女神転生 中島   作:ジャックオニール

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決着!その後 前編

べリアル「白鷲 弓子!この魔王べリアルにここまで戦えた事をとりあえずは褒めてやろう!」

弓子「何を勝った気でいやがる、寝言を言ってるんじゃねえよ!」

 

弓子は最初はべリアルを押していたが圧倒的な魔力の差で体には無数の火傷を被い立っているのもやっとの状態である。

 

べリアル「まだ減らず口を聞けるか。逃げれば許してやっても良いのだぞ?」

弓子「逃げればだと?良いか?よく聞け、この白鷲 弓子様の辞書に撤退するって文字はねえんだよ!」

 

弓子は気力を振り絞りべリアルに向かって行く!

 

べリアル「白鷲 弓子、この魔王べリアルの最後に相応しい戦い相手だ…。立派に成ったアリスに姿を見ることが出来、最高の好敵手に出会えた。メシア教団には感謝だな…。白鷲 弓子、止めを刺してやる!」

 

べリアルも弓子に向かって行く!

 

弓子「勝つのはあたしだ!」

 

弓子の攻撃!

向かって来るべリアルに渾身のストレートを放つ!

べリアルの攻撃!

仕掛けてきた弓子に対してクロスカウンターを放つ!

二人の攻撃はお互いの頬をとらえるが弓子はべリアルに力負けして吹っ飛ぶ!が、弓子は倒れずに力強く地面を蹴りべリアルに向かって行く!

 

弓子「油断したな、喰らいな!」

 

弓子の攻撃!

攻撃して無防備の状態のべリアルにティオヨプチャギを放つ!

べリアルはまともに喰らいダウンした!

ダウンしたべリアルの体が少しずつ消えかかっている。

 

べリアル「じ、時間切れか…。」

 

体が透けていくべリアルに気づき弓子は攻撃の手を止める。

 

弓子「おい、どういう事だよ!」

べリアル「恐らく、メシア教団の男の悪魔召喚プログラムが破壊されたのだろう…。」

 

空間の歪みが現れてメルコムが出てきた。

 

メルコム「ホホホ、中島 朱美がホークを倒したのですよ。貴女達の勝利です。」

弓子「おい、ふざけた事を言ってるんじゃねえぞ。まだ決着はついていねえ。」

べリアル「私は悪魔合体で作られた悪魔、悪魔召喚プログラムが破壊されたら消滅する定め…。白鷲 弓子、お前の勝ちだ。」

弓子「勝手に消えるな!根性で立ち上がれ!」

メルコム「白鷲 弓子、無茶を言いますね。」

弓子「メルコム、べリアルを何とかして立ち上がらせろ。」

べリアル「白鷲 弓子、お前はどうか知らないが私は納得している。」

弓子「お前、洗脳は解けているな。納得しているだと?見え透いた嘘をつくな!まだやることが残っているだろうが!違うか!」

べリアル「しかし、もうじき消える運命だ…。」

弓子「メルコム、べリアルが消滅する時間を遅らせる事は出来るか?」

メルコム「それは、可能ですが…。戦う事は出来ないと思いますよ?」

弓子「じゃあ、今すぐやれ!」

べリアル「何をするつもりだ…。」

 

べリアルの体が更に透けていく。

 

メルコム「反魂香を使います。白鷲 弓子、ですが…。1時間も持ちませんよ?」

弓子「十分だ、直ぐにしてくれ。」

メルコム「分かりました。」

 

メルコムは反魂香を使った。

べリアルの体がくっきりと浮かび出てきた。

 

弓子「メルコム、すまんな。すまない次いでにアリスと会える様に手配してくれ。最後の依頼が残っている。」

メルコム「ホホホ、そう言う事ですか、分かりました。それではこちらをお渡しします。」

 

メルコムは弓子に『シャチホコエビフリャーズ 握手券』を2枚渡した。

 

弓子「握手券だぁ?」

メルコム「ええ、30分後です。時間厳守ですので遅れないようにお願いしますよ。後、彼女は貴女に返しておきます。しばらくしたら目を覚ますでしょう。」

弓子「おい…。」

 

弓子はメルコムから気絶しているティンクを受け取った。

 

メルコム「彼女、ずいぶん無茶をしたようですね。では、後程。」

 

メルコムは空間の歪みに入り去った。

 

べリアル「あの悪魔は…。」

弓子「さあな、喰えねえペテン師野郎だ。最後にアリスに会わせてやる。」

べリアル「この悪魔の姿は不味いな。」

 

べリアルは体を発して上下赤色のジャケットを着た人間の姿に変える。

 

べリアル「これでよし。」

弓子「アリスが言ってた赤おじさんか、何処で売ってるんだよそのジャケット。オーダーメイドか?」

べリアル「六本木のブティックだ。」

弓子「やっぱり東京はオシャレだな。」

 

弓子は赤おじさんを連れてライブ会場に向かう。

 

 

 

 

 

一方ライブ会場では…。

 

「遠い夜空にこだまする~♪

 竜の叫びを耳にして~♪

 名古屋ドームにつめかけた~♪

 僕らをジーンと震わせる~♪

 いいぞ、頑張れ!ドラゴンズ~♪

 燃えよドラゴンズ~♪」

 

アリスが不在の中、場を繋げる為にリリーが燃えよドラゴンズを歌っている。その間、中島達がライブ会場にいる新田の所に戻ってきた。

 

中島「新田君!」

新田「おお!中島氏!」

タダカツ「ライブはまだ終わっていないようですね。」

新田「お主達が戻って来たって事は…。」

ユキムラ「そう、この僕達が華麗にメシア教団を撃退したって事なのさ。」

新田「そうでありましたか。しかし、お主達の傷…。」

ユキムラ「心配要らないさ、この傷1つ1つもこのイケメンである僕の勲章になるのさ。」

タダカツ「新田殿、イケてないメンズが何か言ってますが気にしないで下さい。アリス殿もじきに会場入りするでしょうからライブに集中しましょう。」

新田「そうですな。」

ユキムラ「ちょっと!何がイケてないメンズだよ!」

ジャック「イケてないメンズ、静かにするんだぞ。ライブに集中するんだぞ。」

 

新田は中島達の姿を見て一安心する。

 

「虎はアギラオ 火だるまに~♪

 鯉は池ごと ブフダイン~♪

 夜空に輝く浜の星~♪

 マハジオダインで打ち落とせ~♪

 いいぞ、頑張れ!ドラゴンズ~♪

 燃えよドラゴンズ~♪」

 

「そ~らを飛び交うツバメ共~♪

 マハザンダインで吹き飛ばせ~♪

 最後に出てきた大男~♪

 マハムドダインで暗殺だ~♪

 いいぞ、頑張れ!ドラゴンズ~♪

 燃えよドラゴンズ~♪」

 

地元だからかリリーが唄う燃えよドラゴンズは意外と受けている。

 

「き~たの戦士も犬鷲も~♪

.し~しに大海、鷹に牛~♪

 どんなに強敵出てきても~♪

.メギドの炎で焼き尽くせ~♪

 いいぞ、頑張れ!ドラゴンズ~♪

 燃えよドラゴンズ~♪」

 

曲の途中でアリスが登場して会場の観客は応援にヒートアップする。

 

アリス「ぼ~くもあなたも願ってる~♪」

アリス「い~のる気持ちで願ってる~♪」

セイレン「そ~れは一言優勝だ~♪」

リリー「みんなで監督胴上げだ~♪」

『いいぞ、頑張れ!ドラゴンズ~♪

 燃えよドラゴンズ~♪

 頑張れ!頑張れ!ドラゴンズ~♪

 燃えよドラゴンズ~♪』

 

燃えよドラゴンズの曲が終りアリスがMCに入る。

 

アリス「みんな、今日はせっかく来てくれたのに最後だけの参加になってしまってごめんなさい。このお詫びは近いうちにするから楽しみにしていてね。それじゃあ、最後の曲をお願い!」

「OK、アリス!それじゃあ、デビュー曲でもあるノリの良いこのナンバーでいこうか。みんな、最後まで応援よろしく頼むぜ!」

 

DJのトークの後に伴奏が流れだす。

 

タダカツ「前回は遅れをとりましたが私のロマンスの舞を披露する時が来ましたね。」

新田「それではお主達、サビの合いの手はサンスネからロマンスで行きますぞ。」

ユキムラ「OK、分かったよ。このイケメンである僕について来たまえ。」

タダカツ「サン…スネ?」

ジャック「ヒーホー、基本の流れだぞ。」

タダカツ「なん…だと?」

 

中島達は曲もサビに入る時に新田からサイリウムを受け取りオタ芸を披露する。

 

新田「タダカツ氏、動きが遅れておりますぞ?」

ユキムラ「遅れておりますぞ?」

タダカツ「おの~れ~!徳川最強の男の異名を持つこの私が~!」

 

弓子が赤おじさんを連れてライブ会場に入り中島達の後ろにまわる。

 

弓子「この曲が終わったくらいに握手会が始まる。体はもつか?」

「ああ、大丈夫だ…。アリス…。これだけの人が応援してくれて…。」

 

ライブが終り握手券を持つ者だけが列を並んでいる。列の最後尾に弓子と赤おじさんが並ぶ。

 

中島「あれ?弓子さんが並んでいるんだな。」

新田「ななななな、なんですと?」

ジャック「ヒーホー、行ってみるぞ。」

 

中島達は弓子に気づいて近づいていく。

 

タダカツ「弓子、何故ここに並んでいるのです?」

弓子「ああ、これを持っているからな。」

 

弓子は中島達に握手券を見せる。

 

ユキムラ「弓子がなんで握手券を持っているんだい?」

ジャック「ヒーホー!弓子はアイドルなんてくだらねえとか言っていたぞ!」

新田「そ、そうですぞ!だから、我が輩が白鷲女氏の代わりに握手をするでありますぞ!」

弓子「うるせえぞテメエ等!最後の依頼なんだよ!」

中島「依頼?それより弓子さん…。その火傷…。」

 

中島は弓子の火傷の痕に気づく。

 

弓子「なーかーじーまー!テメエがあんなすき家のカス野郎ごときにちんたら戦っていたからだろうが!ええ!」

 

すき家ではない、メシアである。

 

弓子「だいだい愚図のお前がこの白鷲 弓子様を心配しようだなんて50年早いんだよ!」

中島「50年も経ったら僕はお爺ちゃんになってしまうんだな。」

弓子「口答えするな!」

 

弓子は口答えする中島を蹴り倒す!

 

中島「い、痛い…。僕は、一生懸命頑張ったのに弓子さんは酷いんだな…。」

弓子「いちいち泣くな鬱陶しい!そうだ中島、あたしはもう少ししたら戻るからお前らは先に帰っていろ。」

タダカツ(弓子、皆に気を使わせない様にわざと元気なふりをしているのですね…。)

 

中島「少し位なら僕達は待っているんだな。」

タダカツ「中島殿、弓子の言う通り我々は先に帰りましょう。」

ユキムラ「えっ?」

タダカツ「祝勝会の準備があります。新田殿も是非参加して下さい。」

新田「我が輩も参加してもよろしいのですか?」

タダカツ「ええ、新田殿には色々と助けていただきました。おもてなしをするのは当然の事です。」

ユキムラ「そうだね、僕達は華麗に事務所に帰ろうじゃないか。」

中島「うん。弓子さん、僕達は先に帰っているんだな。」

弓子「祝勝会か。お前ら、あたしが帰って来るまでしっかり準備をしておけよ。」

新田「デュフフ、白鷲女氏は相変わらずでございますな。」

弓子「新田、お前こそ相変わらず気色悪い笑い方だな。まあ、今回は色々と助かった。ありがとうな。」

新田「我が輩こそ、お役に立てて何よりですぞ。」

 

中島達は先に事務所に帰ることにした。

 

「白鷲 弓子、良い仲魔だな。」

弓子「まあな。」

 

握手会の列は徐々に捌けていき最後の弓子の番になった。

 

リリー「げっ…。あの女…。」

セイレン「白鷲 弓子…。なんで…。」

弓子「なんだテメエ等、あたしに文句があるなら今ここでぶっ飛ばしても良いんだぞ、ええ!」

 

弓子は二人を黙らせてアリスの前に立つ。

 

弓子「アリス、無事に依頼は完了した。感謝するんだな。」

 

弓子はアリスに握手をして一言いった。次に赤おじさんがアリスの前に立つ。

 

リリー「うわっ…。センス悪っ…。」

アリス「おじさん…。」

「アリス…。立派になったな…。」

アリス「うん…。」

「最後にこうして会えて良かった…。」

アリス「えっ?最後って?」

「私の体はもうじき消える。白鷲 弓子が私の命を延命させてくれた。」

弓子「やったのはあたしじゃなくてメルコムのペテン師野郎だがな。では、あたしは帰るか。」

 

弓子は後ろで呟き帰っていった。

 

「皆さん、私のアリスの事をこれからもよろしくお願いします。」

アリス「いや!おじさん!逝かないで!」

 

赤おじさんは消えていった。

 

アリス「おじさん…。」

セイレン「消えた…。」

アリス「おじさん…。」

セイレン「大事な人?」

アリス「うん…。私の育ててくれた人…。」

リリー「それにしてもあの赤のジャケットはいただけないわね。アリス、親戚ならちゃんとセンスが悪いって言ってあげた方が良いわよ。私だったらあんなのと町を歩けないわ。」

 

空気の読めない発言である。

 

セイレン「アリス…。マハムドダインを使って…。流石に今のはだめ…。」

アリス「それには及ばないわ。リリー。あんた、1回マジで…。死んでくれる?」

 

アリスはリリーの首を締め付ける。

 

リリー「プロ野球チップス分けてあげるから許して…。苦しい…。」

アリス「死んでくれる?」

リリー「山本 昌のカードもつけるから…。セイレン、助けて…。」

セイレン「1度、痛い目に会えばいい…。」

 

何はともあれメシア教団の事件は無事に解決した。


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