その頃中島達は…。
ティンク「中島、何処に行くの…。」
中島「うん…。分からないんだな…。勢いよく飛び出したけど…。」
ティンク「そうだね…。どうしようか…。」
二人は宛もなく歩いているとジャックが追い付いて来た。
ジャック「ヒーホー!中島、追い付いたぞ!」
中島「ジャック、君まで…。」
ジャック「さっきのは中島も良くなかったぞ。」
ティンク「何でよ!中島は悪くない!悪いのはアイツだよ!」
ジャック「中島の気持ちは分かるぞ。でも大輔の兄ちゃんは中島が危険な事に巻き込まれない様に忠告してくれていたんだぞ。」
中島「うん、でも…。」
ティンク「あの人は、違うよ。」
ジャック「ティンク、一方的に決めつけるのは良くないぞ。大輔の兄ちゃんだって少しずつだけどみんなと仲良くしようとしているぞ。」
中島「そうだったんだな…。それなのに僕は…。」
ジャック「とりあえず中島、ちょっと気分転換して遊んで行くぞ。そうしたら気分も落ち着くぞ。」
ティンク「ジャック、何を呑気な事を言ってるのよ。」
ジャック「こんな時だからだぞ。」
中島「ジャックの言う通りなんだな。」
中島はジャックのお陰で気分を変えて町を散策することにした。とりあえず栄町のショッピングモールに入る。
ティンク「ねえジャック、せっかくショッピングモールに来たのだからそのいつも被っている麦わら帽子、新しいのに変えたら?」
ジャック「ん?オイラが中島の仲魔になった時に大輔の兄ちゃんがオイラの為に買ってくれたやつだから嫌だぞ。」
ティンク「えっ?あの人が?」
中島「そうだったんだな…。僕達が探偵事務所に来た時にお兄さん、僕達の歓迎会をしてくれたんだな。」
中島は昔の事を思い出した。
ティンク「えっ…。そうだったんだ…。」
ジャック「そうだぞ、オイラが麦わら帽子を買ってもらったその次の日に大きな台風が来て全然外に出られなかったんだぞ。」
ティンク「…。(似合わない事をしたからだ…。)」
ショッピングモールを歩いていると何かが女の子達に取り囲まれている。女の子達は取り囲んでいる何かに向けて写メを撮っている。
ティンク「何だろうあの人だかり?」
中島「うん、お店でもないのに…。」
中島達は気になり人だかりに近づいて行く。人だかりの中から声が聞こえて来る。
「ヒーホー!トリック オア トリートだホー!お前達、オイラにお菓子をくれないとイタズラしちゃうホー!」
ティンク「えっ?中島、もしかして悪魔が?」
ジャック「この声…。もしかして…。」
女の子達はキャーキャー言いながら楽しそうに写メを撮り続けている。
中島達は更に人だかりに近づいて行く。するとトンガリ帽子を被ったカボチャ頭の悪魔が中央にいた。
一人の女の子がカボチャ頭の悪魔に飴玉を渡す。
「じゃあ、飴玉あげるよ。」
「ヒーホー!お前には近いうちにきっと幸福が訪れるだホー!さあお前達!トリック オア トリートだホー!オイラにお菓子をくれない奴はみーんなイタズラしてやるだホー!」
ジャック「あっ、兄弟…。」
中島「えっ?ジャック?」
ジャックは人だかりを押し分けて中央にいる悪魔に近づいて声をかける。
ジャック「ヒーホー!兄弟、何をしているんだ?」
「ヒーホー!兄弟!オイラこんなところで会えるなんて思っていなかったから嬉しいホー!」
ジャックはカボチャ頭の悪魔と手を取り合って再会を喜びあっている。
中島「ご、ごめんなさい、ちょっと通して欲しいんだな!」
中島達も人だかり押し分けて中央に向かう。
「あれ?あの方?武井さんと一緒にいた…。八戒さん?」
中島達も悪魔の仲魔と思われて女の子達に写メを撮られていく。
中島「き、君はいったい誰なんだな?」
「オイラか?オイラは偉大なる悪魔ジャックランタン様だホー!」
ジャック「中島、この前言っていたオイラの兄弟だぞ!」
ティンク「そう言えば言ってたね。」
「ヒホ?お前達は誰だホ?」
中島「ぼ、僕は中島 朱美なんだな。ジャックの友達なんだな。」
「兄弟の友達なのか?」
中島「うん、よろしくなんだな。」
中島はカボチャ頭の悪魔、ジャックランタンと握手を交わす。
中島達はジャックランタンの仲魔と思われたのかみんなに写メを撮られながらお菓子を手渡されていく。
「少し早いけどハロウィーンの催しなんだよ。はい、お菓子あげるよ。」
「ヒーホー!お前にもきっと幸せが訪れるホ!」
「はい、妖精も。」
ティンク「あ、ありがとう…。」
「八戒さんも、どうぞ。」
中島「あ、あの…。」
「あのオークのコスプレの方良くできているわね。はいどうぞ。」
中島「いや…。ぼ、僕は…。」
中島はオークと間違えられている。横でジャック達は女の子達と一緒に写メを撮っている。
しばらくして人だかりの女の子達は満足したのか去っていった。
中島「なんか凄く疲れたんだな…。」
ジャック「オイラは楽しかったぞ!」
「ヒーホー!人間のお前が1番お菓子をもらっていたんだホー!」
ティンク「中島、また三蔵さん所の八戒に間違えられていたね。」
中島「うん…。それよりこの大量のお菓子をどうしたら…。」
中島は持ちきれない程のお菓子を抱えている。
ティンク「こんなにも食べきれないね…。」
ジャック「ヒーホー!中島、そんなの簡単だぞ!友達と一緒に食べたらいいんだぞ!」
「ヒーホー!兄弟、コイツ等以外に友達がいるのかホ?」
ジャック「ヒーホー!兄弟、オイラには中島以外にも友達がいっぱいいるぞ!兄弟にもオイラの友達を紹介するぞ!」
「ヒーホー!兄弟、本当か?オイラ、こっちに来たばかりだから嬉しいホー。」
ジャックランタンはジャックと手を取り合って喜んでいる。
ティンク「本当に仲の良い友達なんだね。」
中島「うん。所でジャック、友達の所って何処に行くつもりなんだな?」
ジャック「先ずはユキやジャイアンがいる病院と新田の兄ちゃんの所と後、事務所にも戻るぞ、弓子や大輔の兄ちゃんも居るしな。さあ兄弟、先ずは病院に行くぞ。」
中島達はジャックの言う通り病院に向かう事にした。
中島達は病院に向かう途中、1体の見慣れた悪魔が体から大量の血を流しながら近づいて来て倒れた。そう、その悪魔は堕天使メルコムである。
中島「あっ!あれは!」
ティンク「メルコム!」
中島達は急いで倒れたメルコムに近づいて抱き抱える。
中島「ティンク、メルコムを!」
ティンク「う、うん。『ディアラマ!』」
メルコムの体の傷は回復したが倒れたままである。
中島「そんな…。傷は回復したのに…。」
メルコム「ホホホ…。デ、デビルサマナーですか…。」
ティンク「メルコム、しっかり!」
メルコム「ホホホ…。血を流し過ぎました…。残念ながら…助からないでしょう…。」
ジャック「な、中島!病院に急ぐぞ!婆ちゃんに見てもらうぞ!」
メルコム「ホホホ…。無駄ですよ…。ヨモツシコメさん…彼女がわたしを…たすける事は…ありません…。わたしは…死ぬでしょう…。」
中島「メルコム…。僕は…。君にはたくさん助けてもらったんだな…。だから、今度は僕が君を助けるんだな。ティンク、ジャック、僕は、メルコムを病院に連れて行くんだな。」
ティンク「うん。分かったよ。」
ジャック「メルコム、オイラが婆ちゃんに頼んでやるから大丈夫だぞ!」
メルコム「ホホホ…。むだ…ですよ…。それより…。」
遠くで中島達の様子を見ていたユキムラが駆け寄ってきた。
ユキムラ「喋らないで、君は助かる事だけを考えたまえ。」
中島「ユキムラ?どうして?」
ユキムラ「マスター、それは後だよ。今はメルコムを病院に運ぼう。」
中島「ユキムラ、ありがとうなんだな。」
ユキムラ「急ごう。」
ティンク「『ディアラマ!』」
ティンクはメルコムに回復魔法をかけ続ける。
メルコム「かいふ…くまほ…うはむだ…ですよ…。」
ティンク「分かってるよ!でも、何もしないよりかはましだよ!『ディアラマ!』」
中島「メルコム、もう少しで病院なんだな。」
中島達は病院にたどり着いた。
ジャック「あれ?兄弟がいないぞ?」
ティンク「あっ、本当だ…。」
ユキムラ「ジャック、メルコムの事が先だよ!」
ジャック「わ、分かっているぞ。」
病院に行く途中でいつの間にかジャックランタンの姿は居なくなっていた。
中島達はメルコムを運んで病院の奥に進んでいくといつも以上の険しい顔でヨモツシコメの婆さんに呼び止められる。
「あんた達、ソイツをどうするつもりだい?」
ジャック「あっ、婆ちゃん!探したぞ!オイラ達の友達が大変なんだぞ!」
「ソイツはメルコムじゃないか!?まだ生きているのかい?」
ユキムラ「前にマスターが倒れた時の様に血が必要なんだよ!」
「そうかいそうかい。でもね、血なんてもう必要ないさ。」
ティンク「へ?どういう事?お婆ちゃん?どうしたの?顔が恐いよ?」
「そうかい?おチビちゃん。あんた達、メルコムを運んで来てくれてご苦労だったね。これであたしも昔の仲魔達の弔いが出来るってもんだよ。コイツの止めはあたしがちゃんと刺しておくから安心して帰りな。」
ヨモツシコメの婆さんはメスを右手に持ち出しメルコムを刺しにかかる。が、中島がメルコムを庇い中島の左腕にメスが突き刺さる。
中島「うう…。あああああ!」
ティンク「中島!」
「退きなあんた達、そのメルコムって悪魔は今すぐに殺しておかないといけないんだよ。」
ヨモツシコメの婆さんは再びメスを取り出した。
中島「お婆さん…メルコムは僕達の…友達なんだな…。だから、助けてあげて欲しいんだな…。」
ジャック「婆ちゃん、オイラからもお願いするぞ!メルコムを助けてやって欲しいぞ!」
中島達はヨモツシコメの婆さんにメルコムを助けてもらう様にお願いする。
「太っちょのサマナー、それは出来ない相談だね。昔、ソイツのせいであたしのサマナーだった男は殺されてしまったからね。ここで会ったが100年目ってやつさ。」
メルコム「ホホ…ホ…。正確には180年ですよ…。」
メルコムが意識を取り戻しかすれた声を出す。
「そうかい、年を取りすぎると10年も100年もそう変わらないからね。メルコム、今ここで殺して楽にしてあげるよ。」
メルコム「ホホホ…ヨモツ…シコメさん…おひさしぶり…です…。偽者のメシアに…殺されるより…あなたの…手にかかった…ほうが…わたしも…なっとく…できますね…。しかし…。」
「この期に及んで命乞いかい?」
メルコム「デ、デビルサマナーに…つたえることが…ありますので…。まだ…あなたの手に…かかるわけには…。」
メルコムは力を振り絞り中島に話をしようとする。
「…。あんた達、メルコムを病室に運ぶよ。輸血をしないといけないからね。」
中島「お婆さん…ありがとうなんだな。」
「それより怪我をさせちまってすまなかったね。」
中島「ううん、それよりメルコムを…。」
「分かってるよ、太っちょのサマナー。」
メルコムは病室に運ばれていく。
少ししてメルコムは輸血を受けて一命をとりとめた。意識も徐々に戻っていき話が出来るまで回復した。
メルコム「ホホホ。ヨモツシコメさん、すみませんね。」
「あたしゃ太っちょのサマナーに頼まれたからしただけさ。あんたに感謝される筋合いはないよ。」
メルコム「ホホホ。ヨモツシコメさん、相変わらずですね。」
「今すぐ止めを刺してやろうかい?」
メルコム「ホホホ、それは遠慮しときますよヨモツシコメさん。所でデビルサマナーは居ますか?」
中島「メルコム、君が助かって本当に良かったんだな。」
ティンク「それにしても誰がこんなことをしたの?」
メルコム「メシア教団の幹部、ホークと言う男です。自らをメシアと名乗る不届き者ですよ。」
中島「メシア教団のホーク…。」
メルコム「まさか、町中で斬りつけてくるとは思いませんでしたので油断しました。」
ユキムラ「君とメシア教団にいったい何があったんだい?」
メルコム「それはですね…。まあ、始まりはこの私が封印される前から遡るのですが…。」
メルコムが話をしようとした時、突如病室のドアが勢いよく開けられる。
弓子「ようババア!探したぜ。」
「なんだい白鷲 弓子、もっと静かにドアを開けられないのかい。」
弓子「堅いことを言うなよ。ちょっと用事があって来たんだよ。」
タダカツ「お邪魔します。」
中島「弓子さん?どうしてここに?」
弓子「メシア教団の事でババアとあのデカブツに用があって来たんだよ。中島、テメエと違って遊んではいねえんだ!」
中島「弓子さん…実は…。」
中島は先程の経緯を弓子達に話した。
弓子「メシア教団が…。まあ、メルコムみたいな詐欺師紛いの奴を殺したくなる気持ちは分からないでもないけど町中でやるとはな。」
「全くだね。こんなやつ死んじまったら良かったんだよ。」
メルコム「ホホホ、ずいぶんな言い方ですね。」
弓子「メシア教団のホークだったな。メルコム、テメエの昔話は今度で良いから何処でやられたか経緯だけ話せ。」
メルコム「ホークに遭遇したのは栄のオアシス21です。5日後の『シャチホコエビフリャーズ』の野外ライブの段取りの下見の為に来ていた時です。」
弓子「確か…あのアリスとか言う悪魔共だったな。」
中島「なんでメルコムが彼女達の事を?」
メルコム「あのアスラ組の事件の時に知り合いましてね。将来を見越してスポンサー契約をしたのですよ。あの事件のお陰で色々と人脈が増えましてね。」
タダカツ「抜け目が無いですね…。」
メルコム「ええ、で、そのホークがシャチホコエビフリャーズのライブチケットをただで渡せと言ってきてお断りした所、斬りつけられたのです。」
ジャック「そのホークって奴もアイドルって奴が好きなのか?」
弓子「んな訳がねえだろうがクソダルマ!」
メルコム「おそらく、魔人アリスの討伐が目的でしょう。」
中島「そんな…。彼女達は今は悪い事はしていないのに…。どうして…。」
メルコム「それはまだ私にも分かりません。そこで、デビルサマナーに白鷲 弓子、私から1つ依頼を受けて頂けないでしょうか?」
弓子「ああ、いいぜ。」
中島「分かったんだな。」
ユキムラ「ちょっと、良いのかい?何も聞かないのに依頼を受けても…。」
タダカツ「そうです、依頼内容を聞いてからでないと。」
弓子「構わねえ。メルコム、依頼内容はメシア教団のホーク一味をぶっ飛ばす、で良いんだな?」
メルコム「いえ、そうではありません。私からの依頼は魔人アリス達をメシア教団ホーク一味から守り抜く事です。」
弓子「はぁ?そのメシア教団のホークをぶっ飛ばしたらいいだけだろうが。」
メルコム「いえ、大事なのはアリス達の方です。彼女達は近い将来ビックになりますので倒される訳にはいかないのです。それにメシア教団のホークですが取るに足らない男です。油断してやられた私が言うのもなんですが。」
弓子「そうか、まあいい。その依頼受けてやる、ありがたく思え。」
メルコム「ホホホ、代金は直ぐに先払いして置きます。」
弓子「ああ、分かった。ババア、メシア教団の連中は悪魔を見たら町中で暴れるキチガイだ。しばらく出歩かない様にしとけよ。」
「白鷲 弓子、まさかあんた、そのためだけにわざわざ来たのかい?ご苦労な事だね。」
弓子「ああ、ババアには愚図の中島とクソダルマが世話になってるからな。あのデカブツにも言っておけよ。中島、帰るぞ!」
中島「えっ?あ、あの…。」
弓子「早くしろ!」
中島達は病院を出た。
中島「あの…。弓子さん、ぼ、僕、お兄さんに謝らないと…。」
弓子「謝る必要なんてねえ、テメエは正しいと思った事を言っただけだろうが。気にするな。所で中島、少しは気が晴れたか?」
中島「う、うん…。でも…やっぱりお兄さんに謝らないといけないんだな。僕の事を気にかけて言ってくれたのに…。」
弓子「なーかーじーまー!良いか、テメエは間違った事を言ったのか!?」
中島「いや…でも…。」
弓子「謝るってのはな、テメエが間違った事をしたからする行為だ。中島お前、言ったよなあ?悪魔が全て悪い奴では無いってよ!」
中島「うん…。」
弓子「だったら謝らなくていい。分かったか!」
pipipipipi弓子の携帯が鳴り響く。
弓子「もしもし?兄貴か?」
大輔『弓子、今何処にいるんだ?』
弓子「今から戻るところだ。」
大輔『中島君は何処に居るか分かるかい?』
弓子「一緒に戻る所だよ。」
大輔『そうか、良かった。では、直ぐに戻って来てくれ。メシア教団から依頼が来たんだ。』
弓子「…。分かった、直ぐに戻る。」
弓子は携帯を切った。
ユキムラ「弓子、誰からだい?」
弓子「兄貴だよ。中島、直ぐに戻るぞ!」
タダカツ「何かあったのですか?」
弓子「それは戻ってから話す。急いで戻るぞ!」
中島「あっ!弓子さん、待って欲しいんだな!」
中島達は直ぐに事務所に戻って行った。メシア教団、彼等の目的とは…。メシア教団の依頼とは…。中島の運命はいかに…。