学園黙示録〜暁の芸術家になった転生者〜   作:☆桜椛★

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第13話だ…うん!

デイダラside…

 

 

風呂場の方が騒がしい。多分修学旅行の時みたいな感じで遊んでるんだろうな。因みにオイラの方はもう孝とコータの2人にオイラとリカ達の関係と、さっき見せた【口寄せの術】については説明済みだ。そして今は風呂に入る前に「私の銃出しといて。この子達に貸そうと思ってるから」とリカに頼まれたので、2人を連れてリカの銃が入ったロッカーのある2階にやって来た。

 

 

「楽しそうだな…」

 

「セオリーを守って、覗きに行く?小室」

 

「おいお前等、約2名オイラが付き合ってる女が居るってのにいい度胸じゃねーか?行ったらオイラのアートで昇華させてやるよ…うん」

 

 

オイラが割と本気で殺意を込めた目で背後の2人を睨み付けると、孝達は顔を蒼くして首を横にブンブン振った。事故で襲われたとは言え、今ではあの2人はオイラの大切な人だ。もし手を出したら跡形も無く消し飛ばしてやる。

オイラはロッカーの鍵を開ける間も2人を睨んでいた。

 

 

「ま、やらなかったらいいんだがな…うん」

 

「お、おぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

ロッカーの扉を開けた瞬間、先程までビクビクしていたコータがロッカーの中にある銃を見て大声を出して中を覗き見た。

てか顔こっわ!!

 

 

「【スプリングフィールドM1A1 Super Match】!!暁月さん!さ、触ってもよろしいでしょうか!!?」

 

「あ?あ、あ〜うん。いいぞ」

 

 

コータの勢いについ許可してしまった。コータは嬉しそうにロッカーにある【スプリングフィールドM1A1 Super Match】を取り出すと、実際に構えたりした。

 

 

「おぉ!凄い、凄いよ!!セミオートだけどM14シリーズのフルオートなんて弾の無駄使いにしかならないからいいよね!弾倉(マガジン)は20発入る、日本じゃ違法だ違法!クゥ〜!!」

 

「おい小室。コータって前からこんな感じだったのか?…うん?」

 

「いや、コレは僕も初めて見ました…」

 

 

コータはスプリングフィールドをしばらく観察した後、ロッカーの中にある他の銃を見て更に目を輝かせた。

 

 

「【ナイツ SR-25 狙撃銃】!!?いや、日本じゃそんな物手に入らないから、【AR-10】を徹底的に改造したのかぁ!?それにロッカーに入ってるのは【クロスボウ】!ロビン・フッドが使ってたヤツの子孫だよ!【Barnett Wildcat C5】!イギリス製の熊も殺せる【クロスボウ】だぁ!」

 

「おいコータ。悪いが熱くなるのは後にして、弾倉(マガジン)に弾を込めるの手伝ってくれ…うん」

 

 

オイラは【クロスボウ】の事まで詳しいコータにそう言いながらロッカーに残っている最後の銃を取り出した。

 

 

「それはぁ!!【イサカ M37 ライオット ショットガン】!!アメリカ人が作ったマジヤバな銃だぁ!ベトナム戦争でも活躍した!!」

 

「いい加減にしやがれ!!コレじゃあ終わるもんも終わらねぇだろうが!…うん!」

 

 

オイラがブチ切れてコータに怒鳴ると、コータは我に返って慌てて謝罪した。

ったくコイツ本当に二重人格なんじゃねぇか?銃を持つ前と後で全然違うぞ?

 

 

「とにかく2人共弾を込めるのを手伝え。小室もやり方ぐらいは大体分かるだろ…うん」

 

「あ、はい。まぁ…大体は」

 

 

オイラ達は床に座ってそれぞれスプリングフィールドと【AR-10】の弾倉(マガジン)に弾を込め始めた。しばらく弾を込めていると、孝がオイラに話し掛けて来た。

 

 

「あの、デイダラさん。リカさんってどんな人なんですか?ここにある銃は絶対違法だと思うんですが…」

 

「いや、基本的には違法じゃないよ?ここにある銃とパーツを別々に買うのは。それを後で組み合わせたら違法になる。でもあの人は警察の…ホラ、 SAT(サット)の隊員らしいし…」

 

「まぁな。リカは全国の警官の中でベスト5に入る程のスナイパー でな。ここにある銃は休暇の時とかにオイラと射撃場へ行って撃ってるんだ…うん。射撃の腕を鈍らせない為にな」

 

「デイダラさんも?じゃああの残っているロッカーにはデイダラさんの銃が?」

 

 

孝はそう言いながら視線を開いているリカのロッカーの隣にある更に2つあるロッカーに向けた。

 

 

「あぁ、あるぞ。まぁそっちは後でいい。だから先ずはこっちを先に済ますぞ…うん」

 

 

しばらくして全ての弾倉(マガジン)に弾を込め終え、次はオイラのロッカーの中にある銃だ。オイラは自分のロッカーの鍵を開け、扉を開けた。どんな銃が有るのだろうとワクワクしていたコータは待ち切れずにロッカーの中を覗いたが、中にある物を見て疑問符を浮かべた。

オイラのロッカーの中には、大量の巻物(・・)が入っていたからだ。

 

 

「あ、あの〜暁月さん?じゅ、銃はどこに?」

 

「黙って見てろ…うん」

 

 

オイラはロッカーから巻物を1つ取り出し、空いている場所で広げた。紫色の巻物には『銃』という文字を中心に、模様の様な文字が書いてあった。

 

 

「【開封の術】!!」

ボフンッ!

 

 

オイラが巻物に手を付けながらそう唱えると、巻物から煙が上がる。そして煙が晴れると巻物の上に、ロシアが開発したセミオート狙撃銃…【ドラグノフ狙撃銃】が鎮座していた。

 

 

「ド、【ドラグノフ狙撃銃】!ロシアが【AK-47】を参考にして開発したセミオート狙撃銃だぁ!!しかもスコープは【PSO-1】!」

 

 

目を輝かせまくるコータが【開封の術】を無視してオイラの【ドラグノフ】を見て興奮している。後1丁あるんだが…その前にコータが興奮し過ぎて死にそうなんだが?

オイラはコータを少し心配しつつも、ロッカーからもう1つ赤色をした巻物を取り出して【開封の術】を使用する。すると今度は【フランキ・スパス12】というショットガンが現れた。

 

 

「この2丁がオイラの銃だ。ロッカーにある残りの巻物には大量の手裏剣や苦無、煙玉、起爆札とかの忍具が入ってる…うん」

 

「しゅ、手裏剣や苦無って…デイダラさんってホントに忍者なんスね…」

 

 

孝が苦笑いしながらオイラを見ている。コータは新しく現れた【フランキ・スパス12】に夢中の様子だ。因みに弾も大量にある。巻物に封入しているがな。それと手裏剣や苦無は転生特典で貰った物なのだが、まさかガキの頃に宅配便で届くとは思わなかった。当時はこの世界の両親にバレないよう隠すのが大変だったのを覚えている。

まぁ…その両親は15年も前に交通事故で死んじまったがな。あの時程本気で泣き叫んだ事は今の所無いな。

オイラは昔を思い出しながらも【ドラグノフ】と【フランキ・スパス12】の整備を始めた。

 

 

 

 

 

 

オイラは取り敢えず全ての銃の整備を終え、暇潰しに孝とコータと一緒に話をしていた。そうしているうちに、この部屋の事についての話になった。

 

 

「それにしても、ホントにいい部屋ですね。ここ」

 

「確かにね。リカさんの実家は金持ちなんですか?それとも暁月さん?」

 

「半分正解だな。オイラは教えただけで、金持ちなのはリカ自身だな…うん」

 

 

一応オイラも警察で働いていた頃の金が結構ある。辞めてからは静香の世話をしつつ、新しく別の仕事を探していたが…こんな世界になっちまったら近い内に金は殆ど何の意味も無くなっちまうだろうな。

 

 

「あいつにもオイラは忍術を教えていてな。リカはそれを利用して今じゃ高級車や家をポンと買えるぐらいには金持ちなんだよ…うん」

 

「そういえば忍術を教えたって言ってましたね?忍術って誰でも覚えられるんですか?」

 

「いや、誰でもじゃない。人間には多かれ少なかれチャクラ…まぁ分かりやすく言うとゲームのMPみたいな物を持っている。詳しい事は今は省くが、 それを扱えないと術は発動しない…うん。そして忍術には火・水・風・土・雷の性質があるんだが、リカはかなり珍しい風と雷の混合の“磁遁”…まぁ金属を操る術を身に付けたんだよ…うん」

 

「それと金持ちになるのとなんの関係が?」

 

 

孝とコータは意味が分からないと言いたげな顔で聞いてくる。さて、“磁遁”を使える=お金持ちになるでリカが何を考えたか分かる人は前世の世界でどれくらいいるのだろうか?答えは……。

 

 

「それは『きゃあ!ちょ、ちょっとリカさん!?』『へぇ?なかなかいい肌触りね』『ちょ!どこ触って…あ!』……あいつは…」

 

 

風呂場から聞こえてくる声を聞いてオイラは頭を抱えた。コータは顔を赤くしてポーッとした様子で風呂場の方に目をやり、孝は慌てて置いてあった双眼鏡を掴み取ってベランダに行った。外の様子を見にいったのだろう。

 

 

「流石に騒ぎ過ぎじゃないですか?」

 

「確かにな…ちょっと行って注意してくるか…うん」

 

「いや、大丈夫だと思いますよ……」

 

 

リカ達に静かにするように言いに行こうと腰を上げた時、ベランダに行った孝が必要ないと言った。何が見つけたのかとオイラとコータもベランダに向かうと、孝は双眼鏡で橋の方を向いていた。橋の方はライトで明るくなっており、遠くからでも分かる程の騒ぎになっていた。

オイラもスコープで見てみると、橋ではブルドーザーまで引っ張り出してまで交通規制を行なっていた。しかし騒ぎに誘われて〈奴ら〉が集まり続けており、それから逃げる為に市民達が早く橋を渡ろうとして更に騒ぎになっている。この辺りに〈奴ら〉があまりいなかったのは殆どが橋の騒ぎに誘われて行ったからだろうな。

 

 

「……確かにアレなら必要ないな…うん」

 

「まだ2日も経ってないのに……なんだよコレ?映画みたいだ」

 

 

孝は双眼鏡を隣にいるコータに渡して橋の様子を見せた。

ホントに映画だったら良かったんだがな…。

 

 

「…地獄の黙示録に、こんなシーンが…?なんだアレ?小室、テレビ点けてみて」

 

「何か見つけたのか?…うん?」

 

 

コータに言われて孝は部屋のテレビを点けた。オイラとコータも部屋に戻り、テレビを見る。そこではちょうどオイラ達が観察していた橋の様子が映し出されていた。

そこでは警察や政府に抗議する団体らしき人々が何を叫んでおり、話を纏めると、日本とアメリカが合同開発した殺人病の原因である生物兵器が漏れてこんな事態になった為、コレを作った連中を糾弾し、橋を解放しろという内容だった。それを聞いたオイラ達はこの団体の正気を疑った。

 

 

「せ、生物兵器!?正気かよ!?死体があるいて人を襲うなんて現象、科学的に説明がつかないだろ!」

 

 

孝がそう叫んでいると、テレビの方で動きがあった。1人の警官が〈奴ら〉に発砲したのだ。それを見た団体のリーダーらしき男は更に騒ぎ出し、「政府の連中を許すな!」とか「殺人病感染者に愛を!」などと叫んでいる。すると1人の警官がリーダーらしき男に歩み寄っていき、カメラはその警官を映した。

 

 

『直ちに去りなさい。ここにいては貴方達も危険だ』

 

『断固拒否する!か〜え〜れ!か〜え〜れ!』

 

『『『『『か〜え〜れ!か〜え〜れ!』』』』』

 

 

警官はリーダーの肩を叩いて去るように警告したが、リーダーはそれを拒否し、後ろの団体達も警官に帰れと叫んだ。すると何かを呟いた警官はホルスターから【S&W M37】を抜いてリーダーの眉間に突き付け……。

 

 

『《パァンッ!!》ガッ!!?』

 

 

発砲した。これにはオイラも驚いた。団体達は悲鳴を上げ、カメラは止められた。砂嵐状態になったテレビを消す。

 

 

「もう警察でも手が付けられなくなってるな…うん」

 

「…すぐに動いた方がいいんじゃ?」

 

「それは悪手だな…うん。これだけ暗いと〈奴ら〉を見つけにくいからな…うん」

 

 

孝が焦った様子で提案するがオイラはその案を却下した。責めて日が昇ってからにしないと危険だろうしな。

 

 

「デイダラ〜?銃出し終わった?」

 

「あぁ、出し終わってるぞ……って!!なんつー格好してんだお前!!?」

 

「「ブッ!!?」」

 

 

オイラは階段を登って来たリカの格好を見て叫んでしまった。しかしそれも仕方ないだろう。何故なら今のリカの格好は、かなり刺激の強い服装だったからだ。どれくらい刺激が強いのかと言うと、孝とコータが顔を赤くしながら目を逸らし、鼻を押さえるぐらいだと言っておく。


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