「え~。つまり、子供って言うのはなかなか死なないしぶといんもんなんです。分かりましたか?ちなみに質問は受け付けません」
これでよし。
「で?どうやったらアリシアを助けてもらえるのかしら?」
本当この人はアリシア大好きっ子だな。
「まぁ……別にいいけどさぁ……」
「まさか……何か条件があるのかしら?」
それはもうたっぷりと。
「なら遠慮なく。まず1つ。フェイトそんに謝りなさい。心を込めて土下座れ。どんなにあんたがフェイトそんが嫌いなのかも知れないけど育てたのはあんただ。それを親と言わずになんと言う」
「……………」
「母さん。そんな、私は……後、そのそんって何ですか?」
気分。
後、敬語はいいと思う。
同い年なんだし。
なんと言うか敬語だと文章的にアイン……アイン何とかさんと被る。
そしてフェイトそんの場違いな質問に和みつつ、
「……そうよね。今考えてみれば私はフェイトに母親らしい事なんて1つとしてやって来てなかったわ」
プレシアさんはフェイトそんの前で座り込み、頭を地に付けながら
「フェイト……。今まで、ごめんなさい。私、どうかしてたんだわ。私は、貴女を……」
泣きながら謝っていた。
「母さん。顔を上げて?私が母さんのためにやりたかっただけだから……。母さんは何も悪くないから……」
そして抱き合う親子。
双方共に涙を流しながらの抱擁だ。
不覚にもウルッと来た。
私が泣くのは未来の猫型ロボットの映画と天使の音の最終回くらいなのに。
「あの、えっと……アリシアを……姉さんの目を覚まさせるには他にどうすればいいんですか?」
「いや、もういいです。たっぷりあったけどもういいです。私が悪うござんした。後、敬語はいいから」
よし、これでもういいよね。
アリシアちゃんを復活させよう!
「これで大丈夫だよね?テスタロッサ家は仲良く暮らせるんだよね?」
「ええ……。でも私はジュエルシードを護送していた船を襲っちゃってるのよ?それはどうすれば」
「そんなの新しい魔法を試してたらたまたま転移しちゃってその先がたまたま護送船だったからって言えばいいと思うよ」
さて、これで……
「じゃあ何でジュエルシードを集めて「うるさいよ!?それは責任とって集めてたって言えばいいの!」
「おい……。そりゃいくら何でも横暴と言うか、こじつけと言うか、無理があるんじゃないか?」
なにこのイケメソ。
怒ってんの?
「私はただハッピーエンドが見たいだけだから。そのためには何があろうと屁理屈で通す」
それが私の道。
目の前で誰かが犠牲になりそうなら私が犠牲になる。
それでハッピーエンドになるのならそれくらい安いもんだ。
「……それは、自己満足か?」
「…だから?」
私は私が満足すればいい。
それが私の、昔からの心情だ。
その前にこの人誰?
「そうかよ。だがな……いや、言うだけ無駄か。どうやら、あんたとは分かり合えそうにないな」
「そんなものはこちらから願い下げ。貴方とは分かり合いたくもない」
なにこのイケメソ。
そんなにも自分のスタイルを私に押し付けたいの?
「さってと……アリシアちゃんを生き返らすとしましょうか。そこの男。あんたは何処か行きなさい。仮にも女の子の裸があるんだから」
「…………………」
男は何処か行った。
その背中をフェイトそんは悲しそうに見つめている。
あんな死亡フラグ満載っぽい奴のどこがよかろうなのだ?
「さて、プレシアさんや。アリシアちゃんをその筒から出してくれない?」
「え?でもそれじゃアリシアの身体が」
「だから急ぐ!今は植物状態なだけだから」
「そ、そうなの?……でも、分かったわ」
さて、アリシアちゃんがぬるぅんと出てくる。
そして私はアリシアちゃんのお腹に手を当て、霊力によるハッキングを開始する。
……骨格把握、終了。
……内蔵把握、終了。
……脳内は記憶の覗き見をせずに構造だけ把握、終了。
結果。
一気に無呼吸に陥ったために起こった脳内にある血栓による植物状態と断定。
それを私は霊力をもって粒子よりも細かく砕く。
そして最後に私の霊力をアリシアちゃんの心臓の位地に当て、霊力を直にそしてゆっくり注入する。
結局人の死と言うのはその人の魂と肉体を結ぶ糸のようなモノがが切れた事による現象だ。
だが、植物状態や仮死状態と言うのはその糸のようなモノが辛うじて繋がっている状態。
だから私がそれを霊力で補強する。
これで目を覚ます筈だ。
だが変化は無かった。
「……何でよ。何でアリシアは目を覚まさないのよ!」
私は頑張ったが、アリシアちゃんは結局、目を覚まさなかった。
ならば、それならば私は全力の殺気をアリシアちゃんに向ける。
それはある種の覇気や威圧と言っても過言ではない。
ピクッ
動いた。
少し、少しだが動いた。
ん?
もしかしてこれって……。
「アリシアちゃん、ちょいと失礼して」
私はアリシアちゃんの胸に手を当て、霊力を肺に向けて放つ。
するとアリシアちゃんの口から噴水のように黄緑色の液体が出てくる。
そして私はアリシアちゃんに人工呼吸を……。
ハァハァ……。
ハッ……。
わ、私は今何を……。
大丈夫だ。
正気に戻った。
いや戻れた。
そして人工呼吸。
「カ、ハッ……。ケホッ!ケホッ!」
やった。
アリシアちゃん復活!!
どうやら液体が肺に溜まってたから呼吸が出来なかったらしい。
アリシアちゃんはゆっくりと目を開けた。
「あ、アリ、シアなの?」
「……え?マ、マ?」
「ええ……。そうよ……。アリシア……」
感動の親子の対面だナァ……。
と、思ってると
ペチン
何か気の抜けた音が響く。
「え?アリシア?」
それはアリシアちゃんによる目が覚めてからの全力の、だけど弱々しい平手打ちだった。
「ママ……。私、意識、ずっと有ったんだよ?でも、こっちからは、話せないし、何も、する事が、出来なかった、けど、今なら、言えるよ?私の、大切な、妹をいじめないで」
「アリ、シア?」
「アリシア?」
「でも、ママ……。約束守ってくれたんだね……。私の、欲しかった、妹を、可愛い妹を、フェイトを、ありがとうね?」
アリシアちゃんは途切れ途切れに話す。
「本当に、ごめんなざい。フェイト……。私は、私は貴女に、何てことを……」
あらら……。
また泣き始めちゃった。
「えっと……貴女が、私を、助けてくれたんだよね?」
「そうだよ」
「だったら、これは、私が生きていられるのは、いつまで?」
え?
あれ?
成功……した筈だよ…ね?
「アリシア……アリシア!!まだ、まだ逝っちゃ駄目!まだ貴女に話たい事が……いっぱい」
「でも、私、またママと話せたし、しかも妹がいたから、もういいかなって思って……。最後に、フェイト…。私の事を、もう一度お姉ちゃんって、呼んで?」
「いくらでも、いくらでも呼ぶよぉ……。だから、逝かないで!お姉ちゃん……。お姉ちゃん!!」
「ありがとう……。それだけで、嬉しいよ。ありがとね?私に、少しだけ、猶予をくれて……。あはは、はは……。眠くなって来ちゃった。ママ、フェイト、そして……」
「刻、刻 紫煙」
「ありがとう。紫煙ちゃん……」
そしてアリシアちゃんは眠りに……って
「ちょっと待てい!!アリシアちゃんよ。貴女は今さっき私が復活と魂の補強をしたから変な事をしない限り寿命までは生きれるよ!」
何でそんな呆け顔するの?
「え?」
「だからアリシアちゃん。貴女は助かったんだよ?何で死ぬみたいな事を言ってるの?」
「ほんの、少しの、猶予じゃない、の?」
「猶予?貴女は確かに私が治したよ。だからしばらく安静にしておけば3日程で動けるようになるよ?」
「本、当?」
「本当」
「絶対、なの?」
「絶対」
私は絶対と言う言葉は嫌いだが、この時だけははっきり言える。
「アリシアちゃん。貴女は助かったんだよ?」
「助、かったんだ……。私」
「yes」
それから、アリシアちゃんはまた泣いた。
これまで出せなかった感情を全て吐き出すように泣いた。
それと同時にプレシアさんやフェイトそんも泣いていた。
親子っていいね。
それから私は今度来るとき自作の洋菓子を持って行く事を約束して、時の庭園を後にした。
…………あ、フェイトそんにもうジュエルシードを集めなくてもいいと言うのを忘れてた。
ちなみにファクト君の容姿はfateの士郎君の髪が紫色で、目が上条の当麻さんと同じ感じです。
紫煙ちゃんのお菓子作りは高町桃子さんと同レベル。