無表情のこころさんがつきまとって来るんだが!?   作:白亜霧雨

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 言ってた新キャラ登場です。
 キャラの容姿とか一切記載してないのでそこは自分の想像力で補ってください。(場面描写より会話を書きたいため)
 それと、今度こそ1週間に一回投稿になりそうです。



第十話「告白されました」

「あの、好きな食べ物ってなんですか?」

 何を言い出すこころさん。

 その話はもうしただろう。

「あ……えと、みかんです」

 ほら、何回も聞かれて困ってんじゃん。

 放課後の教室で俺とこころと俺の友達が対談していた。

 なんでこうなったのか、それは少し時間を遡る。

 

「なぁおい小谷!」

「なんだよ」

 お弁当の回にも出てきた俺の友達である。

「あの、お前ってさ、秦と仲良いよな」

「まあ幼馴染だしな。……それが?」

「ちょっと紹介してくれない?」

「は? なんで?」

「俺、あいつのことが好きかも知れん」

「は!?」

 嘘やん。

 あのこころを好きなやつなんて本当にいたんだ!

 だとしたら非公式ファンクラブとかも本当にあるんじゃね?

 いやまて、そもそもこいつがそのメンバーなんじゃね?

「お前さ……こころのファンクラブとか……」

「俺がその創設者だ」

「お前か作ったの!?」

「まあでも、一番に秦の幸せを願っているから、男を近づけさせないとかはないんだけどな。好きだけどアイドルって感じ」

「なるほど……それで? なんで俺に紹介して欲しいんだ?」

「いやその、いっつもお前と秦って一緒にいるじゃん? 付き合ってんのかなーって思ってたけど、どうもそんな感じではないから、秦を幸せに出来るのは俺なのかも知れないと思った!」

「その考えは改めた方がいいと思うぞ? あいつ、無表情だし……」

「何を言う。そこがいいんじゃないか! あの無表情顔で蔑まれたい……罵倒されたい! 罵られたい!」

「うわぁ……」

 俺は自分の友達がどMだったことに驚きを隠しきれないが、しかし、そうか、こころは人気なのか。

「よし、いいぜ。他ならぬお前の頼みだ。聞き入ってやるよ」

「本当か! では今日の放課後に!」

 てな会話があった。

 こころの返答は、

「はぁ……まあ別にいいんじゃないですか?」

 と、若干の困り顔で了承してくれたのだが。

 なんでこんなに場が重いんだろう。

 対面した時からやばいとは思ったけどさ。

「あっ……どうも、小谷の友達の鳥羽星河です」

「……こちらこそ、小谷くんの幼馴染をしております。秦こころです」

 みたいな挨拶から始まったんだもん。

 薄々感づいてたよチクショウ。

「あ、あの、鳥羽さんの好きな食べ物は?」

 あー、また聞いてるよ。

 たくっ、何回目だよ! そんで答えはもちろん!

「みかん……です」

 ですよねー!!

 もう同じ質問でもいいからお前が聞けよ!

「あ、あの……さ、二人とも? ちょっと俺、トイレに行ってくるわ」

 もう耐えられん! 二人ともすごい顔して(一人を除く)出て行く俺を見ていたが、もう知らん!

 二人きりにしておけば嫌でも話すだろ!

 

 ああ、行ってしまわれました。

 どうしましょう。

 私、小谷くん以外の男子に話したことがないので緊張で顔が強張ってしまいます。

「ねぇ、秦さんってさ……」

 鳥羽さんが、話し始めました。

 小谷くんの姿が見えなくなった途端に。

「今彼氏とかいるの?」

「い、いません。なぜそのようなことを?」

「いやね、あいつの前だと話しにくかったから黙ってたんだけど、俺はお前のことが好きなんだ」

「………。」

 俺はお前のことが好きなんだ。

「ははははははい!? なんでそんな大事なことを脈絡もなく言うんですか貴方は!?」

「あっはは! めっちゃ驚いてんのに表情全く動かねぇ!」

「ど、どこが? 私のどこに好きになる要素があるのですか?」

「まあ、普通に顔が可愛いし、無表情なところとかももちろん好きだし……うーん、やっぱ好きなところを上げるのは難しいな」

「そ、そうですか……」

「で? どうなの? OKだったりする?」

「…………。」

 正直、男性から可愛いとか、好きだとか、言われたことが無かったし、普通に嬉しい。

 鳥羽さんは私のことが好きみたいですし、何というか、断りづらい……。

 けど。

「すみません。私には他に好きな人がいるんです。鳥羽さんの気持ちは嬉しいし、よく伝わりました。でも、私は不器用なので、好きな人を思う気持ちを簡単には曲げられません。すみません……」

「その好きな人ってのは小谷?」

「ふえっ!? なんでそのことを?」

「分かるに決まってんじゃん。俺は秦さんのことが好きなんだぜ? そんなことぐらい態度で分かるよ」

「そうですか」

「あーあ、失恋しちゃったなー。胸が痛いなー」

「す、すみません! 私のせいで」

「いやいや、秦さんが謝る必要はないでしょ、まあ、少しでもそうやって罪悪感みたいなのがあるんだったら、こころちゃんって呼んでもいいかな?」

「……はい。いいですよ。それで気がすむのなら」

「じゃあこころちゃん。小谷くんとの恋、応援してるよ!」

「は、はあ……」

「でももし、こころちゃんが失恋したら……」

「………。」

「……その時は俺の元に来てね? 慰めることは出来るからさ」

「あまりその時が来て欲しくはありませんが、その時はよろしくお願いします」

 

「おーい、小っ谷〜ッ!」

「あ? なんだ鳥羽か。話は終わったのか?」

「ああ、終わったよ、告白した」

「ええっ!?」

「失恋した」

「ええっ!?」

「他に好きな人がいるんだって」

「ふ〜ん、どんな奴が好きなんだろうな」

「そうだなー、どんなやつなんだろうなー」

 鳥羽がこちらをジッと見てくる。

 なんなん? 気持ち悪いんだけど……。

「はぁ? 気持ち悪いってなんだよ!」

「平然と心を読んでくるな!」

「痛ッ! なにも殴ることはないだろ!」

 無表情で気持ちを伝えるのが下手なこころと、そのこころの好意に若干の恐怖を覚えている小谷の恋が、どのような形で終わるのかはまだ分からない。でも、自分の失恋を認めるのは、こころちゃんの恋が終わりを迎えた後に決めようと、そう決めたのだった。




 名前分かりました?
 鳥羽星河【とばせいが】くんです。
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