無表情のこころさんがつきまとって来るんだが!? 作:白亜霧雨
イチャイチャラブラブしてニヤニヤできる話書こうと思ってたのに。
いつのまにか重い感じになったんだけど?
「青い海! 白い砂浜! 海だ〜ッ!!」
と、叫んだが最後。小傘はパラソルの準備の手伝いもせずに海に走っていった。
「うおい! 準備しろ準備!」
俺の声も虚しく小傘の影はどんどん小さくなっていく。
「おい小谷、俺、初めて海に来たんだわ」
「だからなんなんだよ。鳥羽」
「いや、だからさ。その……ごめん!!」
「お前! ふっざけんな!」
小傘の後を追うように鳥羽が走って行く。
「……小谷くん」
「なんだよ。こころも海初めてなのか?」
「いえ……その、私は泳げないので……」
「そうなのか。意外だな、こころはなんでもできるものだと思ってたぜ」
「小谷くん。私を完璧超人かなにかと間違えてないですか? 私は完璧じゃありませんよ。………特に、人間関係は」
「ん? なんか言ったか? 最後の方が聞こえなかったんだが」
「いえ、聞こえないように言ったので大丈夫です」
「それを自分で言うところがタチ悪いな!」
それから俺とこころは二人がかりでパラソルを張り、休憩するためその場に座って話すことになった。
「ふぅー、意外とパラソルを張るのも疲れるものだな」
「そうですね。……これ、飲料水です。クーラーボックスから出したので冷えてますよ」
「お、サンキューこころ」
俺はペットボトルを開けて中の冷たい液体を口に運ぶ。
「ん……」
こころが手を出してきた。
「クーラーボックスにでも入れるのか?」
こころは受け取ったペットボトルをひとくち飲むとクーラーボックスに入れた。
………いや待て待て待て待て。
「……よしっ」
「よしっ、じゃねーだろ! 何ナチュラルに間接キスしてんだ!?」
「私も飲みたかったので」
「飲みたかったのでじゃねーよ! ふざけんな! ……ったくよ〜」
「では私は海の家で焼きそばでも買ってきますね」
そう言うとこころは海の家へと向かっていった。
一方そのころ小傘たちは、海に入った時とは打って変わって静まり返っていた。
「………ねぇ、鳥羽くん」
「…なんだ」
「飽きた」
「俺もだ」
飽きていた。
「そもそも海って何するところなの? 泳ぐだけならプールでよくない?」
「それな。夏だしとりあえず海行くって発想がそもそも間違いだったことに気づかなかったとは……」
「………。ねぇ鳥羽くん」
小傘は小谷とこころがいる方に目を向けて言った。
「あそこにいる二人について、どう思う?」
「………。どう、ねぇ。まー仲良くしてんじゃねーの?」
「そうじゃなくて! こころんが小谷くんのことを好きなことをどう思うの?」
「別に……いいんじゃねーの? 逆になにか不都合なことでもあるの?」
「むぅ……」
「はははっ、そんな睨むなよ。興奮するだろ?」
「うぇぇ……単純にキモい、です」
「キモいだけ強調すんな。……でもなー、俺がそういう質問に真面目に答えたら変じゃない?」
「大丈夫です。少なくとも一話だすのに最近は一ヶ月かかっているこのダメ作者のダメ小説のダメ鳥羽くんのキャラなんて誰も覚えていません」
「えっ!? そうなの!? あー、でも、前回の話に一切出てないしな、実質俺の登場は2ヶ月ぶりになるのか」
「そーです、だから真面目に答えてください」
「わかったよ。ったく、めんどくせーな。……こころと小谷は幼馴染なんだけど、その幼馴染の片想いに全く気づいていない小谷との関係はこのまま平行線が続くんだろうな」
「……こころんは小谷くんから告白をされるのを望んでいる節がありますもんね」
「そーだな。こころちゃんの性格からして、チャンスが自分に訪れるのを待っている感じだもんな。でも、今の状況からして小谷からの告白はないだろうな。なにか、イレギャラーが出てこないかぎり」
「……なんでこっちを見るんですか?」
「別に、なんでもねーよ。……ただ、結局はそいつら自身の問題だろ。俺たちが関与することじゃないぜ。さ、疲れたしかき氷でも食べてこよーぜ。俺が奢ってやる」
「えっ! いいんですか!?」
「このどんな女性にも優しい鳥羽くんを舐めんじゃねーよ」
「それ、全然自慢になってないですからね!」
そうして、海から出る小傘と鳥羽は、それぞれ別のことを考えていた。
別のことを考えているようで、厳密には同じようなことを考えていた。
それは、小谷とこころの恋物語ではなく、お互いのことだった。
(鳥羽くんははこころんのことが好きだよね。なのに、なんで小谷くんから奪おうとしないんだろう)
(小傘の奴、前々から思ってたけど小谷のことが好きだよな。海っていう完璧な舞台が揃ったんだから奪えばいいのに)
小説書いてて初めて()これ使ったわ
次回の更新は早くても三週間後です