ネトゲをしていたはずの後輩が異世界召喚されて尊敬する先輩の元へ帰るために魔王として頑張る話   作:銅英雄

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今回もよろしくです。


第20話 侵入。

レムside

 

「随分興味深い話をしているね。良かったら私も混ぜてよ」

 

「アンズさん……?依頼は?」

 

「さっき終わったよ。とは言ってもそんなに時間のかかる依頼じゃなかったからね」

 

私と別れてからまだ1時間程しか経っていないというのにもう終わらせたというのですか?規格外ですね……。

 

「とりあえず初めましての人もいるから自己紹介ね。私はアンズ。異世界を転々と旅している者だよ」

 

「……セレスティーヌ・ボードレールです。アンズさん、私達に何か用でしょうか?」

 

「用もなにもレムは私の仲間だからね。依頼が早く終わったから仲間のもとに戻ってきたってだけだよ」

 

例え近場での依頼だったとしてもこんなに早く終わるのは流石に異常だと思います。

 

「ところでセレスティーヌさん、ちょっと質問いいかな?」

 

「構わないわ。それと私のことはセレスって呼んでね」

 

「ありがとうセレス。じゃあ早速……。レムとディアベルを引き離した理由について聞きたいな」

 

「っ!……なんのことかしら?」

 

「惚けているふりが下手だね。まぁいいや。誰から何を聞いたかは知らないけど、セレスはディアベルを魔族だと疑っている。またレムの中にある強大な魔力に惹かれて出てきたと言っていたね。さっきの話がちょっと興味深かったからついつい聞き耳を立てちゃったよ」

 

「それで?アンズさんは何が言いたいのかしら?」

 

セレスが言うようにアンズさんが言いたいことがよくわからない……。

 

「ディアベルはこの世界には不可欠な存在なんだよ。謂わばキーマンだね。そんな人間を魔族だと疑って攻撃しようだなんて思ってないよね?もしもそう思っておるならば……」

 

アンズさんはディアベルの必要性を述べた後にこやかに……。

 

「うっかり貴女を殺しちゃうかもね♪」

 

「っ!」

 

「ひっ……!」

 

そして殺気を放って宣言した。私はもちろんセレスも、そのお付きに至っては悲鳴をあげるほどに怯えてしまっていた……。

 

そしてこの宿屋で何かが起ころうとしていた……。

 

 

 

レムsideout

 

 

 

アンズside

 

軽く殺気を放ったその時……。

 

「ぎゃっ!」

 

宿屋の店員さんの声だ。何かあったのかな?そう思っているとガラクとかいう噛ませ……げふんげふん!いつか私達の前に現れた人物が息を切らしながら入ってきた。

 

「ガラクさん!?」

 

「はぁはぁ……。セレス様!考え直して頂けませんか!どうしてボクが魔術師協会を出ていかなければならないのです!?」

 

(いやいや、それは君がそれだけのことをしたからでしょ……)

 

「貴方は間違ったことをしたのよ」

 

「ボクは正しいことをしました!!なのに皆ボクがクビになったという嘘ばかり吐いて……!だから痛め付けて本当のことを言わせてやろうとしたんです……!!」

 

(随分と過激だね。よく見たら全体的にボロボロだし、掌には血が滲んでいるし……)

 

「痛め付けたって……魔術師協会の皆は無事なの!?」

 

「ボクの心配をしてくださいよ!!」

 

「落ち着いて!冷静に話しましょう」

 

「うぐ……!皆可笑しいんだ!協会のために尽くしても結局誰も本当のボクを理解してくれない……!」

 

あ~あ、こりゃ手遅れだね。早いとこ彼を精神病棟みたいなところに連れていった方が良さそうだ。

 

「……やっぱりアイツの言うことは正しかった」

 

(アイツ……?)

 

ガラクは何処からか禍々しい短刀を取り出した。

 

「止めろガラク!これ以上醜態を晒すな!!」

 

「こんな世界受け入れられるものか!」

 

(なに……?あの剣、よくわからないけど、嫌な感じがする……!)

 

ガラクが取り出した短刀の鞘からギョロリと目玉が出てきた。うわ……不気味だね。

 

「ボクがこの世界を正さなきゃいけないんだ!!」

 

「止めて!シャドウスネイク!!」

 

ガラクが叫んで自分に短刀を突き刺そうとして、レムがそれを食い止めるために召喚獣を繰り出す。

 

あれがこの世界の召喚獣……。私が昔旅した世界のデビルと呼ばれる生き物に類似しているね。

 

(ならツボミに渡した『あれ』もこの世界では役に立つかもね……)

 

「ぐっ……!」ドスッ!

 

「ガラクさん!」

 

「ガラク!」

 

レムが繰り出した召喚獣が止めようとするもガラクの自決が速かった。そして……。

 

「あ、ああ……あああ……!」

 

「そんな……!」

 

「セレス、近付いては駄目です!」

 

ガラクは苦しみながらも魔力を増加させていき、心なしか体格も大きくなっていく。

 

「そんな……。まさかこれは……」

 

「……どうやらガラクという人物は完全に死んでしまったみたいだね。今私達の目の前にいるのは一匹の魔族というわけだ」

 

「魔族……!」

 

「ふぅ……。ようやくグレゴール様の出番か。何時までもグダグダと喋りやがって人間め……ふんっ!」ブチィッ!

 

グレゴールとやらが自身を巻き付けていたレムの召喚獣を振りほどいた。

 

さて、この状況はどうしてやろうかね……?

 

 

 

 

アンズsideout




今回はここまでです。

次回、ディアベルとオーフェリア、ツボミの3人が100体の魔族と対峙する……。
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