中島「お兄さん、手紙が届いているんだな。」
中島は事務所のデスクに座っている大輔に1枚の手紙を手渡す。
大輔「ありがとう中島君、えっと…。中島君、持ってきてもらって悪いけどこれ捨てて置いてくれるかい?」
大輔は手紙に目を通して中島に捨てるようにそのまま返す。
中島「えっ?これ…。」
大輔「良いんだよ、メシア教団からの寄付しろとの通達だからね。」
ティンク「メシア教団?」
大輔「そうだね、メシア教団に巻き込まれないように君達にも簡単に説明するよ。」
中島「巻き込まれないように?どう言う事なんだな?」
ジャック「メシア教団?何だそれ?」
大輔「中島君はかなりのお人好しだから特に聞いた方が良いよ。」
ティンク「メシアって救世主って意味だよね?どう言う事?」
大輔「うーん…。何処から話をしたらいいのかな。メシア教団ってのは言わば新興宗教だね。簡単に言ったら教団の信者になってあり金を根こそぎ貢いていたらいつかメシア様が救済してくれるって宗教さ。」
中島「メシア様…。」
大輔「そう、存在もしないメシア様の為にお金を巻き上げようとする詐欺師の集団だよ。ちなみに僕達の両親もメシア教団の熱心な信者だったんだ。」
ティンク「存在もしない?」
大輔「僕達の両親がスサノオに殺された話は知っているよね?」
ジャック「弓子から聞いたぞ。」
大輔「僕も最近になって知った事だけどスサノオの所に僕達の両親をけしかけたのがメシア教団なんだ。スサノオを倒したらメシア教団の大幹部にするって言ってね。だから僕がスサノオを恨んでいたこと自体筋違いだったんだよ。」
ティンク「でも、それをどうやって知ったの?」
大輔「最近僕が事務所を空けて出ていただろ?その時に東京にあるメシア教団の本部に信者として潜りこんでね。その時にだよ。」
中島「メシア教団がどうしてタダカツを…。」
大輔「まずは自分達の信じる神様以外を排除する為さ。スサノオだけじゃない、日本の神様、アマテラスやイザナミ、ギリシャ神話のオーディンやゼウスなども排除の対象なんだよ。」
ティンク「そんな勝手な理由で…。」
大輔「理由はそれだけじゃないんだ。悪魔召喚プログラム…。」
中島「えっ?これ?」
大輔「メシア教団の大幹部はみんな持っている。世界中の神様を倒して自分達の配下にして世界を支配するのが彼等の最終目的なんだ。世界中の神様を自分の手下の様に扱って見せたら末端の信者はまるでメシア様の様に見えるって訳だよ。いずれ教団の人間が中島君達に近づいて来るかも知れないから気を付けた方が良いね。ジャック君もお菓子をあげるからって言ってメシア教団が近づいて来たとしても簡単に着いて行ったら駄目だよ?」
ジャック「オイラ、そこまでバカじゃないぞ。」
大輔「とにかく、メシア教団については僕の方でももう少し調べてみるとして、中島君。」
中島「は、はい。」
大輔「1つ依頼が来ているから今日は僕と一緒に来てくれるかな?」
中島「わ、分かったんだな。」
ティンク「私も行くよ。」
ジャック「オイラも中島と一緒に行くぞ!」
大輔「君達も来るのかい?パスカルと留守番をして欲しかったんだけど…。パスカルを一人にして置けないし…。」
ジャック「パスカルも連れて行ったら大丈夫だぞ。」
大輔「やれやれ、しょうがないね。事務所は鍵をかけて行くとするか。」
中島達は次の依頼に向かう。
ティンク「所で依頼の内容って…。」
大輔「前にちょくちょく依頼を受けていた吉田 孝則さんの妹さんから連絡を受けてね。吉田 孝則さんの事で相談があるって事なんだ。」
中島「う、うん…。」
大輔「ん?どうしたんだい中島君?」
中島「いや…。あの…。」
ジャック「大輔の兄ちゃん、なんで何も買っていないのに自動販売機のお釣りの所に毎回手を入れるんだ?」
聞きにくい事も無邪気に聞けるのはジャックの凄い所である。
大輔「ああ、たまにお釣りの取り忘れとかあるから毎回チェックするんだよ。ほら、10円残っていた。」
ティンク「うわぁ…。」
中島「毎回…。」
良い年をした大人の行動ではない。
大輔「ん?みんなどうしたんだい?」
お前の行動でドン引きしているのである。
大輔「着いたよ、ここが吉田 孝則さんの家だよ。」
中島「大きい家なんだな。」
ティンク「豪邸だね。」
大輔「吉田 孝則さんは事務所1の金づるだからみんな失礼の無いようにね。」
お前が1番失礼である。大輔はドン引きしている中島達を気にせずインターフォンを押す。
「どちら様でしょうか?」
大輔「白鷲探偵事務所の者ですが…。」
「あっ、探偵さんですね。どうぞお入り下さい。」
大輔「さあ行くよみんな。」
中島「わ、分かったんだな。ティンクは僕の胸ポケットに。」
ティンク「うん。」
中島達は吉田 孝則さんの豪邸の中に入る。
「探偵さん、お待ちしていました。中へどうぞ。」
出てきた女の人の案内で中島達は家の中に入る。
中島「お邪魔するんだな。」
ジャック「オイラもお邪魔するぞ。」
パスカル「グルルル…。」
パスカルの様子がおかしい…。
パスカル「メス オレサマ ムラムラ シソンハンエイ…。」
パスカルは魔獣の姿に変身した。
中島「パスカル?いきなりどうしたんだな。」
パスカル「オレサマ ギンギンムラムラ メス タネヅケ」
「きゃ!な、なに!?」
大輔「中島君!悪魔召喚プログラムを!」
中島「えっ?」
大輔「中島君!パスカルは発情期に入っている!とりあえず悪魔召喚プログラムの中に戻すんだ!早く!」
中島「わ、分かったんだな。」
パスカル「オレサマ シンボウタマラン!」
パスカルが女の人に襲いかかろうとしたとき!
ティンク「『ドルミナー!』」
パスカル「zzz…。」
ティンクの魔法でパスカルは眠りについた。
「凄い…。」
大輔「驚かしてしまってすみません。」
「あっ、いえ、それにしても凄い大きい…。」
女の人は眠っているパスカルの陰茎を擦り出す。パスカルは眠りながら射精して女の人の顔に大量にかかった。
「凄い…。こんなに出たのにまだ立ってる…。こんなので突かれたら凄い事になりそう。」
大輔「な、中島君…。と、とりあえず悪魔召喚プログラムでパスカルを…。」
中島「わ、分かったんだな…。」
中島はノートパソコンを開きパスカルを悪魔召喚プログラムの中に戻した。
「臭いも味も濃い…。凄い…。最高…。」
ティンク「うわぁ…。あれ舐めてる…。」
中島「う、うん…。」
大輔「な、中島君…。か、金持ちには変態が多いんだよ…。だから平常心、あんまり引いてはダメだよ…。」
流石の大輔も引いてはいるが話題を変える為に依頼内容を聞く事にする。
大輔「あ、あの、所で…。お兄さんの吉田 孝則さんの事で依頼があるとお聞きしたのですが…。」
「あ、はい!そうでした。実は、この間兄が何か海外の仏壇の様な物を購入してからなのですがどうも様子がおかしくて何かにとり憑かれたようでして…。」
大輔「仏壇の様な物?」
「はい。夜中に変なうめき声を出されて暴れたりするので私の飼っているワンちゃん達がすっかり脅えてしまって全然私に交尾をしてくれなくなって困っているのです…。」
中島「えっ?」
大輔「中島君、聞き流して…。」
「探偵さん、兄を殺しても構わないので兄を何とかしてください!お願いします!」
ジャック「オイラ、この姉ちゃんが何を言ってるのか分からないぞ…。」
ティンク「ジャック…。世の中には分からなくても良い事だってあるんだよ…。今日は留守番していたら良かったよ…。」
中島達はここに来た事を心底後悔している。
大輔「と、とりあえず吉田 孝則さんの所に案内してもらえますか?」
「分かりました。こちらです。」
パスカルの精液で顔がベタベタになっている吉田 孝則さんの妹に案内されて吉田 孝則さんの部屋に向かう。
「ちょっとお嬢様!そのお顔!廊下がえらく汚れていて…。まさかまた…。」
大輔「あの、この方は?」
「家政婦の方です。廊下の精液は勿体無いので私がちゃんと舐めて片付けるのでそのままにしておいて下さい。」
「お嬢様、いい加減犬を相手になさるのは止めて下さい!毎日毎日カピカピで獣臭いシーツを洗うこちらの身にもなってください!」
ジャック「おばちゃん、なんか分からないけど大変そうだな…。」
「そうなのよ、それより君可愛いね。」
ジャック「そ、そうか?」
「そうよ、そんな大変なおばちゃんの為に向こうの寝室で私の相手をしてくれるかな?」
大輔「な、中島君、悪魔召喚プログラムを使ってジャック君を中に戻すんだ。早く!」
中島「分かったんだな。」
中島は急いでジャックを悪魔召喚プログラムの中に戻した。
「あっ!消えちゃった…。そんな…。可愛い子が…。」
「あの家政婦さんは小さい男の子に発情する変態なので気にしないで下さい。この部屋です。それでは私はあれを片付けていますので後はよろしくお願いします。」
中島達は四つん這いになって廊下に飛び散ったパスカルの精液を舐めている吉田 孝則さんの妹を尻目に部屋に向かう。ティンクは誤って振り返ってしまってその姿を見てしまった。
ティンク「うわぁ…。舐めてる…。もうヤダこの家…。」
大輔は部屋をノックして扉を開ける。
大輔「吉田 孝則さん、僕です。入ります。」
「フヒ、フヒヒヒヒヒ。」
中に入ると一人の男が木でできた祭壇の様な物を見つめながら笑っている。
大輔「吉田 孝則さん、僕です。白鷲 大輔です。分かりますか?」
大輔が吉田 孝則さんの正面に立ち体を揺さぶるが反応がない。
大輔「この箱…。まさか…。ディブクの箱?」
中島「えっ?」
大輔「吉田 孝則さんは悪霊ディブクに体を乗っ取られている…。これでは本当に殺さないと駄目かもしれない…。」
ティンク「そ、そんな…。」
大輔「僕にはお祓いなんて出来ないからね。どうにもならない…。」
中島「ぼ、僕に考えがあるんだな…。」
中島は悪魔召喚プログラムを起動させる。
中島『僕は中島 朱美なんだな。君は誰なんだな?』
中島の悪魔召喚プログラムに反応して吉田 孝則が中島の方に振り返る。
『フヒヒヒヒヒ!俺はディブク!こいつの体を奪ってしたいようにするだけだ!フヒヒヒヒヒ!』
大輔「やはり悪魔に乗っ取られている。仕方ない、悪いけど退治させてもらうよ。」
『俺を退治するだと?こいつの肉体がどうなっても良いのか?ああ?』
大輔「人質を取っているつもりでいる所申し訳ないけど依頼主からは人質ごと殺しても構わないのでって事だからね。僕には彼が死のうが関係無い事だよ。」
『ま、まて!人間が人間を殺しても良いわけないだろ!お前が殺人罪になっても良いのか!』
大輔「悪魔の癖にやけに詳しいね。」
『いつもこの後のワイドショーを毎日見ているからな!当然だ!』
大輔「そうなんだ。でもね、僕は魔法で殺すから証拠は残らないので殺人罪にはならないのだよ。今までだってそうしてきたからね。」
『そんな理屈が通用すると思っているのか!ハッタリに決まっている!』
大輔「そう思いたければそう思うが良いよ。」
大輔は魔力を高めて魔法を唱えようとする。
中島「お兄さん、待って欲しいんだな。」
大輔「中島君、悪魔を退治するから退いているんだ。」
中島「もう少し、僕に…。」
『お、お前!何なんだ!俺と会話ができるようにするなんて!何者なんだ!』
中島『僕はデビルサマナー、中島 朱美なんだな。』
『デ、デビルサマナーだと!?お、お前も俺を退治するつもりか!』
中島『君は、その人の体を使ってどうするつもりなんだな?』
『いいか!よく聞けデビルサマナー!せっかく金持ちの家の奴に取り憑いたんだ!飽きるまで贅沢三昧するんだよ!』
ティンク「何を言ってるのよこいつ。」
『うるせえ!せっかくチャンスを無駄に出来るか!俺は贅沢をするんだ!』
中島『えっと、君は具体的にどうしたいんだな?』
『デビルサマナー、よく聞いてくれた!その前にどうして俺が贅沢したいか教えてやろう!よく聞け!』
吉田 孝則さんの体を乗っ取ったディブクは中島に自分の生前の時の事を話し出した。
『俺は元々はアムステルダムの出身でな。第一次世界大戦の少し後、1925年に生まれたんだ。そして、第二次世界大戦が始まった時は俺は14才だった。それまでは貧乏ながらひっそりと暮らしていたのに…。お前も知っているだろデビルサマナー、ナチスが俺達ユダヤ人にしたことを!』
中島「ナチス…。」
『ああ、アムステルダムは占領されて俺達家族は収容所に入れられて殺された。1番下の妹なんかはまだ6才だった。』
中島「そんな…。6才の子も…。」
『金があればナチスに捕まらなかったんだ!ソ連やアメリカに逃げれた!それに悪霊になっても復讐するナチスはもういない。だからせめて幼くて死んだ妹の分も贅沢して成仏したい!』
中島「うう…。」
中島はディブクの話を聞いて泣いている…。
大輔「話は終わりだね。じゃあ、消えてもらおうか。」
『なんなんだよこいつは!話の流れを読めよ!』
大輔「いや、僕には関係無いし。」
ティンク「流石に空気読もうよ…。」
中島「うう…。酷いんだな…。」
『デビルサマナー、泣いているのか…。』
大輔「さて、退治するか。」
空気の読めない大輔はディブクを退治する為に魔力を高める。
中島「うう…。お兄さん、待って欲しいんだな。彼に少しだけ贅沢する時間をあげて欲しいんだな。」
中島は大輔にディブクを退治するのを泣きながら頼み込む。
大輔「中島君、悪魔に同情する必要はない。」
ティンク「話だけでも聞いてからでも遅くはないよ。で、贅沢って何がしたいの?」
『そ、そうだな…。とりあえずまずは気兼ねなく外に出たいな。』
ティンク「へ?それだけ?」
『それだけとはなんだ!俺はナチスのせいで外に出ることなんて出来なかったんだ!人に見つからない様に家族で生活していたんだ!』
ティンク「ご、ごめんね…。まあ、少し外に出るくらいなら…。」
大輔「駄目だ。外に出て悪魔に逃げられたらどう責任をとるつもりだ。」
『逃げるか!金持ちのこいつに取り憑いたから外に出る価値があるんだ!金ならこいつのサイフにたんまりあるんだ!デビルサマナー、お前もついてこい!なんか高そうな物をたらふく食わしてやるぞ!』
中島「分かったんだな。」
大輔「やれやれ仕方ないね、分かったよそう言うことなら外に出ようか。外に出たらジャック君を出してあげよう。仲間外れは可哀想だからね。」
中島「お兄さん、ありがとうなんだな。」
大輔「中島君、僕がお金を出すわけじゃないから気にしないで良いよ。それに他人のお金で贅沢できるなんて最高じゃないか。」
ティンク「やっぱりそこなんだ。」
中島達はディブクの願いを聞くために外に出る事にした。
『フヒヒヒヒヒ!外だ!太陽が出てる!電気が無くても明るい!』
大輔「その体は吉田 孝則さんの物だから、あまり騒いだら後で迷惑になるから静かにしないと。」
『うるせえ!お前は信用できないから着いてくるな!話しかけるな!』
空気の読めない大輔はディブクに嫌われたようである。
大輔「君、僕を嫌うのは構わないけど贅沢する為のお金の使い方を知っているのかい?」
『…。デ、デビルサマナー、贅沢って具体的に何をするんだ?』
大輔「ほらやっぱり、君のサイフは僕が預かってあげるからとりあえずお昼にしようか。」
大輔はディブクからサイフを受け取り高そうなデパート内の中華レストランにみんなで入る。
『お?おおお?何だここは?』
大輔「静かにしないか。すみません、4名ですが…。」
ジャック「ヒーホー。凄い高そうな所だな、お金大丈夫か?」
大輔「ジャック君、今日はどれを頼んでも大丈夫だよ。」
ジャック「ヒホ?大輔の兄ちゃん、いつもは少しでも安いやつを頼ませようとするのに今日は太っ腹だな。」
『吉田 孝則の金だからなあ!気にすることはないぜ!このテーブルすげえ!クルクル回るぞ!まずはここで贅沢するぜ!』
ティンク「なんかご機嫌だね。」
中島「うん。僕、こんな高そうな所初めてなんだな。緊張するんだな。」
『おおお、俺も緊張してきた!』
大輔「中島君、堂々とするんだよ。緊張すると味が分からなくなるからね。じゃあ料理を注文しようか。」
大輔は店員さんを呼び注文をする。
大輔「良いですか?フカヒレの姿煮を五人前、干し鮑の姿煮XOジャン炒め。それから…。北京ダック。中島君達も好きなのを頼んで良いよ。」
まずお前の金ではない。
中島「せっかくターンテーブルがあるからみんなで取り分けられるお料理が良いんだな。」
「それでしたらこちらの点心や季節の野菜炒めなどはいかがでしょうか?」
『おおお、なんかもう何を食ったら良いのか分からねえ…。』
「うーん、そうですね。それでしたら、こちらのコースに今おっしゃられたフカヒレや鮑に北京ダックを加えるようにしましょうか?」
大輔「中島君、良いのかい?」
中島「なんか分からなくなって来たんだな。」
大輔「まあ、初めてだったら無理もないか。それじゃあ、僕が残りの前菜なども全て決めても良いかい?」
中島「う、うん。」
大輔「店員さん、前菜はみんなで取り分けられるようにこれとこれとこれで湯は海燕のスープに主菜は北京ダックに後、伊勢海老のこれと、このお魚はすぐに分けれるように予め切り分ける事は出来ますか?」
「あっ、はい。大丈夫です。」
大輔「じゃあお願いします。点心はこれとこれで、別で食後に杏仁豆腐を五人前お願いします。中島君はお酒は大丈夫かな?」
中島「少しだけなら…。」
大輔「じゃあ、食前酒を3つ以上でお願いします。」
「かしこまりました。それでは失礼します。」
注文を終えて店員さんは戻っていった。
ジャック「大輔の兄ちゃんすげえな。オイラ、チンプンカンプンだったぞ。」
中島「僕もどうしたら良いか分からなかったんだな。」
大輔「まあ、慣れだよ。僕達身内だけの食事だからマナーなんかは気にしないで良いよ。」
『おお?俺は身内じゃねえぞ?』
大輔「君、マナーやどうのってなったら味が分からなくなるだろ?だから好きに食べたら良いよ。」
『おお?お前、よくこういうの食うのか?』
大輔「クライアントとたまに食事をするときにね。」
ジャック「大輔の兄ちゃん、一人でか?」
大輔「そうだよ。お客さんと仕事の話をするときにね。ほとんど仕事だからあまり食べた気にはならないのだけどね。だから今日は気を使わずに食べれるから楽しみなんだ。」
ティンク「私、お兄さんの事、初めて凄い人だと思ったよ。」
少ししてターンテーブルに収まりきれない位の料理が次々と運ばれてくる。
『すげえ!食い物がテーブル一杯にあるぜ!まさに贅沢だな!』
ディブクは大喜びだ。
大輔「どうやら気に入ったようだね。」
中島達は料理を楽しんでいると男女二人組の客が入ってきた。
「二人だ、奥の個室に案内してくれ。」
「は、はい。どうぞ。」
二人組は奥の個室に入っていく。
大輔「中島君、どうやら僕にお客さんが来たみたいだからディブクの件は君に任せるけど良いかな?」
ティンク「えっ?悪魔は絶対倒す存在だとか言うお兄さんが?」
大輔「そうだね。招かねざる客って奴でね。そんな事を言ってられる状態じゃ無くなったんだ。だから夜にまた吉田 孝則さんの家の前で合流しよう。先にお会計を済ませてくる。」
大輔は先にレジでお会計を済ませて戻ってきた。
大輔「中島君、君達は先に店を出て行ってくれるかい?」
ジャック「兄ちゃん、まだ杏仁豆腐が来ていないぞ?」
大輔「手荒な事になるかも知れないから先に店を出て行って欲しいんだ。」
中島「ジャック、お兄さんの言う通りにするんだな。」
大輔「中島君、吉田 孝則さんのサイフは君に渡しておくよ。」
大輔は吉田 孝則さんのサイフの中から五万円抜き取り奥の個室に乗り込んで行く。
中島「さあ、店を出るんだな。」
『おおお?いいのか?』
ジャック「杏仁豆腐…。」
中島達は店を出ようとしたら店員さんに呼び止められて手土産を渡される。
「お客様、お時間が無かったとの事なのでこちらの杏仁豆腐、テイクアウトにしましたのでどうぞお持ちください。」
食事を終えた中島達は名古屋城公園に向かった。
『おおお?何だあれ?』
中島「あれは日本のお城、名古屋城なんだな。」
『城!デ、デビルサマナー!城!入れるのか?おおお?』
中島「うん、せっかくだから入ってみるんだな。」
ジャック「オイラ、お城入るの初めてだぞ!」
『城!贅沢の極みだ!デ、デビルサマナー!早く行こうぜ!』
中島達は入場料を払い城に向かう!
『おおお?な、なにか居るぞ!武器を持っているぞ!侍だ!』
中島「あれはイケメンおもてなし武将隊の人なんだな。」
『おおお?侍じゃないのか?』
ティンク「うん、名古屋に来る観光客を楽しませる為に戦国武将の格好をしているんだよ。」
「おっ?デブの探偵達じゃないか!名古屋城に遊びに来たのか?」
槍を持った武将隊の一人、前田 ケイジが中島達に声をかける。
中島「あっ、うん。名古屋城に入りに来たんだな。」
ジャック「兄ちゃん、ユキムラは居ないのか?」
「ユキムラは金町横丁の方に居るぞ、まあゆっくり楽しんで行けよ!」
中島「うん、ありがとうなんだな。」
『おお?デビルサマナー、お前、武将と仲良いのか?』
ティンク「アスラ組の事件の時に武将隊のみんなが助けてくれたんだよ。みんないい人達だよ。」
『おおお?そうか、デビルサマナー、城の中を見ながらで良いからお前達の事を教えてくれよ。』
中島「分かったんだな。」
中島達は名古屋城の中に入りながら自分達の今までの事をディブクに話していった。
『そうか、お前達なんか色々とすげえんだな。日本のお城ってすげえな!よく昔の人はこんなのを作ったよな!』
中島「うん。」
ティンク「ねえ、次は何がしたいの?」
『おおお?そ、そ、そうだな…。』
中島「そうだ、この先何をするかは公園でさっきの店の杏仁豆腐を食べながら考えるんだな。」
ジャック「賛成だぞ!」
中島達は城を出た所の二ノ丸庭園でひと休みしてから町をぶらつく事にした。
「あれ?太っちょの探偵さんじゃないッスか。」
中島「あっ、君達は。」
中島達が町を歩いていると顔馴染みの連中に出くわした。例の弓子に協力してくれる作業員のしたっぱと彼を慕う悪魔達である。
「ヒャッハー!デブチン、久し振りだぜー!」
ティンク「みんなで揃って何処かに行くの?」
「あっ、妖精さんも元気で良かったッス、自分達は仕事の帰りにみんなで一杯飲みに行く所ッス。良かったら探偵さん達も一緒にどうッスか?」
中島「そんな、いつも僕達が君達にお世話になっているのに…。迷惑になるんじゃ…。」
「探偵、先輩はお前や白鷲 弓子を気に入っている。遠慮しないでいい。」
ジャック「ヒーホー!中島、せっかくだから一緒に行きたいぞ!」
『おおお?その男もデビルサマナーか?悪魔を引き連れているぞ。おお?』
「なっ!コノオトコ、ナニモノ!」
ディブクの一言でゴブリン、オーガ、コボルトの3人は警戒体勢にはいる。
「みんな止めるッス。探偵さん、彼は何者ッスか?」
『俺は吉田 孝則に取り憑いた悪魔ディブクだ。お、お前、その飲みに行くってやつは贅沢なのか?おおお?』
「うーん、贅沢と言ったら贅沢になるッスねえ。」
『よし、デ、デビルサマナー!俺も行くぞ!贅沢するんだ!』
中島「うん、じゃ、じゃあ僕達も君達にお邪魔させてもらうんだな。」
「分かったッス。じゃあ今日は居酒屋に行くッス。」
中島達は近くにある居酒屋に足を運ぶ。
「ギャハハハハ!お前、なかなか面白い奴だな!」
『フヒヒヒヒヒ。なんかいい気分だ。』
居酒屋で飲み交わしみんなすっかり出来上がっている。
「所で妖精さん、1つ教えて欲しい事があるんッスけどいいッスか?」
ティンク「うん、何?」
「あの、この前探偵さん達が助けてくれたカハクちゃんなんスけど…。」
ティンク「ああ、モスマンの親子とみんな一緒に何処かの森の奥に帰って行ったんだよね。」
「それなんスが…。」
「ピィ!」
作業員のしたっぱの胸ポケットからカハクが1匹飛び出して来た。
「ヒャッハー!ここはチビスケの来る所じゃないぜぇ!さっさと家に帰ってミルクでも飲んでると良いぜぇ!」
「ピィ!」
カハクはコボルトに手羽先の骨を投げつける。
「いて、何をしやがるチビスケ!」
「ピィ!ピィ!」
「二人とも止めるッス!他のお客さんに迷惑ッス!」
ティンク「で、何で居るの?」
「あの後、この子だけすぐに戻って来てしまってとりあえず一人にはさせられないので自分が保護する事にしたッス。」
中島「君と一緒に居たいから戻って来たんだと思うんだな。」
ジャック「兄ちゃんはいい奴だもんな。直ぐに怒って蹴ってくる弓子にだって優しいもんな。」
???「クソダルマ、てめえはどうやら痛い目をみたいようだな?」
中島達は殺気を感じて振り返るとそこには弓子が後ろにいた。
ジャック「あああああ…。」
中島「ゆ、弓子さん…。どうしてここに?」
弓子「なーかーじーまー!てめえ、兄貴に依頼を押し付けて何を酒なんか飲んでいやがる!いい身分になったなぁ!ええ!」
中島「お兄さんは別のお客さんの所に行って僕達は依頼の最中なんだな。」
弓子「別の客だぁ?まあいい、で?それがてめえが酒なんか飲んでる理由にはならねえよな?よし、あたしがぼこぼこにしてやるから表出ろ!」
ティンク「ちょっと弓子、今説明するから落ち着いてよ。お店に迷惑だよ。」
弓子「だから表に出て中島の体に聞いてみるんだよ。」
『おおお?なんだ?デビルサマナー、この女、マフィアなのか?おお?』
弓子「なんだてめえ、あたしがマフィアだと?舐めた事を…。ん?デビルサマナーって言ったな?何者だテメエ。」
弓子はデビルサマナーって言葉を聞いて警戒体勢に入る。
『お、俺は吉田 孝則の体に取り憑いた悪霊ディブクだ!俺は成仏する前に贅沢する為にデビルサマナーと行動しているんだ!』
弓子「悪霊だあ?どう言うことだよ?」
ティンクが弓子に経緯を説明した。
弓子「兄貴がよくそれを許したな…。」
ティンク「うん…。まあ…。」
『お、お前、あのキチガイの、い、妹なのか?おおお?』
弓子「キチガイの屑で間違いはねえが他人に取り憑いてる悪霊が言ってるんじゃねえよ。まあいい、中島。その依頼はお前のしたいようにしたらいい。」
中島「分かったんだな。」
ティンク「ん?珍しいね、弓子が任せるなんて。」
弓子「ああ、そいつについてはあたしや兄貴より中島の方が適任だからだ。」
ジャック「それより弓子は何をしに来たんだ?」
弓子「ああ、あたしの影口を言ってたクソダルマ、てめえをぶっ飛ばしに来たんだよ!覚悟はいいか?」
ジャック「い、いや、オ、オ、オイラは違うぞ。あの兄ちゃんは褒める為に弓子を例にあげただけだぞ!」
弓子「まあ、後でぼこぼこにしてやるから覚悟しておけ。本当はしたっぱに相談があるからって呼ばれていたんだよ。」
中島「したっぱって…。いつも助けてくれる人達に対して失礼なんだな…。」
弓子「失礼なのはてめえのそのブクブク太った腹の方なんだよ!少しは痩せろ!油ものばっかり食ってるんじゃねえぞ!」
弓子は言いがかりのような発言をしながら中島の腹を引きちぎれる勢いでつねり上げる。
中島「い、痛い痛い痛い!酷い…。僕は何もしてないのに…。」ポロポロ
『おお、デビルサマナー、大丈夫か?お、お前、女ってのは俺の幼馴染みのマルゴーちゃんやその妹のアンネちゃんの様におしとやかじゃないと駄目だぞ、おおお?』
弓子「おいこらくそ悪霊、あたしに舐めた口を利いてるんじゃねえぞ。今からあたしのテコンドーでボコボコにして物理的に成仏させてやってもいいんだぞ?ああ!?どうなんだ?」
ティンク「弓子、止めなよ。」
『おおお?悪魔みたいな女だ…。』
弓子「悪魔はテメエの方だろうが!どいつもこいつもふざけるんじゃねえよ!」
周りのみんなになだめられて弓子は本題に入る。
弓子「所でしたっぱ、あたしに相談ってなんだよ?コイツらが迷惑かけてるならまたボコボコしてやるだけだけど。」
「相変わらずのキチガイぶりだぜー!」
「コボル、止めろ!キチガイを挑発するな。」
「アノオンナ、キチガイ。」
弓子「ああ!?」
「女探偵、ビールでも飲んで落ち着くと良いぜぇ!」
弓子「酒か、好きではないがありがたくいただいてやる、感謝しろ。で、相談ってなんだよ?」
「実はカハクちゃんの事で…。」
弓子「なんだ?ソイツ、何処で拾って来たんだよ。落ちてる者を拾い歩くなんてうちの兄貴みたいな事をするなよ。」
「そうじゃなくて、カハクちゃんって何を食べさせて上げたらいいッスか?勝手に何でも食べさせて具合が悪くなったりしたら大変なので困っているッス…。」
弓子「なんだよ、そんなもん腹がへったらうちのバカ犬と一緒でその辺のごみ箱とか勝手に漁って何か食うだろ。放っておいたらいいんだよ。」
ティンク「弓子、女の子に対して失礼だよ。まあ、何でもバランスよく食べたら大丈夫だよ。ちゃんと食べないと生体マグネタイトを減らしていくからね。」
「生体マグネタイト?なんスか、それ?」
ティンク「人間で言ったら寿命みたいなもんかな。」
「えっ?そうなんッスか?大変ッス!カハクちゃん、何か食べたい物はあるッスか?」
「ピィ、ピィ!」
カハクはメニューのヤサイスティックを指差す。
「カハクちゃん、お野菜好きなんスね。」
「ピィ!」
ティンク「森の妖精だからかな?」
『お、お前、ベジタリアンか?おおお?幼馴染みのマルゴーちゃんも野菜好きだったな。』
「また出たな、幼馴染みのマルゴー。」
ゴブリンがディブクを軽く茶化す。
『お、おおおう、俺の家はマルゴーちゃん一家と家族ぐるみの付き合いだったんだ。マルゴーちゃんの妹のアンネちゃんがよく俺の1番下の妹の面倒みてくれてな。いつも本を読んでくれていたんだ。アンネちゃんは色んな本を読んでいてな、ついには自分で物語を作り出したんだ。それがめちゃくちゃ面白くて…。』
「あの、気になってたんスけど、もしかしてッスけど…。そのアンネちゃんってあのアンネ・フランクの事ッスか?」
『おおお、お前、何でアンネちゃんのフルネーム知ってるんだ?おおお?お前、アンネちゃんのストーカーって奴なのか?おおお?』
「違うッス、アンネの日記の作者ッス。有名人ッスよ。世界中の人が知ってるッス!」
弓子「マジかよ…。マジでアンネ・フランクの事を言ってたのか?」
中島「凄いんだな…。僕も映画を見たことあるんだな。」
『おおお?デビルサマナーも知ってるのか?アンネちゃんは元気なのか?』
弓子「いいや、ナチスに殺された。」
中島「ゆ、弓子さん…。そんな…。」
弓子「中島、インターネットとかで直ぐに分かるから嘘をつくだけ無駄だ。」
『み、みんな、殺されたのか?』
弓子「これが証拠だ。」
弓子は携帯電話を開きインターネットに接続してディブクに見せる。
『おおお、ア、アンネちゃんだ…。マルゴーちゃんも死んだのか…。あの戦争で…。他にもたくさんのユダヤ人がナチスに…。ううう…。』
弓子「泣くな悪霊。」
「探偵さん?」
「おい探偵、少しはそっとしてやれ。」
中島「そうなんだな。今はそっとしてあげて欲しいんだな。」
弓子「いいか、よく聞け悪霊。中島、お前らもだ。アンネの日記、これはあの第二次世界大戦時の一人のユダヤ人の記録だ。悪霊。もしお前が成仏して天国でアンネやマルゴーに会う事が出来たら教えてやれ。お前達の死が無駄ではない、アンネの日記が戦争の悲惨さ伝えて今の時代にも生き続けている事をな。」
『ううう…。分かった…。』
弓子「中島、お前ら、今を生きるあたし達に出来る事は戦争なんて下らねえ事をしたら泣くのは関係無い弱者だって事を知ることだ。」
中島「うん…。」
ティンク「そうだね…。」
「女探偵。お前、脳筋のキチガイじゃなかったんだな…。」
「ゴブリ、ヤメロ…。キチガイガキレルゾ…。」
弓子「誰がキチガイだ、テメエら。」
「女探偵、お前も戦争のない時代に生まれて感謝すると良いぜぇ!」
弓子「ハッ!何を言ってやがる、あたしに逆らう奴は例えナチスだろうとボコボコにしてやるだけだよ。まあ、あたしが仮にその時代に居たならアンネやマルゴーも死なずに済んだかもな。ナチスごときはあたしの敵じゃねえだろうからな。ハハハハハ!」
そんな事になったら世界vs弓子で歴史は無茶苦茶になっていただろう。
「探偵さんらしいッス。」
『デビルサマナー、楽しかった。戻ろう…。』
中島「う、うん…。」
弓子「あたしも行くよ。したっぱ、またな。」
「分かったッス。今日はありがとうッス!」
中島達は居酒屋を出てタクシーを拾う。
『吉田 孝則の変態屋敷まで行ってくれ!』
弓子「ちゃんと場所を言えよ!」
「吉田さんの変態屋敷までですね。」
タクシーは中島達を乗せて発進した。
『デビルサマナー…。』
中島「ん?」
『最後の居酒屋、本当に楽しかった。気の会う仲間と時間を忘れて飲む酒、最高の贅沢だった…。』
ジャック「オイラも楽しかったぞ。」
『い、い、今まで、色んな奴が俺を成仏させようと問答無用で襲ってきた…。で、でもデビルサマナー…。俺の話を聞いてくれたのはお前だけだった。』
中島「君のお役に立てて僕も嬉しいんだな。」
『だ、だからそんなお前の手で俺を成仏させてくれ。』
中島「えっ?そ、そんな…。」
弓子「中島、やってやれ。それがソイツの最期の贅沢だ…。」
中島「う、うん…。わ、分かったんだな…。」
『そうか…。すまない…。』
「お客さん、着きましたよ。」
吉田 孝則の豪邸に着くと大輔が待ち構えていた。
大輔「中島君、遅かったね。」
弓子「兄貴が依頼の途中で抜けるなんて珍しいな。なんかあったのか?」
大輔「あれ?弓子も居たのかい?それは事務所に戻ってから話すよ。で、中島君、その悪霊を何時になったら退治するつもりなんだい?」
大輔は待たされてイライラしているのか中島に問いただす。
『う、う、う、うるせえ!お、お、お前は嫌いだから話しかけるな!今から成仏するんだ!』
大輔「あのね、この際だから僕の魔法で君を退治してもいいんだけどね。」
『お、お前ごときに退治される訳がないだろ!お、お前は今までも俺を除霊しに来たドルイドやメシア教徒の奴等を全て返り討ちにしてきたんだ!舐めるんじゃねえぞ!』
ディブクは魔力を高めて大輔を威圧する。
大輔「くっ、なんだこの魔力は!?」
弓子「兄貴、退け。」
大輔「弓子、あんな凶暴な悪霊、直ぐに退治しないと!」
弓子「だから兄貴は邪魔だから引っ込んでろって言ってるんだよ。中島に任せておけ!」
大輔「中島君に?弓子!何を言い出すんだ!」
中島は静かにディブクの前に立つ。
中島「ぼ、僕は今日1日君と一緒に行動出来て楽しかったんだな…。」
『デ、デビルサマナー、お、俺も楽しかった…。』
中島が話しかけるとディブクは魔力を消して穏やかな表情に変わっていく。
『デ、デビルサマナー、さ、最期に、お、俺の願いを聞いてくれるか?』
弓子「まだ何かあるのかよ?」
ティンク「弓子、黙っていなよ。」
弓子「わ、分かってるよ。中島、手短にしろ!」
中島「う、うん…。お願いって?」
『おおお、き、聞いてくれるか?も、も、も、もし、り、輪廻転生って奴があったらの話だが、何百年、何千年後か、わ、分からないけど…。また、あ、会えたら、お、お、俺と、と、友達に、な、なってくれるか?』
中島「う、うん…。分かったんだな…。」
『そ、そうか…。あ、ありがとう…。も、もう、未練はない…。殺ってくれ…。』
中島「ううう…。」
中島はディブクの別れを惜しみ涙が溢れている。
弓子「中島!殺れ!アイツの望みの最期の贅沢だ!叶えてやるんだ!」
ティンク「中島…。」
ジャック「アイツと会えなくなるのは寂しいけど…。中島、やるんだぞ…。」
中島「ううう…。わ、分かっているんだな…。召喚、錬気の剣…。」
中島は泣きながら悪魔召喚プログラムを起動させて錬気の剣を出す。
中島「ううう…。」
『そ、そうだ…。そ、そのまま殺ってくれ…。』
大輔「悪霊が…。契約をしていない悪魔が…。どうして…。中島君の為に…。」
弓子「兄貴、あれが中島の力だ。よく見ておけ。」
中島「ううう…ティンク…。ジャック…。少しだけ君達の力を貸して欲しいんだな。君達の思いも彼に届く様に…。お願いなんだな…。」
ティンク「中島…。分かったよ…。今日1日楽しかったよ…。天国で幼馴染みの子と会えたら良いね…。」
ジャック「ヒーホー!兄ちゃん、いつかまた会えたら中島だけじゃなくてオイラとも友達になってくれよな!」
二人は両手を広げて中島の持つ錬気の剣に魔力を送る。
弓子「中島!殺れ!」
中島「うううう…。あああああああ!」
中島の攻撃!
中島は泣きながら魔力のこもった剣でディブクを斬りかかる!
『デ、デビル…サマ…ナー…。ありか…とぅ…。』
ディブクは成仏した。切りつけた中島は剣を落として号泣している。
大輔「あの悪霊を一撃で…。」
中島「あああああああ!ごめん!ごめんよ~!あああああああ!ぼ、僕は…。僕は~!」
「ちょっと!家の前で騒がないで下さい!」
中島が号泣していたので吉田 孝則の妹が苦情を言いに飛び出して来た。下半身は丸出しで股から汁が垂れている…。
大輔「あっ、どうも…。お兄さんの孝則さんに取り憑いていた悪霊は退治しましたので報告に来ました。」
「そうですか、それよりあの泣いている男の人、うるさいので何処かに行かせてもらえますか?せっかく久し振りの交尾の最中だったのにあの人のせいで私のワンちゃんが怯えてしまったのですのよ!どうしてくれるのですか!」
ジャック「なあ、あの姉ちゃん、なんでズボン履いて無いんだ?風邪引いちゃうぞ?」
大輔「ジャック君、頼むから黙っていてくれ…。」
誰も聞けない事を普通に聞くのがジャックの凄い所である。
大輔「弓子、僕は依頼の報告をするから先に中島君達と事務所に戻っていてくれるか?所であの二人は事務所に居るのかな?」
弓子「あの二人?タダカツとユキムラか?アイツ等は今日は武将隊のみんなと飲み会だから今日は遅くなるって言ってたな。」
大輔「なんで普通に飲みに行ってるんだよ!悪魔だろアイツ等!」
弓子「あたしに文句言うなよ。兄貴がこの世の全ての人に嫌われてるからいけないんだろうが。」
大輔「じゃあ、明日大事な話があるからみんな時間を空けて欲しいんだ。明日は事務所も閉めるから。」
弓子「事務所を閉めるって、いったい何があったんだよ。」
大輔「明日話をする。」
大輔はそう言って意識が朦朧としている吉田 孝則を運び屋敷に入っていった。
弓子「中島、いつまで泣いているつもりだ。帰るぞ!」
中島「ううう…。僕は…。」
弓子「タクシーに乗れ!ここで泣かれては近所迷惑だろ。」
中島「ううう…。」
弓子は中島達を先程乗ってきたタクシーに乗せた。
弓子「白鷲探偵事務所、中区のこの辺りだ。行ってくれ。」
「分かりました。」
弓子もタクシーに乗り発進する。
「あの…。先程のは…。」
弓子「黙って運転してくれ。」
「いや…。黙ってと言われましても…。あんなものを見てしまっては…。御代はただにしますので教えてもらってもよろしいですか?」
弓子「まあ、事務所の宣伝にもなるし、良いだろう簡単に教えてやる。あの男に取り憑いていた悪魔を退治したんだよ。あたし達は悪魔退治専門の探偵だ。」
「普通ならまたまたご冗談を、って言いたい所ですがあの男の人から人形の黒い煙の様な物が急に現れたのを見たら信じるしかありませんよね。で、どういう悪魔だったのですか?」
弓子「おい、お喋りも良いけどちゃんと前を見て運転しろよ!今、赤信号だったじゃねえか!」
「お客さん、赤信号は気を付けて進めですよ?」
赤信号は止まれだ!そうこうしている内に事務所にたどり着いた。
弓子「着いたな。って、ドア開けろよ!何やってるんだよ!」
「いや~お客さん、だってさっきの続き聞きたいじゃないですか~。ここで降ろしてしまったら話が聞けないじゃないですか~。教えて下さいよ~。」
弓子「おっさん、物好きだな。ここでぶん殴って無理矢理降りてもあたし等が犯罪者になるし、分かったよ。事務所に上がるか?」
「えっ?良いのですか~。いや~。すみませんねえ~。私、こういうオカルト的な話が大好きでして~。」
タクシーの運転手を事務所に上げて先程の出来事を話す事にした。
「で、どういう悪魔だったのですか?」
弓子「ユダヤ人の幽霊だ。」
「あっ、もしかしてディブクの箱をあの人、開けたのですね?」
ティンク「あっ、お兄さんも確かに言ってたよ。それ。」
「悪霊ディブクですか!」
弓子「ああ、よく知ってるな。」
「その悪霊、よく退治出来ましたよね?そのお兄さん。錬気の剣でスパっと一撃で!」
弓子「おうおう、よく知ってるなぁ。」
「それにしても凄い魔力でしたよねえ~。お兄さん。悪霊を一撃ですもの~。」
中島「彼は…。悪霊なんかじゃない…。」
「何を言ってるのですか~。デビルサマナーのお兄さん~。」
中島「出てけ!彼は…。僕の友達だ!彼を悪く言うな!」
弓子「なーかーじーまー!違うだろ、こいつは帰したら駄目なんだよ!ジャック!事務所の鍵をかけろ!」
ジャック「ヒーホー!もうとっくに終わってるぞ!」
ティンク「えっ?どういう事?」
弓子「中島、お前キレるのが早すぎるんだよ。もう少し話を聞き出してからと思っていたのによう。で、テメエは何者だ?」
「ちっ!悪魔は雑魚2匹にデビルサマナーと女が一人か…。」
弓子「おら!」
弓子はアプチャギを喰らわせ男を仰向けに倒す。
ティンク「とりあえず眠らせて、『ドルミナー!』」
ティンクの魔法で男を眠らせた。
弓子「中島、こいつを動けない様に縛り付けろ。」
中島「わ、分かったんだな。でも弓子さん、どうしてこの人が怪しいって思ったんだな?」
弓子「ああ!?初めからだよ。タクシーのナンバープレートが同じなのに運転手が違う奴ってあり得ないだろ。それにお前の事をデビルサマナーって言っただろうが。」
弓子は携帯を出して電話をする。
弓子「おう、デスメルか。ちょっと不審者を捕まえたから事務所に来てくれ。殺しもあるかも知れないからな。」
弓子は携帯を切った。
弓子「ジャック、後5分でデスメルが来るから鍵を開けろ。」
ジャック「分かったぞ。」
弓子「ちっ、何が起きているんだよ…。」
中島達に近づいて来た男は?大輔が事務所を休みにする程の話とは?アスラ組の時とは違う不安が中島達を襲うのであった。