女神転生 中島   作:ジャックオニール

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挑戦状

レゴパークでの依頼の後、しばらくは依頼も無く穏やかな日々をおくっていた。

 

弓子「あー、暇だなー。中島、お前何か面白い事をしろよ。」

中島?「ブヒ?」

弓子「何がブヒ?だ!あたしに喧嘩売ってるのか!」バキ!

中島?「ブヒー!」

 

弓子が中島?を容赦なく蹴りあげる。

 

ティンク「ちょっと、弓子!中島をいじめちゃ駄目だよ!」

弓子「中島があたしに舐めた事を言うからだろうが!」

ジャック「弓子の言いがかりだぞ。」

ユキムラ「弓子、何をカリカリしているんだい?ははーん、分かった!さては生理だね。」

弓子「んな訳ねぇだろ!死ね!」バキ!

 

弓子はユキムラも蹴りあげる!兄の大輔が外出しているので弓子のやりたい放題だ。

 

弓子「いいか!あたしに舐めた口を利いた奴はみんなぶっ飛ばすぞ!」

中島?「ブヒ?」

弓子「中島!あたしを舐めてるのか!」バキ!

 

弓子は中島を容赦なく叩きのめす。

 

ティンク「弓子!止めなよ、中島が泣いてるじゃない!」

中島?「ブヒー…。」

 

事務所のドアが開いた。

 

大輔「ただいま。あれ?中島君が居ないね。何処かに行っているのかい?」

 

大輔が帰って来た。弓子以外のみんなはホッとしている。

 

弓子「はぁ?中島はそこに居るじゃないか。」

大輔「どうみてもオークじゃないか。中島君じゃないよ。」

ユキムラ「ハハハ!お兄さんこそ何を言ってるんだい?僕達がマスターを見間違えるなんてあり得ないよ。」

大輔「みんな、ちゃんと見なよ!どう見てもオークじゃないか!しっかりしなよ!」

 

大輔に言われてみんな中島?の方を振り返った。

 

弓子「あっ!中島じゃねぇ!」

ジャック「本当だぞ!」

大輔「何処で中島君と入れ替わったんだい!」

ティンク「あ、あたしは初めから分かっていたよ。中島じゃないって。」

弓子「嘘つけ!お前、ちょっと前に中島と何処か出かけていただろうが!」

ユキムラ「そ、そうだよ!」

ティンク「あ、あたしと居たときは中島だったよ!その後、中島はジャックとコンビニに行ってたよ!」

ジャック「オイラじゃないぞ!ユキムラだぞ!」

ユキムラ「イケメンであるこの僕を疑うって言うのかい?弓子がマスターを蹴ったりするからマスターが出ていってしまったんだよ!」

 

みんな責任を押し付けようとしている。中島?(オーク)が弓子に手紙を差し出した。

 

中島?「ブヒ!ブヒ!」

弓子「なんだ?手紙か?」

 

弓子は中島?(オーク)から手紙を受け取り読み出した。

 

弓子「なんだ?挑戦状?あたしにか?」

中島?「ブヒ!ブヒ!」

大輔「弓子、ちょっとそれを見せてくれるかい?」

 

大輔は弓子から挑戦状を受け取りった。

 

大輔「僕達みんなで来るようになっているね。えっと、場所は千種公園。名古屋ドームの近くだね。日にちは今日だ。」

弓子「今日だと!中日vs阪神のナイターの日じゃねぇか!よし、お前ら!さっさと行って片付けるぞ!」

ティンク「ちょっと弓子、中島はどうするのよ!」

弓子「知るか!腹が減ったら帰って来るから放っておいていいだろ!案内しろ、ブタ!」

 

 

 

その頃、中島は…。

 

「やい八戒!テメェ、ちゃんと挑戦状を渡したんやろうな!」

中島「ぼ、僕は中島 朱美なんだな。人違いなんだな!」

「八戒、何を言ってるんや。中島 朱美と白鷲 弓子はうちらが倒す奴等やろ!」

中島「えっ?弓子さんを倒す?そんなの駄目なんだな!」

「八戒!うちに逆らうんか!せっかく阪神戦のナイターチケット手に入れたのにもうええ!お前だけ外で待っとけ!」

中島「だから僕は八戒って人じゃないんだな。」

「八戒、俺達は長い付き合いやのにお前の事を間違える訳ないやろ。やから、な。今のうちに三蔵に謝っとけ。お前、今日の阪神戦めっちゃ楽しみにしとったやろ。やから取りあえず謝っとけ。」

中島「だから、僕は八戒って人じゃなくて中島 朱美なんだな。お願いだから僕を帰して欲しいんだな。」

「まだ言うんか!繰り返しはギャグの基本やけどな、今日のお前全然面白ないねん!」

 

中島は弓子達の所にいるオークと間違えられて千種公園に居た。訳も分からず三蔵と呼ばれる女の子に怒られている。

 

「八戒、三蔵をこれ以上怒らせるなや。中島と白鷲 弓子をやっつけて気持ちようドームで阪神の応援しに行こうや。」

中島「だから、僕が中島 朱美なんだな。」

三蔵「まだ言うんか!悟空!八戒の奴をぶん殴って黙らせろや!」

悟空「三蔵、ちょっとは落ち着けや…。」

 

 

 

 

 

 

弓子「ここだな…。」

 

弓子達は中島と間違えたオークの案内で千種公園にやって来た。ちょうどこの時期はユリの花が満開だ。

 

ティンク「お花がキレイな所だね。」

ユキムラ「ハハハ!花なんかよりイケメンであるこの僕のほうが美しいに決まっているじゃないか!」

ティンク「弓子、ユキムラを蹴り飛ばしてよ。」

大輔「ティンクちゃん、ユキムラも仲魔なんだからそんな事を言っちゃダメだよ。確かにこの時期はユリの花がキレイだね。良いところだ。」

ユキムラ「お兄さん、花よりイケメンの僕のほうが美しいって言ってるじゃないか。ははーん、分かった!さてはイケメンの僕に嫉妬しているね。」

大輔「…弓子、ユキムラの顔面を思いっきり蹴り飛ばしてくれるかい?」

弓子「兄貴、ユキムラがウザいのは今に始まった事じゃないだろうが。」

ジャック「そうだぞ。」

ユキムラ「みんなして酷い!」

弓子「ユキムラの事はほっといてだ、ブタ!ここにこの挑戦状を書いた奴がいるんだな、どこにいる!」

「ブヒ!」

 

オークが指を指す方に女の子と青年と中島がいた。弓子達は急いで中島がいる方に駆け寄った。

 

三蔵「おっ、お前が白鷲 弓子やな。よう現れたなぁ!」

 

弓子は話しかけてきた女の子を無視して中島に近づく。

 

中島「弓子さん!この人達は…。」

弓子「なーかーじーまー!」バキ!

 

弓子のティリョヨプチャギが中島に炸裂した!

中島は吹っ飛び公園の噴水に落ちびしょ濡れになった。

 

三蔵「お前、いきなり何をするんや!」

悟空「八戒!しっかりしろ!傷は浅いで!大丈夫や!」

中島「痛い…。服がビショビショなんだな…。」ポロポロ

三蔵「何を泣いてるんや、服ぐらいで。いつものバカ力で反撃しろや!」

弓子「なーかーじーまー!てめえが太ってるからだろうが!ちょっとは痩せろ!」ドカ!バキ!

 

弓子は関係なしに中島を蹴り続ける。

遅れてティンク達が近づいて来た。

 

ティンク「あっ!中島だ!弓子!蹴っちゃダメだよ!中島だよ!」

弓子「うるせー!知ってるよ!知ってるから蹴ってるんだろ!」

ユキムラ「弓子!マスターを蹴っちゃダメだよ!」

ジャック「みんなで弓子をとめるぞ!」

三蔵「お前、いい加減にせえよ!悟空!あのキチガイ女をとめるぞ!」

 

全員で中島を蹴り続ける弓子を止めにかかった。暴れる弓子を止めるのに15分くらいかかった。

 

悟空「八戒、大丈夫か?しっかりせい!」

中島「ぼ、僕は中島 朱美なんだな…。」

三蔵「八戒!お前、まだそれ言うんか!いい加減にせえよ!」

ティンク「中島、しっかり!」

中島「ティンク、みんな、来てくれて嬉しいんだな。」

ティンク「弓子!何で中島をいじめるのよ!」

弓子「コイツが豚に似てるからややこしい事になってるんだろ!」

悟空「ハハハ!コイツらうちの八戒と自分の仲間を間違えてるぞ!」

三蔵「よし、チャンスや!八戒!今のうちにソイツらをいてもうたれ!」

ジャック「ねぇちゃん達の仲魔はあっちの奴だぞ。」

三蔵「おいコラ、雪だるま!うちらは海より深い絆で結ばれた仲魔なんや!うちらが八戒を間違える訳ないやろ!」

弓子「何が海より深い絆だよ。あたしの兄貴の隣にいる豚をよく見てみろ!」

三蔵「あっ!八戒や!」

悟空「八戒!お前も分身の術、使えるようになったんか!やるやんけ!」

八戒「ブヒ!」

 

八戒と言われるオークが三蔵達の所に駆け寄った。

 

悟空「八戒が二人おる!」

八戒「ブヒ!」

三蔵「八戒、どう言うことや。ちゃんと説明せい。」

八戒「ブヒ!ブヒ!」

三蔵「えっと、何、みんなでコンビニ行ってた時、後から出てきたらうちらが居らんようになったから、しゃあなしに先に白鷲 弓子に挑戦状を渡しに行ってた?」

八戒「ブヒ!」

三蔵「お前、ちゃんと挑戦状渡したんやな!」

八戒「ブヒ!」

三蔵「ん?ほんじゃあコイツはいったい誰やねん?」

 

三蔵は中島を指差した。

 

中島「だから僕は中島 朱美なんだな。」

三蔵「じゃあ、うちらは八戒と間違えてコイツを連れて行ってたんか。」

弓子「まぁ、そういうことだ。」

ティンク「な、仲魔を見間違えて何が海より深い絆だよ!」

ジャック「…ヒ、ヒーホー!オイラ達が中島を見間違える事なんてないぞ!」

ユキムラ「ハハハ!僕達のマスターは返して貰うよ!」

大輔「…君達、よくそんな事言えるね…。」

 

中島は解放され泣きながらみんなの所に駆け寄った。

 

中島「みんな!僕の為に…。うれしいんだな。」ポロポロ

ティンク「中島、大丈夫?アイツらに何もされなかった?」

中島「うん、弓子さんに蹴られて痛いけど大丈夫なんだな。」

大輔「中島君…。いつも弓子が本当にごめん…。」

ユキムラ「ほら、弓子!マスターに謝りなよ!」

ジャック「ヒーホー!弓子、日本では謝るときは土下座だぞ!」

弓子「『アギ!』」

 

弓子が放った火の玉がジャックフロストに命中した!

 

ジャック「ああああ!熱いよぅ!」

大輔「弓子!いい加減にしないか!」

弓子「兄貴、このクソダルマはちょいちょい調子にのるから痛い目にあわせない駄目なんだよ。」

ジャック「ああああ!中島、助けて!」

弓子「まあ、それよりコイツらの相手だな。」

大輔「…そうだね。僕達の事を知ってるとはね。君達はいったい何者なんだい?」

三蔵「フフフ。やっとうちらの事を気にかけたなぁ薄っぺらい笑顔のにぃちゃん!しゃあないから自己紹介したるわ、耳の穴かっぽじってよう聞けよ!」

大輔「薄っぺらい…。」

 

悟空「まずは、あ~!お~れ~様は~!空~前、絶~後~!天下一の~!あ~!暴れん坊~!斉天大聖~!孫!ご」

弓子「オラッ!」バキ!

 

弓子の強烈なティリョヨプチャギが斉天大聖にヒットした!

斉天大聖は吹っ飛び、噴水に落ちた!

 

三蔵「お前いきなり何をすんねん!悟空!大丈夫か?しっかりせい!」

悟空「おいコラ!服が濡れてしもうたやろ、まだ俺様の自己紹介の途中やんけ!ちゃんと最後まで聞かんかい!」

弓子「何なんだよ、コイツら…。」

 

悟空「あ~!お~れ~様は~!」

ティンク「そこから始めるんだ…。」

悟空「空~前、絶~後~!天下一の~!あ~!」

弓子「オラッ!」バキ!

 

再度、弓子のティリョヨプチャギが斉天大聖にヒットした!

斉天大聖は再度、噴水に落ちた!

 

悟空「お前何さらすねん!びしょ濡れやんけ!」

三蔵「お前!最後までちゃんと聞けや!」

弓子「知らねぇよ。」

三蔵「ほんで何でお前は歌舞伎風やねん!うちが見本を見せたるわ!耳の穴かっぽじってよう聞いとけ!」

弓子「何なんだよ面倒くさいな…。」

 

三蔵「ラララ♪大阪は~♪新世界から~やって来た~♪32代目三蔵法師に~♪襲名した~♪」

悟空「何でミュージカル風やねん!」

三蔵「花の乙女の女子高生~♪武井 千枝子と言うんやで~♪コイツらのサマナーや~♪」

悟空「でもって俺様は~♪斉天大聖~♪孫悟空様よ~♪」

八戒「ブヒ~♪ブヒ~♪」

ユキムラ「因みに僕は~♪イケメンさ~♪僕のサインをあげようか~♪」

弓子「あー!本当にうざいな。『マハラギ!』」

 

弓子の放った火の玉が三蔵達とユキムラに襲いかかる!

 

ユキムラ「熱い!何で僕まで!」

八戒「ブヒ!」

悟空「熱っ!」

三蔵「熱っ!白鷲 弓子!お前いい加減にせえよ!まだうちらの自己紹介終わってないやろ!もうええ!悟空!八戒!コイツらしばき倒すぞ!」

弓子「兄貴、コイツらもうぶっ飛ばして良いよな?」

大輔「そうだね…。人が増えてきたからね。手短に頼むよ。」

 

三蔵達が襲いかかる瞬間、八戒が止めに入った。

 

三蔵「八戒!止めんな!」

八戒「ブヒ!ブヒ!」

三蔵「ん?何や?時間?」

悟空「もうナイター始まる時間やんけ!急がな不味いで!」

三蔵「ホンマや!お前ら!今日の所は引き分けにしといたる!今度は最近封印が解かれたスサノオを仲魔にしてから来てやるからな!覚悟しとけよ!」

大輔「えっ?スサノオ?」

 

三蔵達は一目散に逃げ出した!

 

中島「楽しい人達だったんだな…。」

ジャック「ヒーホー!なんか悪い奴等じゃなさそうだったぞ!」

大輔「それより、さっきスサノオって言ったよね?」

ユキムラ「ハハハ!でもそのスサノオよりこの僕の方がイケメンに決まっているよ!」

大輔「弓子、少し用事が出来た。先に失礼するよ。」

 

大輔は急いで立ち去った。

 

弓子「あーもう!アイツら何だったんだよ!ナイター始まるからもう帰るぞ!」

中島「あっ弓子さん!待って欲しいんだな!」

ティンク「弓子って野球好きだよね…。」

ジャック「オイラ、弓子が野球見ている時に一度チャンネル変えてボコボコにされたことあるぞ…。」

ユキムラ「僕もあるよ…。あのときは死ぬかと思ったよ…。」

 

 

 

 

 

夜になり中島達は事務所に戻りくつろいでいた。

 

ティンク「みんなー!お茶入ったよ。」

中島「ティンク、ありがとうなんだな。」

弓子「おぅ。気が利くな、チビ。」

ティンク「弓子!いい加減にお風呂入りなよ。」

弓子「今、九回表なんだよ!もう少し待てよ。」

ジャック「もう、中日の勝ちは決まってるぞ!」

ティンク「そうだよ。13vs2だからもう中日が勝つよ。早くお風呂に行きなよ。」

弓子「バカ野郎!野球は最後まで分からないから面白いんだよ!」

ユキムラ「もしかして、弓子は阪神を応援してるのかい?」

弓子「あたしは野球が好きなんだよ!何処のファンとかじゃねぇよ。いいか?野球は毎日がドラマなんだよ!」

 

弓子が野球について熱く語っている。

 

弓子「おっ!最後で塁にでた。」

ティンク「もう逆転はないから早くお風呂に行きなよ…。」

弓子「あっ!三振か。あー。終わったか。」

中島「じゃあ、チャンネルを変えるんだな。ホタルの墓が始まっているんだな。」

 

中島はテレビのチャンネルを変えた。

 

弓子「中島ー!まだヒーローインタビューが終わってねぇだろうが!ふざけるんじゃねぇぞ!」

 

弓子は中島を容赦なく蹴り倒す!

 

ジャック「ヒーローインタビューも見ないといけないのか…。」

ユキムラ「気をつけなきゃいけないね…。」

弓子「あー!ヒーローインタビュー終わってるじゃねぇか!あー!クソ!もう風呂入って来る。」

 

弓子は立ち去り様に中島に6発蹴りを入れて風呂に向かった。

 

ティンク「中島、大丈夫?」

中島「痛い…。酷すぎるんだな…。」ポロポロ

 

中島はまた泣き出した。

 

 

その二時間後、中島達がくつろいでいると事務所のドアをノックする音が聞こえた。

 

ティンク「あれ?誰か来たのかな?」

弓子「こんな夜遅い時間に来るやつはろくでもない奴に決まっている。相手にするな。」

 

再度ドアのノックが弱々しく聞こえる。

 

ユキムラ「さては、このイケメンである僕のファンが来たのかもしれないね。今開けるよ。」

 

ユキムラがドアを開けるとそこには昼にいたオークが傷まみれで倒れていた。

 

ユキムラ「君は!昼間の女の子の仲魔のオークじゃないか!」

弓子「ユキムラ!大声出すな!近所迷惑だ!」

中島「ユキムラ、どうしたんだな?」

 

中島達がユキムラに駆け寄った。

 

弓子「おい、中島!傷まみれじゃねえか!」

ジャック「ヒーホー!弓子、中島じゃないぞ!昼間の奴だぞ!」

中島「酷い…。誰がこんな事を…。」

ティンク「ちょっと待ってて!『ディアラマ!』」

八戒「ブ、ブヒ…。」

弓子「おい、誰にやられた!」

八戒「ブヒ…。」

弓子「ちゃんと喋れ!」

中島「弓子さん、待って欲しいんだな。これで君の言葉が分かるんだな。」

 

中島は悪魔召喚プログラムを起動させた。

 

八戒「…さんぞうを助けてくれ…。」

ユキムラ「君、しっかりするんだ!」

ティンク「『ディアラマ!』」

八戒「すまない…。厚かましい願いだが三蔵を…。頼む…。」

弓子「場所は!言え!」

八戒「千種公園…。」

弓子「よし!ユキムラ!ジャック!ついてこい!走れば10分位だ!」

ジャック「ヒーホー!」

中島「弓子さん、僕も…。」

弓子「中島!お前はトロイからソイツが回復してからティンクと一緒に後から来い!嫌な予感がする。ユキムラ!ジャック!急いで行くぞ!」

中島「でも…。」

ユキムラ「マスター、弓子にはこのイケメンである僕がついているから安心したまえ。」

弓子「ユキムラ!グズグズするな!」

ユキムラ「分かったよ!」

 

弓子はユキムラとジャックを連れ千種公園に走って行った。

 

八戒「おれはもう動ける。三蔵の所に行く。」

中島「まだ駄目なんだな!傷が癒えてないんだな!」

八戒「三蔵はおれの命より大事だ。行かないと…。」

ティンク「中島、あたし達も行こうよ。」

中島「ティンクまで、彼は安静にしてないと!」

八戒「でも、おれは行く。」

ティンク「行こう。『ディアラマ!』」

 

八戒の傷が少し回復した。

 

八戒「すまない…。」

ティンク「いいよ…。その三蔵って人、とっても大事な人なんだね。早く助けないとね。」

八戒「ああ。」

中島「今、弓子さん達が向かっているから君は安静にしないと…。」

八戒「三蔵と悟空はおれを逃がすために体を張ってくれた。だから、おれが助けに行かないといけない。」

中島「…分かったんだな。でも、無理はしないって約束して欲しいんだな。」

八戒「分かった。」

 

 

 

 

 

中島達が千種公園に向かっている途中…

 

八戒「急ごう…。」

中島「僕の肩につかまるんだな。」

八戒「すまない…。」

ティンク「待って!向こうから何か飛んでくる!危ない!」

 

中島と八戒は飛んでくる何かに衝突して吹き飛び倒れた。

 

中島「うう…。」

ティンク「中島、大丈夫?」

中島「ぼ、僕は大丈夫なんだな…。」

八戒「うう…。何が飛んで来たんだ?」

???「うう…。クソっ…。さんぞうの奴…。体が動かねぇ。」

八戒「ご、悟空!」

悟空「は、八戒か…。おまえ…。ぶじ…だったか…。おれさまは…もうあかん…。おまえ…が…ふたりに…見えて…きた…。」

中島「ティンク、大変なんだな。彼を。」

ティンク「すごい火傷だ…。今、回復してあげるよ。『ディアラマ!』」

悟空「すまん。でも、俺様はもうあかん。まだ八戒が二人に見える…。」

中島「ぼ、僕は中島 朱美なんだな…。」

悟空「なんやねん!お前、ややこしいからあっち行ってろや!」

中島「酷い…。」

八戒「ご、悟空!無事か!三蔵は!」

悟空「八戒か。すまん。三蔵の奴…俺様を庇うために魔法で吹き飛ばしおって…。」

八戒「くっ…。おまえ…。命張って三蔵を助けろよ!」

悟空「俺様だってそのつもりやったけど、アイツ…。」

ティンク「今は言い争ってないで早く行かないと!」

八戒「そうだった…。」

悟空「急がないと!」

中島「君は安静にしないと…。まだ火傷が酷いんだな。」

悟空「やかましい!俺様達はお前らの所の薄っぺらい笑顔の兄ちゃんにやられたやぞ!それを!」

中島「えっ?」

ティンク「ウソ…。何で?」

悟空「ウソやない。あの兄ちゃん、俺様達が名古屋ドームから出てくるのをずっと待ち伏せしとったんや。」

中島「もし、お兄さんだったら直ぐに止めないといけないんだな。」

ティンク「早く行こう!」

 

中島達は不安に思いながらも千種公園に向かうのであった。

 

悟空「所でちっこいの、お前は何で俺様達に肩入れしてくれるんや?」

ティンク「それは…。」

悟空「…。まぁええわ、火傷、治してくれておおきにな。」

ティンク「うん。」

 

 

 

一方その頃千種公園では…

 

大輔「それだけボロボロになってもまだスサノオの居場所を教えてくれるつもりはないのだね。」

三蔵「当たり前や!うちの仲魔を傷物にしよってからに、お前こそただで済むと思うなよ!」

大輔「悪魔を退治するのは僕達の仕事でもあるからね。彼等は後で見つけて倒させてもらうよ。」

三蔵「そんなこと、うちが許す訳ないやろ!返り討ちにしてやる。かかって来いや!」

大輔「やれやれ…。中島君といい、君といい…悪魔は全て倒すべき存在だって事が全然分かっていないようだね。」

三蔵「アイツらは…悪魔である前にうちの大事な友達や!分かってないんはあんたの方や、薄っぺらい笑顔の兄ちゃん。あんた、友達一人も居らんやろ。」

大輔「…。もういい…。『アギダイン!』」

 

大輔の放った大炎が三蔵を包み込む。

炎の中で三蔵は倒れた…。

 

大輔「さて、終わったようだね。一緒にいた悪魔を見つけてスサノオの居場所を聞きださないといけないね…。」

 

大輔が立ち去ろうとしたが倒れていた三蔵が這いつくばりながら大輔を足首を掴む。

 

三蔵「待たんかい…。うちはまだ負けてへんで…。アイツらの所には…絶対行かせへん…。喰らえや『テンタラフー!』」

 

三蔵の魔法が大輔の精神を蝕む。

 

大輔「うっ…。なんだ?頭の中が…。」

三蔵「よっしゃ…。もう一度や、『テンタラフー!』」

大輔「や、止めろ!」

三蔵「無駄や無駄や。この魔法はあんたの心を蝕むんや。」

大輔「止めろっ!みんなで僕を馬鹿にするなっ!」

三蔵「フフン、バッチリ効いとるな。もう1つオマケや喰らえ!『テンタラフー!』」

 

心の中のトラウマが大輔を襲う。

 

大輔「あああああああ!」

三蔵「効きすぎやな。やり過ぎてしもうたわ…。」

大輔「くそう…。みんな僕を馬鹿にして!みんな…。死んでしまえっ!『マハラギダイン!』『マハラギダイン!』『マハザンダイン!』『マハラギダイン!』」

 

大輔は暴走してところ構わず魔法を放つ。公園はあっという間に火の海になった。

 

三蔵「しもうた。逃げられへん…。」

大輔「…。見つけた…。やっと見つけた。スサノオ…。」

三蔵「えっ?」

 

意識が朦朧している大輔が三蔵の首を絞める。

 

三蔵「がっ…。うちは、スサノオとちゃう…。苦しい…。」

大輔「黙れ、スサノオ…。お前は…僕の手で…殺す…。」

 

大輔は両手に力を込める!

 

三蔵「くっ…。あかん…。『ジオンガ!』」ガク!

 

意識の失った三蔵が放った雷は大輔の直ぐそばに落ちた。

 

大輔「何処を狙っているんだい?フフフ…。止めを刺して…」

「なんだ今の雷は!こっちだ!」

 

大輔「ちっ!新手か?」

 

大輔は一目散に逃げ去った…。

 

 

 

 

弓子「なんだこれ…。公園が火の海じゃねぇか…。」

ジャック「ヒーホー…。オイラ、火は苦手だぞ…。」

弓子「お前はここで中島が来るのを待ってろ。ユキムラ、中に入るぞ。」

ユキムラ「弓子、正気かい?マスターが来るのを待とうよ。」

弓子「中島を待っていたら間に合わねえ…。ついてこい。」

 

その時、雷が公園の中に落ちた!

 

弓子「なんだ、今の雷は!こっちだ!」

ユキムラ「弓子!待って!炎を払いのけるよ。『ザンマ!』」

 

弓子はユキムラを連れて火の海になった千種公園に入って行った。ユキムラの風の魔法で炎を払いながら進んでいく。

誰が呼んだか分からないが消防車にパトカーもやって来た。人だかりも増えてきた。

 

ジャック「ヒーホー…。」

「君!危ないから下がって!」

ジャック「オッチャン、弓子とユキムラが中に入って行ったんだぞ。」

「火を消すから下がって!」

 

ジャックは消防士さんに言われ渋々後ろに下がった。

遅れて中島達が千種公園に到着した。

 

中島「ジャック!」

ジャック「中島!大変なんだぞ!」

悟空「おいこら!どないなってるねん!公園が火の海やんけ!」

ジャック「オイラも分からないぞ!オイラ達が来たときにはこうなっていたんだぞ!」

ティンク「ジャック!弓子は?」

ジャック「ユキムラと火の海の中に…。」

悟空「俺様達も行くぞ、八戒!」

八戒「分かった。」

中島「君達!駄目なんだな!危ないんだな!」

悟空「やかましい!中には三蔵がおるんや!」

八戒「頼む、行かせてくれや。」

中島「でも…。君達は大怪我をしているから…。」

八戒「俺たち、大丈夫。」

悟空「行くぞ、八戒。」

 

悟空と八戒が火の海に入ろうとした時、何者かが火の海から出てきた。

 

弓子「その必要はねぇ…。」

ユキムラ「君達のプリンセスはこのイケメンである僕が救出したからね。」

 

弓子とユキムラが火の海の公園から三蔵を連れて出てきた。

 

弓子「このままじゃ不味い。」

ティンク「分かったよ。『ディアラマ!』」

三蔵「うう…。」

 

ティンクの魔法で三蔵が意識を取り戻した。

 

悟空「三蔵!」

三蔵「ごくう…はっかい…おまえら…。ぶじで…。よかったわ…。」

悟空「何言ってんねん!俺らの心配なんかええねん!」

三蔵「うちは…おまえらの…さまなーや…。」

八戒「三蔵…。」

ティンク「まだ喋らないで!『ディアラマ!』」

 

三蔵の火傷の傷が少し回復した。

 

三蔵「すまんな…。ちっこいの。しらわし ゆみこ、おまえら…スサノオとは何があったんや…。あのにぃちゃん、しょうきやなかった…。」

弓子「あたしらの親はスサノオに殺された…。」

 

公園の火は消されて救急車が到着した。

 

「君達!退いて!」

 

三蔵は直ぐに救急車に運ばれて行った。

 

弓子「お前ら、兄貴がすまなかった。」

悟空「ゴメンで済んだら警察は要らんのや!」

弓子「本当にすまない。」

 

弓子は悟空と八戒に頭を下げた。

 

悟空「お前らのせいでな!三蔵が!」

八戒「悟空、止めや。俺達が助かったはコイツらのお陰でもある…。」

悟空「せやけど…。」

八戒「病院に行くんが先や。」

 

悟空と八戒は三蔵が連れて行かれた病院に向かって行った。

 

中島「弓子さん…。」

弓子「中島、お前ら…。すまない。話は明日、事務所で話す…。」

ユキムラ「ハハハ!このイケメンである僕がいるからスサノオなんて相手にならないさ!マスターも弓子も安心するといいさ!」

弓子「…。帰るぞ…。」

白鷲兄妹をスサノオとの因縁とは…。中島達は不安に思いながら事務所に帰ることにした。

 

 


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