スカーレット家長男の憂鬱   作:社畜マークII

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幕間「レミリア姉様の部屋からしわくちゃの俺の写真が出てきた…」

俺はこの前の掃除を任されたとき以来、もう掃除をしなくていいと言われた。俺の掃除の仕方が悪かったのかと疑問に思い聞いてみたところ、そうではないらしい。なら何故と思ったがレミリア姉様が笑顔でもういいの、と言ってきたのでそれ以上聞くのはやめた。俺は賢明な判断をしたと思う。

 

それからはもっぱら書類の整理をしている。特に難しいわけでもなく惰性で出来る仕事だ。ただ、量だけは多いので少し手は早く動かさないといけない。まあそれも前世に比べたらぬるいものだ。俺は仕事部屋のレミリア姉様の横でそんなことを考えながら仕事をしていた。

 

「アルク、無理はしないでね」

「大丈夫、すごく楽だよ」

 

そう、楽すぎる程にこの仕事は楽なのだ。小学生でも教えたら一日で覚えられる。

 

「あらそう?ならちょっと私の部屋に行ってこの資料取ってきてくれないかしら」

「お安い御用だよ」

 

メモを渡され資料の内容と保管してる場所を把握する。レミリア姉様の部屋は二つほど横にあるので歩いて向かう。

 

ドアの前についた。がちゃりとドアノブを開けて中に入る。中からは不快にならない程度の薔薇の匂いがし、鼻腔をくすぐる。このまま匂いを嗅ぐというのは変態臭いのでとりあえず指定された場所に資料を探しに行く。

 

机の棚の中にあるとのことだが何段目だろうか、とりあえず三段目から開けてみるか。棚を引く、()()()すんなり開いた。ん?今度は?前があったかのような言い方になってしまった。俺はこんなことをしたのは初めてだというのに。

 

「えっと…ここじゃないのかな…?」

 

どうやらここでは無いようだ。香水やなんやらが一杯入っている。うわ、これめっちゃ高そう。しかし俺はそこで違和感に気づいた。

 

「ん?」

 

()()()()()()()

 

そう、何やら二重底になっておりこの下があるのだ。まさかここに資料があるのか。なんとわかりにくい。俺は少し怒りながらその二重底になっている板を外した。

 

そう、外してしまった。

 

「ひっ…」

 

そこにはおびただしい量の俺の写真。しかもそれの全てがカメラ目線では無く何処か違うところを向いていた。さらに何故か全てしわくちゃ。その事実が指し示すものは、この写真は、

 

───盗撮だということだ。

 

「嘘だろ…あのレミリア姉様が…」

 

俺の顔が冷や汗でジトリとぬめり出す。そこに俺の焦りが現れていた。フラン姉様ならまだ冗談で済ませられた。しかしあの人は、レミリア・スカーレットは、そんな人じゃないはずだ。そんなことを考えていると俺の入ってきた扉がギィィ…と開いた。そこには

 

「あ」

 

惨めにも扉で身を隠そうとしてるレミリア・スカーレットが居た。

 

 

 

 

「最低だよ」

「ごめんなさい」

 

綺麗な土下座だった。三指をついた優雅な土下座。あの後は凄まじい程に怒涛の展開だった。おずおずと姿を現しゆっくりと土下座を始めたので面白くて少し笑ってしまったじゃないか、いや笑ってる場合じゃないよ。

 

「というか言ってくれたら写真ぐらい写ったのに」

 

ほんとこれだ。言ってくれたら何枚でも写るよ俺。

 

「いや、その」

 

言いにくそうにするレミリア姉様、何故そこでどもる。めっちゃ気になるんですけど。尋問するの怖くなってきた。

 

「まあいいよ、とりあえずこれ全部処分ね」

「え」

 

当たり前だろ、これなんかほぼ裸じゃねーか。何処にカメラ仕掛けてんだよあんた。

 

「それだけは!せめて一枚!せめて!」

「えぇ…」

 

プライドの欠片も無く俺の足にすがり付くその姿に涙を禁じ得ない。あのかっこいいレミリア姉様は何処に行ってしまったんだ。カリスマ終了のお知らせにより俺のSAN値も急下降していく。

 

「ていうか何でこれ全部しわくちゃなの」

「えっ!?いや、あの、勘弁してください…」

 

あっ…(察し)

 

「最低」

「ぐぅの音も出ない」

 

いやほんとこれはヤバいだろ、何故姉が自分の写真でいろいろしてることをここで暴露されなきゃならないんだ。こっちは弟としての記憶がバッチリあるからなんか気まずいんだよ!

 

「咲夜さんにも報告させてもらうから」

「いや、それだけは、ほんとに。紅魔館の主クビになるから…」

「クビになったらいいと思うよ」

 

出ていけと言わないだけマシだと思って欲しい。

 

「だって…」

「ん?」

 

「だってアルクがエロいのが悪いんだもん!」

「ええ!?」

 

嘘だろ!?この人逆ギレし始めたぞ!立ち上がってこちらににじり寄ってくるその姿はさながらプレデターだ。俺は哀れな捕食者によって

無残にもいろいろなものを散らされてしまうのだろう。いや、そんなこと認めてたまるか。

 

「だ、ダメだよ!姉弟だよ俺達!」

「そんなの関係ない!ヤってしまえばそれはもう男と女!ヤれば良かろうなのだー!!」

「め、めっちゃ本性現してるぅうぅ!!!」

 

俺はもう死を覚悟した。ここで哀れにも何もかもを奪われ気がつけば弟兼夫となっているんだろう。もうおしまいだ、俺は諦め身を委ねた。

 

しかし、天はまだ俺を見放さなかったようだ。

 

突如としてレミリア姉様の頭がガッシリと何者かによってアイアンクローされる。

 

「お嬢様」

「あっ」

 

「何を…やってるので?」

 

レミリア姉様の悲鳴が紅魔館中に響き渡り、この異変は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

「あの、ありがとうございました。咲夜さん」

「いえ、当然のことをした迄ですわ」

 

そう言って瀟洒に笑うメイド長、まあ美人。

 

「アルク様、もう眠られた方が良いのでは?今日はいろいろなことがあり疲れたと思われるのですが」

「そ、そうですね…もう寝ます」

「ええ、ええ。そうされるのが一番かと」

 

そう言って部屋まで俺の横に着いてきてくれたメイド長。やっぱりこの人が一番の良識者だな。この人に一生ついて行こう。

 

「ではおやすみなさい、アルク様」

「うん、おやすみなさい…」

 

ふぅ…今日は色んなことがあったけど、明日は楽しいことがあるといいな…

 

 

 

「いい夢を…アルク様」

 

 

 

 

 

 

 

「アルク様!この美鈴が庭の手入れの仕方を御教授します!」

「あっ、はい!お願いします!」

 

今日は庭の手入れの手伝いらしい。あれ?また何か…忘れている気がする…。

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