あと、結構更新空くこともあるかもなんで、生存確認とか、「オラ!書けオラ!!」とか言いたいときはTwitterやってるんで良ければどうぞ!
@you20190708
「ふわぁ〜…」
「なんだアルク、眠いのか?」
人斬りの話を聞いてからというもの、外には全くと言っていいほど出ていない、というか出してくれないと言った方が正確かもしれない。
まぁ、藍さんは相変わらず尻尾で俺の事を包み込んでくれるし、元々インドアな分外出する必要も無いから特に困ってもないけど。
俺が尻尾に埋もれてスピスピ寝てる間にも藍さんは紫様関係の書類を片付けていく、正直俺がここに居ても何の役にもたたないし大人しくしとくのが吉だろう。
「ふふっ…可愛い寝顔だな…食べてしまいたいぐらいだ」
「ヒェッ」
食べないでください(マジ顔)
「あら、アルクがまた藍の尻尾に埋もれてる」
「ええ、どうやら気に入られたようで頻繁に布団にされています」
「羨ましいわね…」
頬をプクッと膨らませ、分かりやすく嫉妬する紫様。
おい、あんた何歳だよ。その行動が許されるのは十代までだからな、わかってんのか。俺は失礼なことを考えながら狸寝入りを決め込む。起きてもいい事ないしな。
「藍、人斬りの事だけど」
「何か分かったのですか?」
「いいえ、
え?この人腐っても妖怪の賢者だぞ?その人に情報を掴ませないとかどんな化け物だ?
「なんというか…
「それは…」
「ええ、そういう能力でしょうね」
はえ〜、すっごい。俺もそんな能力欲しいなぁ…、全力で陰湿なことしてもバレない程度の能力とかかな?
「けど多分だけど…この能力は、何かしらの制限があるはず。でないと私に効いてるのはおかしい」
「でしょうね、紫様に能力で対抗出来るほどの実力者ならもっと大規模な被害が出てるでしょう」
一定の基準があるってことか?ならなおさら警戒すべきだろうな、マジでこの幻想郷をひっくり返そうとしてる奴なら、まずはその基準で最も有利を取れる相手を再起不能にしに行くはずだ。
「何はともあれ、アルクはこの家から絶対に出さないこと。いいわね」
「はい、承知しています」
閑話休題
妹紅は、あまり恐怖心を感じることは少ない。不死身の肉体、自分の能力の高さなどを見積もってみても、負けることはあっても死ぬことはないからだ。
そのためあまりにも不用心である、その油断は、慢心は、弱者にとっては大きな隙となる。
「とか、考えてたんだろうなぁお前も」
「バケモノめ…」
噂の人斬りは、妹紅に投げ倒され足蹴にされ地面に這いつくばっていた。
「
妹紅は覚えの悪い子供に言い聞かせるように、人斬りの周りをゆったりと歩きながら自らを語っていく。
「私はな、不死身の人間が首を落とされることの怖さを理解しているんだよ。いきなり意識が無くなるのは
「なら、何故あのとき…」
「動いてお前を投げ飛ばせたかって?」
「!!」
簡単な話だ、と妹紅は少しニヤつきながら人斬りと目線を合わせる。
「首を切り落とされても、強く身体に命令を残しておけば
「貴様ほどの上位者が訓練だと…!?」
まあ、これはあのニート蓬莱女に対抗する為に身につけたんだがな、と心中で少しイラつく妹紅。
「弱者には持ち得ない能力を持ち、我が物顔でこの幻想郷を歩く貴様のような人間が訓練をするなど…馬鹿げている…!!」
「別に、私が何しようが勝手だろ」
「黙れ…!所詮貴様らには弱き物の気持ちなど分かるまい…!!」
「支離滅裂だな、それに…」
弱者を斬るお前が弱者を語るな、と思う妹紅。まぁ何を言っても変わらないのだろうと結論付けた妹紅は捕縛を優先しようと人斬りに近づく。
「覚えていろ…俺はさらに強くなり戻ってくる…!そして、この幻想郷の強者を殺し、幻想郷を必ず…」
「はいはい、あとは人里で聞く…っ!?!?」
妹紅は驚き、焦った。何故ならばその人斬りが、煙に姿を変え、どんどんと存在そのものが希薄になっていくのを感じたからだ。
「油断したな!!その慢心こそが貴様ら強者の弱さよ!!」
「チッ!!待て!!」
妹紅は全力で走った。しかし、駆け出した時には人斬りは姿を煙に変え、完全に逃亡に成功したようだった。
「くっそ!逃げられたか…」
「とりあえず慧音にこのことを伝えて、人里で注意喚起しないとな…」
妹紅は「何故この時こいつを殺しておかなかったのだろうか」と後々になって激しく後悔することになるとはこの時、露ほども思わなかった。
閑話休題
平日の昼間からゴロゴロ〜ゴロゴロ〜。あーあ、藍さんの尻尾を揉むだけで時給が発生しねぇかな〜。
「あっ、こらっそんなに揉むな。そこはわりと敏感なんだ」
「すいません…」
チェッ、っと心の中で悪態をつきつつ特にやることも無いのでゴロゴロしてる俺。
「アルク、そういえば庭の掃除がまだなんだ。まだ寝ててもいいが良ければ頼めるか?」
「あっ、はい全然大丈夫です…」
藍さんの尻尾は名残惜しいが、ここでごね回したら今まで築き上げてきた俺のキャラが完全に破壊されてしまう。ここは普通に素直に掃除しに行こう。
「ありがとう、本当にお前には助けられてる」
「いえ、居候の身なので当然です!」
「いやいや、お前はもう居候なんかでは無いよ」
「え」
え?俺居候じゃなかったの?じゃあなんですか?ニートですか?俺、藍さんに真っ向から「早く働け、ニート」とか言われたら泣いちゃうよ?
「お前はもうこの家の家族だ、八雲家長男と言ってもいいな」
あ〜^ ^家族になるんじゃ〜^ ^
藍さんの母性溢れる笑顔と共にそんなこと言われてしまったら、筋肉超人であるこの俺も家族にならざるを得ない(?)
「あっ、ありがとうございます…光栄です」
「ふふっ、照れているのか?可愛いな…」
藍さんと妹紅さんだけは俺にとってのオアシスなんだ、この二人だけは絶対に俺の為にも、ボロを出さずに接していこうと思う。
閑話休題
とりあえず掃除だ、庭にまばらに散らばっている葉っぱや木の枝などを竹箒で回収して、雑草を抜き、ついでに花に水をやるだけの簡単なお仕事だ。
「ふんふんふん〜♪」
今日は一日藍さんの尻尾にまとわりつけたし、結構良い日だった気がする。鼻歌が出てしまうのも致し方ない。
ズリ…ズリ…ズリ…
「ふんふんふーん♪」
あ、今日の晩御飯なんだろう。昨日、猪を人里でお裾分けされたから、牡丹鍋
かなぁ。楽しみだ。
ズリ…ズリ…ズリ…
ん?なんだろうこの何かを引きずるような音は?
「ぐっ、あのバケモノめ…次こそは必ず…」
…あー、俺は何も見てない。庭になんか包帯ぐるぐる巻きの腰に刀さした不審者がいるとかそんな幻見えてない。
「おい…そこのお前…」
「牡丹鍋楽しみだなぁ(震え声)」
「見て見ぬふりをするな」
「ヒェッ…」
なんか話しかけられてるぅぅぅ!!こわひぃいいぃい!!
「お前、ここの住人か」
「はい…居候ですけど…」
「そうか…いきなりで悪い、対価は後払いになるが俺をここで休ませてくれないか?」
「え」
ちょっと待てや、不法侵入&銃刀法違反の犯罪者やぞ?助けるわけないやんけ!!クソが!!
「対価は…そうだな…強者に怯えることがない世界とかどうだ?」
「僕の部屋、狭いですがどうぞお入りください」
そこのところもうちょっと詳しく教えてください。
あと、人斬りが『男』とは明確には言ってないみたいなところある