ある日の朝のことだ、朝食を食べ終わり食器を片付けた後、俺が椅子に座ってテレビを見ているときだった。
モニカが俺の向かい側の椅子に座り、
「ねえ狩谷君、私の買い物に付き合ってくれないかしら?」
こう言ってきた。買い物か……ん?まさかこれはデートの誘いって事なのか!?
「買い物って……何を買うつもりなんだ?」
「んーそろそろ私服が欲しいなって」
そういえば、モニカの今持っている服は制服と俺が着なくなった服を渡している。
「あー……そうだな、確かに……ごめん、配慮が足りないかった」
「ふふ、いいのよ」
そう言ってモニカは微笑んでいる
「えっと……ちょっと着替えてくるから待っててくれ」
「えぇ、待ってるわ」
そうして俺は服が置いてある自分の部屋へ戻り、棚を開けて適当に上から洋服を取って着替える。
着替えるのにはそんなに時間がかからないのであっという間に着替え終わる。
「それにしても……モニカが来てからほんと変わったよな」
あたりを見回すと綺麗にたたんである洋服、わかりやすいように並べられた教科書や漫画本、そして心地よいにおいがするアロマの芳香剤。俺の部屋とは思えないような感じになっている
「早くモニカのところに行かなきゃ」
財布が入ったバッグを持って部屋を出る。
「待たせた」
「早く行きましょうか狩谷君、じゃないとあっという間に日が落ちちゃうもの」
そうしてモニカと俺は扉を開けて外に出る。
「どこに買いに行くんだ?」
「そうねえ……デパートかしら。あそこは結構種類がありそうだもの」
「そっか」
デパートか。女性はたくさん服を買うというからもってこいの場所かもしれないが、バイトしてたから貯金はあるとはいえ……足りるか?
「ねえ狩谷君」
「ん、どうしたモニカ?」
「腕、組んでもいいかしら?」
「えっ……あ、あぁ。いいけど」
俺がそういうとモニカは嬉しそうに俺の腕を抱きしめるようにして組んでくる。なんだか恥ずかしい
「も、モニカ? その、恥ずかしいんだけど」
「ふふ、狩谷君でも羞恥心はあるのね」
「そりゃあ……俺にだってあるよ」
「そうね、ごめんなさい。でも私たちは愛し合ってるんだから我慢してね?」
「お、おう……」
そうして腕を組んだまま、デパートまで歩いていく。道行く人たちの温かい目線が余計恥ずかしい。
暫くするとデパートに到着し、洋服のコーナーへ向かうとモニカは悩みながら服を選んでいる。
「これとかもよさそう……ねえ狩谷君、どれがいいかしら?」
何着か服を持ってそう聞いてくるモニカ
「女性の服はよくわかんないけど……えっと、それとかいいんじゃないか?」
「ふーん……試着してみるわね」
俺が指さした服を持って試着室に入るモニカ
「似合ってるかしら?」
俺が選んだ服、真っ白なワンピースを着てそういうモニカ。
「あ、あぁ……」
あまりの綺麗さに思わず言葉を呑み込んで、見とれてしまう
「狩谷君、その、じっと見られると恥ずかしいのだけれど……」
モニカは恥ずかしそうに顔を赤く染める
「ご、ごめん……綺麗だったから」
「そ、そうかしら?」
俺の顔も熱を帯びて熱くなってくる。これじゃ初々しいカップルみたいじゃないか
そしてこの後も何着か服を選んだ後、レジで服を購入する。
「多めに持ってきたけど……そんなにいらなかったな」
モニカに聞こえないようにそっと呟く
店員から服が入った袋を受け取ると、服のコーナーを出てまた歩き出す
「これからどうする?」
「そうねぇ……あっ、あれ食べましょ」
モニカが指を指した方を見るとクレープを売っているお店があった
「クレープか……ああいうのって男が並ぶのは恥ずかしいんだよな」
「でもいまは私がいるでしょ?」
ニッコリと微笑むモニカ
「そうだけど……わかったよ、一緒に買おう」
「ふふっ、ありがとう」
そして俺とモニカは列に並んで、少し待つと自分たちの番になったので俺はチョコとバナナのクレープ、モニカは苺のクレープを頼んでいた
フードコートがあったのでそこに行ってから椅子に座って食べる。
「このクレープ美味しいわね」
「そうだな」
甘いものが好きというわけではないのだが、久しぶりに食べるからかとても美味しい。
「ねえ、あなたのクレープ食べてもいいかしら?」
「あぁ、いいよ」
俺がそう言うと、持っているクレープにモニカが顔を近づけて一口食べる。
「チョコとバナナのクレープも美味しいわね! そうだ、私の苺のクレープも食べる?」
持っているクレープを俺の方に近づけてそう言うモニカ
「じゃあ……折角だしもらおうかな」
そう言ってモニカのクレープを一口食べる。甘酸っぱさが引き立っていてまた違った美味しさだ
「モニカの苺のクレープも美味しいよ」
「そうね、ふふっ」
何故かモニカはニヤニヤと笑顔を浮かべていた
「何でそんなに嬉しそうなんだ……」
「だって、これって間接キスじゃない。しかも好きな人との、だから嬉しいのよ」
そう言いながらクレープを食べるモニカ。
「っ……」
モニカから目を背けて自分のクレープを食べる。何故かさっき食べた時よりも甘酸っぱい感じがしたのは気のせいだと思う。
そして午後もしっかりとモニカとのデートを楽しんだのだった