ネトゲをしていたはずの後輩が異世界召喚されて尊敬する先輩の元へ帰るために魔王として頑張る話 作:銅英雄
……で宿屋にて俺達は3人で泊まることになったのだが。
「……なんであなたと同じ部屋になってしまったのですか?」
「……こっちのセリフだよぉ」
(宿代が安くなるからこれは別にいい(決してよくない)んだが、この2人はもうちょっと仲良くすべきだな)
1つのベッドに女の子2人は不健全だとか思ってる場合じゃねぇな。ハァ……。
コンコン
溜め息を吐いているとノックの音が聞こえた。
「……どうぞ」
「失礼致します。レムさん」
レムがノックに対して応答すると女性が1人とその側近と思われる男2人が入ってきた。
レムの客人か。何やら面倒事の予感がプンプンするんだが……。
「そちらの2人は初めましてよね?私はセレスティーヌ・ボードレールと申します」
(セレスティーヌ……。何処かで聞いた名だ)
「ひょっとしてこの町の魔術師協会のセレスティーヌ協会長様!?」
「セレスと呼んでね」ニコッ
思い出した……!魔術師協会の長と言えばこの町を守る結界を維持している重要人物。『クロスレヴェリ』のゲーム内ではそうだったはず……。
(そんな身分の人間がこの町に……?)
「今日はレムさんに用事があって来たのだけれど……」
セレスティーヌはレムとシェラについている隷縦の首輪を見てから俺を見る。
「……是非そちらのお話も伺いたいわね」
(成程ね……。やれやれ、面倒事が増えた気がする……)
俺達はボードレール達と話し合うべく下の階の食事処へと移動した。
~そして~
「ごっはん~、ごっはん~、まっともなごっはん~♪」
(まともな食事って。普段こいつ何食ってんだよ……)
シェラの発言に呆れながらも俺はボードレールの方を見る。
「隷縦の儀式に魔術反射……。大変なことになりましたね。ディアベルさん、レムさん達を解放してあげられないのかしら……?」
(そんなことができたらとっくにやっているのだが……)
「……俺も好きで従わせてるわけではない。できるならとっくにやっている」
「これは……1から調べるしかなさそうね……!」
サーセン!ボードレールさんマジサーセン!!解除方法についてはオナシャス!!それに……。
「……お願いします」
(まぁ俺も奴隷なんて嫌だしな……)
「ところで魔術師協会の長が俺になんの用だ?」
俺としてはごく普通にボードレールに話しかけたつもりなのだが、それがボードレールの側近のお気に召さなかったようで……。
「貴様!ボードレール教に対してその態度はなんだ!?敬意を欠くと容赦せんぞ!!」
(なんだよ。煩ぇよ。最近の若者は切れ安すぎだろ。ちゃんとカルシウムとってる?)
「ガラクさん」
ボードレールがガラクとやらに制止をかけようとする。確かに態度が良くないのだろうが、こんな如何にもな小物にとやかく言われるとムカつくな……。
よし、とりあえず脅すか。
「俺に気安く話しかけるな……小物!」ゴッ!
「っ!」ビクッ!
(うむ、仰け反ってるし効いたようだな)
「ガラクさん、失礼ですよ」
再びボードレールが小物(なんかガラクと呼ぶのは嫌だからそう呼ぶことにした。)に制止をかけた。
そして今まで沈黙していたレムが口を開く。
「……セレス、私は魔術師協会本部に行くのも、護衛をつけられるのも嫌です」
「レムさん、私は貴女の力になれたらいいなって思っているの。貴女はこの世界にとって……とても大切な存在なのですから……」
レムがこの世界にとって大切な存在……?どういうことだ?
「……お気遣いには感謝してます。でも自分の身は自分で守りますから……!」
「そう……」
(レムに何か秘密があるっぽいな……。これは早い内に聞き出さないと)
「今夜は失礼致しますわ。首輪の解除方法は調べておきます」
「……すみません」
マジで迷惑かけるね。ボードレール様々だね!
「では」
ボードレール達は去っていったのだが……。
「……!」キッ!
(なんか小物に目をつけられたっぽいな。去り際に睨まれてるし面倒くさ。まぁそれよりも……)
「…………」
今はレムのことだな。
今回はここまでです。
次回は重要な秘密を抱えているレムに対してディアベルは……?