無表情のこころさんがつきまとって来るんだが!? 作:白亜霧雨
「ヒック………ヒック………」
「…………。」
どうやらこころはしゃっくりが止まらなくなったらしい。
「どうし……ヒック……ましょう小谷くん。……ヒック……しゃっくりが止まりません」
「そうか。最近では薬でしゃっくりは治せるみたいだぞ? 行ってみたら?」
「そんなみっともない理由で行きたく……ヒック……無いです」
「ですよねー」
じゃあ、ほかの方法か。
そだ、びっくりさせるとしゃっくりが治るってよく言うよな。
「あ、こころ。俺学校に忘れ物したわ。先帰ってて」
「わかりました……ヒック……」
よし。これで少し戻って帰り道につながる道に合流して驚かせてやろう。
しばらくして、一つの足跡が聞こえてきた。
きっとこころだろう。
だ…駄目だ。まだ脅かすな…こらえるんだ…今だ!
「ワッ!!」
俺が驚かした瞬間こころは瞬きすらせず無表情のまま、驚かした俺の腕を利用し地面に叩きつけた。
これには近くを散歩していたおじいさんもびっくり。
「イテッ!」
「ん? あ、小谷くんでしたか……ヒック……てっきり私を狙う変質者かと」
「お、お前なぁ……つーか、なんでこんなにも強いんだよ」
「お父様が体……ヒック……術は覚えていた方がいいと……ヒック……言っていたので、習得していました。……ヒック……まさか最初の相手が小谷くんだとは思いませんでしたよ」
「その感じだと全く治っていないみたいだな」
「そう……ヒック……ですね」
「じゃあ水を飲んでみたら? 驚かすの次に出てくる民間療法」
「そうですね。では、小谷……ヒック……くんが使用した水筒を貸してください」
「なんでだよ!」
「どうしたんですか? 私を助けたくないんですか?」
「いや、その辺の自販機で飲み物を買ったらいいだろ!? 俺のを貸す理由がない!」
「私は小谷くんの飲みかけじゃないと完治しません。むしろ悪化します。ですので、早く貸してください」
「なんてやつだ!」
クソッ! 絶対渡さないからな!
「ふむ。小谷くんがそこまで反抗するのならばいいでしょう。私はこのことをお父様に報告するだけですからね。お父様の娘の危機になのの手助けもしてくれない小谷くんは最低だ。と」
「な! 卑怯だぞ! それに話が盛られすぎてる!」
「さあ、早く貸してください」
「…………チッ、今回だけだぞ」
最悪だ。
何が悲しくてこんな奴に水筒を貸さなければならないんだ。
「治ったか?」
「ええ。先程までとは比べ物にならないくらい気持ちが楽になりました。小谷くん。世界はこんなにも美しかったのですね」
「たかがしゃっくりで大げさすぎだろ」
「ふう、なんだか安心したら喉が乾いてきましたね。小谷くん、水筒貸してもらっていいですか?」
「ダメに決まってんだろ」
オチが微妙ですみません。
そして気づいただろうか、途中でしゃっくりが止まっていることに……