無表情のこころさんがつきまとって来るんだが!? 作:白亜霧雨
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「実際小谷くんとはどうなの?」
昼休みに私の友人である多々良小傘さんが言った。
「どう……というのは?」
「だーかーらー、うまく行ってんのかって聞いてるの!」
「んー……そうですね。小傘さんが思っているほど進んでないですよ」
「ふーん、じゃあなんで今私とご飯食べてるの?」
今日は小谷くんの元には行っていないのである。
小傘さんと二人きりでご飯を食べている。
場所は中庭で時間帯的に日光が差し込む人気スポットの一つなのだ。
「まあそれは訳がありまして……前に小傘さんに言われた通り、朝も昼も帰り道も一緒にいたら『ごめん。すごく申し訳ないんだけど、俺に近づかないでくれない? 気味が悪いんだけど』と、結構ガチトーンで言われてしまいまして」
「あちゃ〜…」
「それ以来たまに行かなかったりしているんですよ」
「こころんも大変なんだねぇ〜…しみじみ」
「それを実際に言う人はいないと思いますよ」
「えっ!? そうなの!? じゃあ私が一番のりだね!」
うーむ、いまいち小傘さん相手だと会話が思うようにいきませんね。
そもそも小傘さんはなぜ私と一緒にいるのだろう? 小傘さんはクラスからの人気もよく、生徒会にも所属していて私とは真逆のような人だ。
それに私より顔がきれいで表情豊かだからなぁ……。
「ん……ころん……こころん!」
「ふぇ?」
「ちゃんと聞いてる? うちのおじいちゃんがトランクスを上に着てコンビニに買い物をしに行ったって話」
「ええ、聞いてましたよ。小傘さんのおじいさんがトランクスを上に着てコンビニに買い物をしに行った話ですよね?」
「そうそう! なんだちゃんと聞いてるんじゃん! こころんは私の話をちゃんと最後まで聞いてくれるから好きだなぁ〜」
ごめんなさい小傘さん。
全然聞いてませんでした。
ていうか最初にオチまで言った話を話さないでください。反応に困ります。
小傘さんが話し終えたところで私はさっきまでの疑問を聞いてみることにした。
「あの、小傘さん。あなたは学校での地位も高いのになぜ私と友達づきあいをしているのですか?」
「………う〜ん。なぜ友達づきあいをしているか。か、特に理由がないじゃだめ?」
「ダメです。何か理由がないと、その、不安になるのです。なぜ不安になるのかは分かりませんが……」
「ん〜、でもほんとに理由がないんだよねぇ〜、あ、理由がないのが理由にならない?」
「? どういうことですか……?」
「理由の有無にかかわらず一緒にいたくなる人」
「なるほど」
「っと、お弁当食べ切っちゃった。私もう行くね! こころんとは別のクラスだし次の国語の先生厳しいからさ! じゃあね!」
「はい。さようなら」
行ってしまった。
小傘さんはマイペースだからなぁ。
時計をみたら始業時間の10分前だったし、ハイペースなマイペースということだろうか。
「理由の有無にかかわらず一緒にいたくなる人……」
私は小傘さんからしたら友達。
「ふふっ、ふふふふふっ」
嬉しいな。
小谷くんにとってはどうなんだろう?
「ッ! おい小谷! あれ秦じゃね!? あいつ笑ってんぞ! いや笑ってねぇけど!」
「はあ? 何言って……うわ怖ッ! 無表情で笑ってるんだけど! ちょ、早く教室戻ろうぜ! うわー、軽くホラーだな」
…………。
「……私、ちゃんと小谷くんの友達やってるのかな?」
少し不安だ。
教室に入る前に私はトイレに入った。
尿意とかは特になかったが、トイレの個室のような狭いスペースに入ると落ち着くのだ。
「『理由の有無にかかわらず一緒にいたくなる人』か」
理由があるに決まってるじゃない。
この世のどんな行動にも絶対に理由がつきまとう。
救助活動をする人にはひとを助けたいという理由が、仕事をする人にはお金が欲しいという理由が、何もしていない人にも何もしたくないという理由がある。
そして、こころんと友達になった理由、それは……
キーンコーンカーンコーン。
と、チャイムが鳴った。
早く教室に行かなくちゃ。
無表情のこころんより表情豊かな私の方がお似合いですよね。
ね? 小谷くん?
ちなみに、私こと作者も狭いスペースにいると落ち着きます。
あとトイレに入っている時が一番小説のネタを思いつきます。
二番目は友達と喋っている時で、三番目は寝る時です。
この第8話は友達と喋っている時に思いつきました。
聞いてないですね、すみません。