機動戦士ガンダムティボウキナ   作:クワス

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インサート・エピソード グラナダ事件 UC:0079 11/24

-UC:0079 11/24 グラナダ基地-

 

月面グラナダ基地より1隻のザンジバル級がサイド3へ向け出港した。

 

座乗しているのは突撃機動軍司令キシリア・ザビ中将である。

 

今回はサイド3の本土防空隊、つまりギレン・ザビ親衛隊へ6機二個小隊分のゲルググJを移送するためであった。

 

逆にサイド3を中心に配備が進められていたガルバルディαとアクトザクのグラナダ配備分を回収するという目的もあったのだが。

 

そして、目的はそれだけではない。サイド6、リボーコロニ-にて進められている連邦軍の新型ガンダム開発計画の対処。その報告も兼ねていた。

 

25日午前9時27分。事件はグラナダ艦隊に所属する4つの戦隊がすべて出払っていたその時に起きた。

 

-翌日 グラナダ司令部 第三会議室-

 

「失礼します。」

 

情報将校コーネル・キリング大佐はドアを4回ノックした。

 

「入れ。」

 

この会議室内ではグラナダ司令アルドノア・ルーゲンス少将をはじめ、グラナダに所属する高級士官の5名全員が集まっていた。キリングを含めれば6名である。

 

その中には艦隊司令フォン・ヘルシング大佐の姿も見える。

 

「座り給えキリング大佐。」

 

「はッ。」

 

楕円形のテーブルをはさみ、キリングとルーゲンスは顔を合わせる形になる。

 

「さて、キリング。この作戦計画書は何かね?」

 

ルーゲンスは手元の書類を手に取りページをめくる。

 

「何といわれましても書いてある通りでございます。」

 

「ふざけるな!」

 

ルーゲンスの拳がテーブルを響かせた。

 

「中立コロニーへ核攻撃だと?正気の沙汰ではない。」

 

「部隊の報告によればそこには連邦軍の基地があります。もはや中立とは言えません。」

 

「そんなことを責めているのではない!」

 

ルーゲンスは息を荒げた。

 

「南極条約で禁止されている核融合ミサイルを使用するだと?冗談はいい加減にしろ!」

 

「そんなに声を荒げずともいいではありませんか。サイド6は南極条約を批准していません。」

 

「そういった問題ではない!」

 

「それに、私の行動は閣下の管轄外ではありませんか。」

 

「当基地の司令は…ウッ!」

 

ルーゲンスの胸からは鮮血が流れ出る。それはキリングの持つワルサーPPKから弾丸が発射され命中した何よりの証拠だった。

 

「閣下!」

 

基地警備部隊総括モーティス少佐が駆け寄る。

 

「動かないで頂きたい。」

 

その頭へ銃口が向けられた。

 

「キリング…!貴様!」

 

ヘルシングは声を放つ。

 

「ヘルシング。貴様も変な気を起こすなよ。」

 

「変な気だと…?」

 

「ああ。そうだ。彼のようにな!」

 

サプレッサーの装着されたPPKからまた一発弾丸が放たれる。

 

その先にはキリングへ銃口を向けていた基地副司令マンロディ大佐がいた。

 

そしてドアからは基地内第一種装備をした兵士が4名入ってくる。

 

「貴様ら!警備部総括として命令する!その反逆者を殺せ!」

 

「了解しました。少佐殿。」

 

曹長の階級を付けた兵は手に持つMP-40を構えた。

 

「貴様何をッ!」

 

そして()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ご苦労。曹長。」

 

「いえ。大佐殿。」

 

「曹長。ここにいる残りの士官も殺したまえ。」

 

「はッ。」

 

そう伝えるとキリングは部屋を出ようとする。

 

「キリング!核攻撃なんぞしてみろ!本国から貴様の討伐艦隊が組まれる!」

 

「曹長。まずはそこの小うるさいヘルシング大佐から始末したまえ。」

 

「了解しました。」

 

九ミリ拳銃弾の発射音が響く。瞬く間にヘルシングと副司令マーケス中佐の死体が生まれた。

 

そしてキリングは部屋を後にし司令長官室へ向かった。

 

 

-月面アンマン近海 第二グラナダ艦隊演習場-

 

「チィッ!流石は赤い彗星だ!」

 

ジャスターク・エーシスは今戦いの渦中にいた。と、言っても実戦ではない。

 

CG補正された画面と赤外線レーザーを用いた模擬武装によって生み出された限りなく実戦に近い演習である。

 

乗機のリックドムⅡの放つMMP-80マシンガンはやすやすと避けられる。

 

ジャスもシャアの攻撃を確実に避けているため、お互い譲らぬ攻防であった。

 

しかし、モニター上にはさらに光の点がいくつか浮かび上がった。

 

同じ、リックドムⅡである。シャア部隊の所属マーキングである鷲をモチーフにしたマークが肩部のアーマーに記されていた。

 

第300戦隊所属のアンディー・ライスン曹長とリカルド・ヴェガ曹長であった。

 

見事なコンビネーションでこちらへ迫撃する。

 

『ジャスターク君。君がいくら適性の高いニュータイプとはいえ、これをかわせるか?』

 

ノーマルスーツ内に声が響く。

 

ミノフスキー粒子が全く散布されていない現状において機体間通信は普通に行える。

 

「チィ!」

 

ジャスタークから攻撃は全くできなくなっていた。

 

避けるだけでもはやいっぱいであった。

 

『もらった!』

 

機体の目のまえにバズーカを構えたドムが現れる。

 

しかし、そのバズーカが放たれることもなく、上方から現れたビームの光によってドムは撃墜判定となった。

 

ビームライフルの描写はまさしく本物と見間違えるほどであった。

 

だが、ドムは爆発しない。ドムに赤でバツの表記が追加されるだけである。それがCG合成であることを示すには十分な証拠であった。

 

『なんだい。ニュータイプ兵って言うから期待していたがあの程度の包囲も抜け出せないのかい?』

 

単発から連射へ切り替えたビーム・マシンガンで素早くもう一基のドムを撃墜するのはゲルググであった。

 

しかしただのゲルググではない。統合整備計画によって生まれた生産性を向上させ、ブースターと兵装の強化を行ったMS-14Fであった。

 

正式名称はゲルググ強行型(MS-14F)であるがファーストロッド9機三個小隊分(1機は指揮官用のFs型)がキシリア揮下のジオン海兵隊へ渡されたことから「ゲルググ・マリーネ」とも呼ばれている。

 

こちら側の支援に来たゲルググは頭部に指揮官機を表す「ツノ」が装備されており、さらにエースパイロットでしか許可されないカラーリングも紫とカーキが塗装されていた。

 

「申し訳ありません。()()()()()。」

 

救援としてきたのはジオンの中でも屈指の強さを起こる、シーマ海兵隊司令官シーマ・ガラハウ少佐であった。

 

『そんな謝り言葉は捨てちまいな。それよりも行くよ!坊や!』

 

アンディー、リカルド両機を失ったシャアであるが流石は赤い彗星である。

 

攻撃の手を緩めず、なおかつ、ジャスターク、シーマ両機の波状攻撃を巧みに避ける。

 

…そんな時だった。

 

『ジャスターク中尉!』

 

ノーマルスーツ内に響いたのは通信兵のマエッセン軍曹の声だった。

 

「どうした?軍曹。」

 

『グラナダより連絡です!グラナダ基地司令部で反乱が起きました!』

 

「反乱だと…!?」

 

後の世ではキリング事件と名がつけられた、グラナダの一番長い日が始まった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は少なめになります。次回はポケットの中の戦争最終回の内容をベースにしたストーリーなのですが、本作は私の主観のもと、日時等が再構成されております。
それに合わせ、「クリスマス」の時期も11月末にアメリカ、カナダで行われる「サンクスギビング祭」に変更となっています。

またMSにも独自に解釈を加えたものやオリジナルのものが登場します。

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