星狩りと魔王【本編完結】   作:熊0803

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えー、他の作品も共通していることなのですが、感想をいただけると書くペースが目に見えて早くなります。なので応援よろしくお願いします。
楽しんでいただけると嬉しいです。


女神の祝福(過保護気味)

 前回の、ラブ◯イブっ!

 

『いや違うから』

 

  そうか?まあいい。んんっ、それじゃあ改めて、気を取り直して。

 

  いつも通り学校でハジメたちと騒がしくしてたら、いきなり魔法陣が出て来てどっかに転移させられたでござる。

 

 終わり!

 

『早いよ!?もっと他に説明することあんだろうが!』

 

  ぼくなにいってるのかわからなーい(使い回し)

 

  なーんてエボルトとの漫才はともかく、あれは明らかに転移用の魔法陣だった。それもかなり高度な、世界間移動のもの。

 

  つまり別の世界にテンプレのごとく、俺たちを何者かが呼び出しやがった。モチ、こっちの事情なんざお構い無しだろう。

 

  なんでそんなのわかるかって?ふっ、オタクを舐めるな。俺がどれだけの修羅場(ラノベ)を乗り越えた(読んできた)と思ってる!

 

『単純に前世の経験もあるだろうが』

 

 あれーそうだっけ?俺辛いこと忘れちまうからさ。てへっ☆

 

『うっわこいつマジで殴りてぇ……』

 

  はっはっはやれるものならやってみゲブッ!?ちょっコラ、肉体操るのは反則だろ!?

 

 

 

 パァンッ!

 

 

 

  ていうか転移中でも自分の顔って殴れるんだと思ってたら……突然、視界がそれまでのとは違う〝白〟に変わった。

 

「…………は?」

 

  思わず、間抜けな声を上げてしまう。え、どこよここ。なんか神聖な空気漂ってるし金色の粒子でキラキラしてるし。あっ天国か?

 

『残念ながらまだ死んでないぞ。残念ながら』

 

  おいなんで二回言った?ねえなんで二回言ったの?別に大事なことじゃないよね?

 

『えっ?』

 

 えっ?

 

  あいも変わらずエボルトと漫才をしながらも、思考は別のことを考える。

 

  言ってなかったが、俺は五つまでなら並列して思考ができるのだ。前世の経験からくる特技です。

 

  ポク、ポク、ポク、チーンとかどっかのウ◯メキ◯デスさんが出て来そうな音を立てながら考えるが、さっぱりわからん。

 

  まずここがどこなのか、今自分が地面に立っているのかさえ確認できない。そりゃ四方八方真っ白だったらわからんわな。

 

『ん?あっシュウジ、記憶の制限とけるっぽい』

 

 ハァン?(某ゲームの村人風)

 

  記憶の制限って……ああもしかして、俺を転生させてくれた女神のことについてのやつ?つーことはここはそれに関係する場所?

 

『そうだ』

 

 お前を教育した、あの女神の?

 

『そ、そうだ……』

 

  なんで声震えてんだよ……なにされたんだよお前……いや、あの極悪なお前が矯正されるくらいだからよっぽどだろうけど。

 

  それ以上話したくないのか、エボルトはさっさか記憶の鍵を開いた。カチッ、と脳裏で音がなる。

 

  その瞬間、頭の隅で詰まってた記憶がなだれ込むように記憶のボックスに入り込んで来た。

 

  そうして女神についてのことを知って、自然とこの場所のこともわかるようになる。

 

「ここ、女神様のいる空間か」

 

 

 

 パンパカパーン!

 

 

 

  なので、指をパチン!と鳴らしながらそう呟いた瞬間、空中にどこからともなくクラッカーが出現して、これまた勝手に紐が引かれた。

 

「せーかいです!さすが私のシュウジくん!」

「おほっ」

 

  頭にキラキラしたやつを被ってると、背中にむにゅんと柔らかい感触が。雫のふた回りくらいでかい(計算時間0.01秒)

 

  もうちょっと堪能してたかったが、背筋に悪寒が走ったのと同時に柔らかいものは離れていってしまった。残念だ(血涙)

 

  まあそれはともあれ、後ろを振り向く。すると、ギリシャ神話風の白い服を着た絶世の美女がいた。

 

  サラサラとした長い金髪に、唯一無二の完璧すぎる美貌。そして吸い込まれそうなコバルトブルーの瞳。記憶の中にある姿と全く変わらない。

 

 あっいや少し太っt

 

「シューウージーくーん?魂削られたいですかー?」

「ごめんなさいもう二度と思いません!」

 

  流れるようなスライディング土下座。プライド? 前世の時点でないない。

 

「もう、デリカシーを身につけてくださいね!」

「ウッス」

「まあ、それはそれとして……お久しぶりです、シュウジくん。全力で今世をエンジョイしてるみたいですね!」

「おかげさまで満喫しまくってます」

 

  それを聞いて、うんうんと満足そうに腕組みして頷く女神様。ブルンブルン揺れてる。何がとは言わないが、お◯◯◯ブルンブルン!状態である。

 

「神の権限において、この者の魂を…」

「ごめんなさい!このとーりです!」

『学習しろよ!』

 

  仕方がないんだ、男の悲しい性だから☆(キメ顔)

 

  そんなやりとりをそのあと、7538315回くらいやった(大嘘)。すげえ楽しかった。女神様に殴られた。

 

「もう、本当にしょうがないんですから」

「ふぁふぁっ、ありひゃごうごひゃいましゅ(ははっ、ありがとうございます)」

『褒めてねえし。てか顎外れてんぞ』

 

 マジで?

 

  エボルトの言う通り完全に外れてぷらぷらしてた下顎をはめると、エボルトのオーラで筋肉を治す。一回やるとクセになるからね。

 

  さて、準備もできたところで本題に入ろう。いつまでもふざけていては失礼ってもんだろう。

 

『いや現時点でかなり失礼だから』

「てへっ☆」

「……もう一発いっときます?」

 

 ごめんなさ(以下略

 

「で、今回はどんなご用件で?」

「あ、そうそう!はいこれ、プレゼントです!」

 

  そういって差し出されたのは、長方形の箱にレバーがついたような外見のものだった。よく見慣れてるもんだ。

 

  赤い外装、惑星図みたいな金と青色のパーツ、青いレバーに星座盤のかけらかけらみたいな装飾。そして二つのスロット。

 

  そこにあったのは、まぎれもないエボルドライバーだった。震える両手で、それを恭しく受け取る。

 

「色々な世界を覗いたりブルーレイ買って全話視聴したり公式ページ見たり、色々と情報を集めて作っちゃいました!シュウジくんたち専用ですよ!」

「お、おお……!」

 

  この感情を、なんと言えばいいのだろうか。わからないが、とりあえずブゥゥウウウラァッ!と叫びたい。

 

  前世であれほど憧れたエボルドライバーが、今本物として自分の手にある。これほど嬉しいことはない。

 

  とりあえずブレザーの裾で手を拭って、913回くらい拝み倒してから、両手で掲げて飛び回った。

 

「ひゃっほーい!」

『どんだけ嬉しいんだよ……おい20連続バク転はやめとけ三半規管がシェイキングされるぞ!』

「ふふ、喜んでもらえてよかったです。作った甲斐がありましたね」

「ありがとうございます!一生大切にしますっ!」

 

  視界の中で360度回転しながら微笑む女神さまに涙を流しながら感謝した。あっ涙が口の中入った!

 

  体感時間で十分くらいかけて感謝を表す(物理)と、女神様の前に戻った。エボルドライバーに頬ずりしながら。

 

「それじゃあ、これも」

 

  じゃーん!と後ろに回した手を広げて、両手の中にあるものを見せてくる女神様。何それクッソ可愛い。

 

「もう、可愛いだなんて♪」

「アボッ!?」

 

 照れ隠しの一撃を頂戴しながら、それを受け取る。あっエボルト曲がった鼻直しといて。

 

『はいはい』

 

 新たに受け取ったそれは、角ばった円形の上にキャップのついた小さなボトル…エボルドライバーに挿すエボルボトル。

 

 一つは、マスクと歯車が重なったマークの刻まれた、蛇の顔がくっついた赤いボトル…コブラエボルボトル。

 

 もう一つは歯車に曲がった直線が引かれたビルドマークのついた、プレス機みたいなものがついた黒いボトル…ライダーエボルボトルだった。

 

 この感情を、なんと(ry

 

「あとこれとこれと、これとこれも」

 

  次から次へと、女神様は俺の手の上にボトルを積んでいく。どうでもいいけどこれどっから出てきてんの?四次元ポ◯ット?

 

  多いのでまとめると、渡されたのはドラゴンエボルボトル、ラビットエボルボトル、エボルトリガー(石化状態)、バットフルボトルとエンジンフルボトル、スチームブレード。

 

「あのこれ、なんすか?」

「ほら、ベルナージュの回想でエボルトが持ってた剣です。詳細はわからないのでビートクローザーをベースに作りました」

「あっわかりました」

『懐かしいなぁ。ベルナージュにぶっ壊されたっけ』

 

  あと、黒と白の綺麗なグラデーションがかかってる長剣。なんか永遠の概念が使われてるらしくて、何しても全く変わらないらしい。

 

 つーかこれ、どうやって持ってればいいんだろう。ブレザーのポケットに全部入れたらおかしなことになるんだけど。

 

「それなら異空間収納の能力つけときますね」

「女神様マジGJ」

 

 念じたら体の隣にワームホールが空いたので、そこにポポイのポイと全部放り込む。よし、これでオーケー。

 

「あ、あと転生した時に全ライダーの変身能力下さいってお願い、聞けなかったお詫びにこれもあげます」

 

 えっそんな願い事してたのと思いながら受け取ったそれは、紫色に銀色の塗装がされているロストボトル、コブラボトルと、トランスチームガン(プロップサイズ)。

 

「それと、エボルボトルを生成する能力も」

「そんな至れり尽くせりでいいんですか?」

「いいんですよ。私、好きな人は甘やかしたいタイプなんで」

「え、それガチの方で?」

「ガチです。あれ、『一目惚れしました!奥さんになって下さい!』ってプロポーズしてくれたの、覚えてないんですか?」

 

  おいエボルト聞いてねえぞこんちきしょうめ。

 

『…いやだって、お前が後でポロっと言ったら雫に絞られるじゃん』  

 

 あっ(察し

 

「もう、エボルトったら…とにかく、これで今回呼び出してまで渡したかったものは全部です。ああ、最後にこれから呼び出される世界の情報もあげますね」

「えっちょっと待っt」

「えいっ!」

 

 可愛らしい声とともに、両手でパチン!と俺の頬を叩く女神様。地味にヒリヒリして痛い。

 

 そして次の瞬間、頭の中に膨大な情報が流れ込んできた。防ぐ暇さえなかったので、白い床の上をのたうちまわる。

 

「あだだだだだだだだだっ!!!???」

 

 頭を抱えながら、芋虫みたいにゴロゴロと転がりまくった。ちょっマジで痛いって!脳みそ壊れるって!

 

『プギャー( ;∀;)』

 

 クッソ泣き笑いするくらい笑いやがって!

 

  流し込まれたのは、記憶。一つの世界が長い時間の中で刻んだ時間の、始まりから現在までの全てを、脳に流し込まれたのだ。

 

 しばらくして、泣き笑いしてるエボルトの協力もあって全部の情報を吸収する。あー痛い、本当にパッカーン!するかと思った。

 

『その場合、ムーテーキー!じゃなくてオーワーター!だったな』

 

 うまくないっすよエボルトさん。

 

『うっそマジで』

 

 マジで。

 

「うーん、それにしても…なかなかにくそったれな世界だな」

 

  ふざけるのをやめて、真面目な顔に引き締め直して言う。えっお前そういうキャラじゃないだろって? 黙れ(威圧)

 

  なんだか何かがバレて白けるような気がするので詳細は伏せるが、俺たちを呼び出したのはとんだクズ野郎だった。

 

  前世で暗殺毒殺騙し討ち、なんでもござれで人を殺しまくってた俺がいうんだから、それは相当なクズってことになる。

 

  しかもそいつ、邪悪だったエボルトに自分に酔ってる気持ち悪さを足してねるねるねるねした感じで面倒くさい。

 

『ああ、昔の俺も数多くの惑星を滅ぼしたが、他の世界にこんな極悪な奴がいるとはな』

「ま、何にせよやることは変わらねえ」

 

 ハジメを、雫を、白っちゃんを、空っちを……そして俺とエボルトを、こんなふざけたお遊び(ゲーム)に巻き込んだ〝偽物の神〟を、ムッ殺す。

 

  どんな手を、力を使っても必ず見つけ出して、俺たちの平穏を奪い去ったことを心の底から後悔させてやる。

 

 んでもって、終わったらさっさと家に帰る。こちとら前世と違って、やっさしい両親と妹(超ブラコン気味)がいるんだ。いつまでも異世界にはいられねえ。

 

『ハッ、そうだな。あんな凶悪なのは、昔の俺だけで十分だ。そのポジは絶対に譲らない。ってことで、手を貸すぜ相棒』

 

  サンキュー対抗心マックスハザードオン!なエボルトさん。

 

 覚悟を決めたところで、空気を読んで待ってくれてた女神様が近づいてくる。いい女ですなぁ。

 

「それじゃあ、くれぐれも気をつけてくださいね。それと、私のあげた知識はその都度必要な時に思い出せるようにしました」

「何から何までアザッス」

 

 女神様か俺の額に手をかざすと、どんどん眠りに落ちるように意識が遠のいていく。おお、すげえ。

 

「それじゃあアデュー、女神様。愛してるぜ!」

『おま、あとで雫に殺されても知らねえぞ……』

 

  その言葉を最後に、俺の意識はプツッと途切れた。

 

 

 ●◯●

 

 

「ーーウジ、ーュウジ!、シュウジ!」

「ーーュー!おーーいだから目をーーて!」

「…………………んんっ」

 

 体を揺さぶられる感覚と、自らの名前を呼ぶ声。なんだよ善子、まだアラームは鳴ってねえぞ。

 

『あの自称堕天使の厨二ブラコン妹じゃねえよ。おいシュウジ、起きろ』

 

 あれ、エボルト?

 

  エボルトの声にうっすらと目を開けると、唯一無二の親友と、最愛の彼女が自分を覗き込んでいる姿が視界に飛び込んできた。

 

「あ、れ…ハジ、メ…しず、く……?」

「シ、シュウジ!よかった、やっと目を覚ました!」

「目を覚ましたって……」

 

  床に手をついて、上半身を持ち上げる。額に手を当てて、これまでのことを思い出そうとする。

 

  あーそうだ、白い空間で女神様にあって、色々もらったんだった。それじゃあここは現実……つまり異世界か。

 

『正解!』

 

  万丈が両手で指差して言ってるの思い浮かんだわ。

 

「ウッ頭g「シュー!」ぐえっ!?」

 

 ちょっ雫さん最後までネタ言わせて!?

 

『諦めろ』

 

  ゲホゲホと咳き込む。抱きついてきた雫の頭が鳩尾にちょうどクリーンヒットしたのだ。そこは流石に痛い。

 

「ぐすっ……一人だけ気絶してたから………どうかしたんじゃないかって、えぐっ、心配、したんだからね………!」

「…!」

 

  雫が涙声なのがわかると、自然と腕が動いてその華奢な背中に両手を回し、抱きしめ返した。

 

  普段ふざけてばっかの俺だが、三つ必ず決めているものがある。それはハジメの親友でい続けること、雫を泣かせないこと、必ず家族を守ること。

 

  雫に心配はかけられない。たとえ何があっても、彼女に涙を流させてはいけないのだ。それが、俺の使命である。

 

  俺が抱きしめると雫はびくっとするものの、すぐにぎゅうっと抱きしめる力を強めてきた。

 

「……あー。なんかよくわからんが、心配かけたみたいだな」

「シューの馬鹿…」

「ごめんってば」

 

 右腕を背中から離し何度か頭を撫でると、ようやく雫は落ち着いて離れていった。くっ、もう少し堪能していたかった。どことは言わないが。

 

『クソ野郎』

 

 単純な罵倒いただきましたー。

 

  さて、現状確認をしなくては。事前に情報はもらってるが、今の自分がどういう立ち位置なのかを把握しとかなきゃいけない

 

 まず最初に目に飛び込んできたのは、巨大な壁画だった。縦横十メートルはありそうなでかいやつ。

 

  その中で、後光を背負った中性的な顔立ちの人物が草原や湖、山々を両手を広げ包み込む絵が描かれていた。

 

『感動的だな、だが無意味だ』

 

  うん、すごく無意味。

 

  だってこの壁画、本当のこいつに遺伝子操作して顔改変して内臓と心全部取り替えて面の皮付け替えて記憶を『RESET……』して色々後から詰め込んだ感じだもん。

 

  あまりにも違いすぎて、出るとこ出てやろうかと思う。神の詐欺ってどこの裁判所で訴えたら答えてくれると思う?

 

『いやそれもはや別人だろ。ていうかそんな裁判所ねえよ』

 

  そっかー残念。まあそんな冗談は置いといて、引き続き周囲を見渡して情報収集に勤しむことにした。

 

 よくよく周囲を見てみると、どうやら俺達は巨大な広間にいるらしいということが分かった。

 

  白大理石みたいな材質の建築物のようで、彫刻が掘られた巨大な柱に支えられ、天井はドーム状。大聖堂とかいう名前がついてそう。

 

 で、俺らがいんのはその最奥にある台座。ほらあれだよ、ボタン押したら中から老害ロボットとテレポート装置でてきそうな感じ。

 

『セン◯ネルさんかよ』

 

  あいつ自分勝手もいいところだよな。え、お前に言われたくない?知らんな。

 

  周りにはハジメやその方から顔を出してる空っち、雫を始め、クラスメイト全員の顔がある。どうやら教室内にいた奴らは全員巻き込まれたようだな。

 

  ついさっきまで呆然としていたクラスメイトどもは、俺を見てホッとしたような顔をしてる。へえ、思ったより印象悪くないんだな、俺。

 

『霧子さんキックかまそうとしてたのにな。ま、お前なんだかんだ言ってクラスメイトどもにうまく取り入ってたからな』

 

  クラスに溶け込んでいたって言えよっ。ていうかやり方教えたのお前じゃん。

 

  ちなみにその中に天なんとかっていう『ゴミ!』もいたが、どうでもいい。ていうか気持ち悪いからその顔今すぐ剥げ。

 

『サングラスの王様(笑)が笑ってるまで見えたわ』

 

 次に、台座の周りにいる複数の人間達の観測に移る。少なくとも三十人近いその集団は、おそらく同じ組織に与するものだろう。

 

  で、セ◯チネル台(偏見)が乗ってる台座の前でまるで祈りを捧げるように跪き、両手を胸の前で組んだ格好をしている。

 

 全員白地に金の刺繍入りの法衣を纏い、傍らに先端が扇状に広がっていて、円環の代わりに円盤が数枚吊り下げられた錫杖を置いていた。

 

  あれ鳴らしたら面白そうだな。っていうかあの先端の部分だけ取り外して赤ちゃんのオモチャにできそう。

 

『夜に鳴らされたらたまったもんじゃねえな』

 

 中でも特に豪奢で煌びやかな衣装を纏い、高さ三十センチ位ありそうな、これまた細かい意匠の凝らされた烏帽子(えぼし)もどきを被っているジジイが歩み出てくる。

 

  もっとも、 爺ちゃんって言うよりはジジイって言った方が正しい。眼光が普通の老人のそれじゃねえ。

 

 そんな老人は手に持った錫杖をシャラシャラと鳴らしながら、外見によく合う深みのある落ち着いた声音で話しかけてきた。

 

「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」

 

 そう言って、イシュタルと名乗った老人は、好々爺然とした微笑を見せた。それに対して、俺は真剣な顔で立ち上がって一歩近づく。

 

「なあ、あんたに一つ聞きたいことがある」

「なんですかな、勇者殿?」

 

  こちらを見上げる老人に対して、俺は一拍置く。そしていかにも重要なことだと言うように、目を鋭くして。

 

 

 

 

 

 

 

「あんたってハンマーで殴って気絶させたら剥ぎ取りできる?」

「ランゴスタじゃないよっ!」

 

 

 

 

 

 

 

  スコーン、というハジメが俺の後頭部を叩いた音が、大聖堂に大きく響いた。

 




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