学園黙示録〜暁の芸術家になった転生者〜   作:☆桜椛★

15 / 19
第15話だ…うん!

デイダラside…

 

 

オイラが【ドラグノフ狙撃銃】を手にしながらベランダに出ると、そこではコータが【AR-10】を使って数軒先の家の前に群がる〈奴ら〉の頭を撃ち抜いていた。やっぱりなかなかいい腕してやがるなコータの奴。

 

 

「おいコータ。件の女の子ってのはあそこの家にいるのか?」

 

「ひゅい!?あ、暁月さん!!すすすすみません!勝手に発砲して」

 

 

コータに話し掛けると、さっきまでハイテンションだったのに一気に下がってアワアワしながら謝罪し始めた。オイラは溜め息を吐きながらコータの隣に立って【AR-10】の銃口が向いている方へ銃を構えた。

 

 

「別に怒っちゃいねーよ…うん。あいつはこういう性格なんだろうなとは予想してた。それより早くお前も撃て…うん」

 

 

距離は大体75mってとこか?オイラもコイツ(ドラグノフ)を使うのは久々だし、試し撃ちぐらいにはなるか。

オイラはスコープを覗いてバイクで数軒先にある家の庭に入って行った孝を見つけ、庭の中にいる〈奴ら〉の数を数えた。

 

 

「1…2……6体だな…うん。おいコータ、お前は庭にいる6体を撃て。オイラは門から入ろうとする〈奴ら〉を撃つ」

 

「ッ!!了解!!」

 

 

コータはニヤリと笑いながら【AR-10】を構え、数回引き金を引いた。銃声と共に弾丸が発射され、それ等は吸い込まれる様に〈奴ら〉の眉間に命中した。距離は100もないがいい腕をしてるな。やっぱり。

 

 

「やるなぁコータ。じゃ、オイラも負けてらんねーな…うん!」

ダァーン!ダァーン!ダァーン!

 

 

オイラは門から入ろうとする〈奴ら〉に狙いを定め、3発の弾丸を放った。弾丸はオイラの狙い通りに飛んで行き、計7体(・・)の〈奴ら〉を撃ち抜いた。うん、腕は鈍ってなさそうだな。

オイラは狙い通りの結果に満足しながら今入ってる銃倉(マガジン)を使い切るまで撃つ事を決め、更に引き金を引いた。

 

 

 

 

 

 

平野 コータside…

 

 

暁月さんと毒島先輩が中に入った少し後、僕と小室は小さな女の子の手を引いて走る父親らしき男の人を見つけた。2人は灯りの点いた家を見付けると何かを叫び始めた。多分、助けを求めてるんだろうけど、距離があり過ぎて話は聞こえなかった。

すると突然父親の方がドアを開けた瞬間刺されて倒れた。それを見た女の子が泣き出してしまい、それに釣られて〈奴ら〉が集まりだした。それを見た小室と僕は女の子を助ける事にし、僕はここから小室の援護をしていたんだけど……。

 

 

「よし。いい感じだな…うん!」

ダァーン!ダァーン!

 

 

今は隣で【ドラグノフ狙撃銃】を撃ち続ける暁月さんを呆然と眺めている。彼は先程から1発も弾を外していない。それは僕も同じだし、彼は警察の特殊急襲部隊の元隊員だから分からなくもない。

僕が驚いているのは、彼が放った弾丸の数より、倒された〈奴ら〉の数の方が多い事だ。彼は1発撃って少なくて2人、多くて4人を倒している。僕も射撃とかに関しては天才だと思ってたけど、上には上がいるもんなんだなぁ。

 

 

「お!小室の奴門を閉めたな。後はオイラが迎えに行くだけだな…うん」

 

「え?…あ、本当ですね」

 

 

暁月さんがちょうど今入ってる弾倉(マガジン)を撃ち切った頃、小室が門の扉を閉めているのが確認出来た。中にいた〈奴ら〉は既に僕が全員倒している。どうやら女の子も小室も無事みたいだ。

 

 

「ん?小室の奴は何やってんだ?…うん?」

 

「はい?……あ」

 

 

暁月さんがスコープを覗きながらそんな事を言ったので、僕もスコープを覗いて見てみると、小室が刺されて倒れていた女の子の父親に物干し竿に掛けてあったシャツを被せ、上に花を置いていた。多分、もう死んでいるんだろう。

 

 

「………ありゃ、あの子の父親か?」

 

「あの子の手を引いて走っていたし、刺されて倒れたあの人にあの子は泣きながら抱き付いていたので…多分親子かと」

 

 

成る程なと暁月さんは【ドラグノフ狙撃銃】を立て掛けながら腰のポーチに左手を入れた。なんとなくそれを見ていると、僕が見ているのに気付いた暁月さんが話し掛けてきた。

 

 

「なんだコータ?気になるのか?…うん?」

 

 

暁月さんはニヤリと笑いながらポーチに入れていた左手を出して僕に見えるようにしてくれた。左手の中心辺りで暁月さんの『口』が何かをクチャクチャと噛み締めており、暁月さんが手の平を上に向けると、『口』が白い粘土を吐き出した。その粘土を暁月さんが握り締め、開くとそこには雉の様な形をした粘土作品があった。

 

 

「えぇ!!?なんですかそれ凄い!」

 

「ハッハッハ♪麗の奴も似た様な反応したぜ…うん!」

 

 

暁月さんは僕が驚くのを見て笑うとそれをベランダの外に投擲して指を結んだ。するとボフン!と粘土作品が煙に包まれて、人が乗れる程の大きさになった。

僕がその光景に驚愕して固まっていると、暁月さんは滞空する粘土作品に飛び乗った。ていうか落ちないんですねソレ。

 

 

「オイラは小室達を迎えに行ってくる。道を塞いでる〈奴ら〉を全員ぶっ潰してもいいが、弾の無駄使いだからな…うん」

 

「あ、じゃあ僕等はここを出る準備をしましょうか?」

 

「いや、その必要はない。最後に遠くで1発ドカンと音を立てておくから問題はない…うん」

 

 

暁月さんはそう言い残すとそのまま小室達の方へ飛んで行った。それを見送っていると、高城さんがベランダに出て来た。

 

 

「ちょっと平野!さっきから何やってるのよ!?」

 

「あ、高城さん。いや、小さな女の子を発見したんで、小室が救出に向かったのをここから暁月さんと援護してたんです。暁月さんは今さっき小室達を迎えに行きました」

 

「はぁ!?仕方ないわね…すぐに準備しなさい!ここを離れるわよ!」

 

「大丈夫ですよ。暁月さんが離れた所で爆発を起こすらしいですから」

 

 

僕が先程暁月さんに言われた事を高城さんに言うと、高城さんも納得していた。それにしても暁月さんの射撃は凄いなぁ。でも確かリカさんの方が射撃上手いんだよね?

………今度コツとか聞いてみようかな?

 

 

 

 

 

 

希里 ありすside…

 

 

「……パパ」

 

 

希里(まれさと) ありす》。それがありすの名前。今年で小学2年生になったの。本当なら今日だって学校で友達と遊んだり勉強したり、家でパパとママと一緒にお話したりしていた筈なんだけど……2日前、パパとママに連れられて家を出たの。

お外はいつもと違ってパトカーや消防車とかがサイレンを鳴らしながら走ってたり、怪我をした人が他の人を食べていた。そんな中3人で走ってる途中、ママと逸れちゃったけど、パパは「大丈夫、後で会える」って言って笑っていた。でも、いつもより暗い感じの笑顔だった。

そのままパパと走り続けて今日、パパが知らない人の家のドアを叩いて中の人を呼んでいた。しばらく誰も出てこなかったけど、ようやくドアが開いたと思ったら………パパの胸の所に包丁が刺さってた。

最初は何が起きたのか分からなかったけど、血を流しながら倒れたパパを見て慌ててパパの側へ行った。

 

 

「はぁ…はぁ…ありす。パパは…大丈夫だから。…何処かへ隠…れなさい。誰にも…見つからないように……何処…か…へ……」

 

 

パパは血をいっぱい流しながらありすの頭を撫でて動かなくなっちゃった。ありすでも分かった。パパは……死んじゃったんだと。

ありすは段々冷たくなっていくパパに抱き着きながら大声で泣いた。泣いていて気付かなかったけど、その内にあの怪我をした人達がありすに近寄って来ていた。怖かったけど、パパから離れたくなかった。そう思っていたら、怪我をした人が次々と倒れて行った。

ありすは今の内にパパの言った通りに何処かへ隠れようとしたけど、隠れる場所がなかった。壁の端に追い詰められた時は怖くて目を瞑って泣いてるだけしか出来なかった。

そんな時、バイクに乗ったお兄ちゃんが助けに来てくれた。お兄ちゃんは怪我をした人達を次々と倒していくと、門を閉めて、怪我をした人達が入ってこれないようにした。

 

 

「お兄ちゃん…パパ…死んじゃったの?」

 

「……君を守ろうとして死んだんだ。立派なパパだ」

 

 

お兄ちゃんはそう言ってパパに白いシャツを被せて、お花をありすに差し出した。ありすはそれを受け取ってパパの胸の上に置いた。またしばらく泣いちゃったけど、助けてくれたお兄ちゃんが静かにするよう言ってきた。

 

 

「大きな声を出しちゃいけないよ。〈奴ら〉が寄って来るからね」

 

「逃げられないの?」

 

「ドアがいっぱいなんだ」

 

 

お兄ちゃんにそう言われてドアの方を見ると、怪我をした人達がいっぱいいて、お外に出れそうになかった。でも、あそこを出ないと道路に出れない。

 

 

「道路じゃないとこを逃げればいいのに…」

 

「そ、空でも飛べってのか?」

 

「だったら、そうすりゃいいじゃねぇか…うん」

 

 

突然空から声が聞こえてきて、上を見上げると大きな白い鳥に載っている金色の髪をした人がいた。

 

 

「で、デイダラさん!?どうしてここへ!?」

 

「どうしてって…お前等を迎えに来たんだろうが…うん」

 

 

大きな白い鳥はゆっくりと着地して、金色の髪の人…デイダラさん?が降りて来た。

 

 

「さて、さっさと乗ってもらいたいんだが、そこの犬は嬢ちゃんの犬か?…うん?」

 

 

デイダラさんはありすが抱えている子犬を見ながらそう聞いて来た。この子はありすの犬じゃないけど、ありすの側にずっといてくれたから、いい子なんだと思う。

 

 

「違うけど、一緒に連れて行ってもいい?」

 

「別に構わねぇよ…うん」

 

 

デイダラさんはそう言ってありすと子犬を抱えるとジャンプして大きな白い鳥の背中に飛び乗った。凄いジャンプ力!

 

 

「あの〜……デイダラさん、僕は?」

 

「悪いが、こいつは2人と1匹乗りなんだ。お前は足で掴んでくから問題ねーだろ…うん」

 

「酷くないっスか!!?」

 

 

大きな白い鳥は翼を羽ばたかせて宙に浮かび上がり、足でお兄ちゃんの両腕を掴んだ。なんだかお兄ちゃんが悲鳴を上げてるけど、多分大丈夫だと思う。ありす達を乗せた大きな白い鳥は空を飛んで少し離れた場所の家に向かうと、デイダラさんがまたありすと子犬を抱えてベランダに降りた。お兄ちゃんもちょっと元気無さげだけどちゃんとベランダに降りた。

 

 

「暁月さん!お疲れ様です!」

 

 

ベランダには眼鏡を掛けたちょっと太ったお兄ちゃんがいた。デイダラさんがそのお兄ちゃんと話している内に、大きな白い鳥は再び空を飛んで遠くの方へ飛んで行った。なんとなくそれを見ていると、話を終えたデイダラさんが指を結んで飛んで行った白い鳥を見ていた。

 

 

「芸術は…爆発なのだァ!!………喝ッ!!」

ドゴォォォォォォン!!!!

 

「ひゃあ!!?」

 

 

デイダラさんがそう唱えると遠くの方で大爆発が起きた。ありすは驚いて目をパチパチさせていたけど、デイダラさんはなんだか興奮した様子だった。

今の、どうやったのかな?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。