スカーレット家長男の憂鬱   作:社畜マークII

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有名なSSネタですけど大分話は違いますから御安心を


幕間「フラン姉様の部屋から姉弟もののエロ本が出てきた…」

 

今日は紅魔館の手伝いをしている。仕事の内容は掃除を頼まれ部屋の整理整頓や身内じゃないと触れて欲しくないという部屋などの点検をしたりするというもの。メイド長はどうやら出掛けており今日だけでも頼みたいとのことだ。正直全く辛い仕事ではないので早急に終わらせて読書に勤しみたいものである。

 

そんなこんなで大体の部屋が終わりあとはフラン姉様の部屋が最後となった。ネズミやらが湧いていたら大変なので下から上まで隅々を箒や雑巾で埃を取る。掃除は嫌いでは無いし給料がちゃんと出るのでやる気も湧いてくる。

 

そんな風に意気揚々と掃除をしているとベッドの下に何かを収納できるスペースがあることに気づく。

 

「なんだこれ」

 

俺は掃除をしなければならないという使命感と何があるのか気になるという好奇心に支配されてしまった。

こうなってはもう後戻りは出来ない。俺は導かれるままにそこの収納の取っ手に手を掛けた。

 

「あれ?開かない…」

 

鍵がかかっているのか開かなかった。そりゃあそうだ、フラン姉様にも見られたくないものの一つや二つあるだろう。そう思い諦めて取っ手から手を離す。しかしそこで俺は取っ手の横にある四つの数字を見てしまった。

 

「これ数字入力で開けれるタイプだったのか」

 

四つの数字、俺は無意識にフラン姉様の誕生日を入力していた。開かない。次にレミリア姉様の誕生日を。開かない。次はメイド長の、その次はパチュリーさんの、またその次は美鈴さんの。だが全て開かなかった。

 

「これはわからんなぁ」

 

もう流石に諦めて掃除の続きをしようとする。しかし、諦めかけた俺の脳に天啓が舞い降りた。

 

あ、俺の誕生日だけまだだったわ、と。

 

「えーと、これとこれとこれとっ…と」

 

姉の収納を開けるために四つの数字を必死こいて入力する弟というただの変態の所業だということにこの時気づけば後の悲劇を回避出来たというのに、アルクは目の前のロックを開けることしか考えていなかった。そして入力し終わったその鍵からカチリ、という音が聞こえてきた。

 

「お、開いた」

 

すかさず俺は取っ手を回し収納を開いた。そしてそこにあったものは

 

『弟の〇〇を〇〇〇』

 

『弟でも愛さえあれば〇〇しても問題ないよね!』

 

『〇〇〇を〇〇〇〇〇して〇〇〇〇〇〇してしまう姉』

 

という見るのもおぞましいアダルトコミックの数々だった。コンプライアンスに反しすぎていろいろヤバいわこれ。ドン引きなんですけど。俺がそうやって恐怖で慄いていると後ろからバサッという何かが落ちる音がした。

 

「あ」

 

そして、そこには驚きすぎて表情が固まってしまっているフラン姉様が居た。

 

「ふ、フラン姉様」

「違うの」

 

何がだよ。あんな大切にしまってて何も違う要素無いだろ。

 

「いやだってこれ」

「それは全部レミリア姉様の物なの」

 

えぇ…それどっちにしても嫌なんですけど。

 

「私がレミリア姉様の部屋でこれを見つけて没収してたの、だから違うの」

「え、えぇ…」

 

そうなのか…そう思いその本をチラッと見る。ん?なんか白い紙が挟まれてる。なんと、そこにはフラン姉様が反論出来ぬ程に確固たる証拠が書いてあった。

 

「フラン姉様」

「ど、どうしたの?もう疑いは晴れたよね?」

 

めっちゃ目泳いでるじゃねーかこの人。やっぱお前が犯人だろ。

 

「この紙は何?」

「あっ」

 

その白い紙にはこう書いてあった。

 

「『これはフランの本だからレミリア姉様は勝手に読まないでね☆もし読んだとしても返しておくこと!』」

「ごめんなさい私の本でした」

 

完璧なまでの土下座、この人プライドを完全に捨ててるようだ。

 

「端的に言って最低だよフランドールさん」

「名前にさん付けで呼ぶのは死にたくなるからやめて!」

 

見たくもないがとりあえずその本をパラパラとめくる。案の定どこか俺に似た弟くんは大変なことになってた。

 

「『頑張ったねー、偉いぞー』」

「お、音読するのは本当に勘弁してください」

 

ますます小さくなっていくフラン姉様。流石に言いすぎたか。いや、よくよく考えてみると弟もののエロ本溜め込んでる姉ってヤバいからもっと言うべきか?

 

「どんだけマニアックな本持ってるのさ」

「いや、でもそれはまだ普通ぐらいのやつだから…」

 

え、これで普通なの?こんなやばいことになってるのに?弟くんエグい目に遭ってるよ?

 

「まあとりあえずこれは見なかったことにするね。フランドールさん」

「ちょっ、見なかったことにしないでいいからその呼び方いい加減やめてよぅ!」

 

しょうがないだろ、距離取らなきゃ襲われそうだし。

 

「襲われそうだし」

「いや、そんなこと…」

 

え?断言できないの?嘘だろこの人。

 

「これから一週間は近づかないでね」

「無理です死んでしまいます…」

 

いっその事三日ぐらい死んだらその変態性も治るんじゃないか?

 

「じゃあ聞くけど、フラン姉様的には何処までが姉弟間のスキンシップなの?」

「え、今それ聞くの?」

 

むしろ今聞かなきゃ俺が危険だろ。全部姉弟のスキンシップで済まされたらたまったもんじゃない。

 

「とりあえずフラン姉様の思う姉弟間のスキンシップを言ってみてよ」

「えっ…そうだね」

 

フラン姉様は少しの間考えて口を開いた。

 

「まずはキス!」

「ちょっと待て」

 

こいつの頭がおかしいのか、俺の耳がおかしいのか。どっちだ。

 

「え、姉弟でキスはするじゃん!」

「しないよ!」

 

するわけねーだろ!いい加減にしろ!

 

「キスって言ってもあれだよ?〇〇と〇〇同士でのキスとかじゃないよ!?」

「当たり前でしょ、ぶん殴るよ?」

 

この人と喋ってたら頭がおかしくなりそうだ。大分俺も語気が荒くなってしまっているが仕方ないだろう。悪いのはフラン姉様だ。

 

「というかアルクもアルクだよ!いっつも私がどれだけ我慢してるかわかる!?」

「わからないからこうやってキレてるんだよ?」

 

まさかの逆ギレだ。ガバッと上げた顔に膝蹴りを叩き込んでやりたいが、もしやったとしても俺の膝が壊れるだけなのでやめておく。やだ…俺の身体貧弱すぎ…!?

 

「いっつもお風呂上がりの赤らんだ顔で私に擦り寄ってきて!一緒にお菓子食べてるときにどれだけ私が歯を食いしばって耐えてるか!もはや食べるべきものがアルクなのかお菓子なのかわかんなくなるよ!!」

「知らないよ」

 

ほんと知らねえよ、二億回ぐらい死ね。

 

「今日はいつもと違って冷たい態度だけどそれもまた好き!!抱いて!いやむしろ私が抱く!!」

「いや近づかないで、これ以上近づいたらレミリア姉様に言うから」

「もう我慢の限界!!問答無用!」

 

フラン姉様がいよいよ強硬手段に出てきた、見事なまでのルパンダイブだ。俺は成すすべもなく狩り尽くされる、そう思っていたが突如フラン姉様の頬に拳が突き刺さった。そのあとも何者かがフラン姉様に馬乗りになって殴った。

 

「オラッ!オラッ!!」

「グバッ!グバッ!」

「フラン!何してんのよあんたぁ!」

 

レミリア姉様がギリギリで助けてくれたようだ。やはりこの人は頼りになるな。紅魔館の主なだけはある。半泣きではあるが。

 

「話を聞いた時、どんだけ私にハチャメチャが押し寄せてきたと思ってるのよ!」

「泣いてる場合じゃないよ、お姉様…」

 

お前はもう黙って大人しくしてろ。

 

「レミリア、持ってきたわよ」

「パチュリー、ありがとう」

 

お、パチュリーさんまで来てたのか。何やら頭につけるヘッドギア的なものを手に持ってるけどそれ何に使うんです?

 

「とりあえずアルク、つけなさい」

「え」

 

なんで?

 

「これは辛いことぜーんぶ忘れられる夢の装置なの。だから身を任せてくれたら明日からまたいつも通りの日々に戻れるわ」

 

怖い怖い怖い怖い。笑顔でとんでもねぇ事言ってんなこの人。やっぱりまともなのは俺だけのようだ。しかしどれだけ俺がまともでも反抗などできる訳もなく為す術なくその装置をはめられる。

 

「おやすみなさい、アルク」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう!アルク!」

「あぁ、おはようフラン姉様」

 

今日はいつも通り紅魔館の手伝いだ。部屋の掃除を…ん?何か忘れてるような…

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