ達に襲いかかる!

 

「ギギ、仲魔が隠れて居やがった!」

「怯むな2手に分かれるぞ、お前達は奥に行け!」

「ヒャヒャヒャヒャ!奥に逃げた人間は俺達がおいしくいただくぜ!」

中島「君達を先には行かせないんだな。」

「お前は俺達が相手をしてやるぜ!」

 

ヴォジャノーイ3体が中島に襲いかかる!

ヴォジャノーイの攻撃!

ヴォジャノーイは鋭い牙で中島の右肩に噛みついた!

ヴォジャノーイの攻撃!

ヴォジャノーイは鋭い牙で中島の左肩に噛みついた!

ヴォジャノーイの攻撃!

ヴォジャノーイは鋭い牙で中島の右足に噛みついた!

 

その隙にヴォジャノーイの残り2体は水族館の中に入って行った。

 

中島「あああああ!」

 

中島は噛みつかれているヴィジャノーイ達を引きずりながら海の方に歩いて行く。

 

ティンク「中島!」

中島「ぼ、僕は大丈夫なんだな…。それより中に入った悪魔が…。」

ジャック「ヒーホー!中島!水族館の入ろうとした悪魔達はオイラ達がやっつけたぞ!」

パスカル「オレサマ アイツラ マルカジリ!」

中島「よ、よかったんだな…。後は僕が…。」

 

中島はヴォジャノーイ達を離さずに海の方に向かって行く。

 

「なんだ、何をする気だ!」

「なんだコイツ、何かヤバイぞ!」

中島「ここまで来たら大丈夫なんだな…。『メギドラオン!』」

 

中島はメギドラオンを唱えた!

核の炎がヴォジャノーイ達に襲いかかる!

 

「ギャー!」

「グボアー!」

 

断末魔をあげヴォジャノーイ達は核の炎に燃やされ消えていった。

 

ジャック「ヒーホー!中島、凄いぞ!」

ティンク「中島、大丈夫?『ディアラマ!』」

 

ハイピクシーの回復魔法で中島の傷は治っていった。

 

中島「ティンク、ありがとうなんだな。」

弓子「なーかーじーまー!やるならやるって言え!あたし等が巻き添え喰らったらどうする気だ!ええ!」

タダカツ「昔まともに喰らった事のある私としても巻き添えはイヤですね。あれは洒落になりませんから…。」

中島「ご、ごめんなんだな…。」

弓子「なーかーじーまー!ごめんで済んだら警察は要らねえんだよ!今からデスメルを呼び出して刑務所にぶちこんでやろうか?ああ!!」

タダカツ「弓子、デスメルさんは今日は非番の筈ですが…。」

弓子「知らねえよ、中島に言え。コイツのせいで毎回あたし等まで死にかけてたら洒落にならねえだろうが!」

 

ただの言いがかりである。

 

弓子「まっ、冗談はこれぐらいにしてデカブツエイ、これで仕舞いか?」

フォルネウス「フォフォフォ、口の悪い女じゃな。せっかくの美人が勿体無い。どれ、口が開けぬ様に氷の像にしてやろうかのう。そこの男の様に。」

 

見るとユキムラは凍りついて氷像にされている。

 

中島「ああ、そんなユキムラが…。」

弓子「なにポーズ決めてるんだこのばかは…。」

フォルネウス「フォフォフォ!お前達も凍りつくがよい!」

 

フォルネウスの攻撃!

フォルネウスの氷結ブレスが中島達に襲いかかる!

 

ジャック「ヒーホー!中島!オイラが盾になってやるぞ!」

 

ジャックフロストは中島の前に立ち魔法で氷結ブレスを防いでいる。

 

弓子「ちっ…。」

 

弓子とスサノオは氷結ブレスをまともに喰らい体が凍りついた。

 

パスカル「オレサマ サムイ ヒデアタタメル」

 

ケルベロスはファイアブレスで氷結ブレスを防いでいる。

 

フォルネウス「フォフォフォ、後はお前達だけじゃな。」

中島「ああ、そんな…。弓子さんにタダカツまで…。」

フォルネウス「お前の力はここからでは届くまい。ワシのブレスをどこまで耐えられるか楽しみじゃのう。」

ティンク「そんな…。こんなのどうしようもないよ…。」

 

中島達の様子が気になりマーメイドが水族館から出てきた。

 

「あっ…。みんなやられている…。あの悪魔みたいな人まで…。」

フォルネウス「フォフォフォ!こんな所に我が花嫁マーメイドが居たとはな。」

「フォ、フォルネウス!」

ジャック「人魚の姉ちゃん!出てきたらダメだぞ!」

「ジャック君…。みんなフォルネウスにやられたの?」

フォルネウス「フォフォフォ、それではお前達を殺して花嫁を連れて海に帰るとするかのう。」

中島「どうしたら…。」

パスカル「ナカジマ ケンヲカカゲロ!」

ティンク「そうか!錬気の剣なら!」

中島「わ、分かったんだな、パスカル、僕に力を貸して欲しいんだな!」

パスカル「マカセロ!」

 

中島は錬気の剣を空高く掲げた!

パスカルはファイアブレスを錬気の剣に放つ!

錬気の剣は中島の魔力とファイアブレスが反応して紅く輝いていく!

 

フォルネウス「フォフォフォ!何をする気つもりかは分からぬがワシのブレスで凍りつくがよい!」

ジャック「中島が危ないぞ!」

中島「ジャック、君はマーメイドを守って欲しいんだな!フォルネウスの攻撃はこの剣で防ぐんだな!」

ジャック「ヒーホー!中島、オイラは火が苦手だから手加減しておくれよ。」

中島「分かったんだな。」

フォルネウス「凍りつけ!」

 

フォルネウスの攻撃!

フォルネウスの氷結ブレスが中島に襲いかかる!

 

中島「僕は負けない!負ける訳には行かないんだな!たー!」

 

中島は錬気の剣を振りかざした!

振りかざした剣先から炎が吹き荒れフォルネウスの氷結ブレスを打ち消しフォルネウスの体が火だるまになる!

 

フォルネウス「ぐわわわああ!ワシの体がー!」

ティンク「やった!」

中島「そうだ、弓子さん達が!」

 

中島は凍りついた弓子達に近づいて行く。

 

弓子「『マハラギ!』」

 

弓子はマハラギを唱えた!

弓子は自分の体に火をつけて凍りついた体を溶かした。

 

弓子「なーかーじーまー!お前があたしの心配をしようだなんて100年早いんだよ!」

中島「100年も経ったら僕はお爺ちゃんになってしまうんだな。」

弓子「口答えするな!」

 

弓子は中島を蹴りあげた。

 

中島「い、痛い…。」

タダカツ「中島殿、お見事です。ふん!」

 

スサノオは体を纏った氷を気合いで吹き飛ばす。

 

フォルネウス「何!ワシのブレスを溶かしたじゃと!?」

タダカツ「このような子供騙しの技では我々の足留めにもなりませんがね。」

弓子「そう言うことだ。ユキムラ!テメエ、いつまでそうして遊んでいるつもりだ!」

ユキムラ「ハハハ、凍りついたこの僕もイケメンだろ?『マハザン!』」

 

クーフーリンはマハザンを唱えた!

風の衝撃魔法がクーフーリンを纏った氷を吹き飛ばす!

 

フォルネウス「な、何故じゃ!?ワシのブレスを!」

ユキムラ「ピンチを演出するのもこのイケメンである僕のエンターテイメントなのさ。」

フォルネウス「おのれ!こうなれば数で攻めるのみ、いでよ!ワシのしもべ達よ!」

 

しかし、誰も出てこなかった…。

 

フォルネウス「出てこい!ワシのしもべ達よ!何をしておる!」

タダカツ「倒されると分かっていて出てくる愚か者はいませんよ。」

弓子「残念だったなあ、したっぱ共に見捨てられてよう!」

フォルネウス「ぐっ、おのれ…。こうなれば降参じゃ、見逃してくれ…。」

 

フォルネウスは観念したのか中島達に降参した。

 

ユキムラ「いいや、君を許す訳にはいかないね。例えここで許しても君は他の所で女の子を泣かせるのだろ?」

フォルネウス「ワシは女が好きなのじゃ!ハーレムを夢見て何が悪い!好きな女を無理矢理ものにして何が悪い!」

ユキムラ「はぁ…。君はあのアスラ組の連中と変わらないね。仕方がないこのイケメンである僕の奥義で止めを刺すしかないようだね。『ブリューナク!』」

 

クーフーリンは魔力を込めて光輝く風の魔槍ブリューナクを作り出した。

 

フォルネウス「おのれおのれおのれー!せめてお前だけでも倒してやる!」

 

フォルネウスがクーフーリンを倒そうと向かって来る。

 

ユキムラ「僕の取って置きの奥義を喰らってあの世に行きたまえ。名付けて『韋華面(イケメン)乱舞!』」

 

クーフーリンの攻撃!

向かって来るフォルネウスに無駄にポーズを決めながら高速で連続の突きを喰らわせていく!

また無駄にポーズを決めて槍でフォルネウスを空高く払い上げる!

そのままクーフーリンはハイジャンプでフォルネウスを追う!

 

ユキムラ「さあ、これでフィニッシュさ!冥土の土産にこのイケメンである僕のサインをプレゼントするよ。」

 

クーフーリンはフォルネウスの体に自分のサインを押し当ててその上にブリューナクで貫いた!

フォルネウスは魔力が尽きて消えていくブリューナクと共に消滅した!

それと同時にクーフーリンはポーズを決めて着地する。

 

ユキムラ「この僕に敗北はあり得ない、だって勝利の女神は常にこの僕に微笑んでくれるからさ。何故かって?そんなの答えは簡単さ、それはこの僕がイケメンだからさ。」

 

フォルネウスを倒した…。

 

弓子「何が韋華面乱舞だよ。真面目に戦え。」

「フォルネウス…。倒したの?」

ユキムラ「そうさ、君を脅かすフォルネウスはもう居ないよ。」

ジャック「ヒーホー!良かったな姉ちゃん。」

「うん、これでこんな所からもおさらばだよ。」

ジャック「そっか。でもオイラ、もう姉ちゃんと会えなくなると思うと少し寂しいぞ。」

「うん、せっかくジャック君と仲良しなれたのにね…。」

ユキムラ「あれ?ぼ、僕は?」

 

フォルネウスを倒したユキムラは相手にされずにマーメイドはジャックとの別れを惜しんでいる。

 

ユキムラ「あの…。フォルネウスをたおしたのは…。」

タダカツ「だから言ったではありませんか。惚れるだけ無駄だと。」

弓子「それにしてもあのクソダルマ、誰とでも仲良くなるよな。」

タダカツ「ええ。」

弓子「あっ、そうだった。中島、館長を呼んでこい。」

中島「わ、分かったんだな。」

「それには及びませんよ探偵さん、先程から遠くで様子を見ていたから大丈夫ですよ。まさか、本当にあんな悪魔を退治するとは思いませんでした。」

 

空間に歪みが現れてメルコムが出てきた。

 

メルコム「ホホホ、流石ですね貴女達は。館長さん、彼等が無事にフォルネウスさんを倒したので約束通り違約金はなしとさせてもらいます。」

 

メルコムは手に持つ契約書を破り捨てた。

 

弓子「これで依頼は完了だな。館長、またメルコムの奴が何かふっかけて来たら契約する前にあたし等に先に言えよ。」

メルコム「ホホホ、これはとんだ言いがかりですね。」

タダカツ「そう言えば、フォルネウスも貴方の名をおっしゃっていましたね。」

メルコム「そ、そうでした。私は別のクライアントとお会いする約束があったのでした。名残惜しいですが皆さん、ご縁があればまたお会いしましょう。」

 

そういってメルコムはいそいそと空間の歪みに消えていった。

 

タダカツ「逃げましたね…。」

弓子「放っておけ、どうせまた会うことになるだろうからな。」

「探偵さん方、色々とありがとうございました。」

弓子「こっちこそ、バカ犬が勝手に魚食ったりして悪かったな。」

「そうだ!」

 

館長さんはジャックの方に近づいて話を持ちかける。

 

「君!ちょっと言いかい?」

ジャック「オ、オイラか?」

「そう、さっきイルカやシャチと一緒に踊っていたね?」

ジャック「そうだぞ、オイラがお願いしたら一緒に踊ってくれたぞ。」

「どうだい?うちの水族館で働いてくれないかい?イルカやシャチのダンス、これは新しい目玉になる。」

中島「あ、あの…。」

「ああ、君のタンバリンもなかなか良かったけどね、あれは二番煎じだから残念だけど君は毎週はいいよ。」

弓子「おい館長、何を勝手に話を進めているんだよ。」

「じゃあ、不法侵入とイワシの件を公にするけど、いいのかな?契約書はもうないですしね。」

弓子「ぐっ…。このおっさん…。痛いところを突きやがって…。」

「働いてもらうのだからお金はちゃんと出しますよ。それに毎日じゃなくていいんですよ。そうですね。毎週土曜日曜とで…これくらい出そうと思いますが。探偵さん、いかがですか?」

 

館長は紙にざっくりとジャックに対するギャラを書いて弓子に差し渡す。

 

弓子「館長!これ、マジでか!良し!クソダルマ!今日からここで働け!」

タダカツ「えっ?弓子、少し失礼…。」

 

タダカツは弓子が受け取った紙を覗き見する。

 

タダカツ「な!武将隊のギャラより高い…。たったの週2回で…。」

中島「えっ?」

 

今度は中島が弓子が受け取った紙を覗き見する。

 

中島「えっ?そんな…。僕のお給料の倍近くあるんだな…。」

弓子「はぁ?中島、いくら何でもそれはねえだろ?」

 

中島は自分の給料状況を弓子に説明した。

 

弓子「はぁ?マジでか?兄貴にだいぶちょろまかされてるじゃねえか。良し、明日の朝に兄貴を取っ捕まえて言ってやるよ。」

 

どうやら中島の給料はかなりピンパネされていたらしい。

 

ジャック「なぁおっちゃん。オイラ、働くって言われても何をしたらいいんだ?よく分からないぞ。」

弓子「クソダルマ、何も考えずに蟻のようにキビキビ働けばいいんだよ!」

中島「でも弓子さん、蟻の2割は何もしないでサボっているんだな。」

弓子「なーかーじーまー!いちいち口答えするな!」

 

弓子は中島を蹴りあげる。

 

中島「い、痛い…。」

「ジャック君、あの人間は意地悪だからこんな所で働かない方が良いよ。」

「誰が意地悪だ。ジャック君、君には主にうちのイルカやシャチ達と仲良くしてもらうだけで良いんだ。」

ジャック「えっ?それだけか?」

「ええ、それで簡単なショーをしてもらうだけさ。」

ジャック「それだけ?ヒーホー!オイラおっちゃんの所で働くぞ!」

「そうか、良かったよ。」

弓子「館長、また何かあったら連絡してくれ。」

「探偵さん、ありがとうございました。ぜひ水族館にも遊びに来て下さい。」

弓子「ああ、そうさせてもらうよ。そのクソダルマがこれから世話になるからな。」

ジャック「おっちゃん、また来るぞ!」

「ジャック君、これからよろしく頼むよ。」

ジャック「ヒーホー!この偉大なる悪魔、ジャックフロスト様におまかせだぞ!」

 

中島達は依頼を無事に終えて事務所に帰る事にした。

 

ユキムラ「このイケメンである僕がフォルネウスを倒したのに…。」

ティンク「そう言うところがダメなんだよ…。」

弓子「ユキムラ、残念だったなあ。クソダルマに全部持っていかれて。」

ユキムラ「あの館長さんも酷いよ…。この僕の歌は要らないだなんて…。」

 

それは当然である。

 

タダカツ「それにしても中島殿にあのような特技があるとは思わなかったですね。普段とは別人の様な機敏な動きでした。」

ユキムラ「それはこの僕の歌声に反応しての動きなのさ。」

中島「うん、それは違うんだな。」

ユキムラ「そんな…。」

 

歌詞すら覚えない奴が何を言っているか。当然である。

 

ジャック「中島、違う歌でも出来るのか?」

中島「うん、曲が違っていても大丈夫なんだな。振り付けは少し変わるけど。」

弓子「まあ、どんな愚図でもなにかしら特技の1つはあるものだよ。中島、しばらくはそのクソダルマを水族館に送り向かえをしろよ。」

中島「分かったんだな。」

 

一同は事務所につくなり直ぐに眠りについた。

 

 

 

 

後日、弓子達はジャックが働き出した水族館に遊びに来ている。

 

弓子「ここの水族館、ちゃんと入るの久し振りだな。昔に1度兄貴と行ったっきりだからな。」

ユキムラ「前回はちゃんと楽しめなかったから今日は色々見て回って楽しむとするよ。」

タダカツ「そうですね、せっかくジャックが我々の為にチケットを用意してくれたのですから今日は楽しみましょう。」

新田「1枚チケットが余ったとはいえ我輩も誘っていただき嬉しい限りですぞ。」

弓子「そうだぞ新田、ちゃんとクソダルマに感謝しろよ。」

ティンク「あれ?1枚、あまった?」

 

今日は日曜日なので開園前だが人がごった返している。すると人混みの中から弓子を呼ぶ声が聞こえる。

 

「あっ、テコンドーのお姉さんだ!」

弓子「ん?おう、病院の時のチビスケか。元気そうだな。」

「おやおや、あんた達も来ていたのかい。」

 

ヨモツシコメのばあさんがジャイアントと前に助け出した女の子を連れて来ていた。

 

ユキムラ「病院のお婆さんじゃないか、病院以外で会うなんて珍しいね。」

「この子のお守りさ、だいぶ体調も良くなったけどまだ退院は出来るほど体力はないからね。リハビリがわりに連れて来たのさ。あの小僧からチケットももらったしね。おや?今日は太っちょのサマナーは居ないのだね。」

ティンク「中島はジャックと一緒に水族館のお仕事のお手伝いだって。」

「あっ、妖精さん!あの時はありがとう!」

ティンク「ユキちゃん、元気になって良かったね。」

「うん、みんなのお陰だよ。」

タダカツ「ジャイアント、貴方も無事で何よりです。」

「あっ、おめえ。おでをだすげてぐれたってジャックから聞いただ。おめえ、顔怖えけど良いやづだっただな。」

ティンク「プッ、顔が怖いって。」

タダカツ「ティンク、何か?」

 

弓子達が話込んでいると開園時間になり順番にみんな中に入っていく。

 

「ジャイアン、肩車して。」

「いいぞぅ、これでおめえも大きいぞぅ!」

弓子「ババア、良いのか?あのチビスケをデカブツに任せても。」

「ああ、アイツは大丈夫さ。あの図体で力があるからね。今じゃ病院の雑用係をやってるよ。」

ユキムラ「アスラ組の悪魔だったんだよね、彼は。」

タダカツ「彼もジャックと仲良くなってあの時我々に協力してくれたですよ。」

弓子「本当に誰とでも仲良くなるよなあのクソダルマは。」

「おめえだぢ、何しでいるだ?」

弓子「うるせえな、直ぐに行くよ。」

 

弓子達は水族館のゲートをくぐる。

 

弓子「先ずは北館からか。」

「あっ!人魚さんだ!」

ユキムラ「えっ?」

 

見ると前に依頼で助け出したマーメイドが水槽の中で手を振って泳いでいた。

 

「あっ!みんな!ヤッホー!」

ティンク「えっ?何で居るの?」

「あれからここの意地悪な館長と話をして正式に雇ってもらったんだよ。」

ユキムラ「ちょ!ちょっと!」

弓子「はぁ?舐めてるのかクソ人魚!」

 

弓子達が驚きを隠せずに居るとジャックが奥のフロアから近づいて来た。

 

ジャック「ヒーホー!みんな、来てくれて嬉しいぞ!」

「ジャック!」

ジャック「ユキにジャイアン、バァチャンも来てくれて嬉しいぞ!」

弓子「おい、クソダルマ!なんであのクソ人魚が居るんだよ!海に帰ったんじゃねえのかよ!」

ジャック「人魚の姉ちゃんはオイラと一緒に働く事になったんだぞ。」

ユキムラ「それじゃあ僕の活躍はなんだったんだい!納得いかないよ!」

ジャック「そんなのオイラに言われても知らないぞ。それにユキムラが女の子に振られるのはいつものことだぞ。」

ティンク「それもそうだね。ジャック、それより中島は?」

ジャック「中島はオイラと人魚の姉ちゃんと一緒にこの後10時半からダンスショーをやるからその準備中だぞ!」

「あの太っちょがダンスショー…。どんくさそうにしか見えないけどね。」

タダカツ「あのタンバリンが見れるのですね。楽しみです。」

新田「中島氏がダンス?タンバリン?」

ジャック「そうだぞ、あれ?新田の兄ちゃん、久し振りだぞ。オイラ、兄ちゃんの居る所知らなかったからチケット渡せなかったけど来てくれたんだな。」

新田「我輩、チケットが余ったので白鷲女氏から連絡を受けて参上したのですぞ。」

ジャック「あれ?オイラ、みんなの分をちゃんとチケット渡したぞ?」

ティンク「あっ…。もしかして…。」

タダカツ「その余ったチケットって…。」

ジャック「あれ?大輔の兄ちゃんは?来てないのか?」

ティンク「やっぱり…。」

 

 

 

 

 

 

その頃、事務所では…。

 

大輔「また僕一人を留守番させて何処かに行くなんて…。悪魔共め…。いつか見てろよ…。」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。