ネトゲをしていたはずの後輩が異世界召喚されて尊敬する先輩の元へ帰るために魔王として頑張る話 作:銅英雄
「くっ!妖しげな術を……!!」
待ち伏せをしてたエルフの1人がそう言う。まさかとは思うがコイツらは……。
「セルシオ!なんでここに!?」
「やっぱりというかシェラの知り合いみたいだね」
「シェラ様!貴方をお助けするために馳せ参じたのです!!」
(なんだか私達が悪者になってるような気がするのは気のせいかな?)
(大方誰かに法螺を吹き込まれたと考えるのが妥当でしょうね……)
(一体誰がなんのためにこんなことをしたのでしょうか?)
「奴隷商人!グリーンウッド王国の高貴なる姫で在られるシェラ・L・グリーンウッド様を返してもらうぞ!!」
セルシオとやらは俺のことを奴隷商人だと思っているらしい。まぁ何故そう思うのかは予想がつくが……。
そういえばすっかりグリーンウッドというのがエルフの王家系であることを忘れてたな……。
レムも信じられないような目でシェラの方を見てるし。
「……何故エルフが魔術師協会の名前で依頼を出した?誰に頼まれたかは知らんが、俺は奴隷商人じゃない」
「黙れ!奴隷の首輪が何よりの証拠だ!シェラ様の首輪を外せ!!」
(やっぱそうなるよなぁ……。まぁ魔術師協会で俺に恨みがある奴といったらある程度予想できるがな)
「ああ、やっぱりシェラとレムに着いている首輪は奴隷の首輪なんだ?」
(止めてアンズさん!もうディアベルのライフは0よ!)
「早く首輪を外してあげてください!」
(更にツボミの追い討ち!?俺だって好きで首輪着けさせてるわけじゃねぇよ!!)
「……いい御身分ね、少女2人を奴隷にするなんて。2人を使って毎日お楽しみかしら?」クスクス
(ランドルーフェンに至ってはわざとだよね?状況は自己紹介の時に説明したよね!?)
「貴様……!」ギリッ!
(セルシオとやらを煽っただけじゃねぇか!!全く……)
やれやれと頭を抱えるとシェラが前に出てきた。
「王家なんてどうでもいいよ!!」
「シェラ……?」
「王家の皆様は貴方のことを心配しておいでです!」
「兄さん達が必要としているのはあたしじゃなくて世継ぎでしょ!?あたしに子供を産ませたいだけなんだよ!!」
「重要なお役目です!」
(世継ぎねぇ……)
《僕はキメ顔でそう言った》
《いぇーい、ピースピース》
《貴方の住まいに心を構える永遠の死体人形、斧乃木余椄だよ》
「ブフォッ!?」
「急に吹き出してどうしたアンズ……?」
「い、いや……なんでもな、ないよ……。ちょ、ちょっとお、思い出し笑いを……くくっ!」プルプル
何かツボだったんだろうか……?それよりも今はシェラだな。
「好きなこともできないで、望まない相手と結婚して、そんなの可笑しいよ!あたしは絶対に国には戻らない!自分の力で生きていくんだから!!」ドンッ!
(……いい覚悟だ)
シェラはシェラなりに色々と問題を抱えているんだな。普段の能天気な性格では考えられん。まぁ会ってまだ1日しか経っていないが……。
「しかし今は奴隷ではありませんか!」
「違う!あたしは誰の奴隷でもない!あたしはあたしだよっ!!」ドドンッ!
(彼女の性格からは考えられないわね……)
(これもアンズが言っていた人は予想を越えてくるというものでしょうか……?)
(かもしれないわね。まぁ彼女はエルフだけれど……)
「……事情があるようですが、貴方は1人で生きていくには無力すぎます」
(……かっちーん)プチッ!
(っ!これは……)
(アンズが怒ってますね……。あの時程ではないにしろ怒ってます)
「我々は力付くでも貴方を連れ戻します!!」
「うぅ……」
「よく言いました。貴方にしては上出来です。国を捨てて1人で生きていくという決意は私は嫌いではありませんよ」
「レム……」
(レムもシェラの決意に何か感じたようだな。これを機にもう少し仲良くしてくれるといいが……)
「致し方ない……。みんな!」
セルシオとやらがエルフ達を指示して此方に攻撃しようとしてくる。しょうがない、こうなったら俺が……!
「はいはいストップ~」
「アンズ……?」
突然アンズがエルフ達の前に立ち塞がった。
アンズは笑顔だが何処か怒気を感じた。一体何をするつもりだ……?
今回はここまでです。
次回、アンズはエルフ達に対して怒りを見せる!?