「ねえ狩谷君」
「どうした?」
モニカが俺の名前を呼んできたので返事をする。
「あなた、私のことを一生愛してくれるって言ったわよね?」
「あ、あぁ……まぁ、言ったけど」
モニカにそう言われて改めて思い出してしまう。あの時はまさかこんな事になるとは思わなかった。
「その割には私達がしたことってデートだけじゃない?」
モニカは不満そうな顔をしている。いやまあ、正直女性と付き合ったこととかないので何をすればいいか……
「恋人同士なのに淡々としているのもねえ……いい事思い付いた!」
何かを思い付いたのかモニカはキッチンの方へ向かい、棚の中をゴソゴソと漁っている。
「これよこれ! まだ残っててよかった」
そう言いながら取り出したのは赤い箱に入ったお菓子……ポッキーである。
「……それがどうかしたのか?」
「このポッキーを使ってゲームをしましょう」
小袋を開けて1本のポッキーを取り出すモニカ。
「ゲーム?」
「そう、ルールは簡単。この1本のポッキーの端をお互いに咥えて少しずつ齧ってポッキーを折った方が負けよ」
「そして負けた方は勝者のいうことを1つ聞くという罰ゲームよ」
「わかった、そのゲーム乗った」
初めて聞くゲームだが、ここで断ったら何言われるかわからないしやるしかないか
「じゃあ私が先に咥えるから狩谷君はチョコ側を咥えて」
そう言ってモニカはポッキーを咥えると俺の方に顔を近づける。
俺もポッキーを咥えると、少ししてからポリポリとポッキーを食べ進める音が聞こえてくるので同じように齧って食べ進めていく。
ポッキーが短いせいか、モニカの顔が普段より近くて恥ずかしい。
モニカの顔は整っているというか、美人というか……言葉に表すならかわいい、だろうか。
そんな事を思っているとモニカと目が合い、向こうも頬を紅くしている。
そんな事を思っているうちに鼻が当たりそうな程近くまで食べ進めていた。
……というかこのゲーム、よくよく考えてみたが折らなかった場合、何処で終わるのだろうか。
そうするとモニカが食べる速度を早めてきた。
やっぱりこのゲームの終わり所って────────
考えているうちにポッキーの咥える箇所が無くなり、お互いの唇が当たる。
恥ずかしくなり俺は離れようとするも、それを逃がさんとばかりにモニカが首に腕を回してくる。
暫くすると満足したのかモニカが重ねた唇を離すと、俺の口に付いているチョコを舌で舐めてから
「ん、ご馳走様」
そう言ってにこりと微笑みながら俺の隣に座る。
「え、あの……これって……キス……」
「だって狩谷君がしてくれないから、こうするしかないと思ったの」
そう言いながらモニカは顔を俺の腕に押し当てる。熱いから相当恥ずかしかったんだろうな。
「じ、じゃあ今度は俺からしようかな……」
「うん……いいよ」
モニカの方に向き直ると目を瞑って待っており、俺はモニカの肩を掴んでからゆっくりと顔を近づけて──────
この後、お互いのことを意識してしまい、気まずい空気が流れ続けたのは別の話。