女神転生 中島   作:ジャックオニール

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メシア教団 中編

弓子「タダカツ、すまねえな。脅しとは言え兄貴にお前をけしかける様な事をしてよ。」

タダカツ「いえ、弓子の判断が正しいと思います。で、これからどちらへ?」

弓子「ああ、山川組の所と愛知県警、後は病院だな。」

タダカツ「病院?何か具合が悪いのですか?」

弓子「あのクソ兄貴のせいで胸糞悪いがな、そうじゃねえ。あのババアとデカブツが居るだろ。」

タダカツ「ヨモツシコメとジャイアントですね。」

弓子「ああ、メシア教徒に見つかったら殺されるかも知れねえからな。出歩かない様に忠告しておくんだよ。」

タダカツ「それでしたら彼等にも…。」

弓子「ああ、あのしたっぱにはもうメールで知らせてある。」

タダカツ「準備が早いですね。」

弓子「何かあった後では遅いからな。あたしは中島と違って愚図じゃねえんだよ。」

 

弓子達は山川組の事務所にたどり着いた。弓子はドアを蹴り上げ無理矢理こじ開けた。

 

弓子「よう、山川組のチンピラ共。久し振りだな。」

「なんだテメエは!」

「白鷲、普通にドアを開けられないのか。」

 

事務所の奥から若頭が出てきた。

 

弓子「よう若頭、この前は助かったぜ。ありがとうよ。」

「で、なんの用だ。」

弓子「連れねえな、この白鷲 弓子様が来てやってるのにお茶菓子くらい出せよな。」

「このアマ!頭に対して舐めた口を…。」

「やめろ!お前達じゃ返り討ちに会うだけだ!」

弓子「あたしは良かったんだけどな。ウォーミングアップにもなるし。」

「組員を病院送りにされたらこっちが良くないんだよ!で、用件を言え!」

弓子「分かったよ。今、この街にメシア教団ってのが来ている。」

「なんだそりゃあ?俺達に何の関係があるんだよ。」

弓子「そいつ等がもしあたし等の事を尋ねて来ても知らないで通してくれ。」

「はぁ?だいたい何だよその…。」

タダカツ「メシア教団、幹部はデビルサマナーとの事です。」

「デビルサマナー?」

弓子「学の無いチンピラ共に分かりやすい言い方をしたら悪魔を従えた奴だ。」

「白鷲、お前の所に最近いる中島って奴みたいな者か。」

弓子「何あたし等の事を調べているんだよ。ストーカーかよ。」

「馬鹿言え、それよりなんで俺達がそんな連中にシッポを巻かないといけない。ヤクザが素人に舐められてたまるか。」

弓子「まあ、多分だけど相手はウチの兄貴みたいなキチガイだと思った方が良いな。仮に問答無用で襲って来たら拳銃で撃ち殺せ。」

 

実の兄に対して酷い言い様である。

 

「一般社会の常識は通用しないって事か。だったら関わらないようにした方が良いな。」

タダカツ「ヤクザにまで常識が無いとか言われるお兄さんって…。」

「確かお前、スサノオだったな。白鷲の兄貴の方はヤクザよりヤバイぞ。笑顔で人をなぶり殺す頭のネジがぶっ飛んでるキチガイだからな。この辺りの火災はだいたいアイツが気に入らない奴を魔法で焼き殺した後だからな。」

弓子「流石にそれは言い過ぎだろうが…。兄貴が殺ったのはあたしの親戚一同と学生時代の兄貴のクラスメイトとその学校の教師の大半位だよ。しかもあのクソ兄貴、過去に問い詰めたら『僕は未成年だから捕まったとしても大した罪にはならないのだよ、それに魔法で焼き殺してはいけないって法律は今の日本には無いからね。』とか平気で抜かしやがったからな。」

 

普通に殺しをしたら犯罪である。

 

「お前の方が酷い言い様じゃねえか!」

弓子「まあ、そう言う訳だからあまりメシア教団に関わるんじゃねえぞ。また何かあったら来るよ。」

「2度と来るな!お前達と関わるとろくな事がねえ。」

 

弓子達は山川組の事務所を後にした。

 

 

 

 

弓子「さて、次は愛知県警だ。」

 

弓子達は愛知県警のロビーで受付をする。

 

弓子「よう、デスメルの奴を呼んでくれ。」

「あの…。どちら様でしょうか?」

弓子「白鷲 弓子様だ。良いからデスメルを呼べよ。」

タダカツ「弓子、ちょっと…。」

 

タダカツは弓子をロビーの受付から引き離す。

 

タダカツ「弓子、ちゃんとデスメルさんの名字で言わないと受付の方には分かりませんよ。」

弓子「名字?あっ…。知らねえ…。」

 

弓子はデスメルに電話をかける。

 

弓子「よう、デスメルか?」

デスメル『白鷲さん、何かあったの?』

弓子「いや、お前を呼び出そうと愛知県警のロビーまで来ているだけどよ。お前の名字なんだよ。デスメルじゃ受付のクソ女共が理解出来てなくて困ってるんだよ。」

 

本当に失礼な話である。

 

デスメル『……。直ぐにそっちに行くから何もしないで待ってて。』

 

電話は切られてしまった。

 

タダカツ「弓子、分かりましたか?」

弓子「いや、デスメルの奴が直ぐに来るから待ってろってさ。」

 

少しするとデスメルがロビーの奥にあるエレベーターから出てきた。

 

デスメル「白鷲さん!」

弓子「ようデスメル!メシア教の事で…。」

デスメル「し、白鷲さん!こっちへ!」

 

弓子の話を止めてデスメルは弓子達をエレベーターの中に押し込んだ。

 

弓子「お、おい!何処に行くつもりだ!あたしはメシア教の事で…。」

デスメル「だから、安易にその話をしないで!」

 

エレベーターは4階まで上がって行く。

 

タダカツ「デスメルさん、何かあったのですか?」

デスメル「着いてから話をする。」

 

デスメルに案内されて奥の部屋に入る。中では一人の女性がパソコンをしている。

 

デスメル「座って。」

 

デスメルが二人にコーヒーを入れる。

 

弓子「すまんな。」

タダカツ「デスメルさん、お砂糖いただけますか?4つぐらい。」

デスメル「4つも!?まあ、適当に取ってくれて構わないよ。」

 

デスメルは角砂糖の入った入れ物を渡す。

 

タダカツ「すみません。」

弓子「あたしも1つもらうよ。」

デスメル「それでは本題に入ろうか。」

 

デスメルは扉を閉めて鍵をかけて隣の部屋に見られない様にブラインドを降ろす。

 

弓子「えらい厳重だな…。」

デスメル「上からはメシア教団に関わるなと命令が下ったからね。」

タダカツ「お兄さんが言っていた通り警察内部にメシア教団の人間が居たのですね。」

「正確には警視庁に八人、その内一人が愛知県警の1課に刑事部長に就任されて来ました。もう一人がその上の参事官として就任させて来て、今、愛知県警にはメシア教団の人間が二人います。」

 

パソコンをしている女性が答える。

 

弓子「デスメル、誰だあの女は。」

「申し遅れました。私は愛知県警特種捜査6課の愛澤と言います。親しみを込めて『あいみょん』で構いません。」

弓子「この女、まさか…。」

デスメル「うん、佐野警部と一緒に大阪府警から来たんだ…。」

弓子「あのおっさんの部下か…。」

タダカツ「その、佐野警部は今日は居ないようですが…。」

「佐野警部は今日は競輪に行っています。」

デスメル「愛澤さん、嘘を言わないで下さい。」

「あいみょんです。」

弓子「デスメルお前、大変だな…。」

 

全くである…。

 

弓子「デスメル、兄貴も警察と同じでメシア教団に深追いをするなって言っていた。相手はデビルサマナーだ。」

デスメル「デビルサマナー…。」

「白鷲 弓子さんのパートナー中島 朱美やちんちくりんの武井 千枝子の様に悪魔を従えて戦う者達の事です。」

 

パソコンをしながら愛澤が答える。

 

弓子「テメエ、何故それを知っている。事と場合では…。」

「私と戦うつもりですか?止めた方が良いですよ?」

弓子「ああ?」

「一瞬でボコボコにされて病院送りになりますよ?私がね。」

弓子「テメエがかよ!デスメルお前、毎日こんな面倒臭いの相手にしているのかよ…。大変だな…。」

デスメル「うん…。」

「まあ冗談はこれぐらいにして…。今、名古屋に来ているメシア教団の数は幹部のデビルサマナーの男が二人、そのそれぞれのデビルサマナーに付き添うサポートの幹部の女が居ます。男女のペアで近づいて来たらメシア教団と思って下さい。後、末端の信者は何人居るかは分かりませんが数百人は潜伏しています。」

弓子「やけに親切に教えてくれるんだな、どういうつもりだ?」

「我々は上からメシア教団の捜査を止められています。まあ、佐野警部はその命令を無視していますが…。」

デスメル「佐野警部は少し前に参事官に呼び出されていましたよね?」

「ですから無視してアホのちんちくりんの武井 千枝子と組んでメシア教団と戦うつもり様です。」

デスメル「いや、あの人、命令を無視って…。」

 

ガチャ、ちょうど鍵が開き佐野警部が捜査6課のオフィスに戻ってきた。

 

佐野警部「邪魔するでぇ。」

「佐野警部、邪魔するなら帰って下さい。」

佐野警部「ほんなら帰ろかって…なんでやねん!」

デスメル「佐野警部!参事官の命令をするって…。流石に不味いのでは…。」

佐野警部「無視はしてへん、ただこの出頭書漢字が多すぎて読まれへんから突き返しただけや。」

デスメル「ちょっと…。突き返したって…。」

佐野警部「読まれへんからしゃあないやんけ。」

「それはしょうがないですね。」

 

上の人間に対して舐めすぎである。

 

「佐野警部、今日のボートはどうでしたか?」

佐野警部「いやー、あそこで6番がまくってくれたら今頃はウハウハやったのにって…。アホ!行ってへんわ!」

弓子「デスメル、毎日毎日こんな奴等の相手をして本当に大変だな…。」

佐野警部「白鷲 弓子、来てたんか。」

タダカツ「お久しぶりです。」

佐野警部「スサノオ、お前、ちょっとええ感じに変わったな。」

タダカツ「そうですか?」

佐野警部「おう、どうやら仲魔と上手くやっとるみたいやな。」

タダカツ「ええ、皆のお陰です。」

佐野警部「そうか、白鷲 弓子。メシア教団の事で来たんやな?」

 

佐野警部の冗談は終り本題に入る。

 

佐野警部「まず昨日、お前等が捕まえた男、メシア教の末端の信者は釈放になった。」

弓子「はぁ?テメエ等、市民を守る警察が犯罪者を逃がすのかよ!」

佐野警部「そうや、アイツ等をまとめて捕まえる為にな。オペ子、釈放した奴は今は何処におる?」

「栄町のビルに入って居ますね。そこにアジトが有るかも知れません。」

 

愛澤が佐野警部の問いに答える。

 

デスメル「いつの間に発信器を…。」

佐野警部「とりあえず今は泳がせて何か仕掛けて来たら直ぐに一網打尽に捕まえるって戦法や。末端の信者の事はワシ等に任せとけ。」

弓子「ああ、おっさん。ただの役立たずじゃ無かったんだな…。」

佐野警部「誰が役立たずやねん!」

「佐野警部です。」

 

愛澤が直ぐに答える。

 

佐野警部「オペ子、白鷲 弓子にメシア教団の幹部の情報を全部教えたれ。」

デスメル「えっ?何処まで調べていたのですか?」

佐野警部「メシア教団は昔から影で胡散臭い事しとったからな。元々情報は持ってたんや。ガイア教徒が居らん名古屋に来るとは思って無かったけどな。」

デスメル「ガイア教徒…。それはいったい…。」

佐野警部「なんやデスメル、お前そんな事も知らんのか?まあ、今は関係ないから省くわ。で、今来ている幹部の情報を教えてやれ。」

「分かりました。昨日、白鷲 大輔と接触した幹部はアレフとヒロコ。彼等は高級中華料理屋で白鷲 大輔の不意打ちの魔法で痛手を被って逃げました。まさか、店内で奇襲を受けるとは思わなかったのでしょう。今は末端の信者達に匿われていると思います。」

弓子「まあ、ウチのクソ兄貴が他人に気遣う訳無いからな。」

「で、後の二人組、男の名はホーク、教団内でもメシアに近いとされている男です。その男のパートナーの女の名はベス、狂信的なメシア教徒でホークをメシアと信じて行動している女です。ホークをメシアにする為なら手段を選ばないと言われています。」

タダカツ「メシアにする為ならと言われましたが…。」

「メシア教の教えはいつかメシアが世界を救う、メシアになる、すなわち教団の1番上に立つと言うことです。」

 

愛澤が答えていく。

 

弓子「で?その情報を教えてあたし等に何をさせるつもりだ?」

「我々から先に手出し出来ないのでメシア教の幹部、ホークとベスがそちらに迫って来たらを倒して欲しいのです。」

 

タダカツ「警察が我々に依頼ですか…。」

佐野警部「依頼やない。どうせお前等がメシア教団と戦う事になるから先に情報を教えてやるだけや。」

弓子「依頼じゃないならあたし達も動きようがないな。」

佐野警部「それはワシ等も同じや、アイツ等が何か事件を起こすまでは動かれへんのや。」

「そう言うことですのでメシア教団の幹部、ホークがそちらに来たら対応して下さい。新しい情報は常にそちらに流しますので。」

デスメル「情報を流します…。って、そんな事をしたら…。」

「そうですね…。連絡係の貴方が罪に問われますね。」

佐野警部「そう言うことやデスメル。しっかり頼むぞ。」

デスメル「えっ?」

弓子「何から何まですまねえな。デスメル、また何かあったら連絡してくれ。」

デスメル「えっ?あ、うん…。」

 

弓子達は愛知県警を後にした。

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