学園黙示録〜暁の芸術家になった転生者〜   作:☆桜椛★

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第12話だ…うん!

デイダラside…

 

 

バスを捨てたオイラ達は、なんとか夜になる前にリカの部屋があるアパートに辿り着いた。道中〈奴ら〉との戦闘もあったが、問題なく撃破した。

しかし、【S&W M37】を渡したコータの反応が正直怖かった。なんか銃を手の上に置いた瞬間雰囲気がガラリと変わって滅茶苦茶嬉しそうに構えながら【S&W M37】の説明を早口で喋り出したぞ?なんだよアレ?二重人格って奴か?

まぁ、取り敢えずアパートには元住民の〈奴ら〉がいた為、全て片付けた後、部屋の鍵を開けた。最初は高価そうな部屋(まぁ実際それなりに高いのだが)に住民のオイラとよく家に遊びに来る静香以外の全員が少し緊張した様子だったが、10分もすれば皆それぞれ好きな様にくつろぎ始めた。オイラはみんな…特に女性陣は汗を流したいだろうと思って風呂の準備をしようと風呂場に向かった。

 

 

「あれ?デイダラ、どうしたの?」

 

「いや、お前等も疲れただろ?だから風呂沸かして来ようと思ってな…うん」

 

「「「お風呂!!!」」」

 

 

風呂場に向かう途中で麗に何をするのか聞かれて普通に答えたのだが、その答えに麗と静香と沙耶、そして声には出さなかったが冴子が目を輝かせた。まぁ昨日は誰も風呂になんか入れなかったし、女性だから風呂に入りたいだろうと思っていたが、予想外の食いつきっぷりだな。

……後、顔を赤くしてる孝とコータ。お前等今何考えた?

 

 

「やった!やっと汗を流せる♪」

 

「昨日は皆さんずっとバスで椅子に座ってだものね♪」

 

「何ボサッとしてるのよ暁月!早くお風呂を沸かして来なさい!」

 

「滅茶苦茶食いつくなお前等?後高城のそれは人に物を頼む態度か?…うん?」

 

 

オイラは上から目線で命令する高城に呆れながらも風呂を沸かしに行った。風呂の準備を終えて、後はお湯が溜まるまで待つだけになった時、ふとリカに連絡をしていない事を思い出した。オイラはポケットから携帯を取り出し、リカの電話に掛けると、すぐリカが出た。

 

 

『ちょっとデイダラ!遅いじゃない!心配したんだからね!?静香はどうだった?無事?今どこにいるの!?』

 

「〜〜ッ!!?うるせぇぞリカ!だから電話で大きな声を出すな!オイラの鼓膜を破る気か!?…うん!」

 

 

昨日電話して来た時みたいに耳にキーン!とする大きさで電話に出たリカにオイラは怒鳴りかえした。すると今度はちゃんと普通の大きさでリカは喋り始めた。

 

 

『ご、ごめん。それで?今どこにいるの?静香は無事?』

 

「今は家にいる。学校で出会った生存者達と一緒にな。静香は勿論無事だ…うん」

 

『良かった…無事でなによりよ。ありがとうね、デイダラ』

 

「気にするな…うん。オイラとリカの仲だろ?」

 

 

オイラがそう言うと、リカは小さく笑いながら『そうね』と同意した。それからオイラは町の様子、〈奴ら〉の事、一緒に行動しているメンバーの事などをリカに話した。

 

 

『私達の部屋を使うのはいいとして、忍術の事話して良かったの?』

 

「まぁな。こんな状況じゃ使わないといつ死んじまうか分かんねぇからな…うん」

 

『確かにね。私もいざという時使うわ』

 

 

そんな話をしている内に、機械音声で『お風呂が沸けました』と聞こえてきた。どうやら思ったより長く話し続けてしまったようだ。リビングの方から女性陣の歓声が聞こえてくる。

 

 

『ねぇ、今もしかしてお風呂沸かしてる?』

 

「うん?あぁ、今沸いたとこだg『ちょっと田島!私少しの間ここを離れるわ!…え?もう逃げるのかって?大丈夫よすぐ戻るから。…デイダラ、私を口寄せして頂戴』ちょっと待て色々説明しろ…うん」

 

 

いやまぁ【口寄せの術】は使えるが、今お前洋上空港にいるんだろ?しかも今田島にすぐ戻るって言ってたろうが。

 

 

『大丈夫よ。【影分身】置いて行くから。帰る時は分身に【口寄せ】してもらうわ』

 

「……お前、よくそんなやり方思いつくな?…うん」

 

 

つまりは【影分身の術】で分身を1人作り【口寄せ】の契約を結ぶ。本体のリカはオイラの【口寄せの術】でここに来る。そして帰る時は空港にいる分身に【口寄せ】してもらえば、本体は空港に戻ることが出来るって訳だ。リカが出せる分身は最大2人。1人だけにすればリカのチャクラ量でも【口寄せ】1回なら出来るだろう。簡単に言えば【飛雷針の術】の劣化版みたいな感じだな。アレはマーキングした場所に自分を【口寄せ】する術だからな。

 

 

「だがそれはかなりチャクラ使うだろう?後で凄く疲れるんじゃないか?…うん」

 

『もう重装備のまま何時間も空港の屋根の上で陽の光浴び続けてるのよ?お風呂に入れるなら入りたいのよ』

 

「分かった、分かったから。んじゃ、電話切ってから3分後だ。それまでに準備しろ…うん」

 

『分かったわ。よろしくね♪(やった♪)』ブツッ!

 

 

オイラは少し苦笑いしながら携帯をポケットに仕舞い、リビングに向かった。そこにはお風呂が沸くのを今か今かと待っていた女性陣がいた。

 

 

「あ!デイダラ、お風呂沸いた?」

 

「沸いたがちょっと場所開けてくれ…うん」

 

 

オイラがそう言うとみんな不思議そうな顔をしたが頷いて場所を開けてくれた。オイラはみんなに礼を言って開けてくれた場所に立ち、腕時計を見る。丁度3分経った為、印を結んで片手を床に付けた。

 

 

「【口寄せの術】!!」

ボフンッ!!

 

 

手を付けた場所を中心に筆で書いたような文字が床に現れ、ボフン!と煙を上げた。やがて煙が晴れると、そこには紫色の髪をポニーテールにし、小麦色の肌をした美女…リカが立っていた。

孝達はオイラの突然の行動と突然現れたリカに驚いて口をパクパクさせているが、【口寄せの術】とリカを知っている静香は嬉しそうにしながらリカに抱き付いた。

 

 

「あぁ〜〜!!リカ〜〜♪!!」

 

「おっと!静香!心配したんだからね!無事で良かったわ♪デイダラも!」

 

「おい、オイラは次いでかよ…うん」

 

 

リカは静香を優しく受け止めて嬉しそうにしている。オイラも苦笑していると、1番最初に我に返った沙耶がオイラの胸ぐらを掴んで前後に揺さ振り始めたってちょっと待て止めろ気持ち悪くなるだろうが!

 

 

「あ、あ、あんた!!今の何!?あんた一体何やったのよ!?」

ブン!ブン!ブン!

 

「は、放しやがれ!ちょ!マジで気持ち悪くなる!!」

 

「高城君、気持ちは分からなくもないが、放さないと彼が説明出来ないだろう?」

 

 

それもそうねと沙耶は掴んでいた手を放してくれた。ヤベェ…ちょっと気持ち悪りぃ……。

 

 

「た、助かった…うん。サンキューな毒島…」

 

「何、私も今の術が気になったからな。済まないが説明してくれないだろうか?それと、彼女は誰なのか教えてくれないか?」

 

「ん?あぁ、貴女達がデイダラが言っていた生存者達ね?私は南 リカ。静香の友達で、一緒にこの部屋で暮らしているわ」

 

 

静香の頭を撫でていたリカは冴子達を見回しながら自己紹介した。目の前にいる人物がオイラと住んでいる人だと知った孝達は自分達も自己紹介をした。

 

 

「成る程…高城さんに毒島さん、宮本さんに小室君に平野君ね?よろしく。…あ、そうだ。さっきの術については女性陣には私がお風呂で教えてあげるわ。小室君と平野君にはデイダラが教えてあげて」

 

「あぁ、了解だ…うん。オラ、2人共。上の部屋行くぞ…うん」

 

「あ、それともみんな入った後に2人で入る?デイダラ?」

 

「「「「「はぁ!?」」」」」

 

 

リカはニヤリと笑いながらオイラにそう言ってきた。あの顔は半分本気で言ってやがるな。半分は早く風呂に入りたいからだろうな。

 

 

「ちょ!?な、何言ってるんですかリカさん!?」

 

「え?別に構わないでしょ?私達だし」

 

「だ、だからって!幼馴染でも彼とお、お風呂に入るのはどうなのよ!?」

 

「あら?もしかしてデイダラ、貴方私達の事それだけしか言ってないの?」

 

 

リカは首を傾げながらオイラの方を見た。いや、言える訳ねぇだろうが。だってオレ達……。

 

 

「私達、付き合ってるのよ。ただし、双方合意の上で静香も彼と付き合ってるけどね」

 

「「「「「はぁぁぁぁぁ!!!?」」」」」

 

「だから言いたくなかったんだ…うん」

 

 

 

 

 

 

南 リカside…

 

私と静香とデイダラの関係を話したら静香の学校の生徒達がかなり混乱してたけど、取り敢えずその事も含めてお風呂に入りながら全部説明するという提案を出してその場は収まった。

それにしてもやっと汗を流せるわ。なんだか色々あり過ぎて何日もお風呂に入ってない感じがする。

私は一足先に服を脱いで風呂に入り、シャワーを浴びて湯船に浸かった。静香達は私が湯船に浸かった頃に入って来た。

 

 

「ん、ん〜〜!はぁ…気持ちいいわ〜♪」

 

「あ、あの〜…リカさん。暁月と静香先生と貴女の3人が付き合ってるっていうのは…本当なの?」

 

 

私が体を伸ばしていると、ピンク色の髪をした子…確か高城さんだったわね。彼女が早速聞いて来た。毒島さんも気になるのか私と静香の方を見てるし、宮本さんも私達を見ている。…でもこの子、さっきからちょっと暗い顔してるのよね。

 

 

「本当よ。2年ぐらい前に、デイダラの誕生日に私と静香でお祝いしてね。その時に私と静香が酔っ払って、デイダラを押し倒しちゃったの。それで勢いでそのまま静香と2人で襲っちゃって、気が付いたら次の日の朝…」

 

「その後、酔いが覚めた私達はお互いに話し合って、2人でデイちゃんと付き合おうって話になったの。私もリカも、デイちゃんの事大好きだったし♡」

 

「「「………」」」///

 

 

静香が途中で私の代わりに残りの説明をしてくれた。静香が少し顔を赤くしながら嬉しそうに話す中、高城さんと毒島さんは顔を真っ赤にしてゴクリと喉を鳴らした。宮本さんも顔を赤くしていたが、どちらかと言うとションボリしている。………もしかして?

 

 

「ねぇ、宮本さん。ちょっと聞きたいんだけど…」

 

「あ、はい。なんですか?リカさん」

 

「貴女……デイダラに惚れちゃった?」

 

「…………ファ!!?」

 

 

私の質問に宮本さんは顔を真っ赤にしてアワアワしだした。成る程、やっぱりそうだったの。さっきから分かりやすい反応だったものね。

 

 

「意外ね?てっきり小室の事が好きなんだと思ってたわ」

 

「た、確かにデイダラには何度も危ない所を救ってもらいましたし…じ、自分でもあの人に好意を寄せているような感じはしてました…けど……」

 

「私と静香が付き合ってるって知ってショックを受けたのね?」

 

 

コクリと宮本さんは頷いた。これは吊り橋効果ってヤツだったかしら?まぁデイダラって意外に面倒見がいいからね。警察にいた時も偶に後輩に色々アドバイスしたり、ご飯奢ってあげたりしてたし。

 

 

「じゃあ、宮本さんもデイちゃんとお付き合いすればいいんじゃない?」

 

「……え!?」///

 

 

静香が思いついた様にそう言った。確かに私と静香の2人が付き合ってる時点で今更1人増えても大して変わらないような気がする。

 

 

「確かにそれなら解決ね。私は別に気にしないし、静香もその案を出したって事は構わないんでしょ?後はデイダラに言えばいいわ」

 

「そ、そんな急には無理です!せ、せめてもう少しだけ時間を…」///

 

「ま、なんとかなるわよ。頑張りなさい。さて、次は【口寄せの術】についてね」

 

 

私は顔を真っ赤にしてモジモジし始めた宮本さんに少し笑いながらも次の話に移る。

 

 

「なんだか色々突っ込みたい所はあるけど、気にしないようにするわ。それで?貴女がいきなり現れたアレは何?アレも忍術?」

 

「そうよ。【口寄せの術】と言って、契約を結んだ人や動物なんかを召喚出来るのよ。まぁ、分かり易く言えばワープとかテレポートみたいなものよ」

 

「それ本当に忍術なの?完全に科学的に説明が付かないんだけど?っていうか忍術ってなんだっけ…」

 

 

高城さんは頭を抱えて唸り始めた。まぁ私も初めてデイダラにこの術を教わった時は似たような反応になったわ。さて、説明も終わったし、後はゆっくり湯船に浸かっていましょう。

折角のお風呂だものね♪




こんな感じでいいのでしょうか?正直どういう風にすればいいのか分かりません。ダメならばコメント下さい。書き直しますんで。

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