星狩りと魔王【本編完結】   作:熊0803

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不要な前振りはいらぬ。

さあ、スタートだ。


聖戦の幕開け

 三人称 SIDE

 

 

 

 三日目の日の出。

 

 

 

 それが、シュウジの中にある自らの遺伝子の弱まり具合からエボルトが推測した刻限。

 

 それまでの数時間を、ハジメ達は装備の点検や休息に費やした。

 

 とはいえ誰も眠ることなどできず、無意識的な緊張が保たれていた。

 

 

 

 ハジメは携帯を片手に、パンドラタワー頂上にてシュウジの様子を観測するエボルトの知らせを待っている。

 

 ユエ達もじっとして魔力の回復等に努めつつも、その瞳は神山の方を捉えて離さない。

 

 そして、雫は……

 

「…………」

「平気か、八重樫?」

 

 広場の片隅、東の空を向き背を向けていた雫にハジメが歩み寄る。

 

 いつもならすぐに反応する雫は、声をかけられてようやく気がついたといったように振り返る。

 

 その鋭い目つきと、手の中にあるステータスプレートにハジメは眉を顰める。

 

「……平気よ。日の出が待ち遠しいくらい」

「何か気になることがあったのか?」

「ええ、少しだけ」

 

 答えながら、プレートに目線を落とす雫。

 

 どうやらその一部、技能欄にあるものを注視しているようだとハジメは気がついた。

 

「〝因果〟。結局年老いた方の貴方にもエボルトにもわからなかった、この力が気になって」

「ああ、それか。俺達のステータスプレートにもいつの間にかあったが、放置してたな」

 

 淡く水色に光る文字群の中で、唯一毒のように濃い紫で刻まれたその文字。

 

 ハジメのプレートにも鮮血のような赤で、ユエ達にも同じように違う色で発現していた。

 

 光輝達にもあったがクラスメイトらには出現しておらず、カム達と獣人族達等も同様だった。

 

 

 

 色々と調べて周り、ミレディにすらかけあったが詳細はわからず仕舞い。

 

 よくわからないものに割く時間もなかったので、放っておいたのだ。

 

「だが、その顔だと気になってるのはこれ自体じゃないようだが?」

「さすが、目敏いわね……少しだけ怖じけたのよ。我ながら情けないことにね」

 

 自嘲げに笑い、雫はプレートをブローチの異空間に仕舞う。

 

 その手で、そっと背負った大太刀の黒皮の柄に触れた。

 

「あの人の悪い因果を必ず断ち切ると覚悟し、そして老いた貴方に牙をもらった。けれど、これを扱いきれるかどうか……少しだけ指が震えてしまったわ」

()()()()()()()()()()を込めた刀だろ? だったらお前以外に誰が抜くっていうんだ」

「その通りよ。こんなところで日和ってるわけにはいかないもの。ちょっと弱音を吐きたくなっただけ」

「それはまた……随分と珍しいな」

「今までは、あの人がいてくれたから」

 

 未だ朝日の登らぬ地平線を見据え、どこか寂しげな目をする雫。

 

 独り言じみたその言葉は、彼女がハジメを弱音を吐いて良いと考えるほど信頼する証拠。

 

 恋人と親友。常にシュウジの隣にいた二人には、他の誰とも異なった友情がある。

 

 

 

 だからこそ、ハジメは断言するのだ。

 

 

 

「斬れるさ」

「え?」

「お前なら、必ず斬れる。俺の拳が一度は届いたんだ、お前の刃が届かない道理はない」

 

 振り返った雫は、ハジメの強い目に体が震えた。

 

 そしてまた、ハジメは挑発的に笑って。

 

「それともなにか? 未来永劫の恋人様より、俺の方があいつに近いのか?」

 

 ビギリ、という音が木霊した。

 

「……言ってくれるじゃない、厨二ファッションの癖して」

「やかましいわ現代侍女。その格好だと余計任侠っぽいぞ。いや、ヤクザの姉御とかの方がそれっぽいか?」

「ふふ、ふふふっ」

「はははっ」

 

 

(((いや怖いっ!!?)))

 

 

 バチバチと赤と紫の火花を散らす二人の放つオーラに、ユエ達は冷や汗をかいた。

 

 勿論二人とて本気で喧嘩をしているわけではない。

 

 ある種、地球にいた頃からあった通例のようなものだ。

 

「……ふふっ」

「ははは」

「懐かしいわね。こうやって互いに励まし合ったわ」

「定期試験休み、あいつと過ごすのはどっちか争ったな。譲るってのに聞かねえから」

「貴方こそ頑固だったじゃない」

 

 すぐに剣呑さは消え、和やかな雰囲気で楽しげに笑い合う二人。

 

 ユエ達が内心ホッとする中で、ハジメはスッと右手の拳を差し出した。

 

「あいつにまとわり付いたエヒトを、魂ごとぶった斬ってみせろ。援護はしてやる」

「それはこっちのセリフよ。あの人の中に不法侵入した神もどきの頭、撃ち抜いてちょうだい」

 

 雫が硬く握った拳を出し、軽くぶつけて約束を交わした。

 

 

 

 その時だ。一筋の光が地平線から姿を現したのは。

 

 

 

 誰もが目を見開き、立ち上がってそちらを見る。

 

 ハジメ達も振り向く中で、輝く太陽はぐんぐんと昇って西に影を伸ばした。

 

 そして、真っ赤に燃える太陽が完全に姿を現した──その時。

 

 

 

 

 

『──戦士諸君、終末のモーニングコールだ』

 

 

 

 

 

 パンドラタワー、および防衛要塞に集まった全ての者達の脳裏に、エボルトの声が響く。

 

 それを待ちかねたように一瞬にして世界が赤黒く染まり、鳴動する。

 

 ハジメ達が【神山】へと目線を移すと、その上空に亀裂が迸り、深淵が顔を覗かせ。

 

「──来たな」

「ええ、来たわ」

 

 世界を、シュウジの存在を賭けた最後の戦いが。

 

 このトータスの歴史に未来永劫刻まれるであろう、聖戦の始まりが。

 

 

 

 

 

 今、幕を開けた。

 

 

 

 

 

 ●◯●

 

 

 

 

 

 血塗られた世界。

 

 そう形容できるほどに悍ましさを感じさせる、酷く不気味な空。

 

 燦然と輝く太陽は異様な黒星と化し、要塞に集まっていた戦士達は騒めく。

 

 それを助長するのは、赤空に怯えるように震える大地、大気。

 

 

 

 世界の終わり。

 

 

 

 それを人々が実感する中、より大きな破砕音が鳴り響く。

 

 体を震わせ、恐怖に駆られた要塞の兵士、騎士、亜人、冒険者、傭兵、スマッシュ兵達が音源を見る。

 

 

 

 【神山】の上空、なおも赤く脈動する空に一本の歪んだ線が走っている。

 

 

 

 戦士達が訝しむ顔をする中で、ビキッ、バキッ、と世界中に響くような軋みを上げて歪なそれが広がった。

 

「空は割れ、滅びが舞い降りる……か」

 

 唯一、ハジメ達以外で恐れなかったメルドが呟く。

 

 彼らが見上げる中、空間そのものに走った亀裂は、まるで絶望を掻き立てるように音を奏で。

 

 ゆっくり、ゆっくりと己を広げていった。

 

「総員、戦闘態勢ッ!!」

 

 足を竦ませていた戦士らに、メルドが声を張り上げる。

 

 ビリビリと、かつてより何倍もの迫力と声量で行われた号令に、まずスマッシュ兵らがはっと正気を取り戻した。

 

 

 

 続けて正気を取り戻したガハルドが同じ号令を出し、兵士達はそれぞれの持ち場に動き出す。

 

 その間にも【神山】上空の亀裂は広がっていき、そして全ての配置が終わった頃には今にも粉砕しそうだ。

 

 メルドはそれを睨み上げ、ぐっと表情を引き締めると外套を翻し振り返った。

 

「皆、訓練を思い出せッ! この日この瞬間、この聖戦ッ! そのために異端の力を手にし、大義が為に私と共にファウストの旗を背負ったはずだ!」

 

 拳を振り上げ、刃のように鋭い眼光で叫ぶメルド。

 

 その言葉に、志を持ちつつも弱いがために、地獄の苦しみの末スマッシュになった者らが拳を握る。

 

 そうだ、とうの昔に自分達は決めたはずだ。この身を怪異とし、愛する者のため戦うと。

 

 

 彼らの表情に戦意が満ちていくのを見ると、メルドは傍らのセントレアに向けて頷く。

 

 彼女もはっきりと頷き返し、ふと左手の薬指に軽く右手で触れた。

 

 それから、細剣を勢いよく抜き放って天に掲げる。

 

「貴様らも同じだ! たとえ敵が魔人族だろうが神だろうが変わらん! 我らが務めは国を守り、民の明日を創ることと、その胸に誓った日を思い出せッ!」

 

 騎士が、兵士が体を震わせ、怯えてしまった自分を心の内で叱咤する。

 

 後悔は一瞬、ギラギラと決意を秘めた瞳で、再び舞い戻った団長とその伴侶を見上げる。

 

「恐れるな! 慄くな! お前達はただ、家に帰ることそれだけを思え! 我々を弄んでくれた邪神様の顔に唾を吐きかけるのだッ!」

「「「うぉおおおおおおおおおおおッ!」」」

 

 頼もしい団長の言葉に王国の兵士達が怒号をあげた、その時。

 

 

 

 バリン、という轟音と共に空が砕けた。

 

 

 

 キラキラと輝く空間の破片が落ちた後には、深淵の如く悍ましい大穴が口を開ける。

 

 凡そ神の手のものとは思えぬそれからは、吐き気を催すようなドス黒い瘴気が吹き出し。

 

 そして──黒い雨が降り注いだ。

 

「あれは──魔獣か!」

 

 思わず叫んだガハルドの言葉は、まさしく的中。

 

 空間の裂け目から、夥しい数の魔物が《傲慢の獣》によって上半分が消失した【神山】に降り注ぐ。

 

 遠目から見て黒雨と勘違いするほどの数ともなれば、優に数百万──否、数千万にすら届こうか。

 

 無数の魔物達は瞬く間に【神山】へと降り立ち、こちら目掛けて津波のように山を駆け降りてくる。

 

 

 

 

 だが、それだけで終わりはしない。

 

 続けて瘴気の立ち込める亀裂から、魔物達の約半数に匹敵するほどの黒塊が吐き出される。

 

 まだバラつきのあった魔物達に比べ、より黒く禍々しいそれは人型のバケモノ──コクレン。

 

 ならば、その先頭を飛ぶのは──

 

 

 

「調子はどうだァ人間どもォ! この紅煉様が引導を渡しにきてやったぜェ!」

 

 

 

 暴食の黒獣、紅煉。

 

 神の眷属の一柱を旗印に、バケモノ共と魔物の混成軍がやってくる。

 

「おいおい、こりゃ本当にヤバいな……」

 

 徐々にこちらに押し寄せてくる黒い津波に、ガハルドの頬を冷や汗が伝う。

 

 今回の軍勢は各国の連合軍と、ファウストのスマッシュおよび兵器の人機混成軍の二つに別れている。

 

 ガハルドは軍事国家のトップとして連合軍の総大将となり、この場に立っていた。

 

 だがこれは、数々の戦いを潜り抜けてきたこの男をして震える光景だ。

 

『──いいや、まだだガハルド殿。さらにもう一押しくるぞ』

「何っ?」

 

 そんなガハルドに、総司令官であるベルナージュの呟きがアーティファクト越しに届く。

 

 証明するように、最後のダメ押しと言わんばかりに亀裂から水平に広がるように白い雨が現れた。

 

 赤黒い空によく映えるその白──否、銀こそは神の使徒。

 

 その数もまた数えきれないもので、エヒトがかなりの使徒をこの戦場へと投入していることがわかる。

 

 フリードが強化したと思われる魔物、《七罪の獣》の紅煉率いるコクレン、そして無敵の天使達。

 

 

 

 

 

 

 まさに、地上を滅ぼすにふさわしい軍勢であった。

 

 

 

 

 

 ●◯●

 

 

 

 

 

 

「──ハッ! 上等だ、神が相手ならこのくらいいて当然だよなぁ!」

『あまり突出しすぎることのないように。リリアーナの率いる結界部隊もどこまでもついていけるわけではない』

「そりゃ、連合軍の中では俺が一番強いからな。もし死んだら死んだで、それを怒りに変えりゃあいい。それに、あんたがまだいるだろう?」

『……私に出せる全力を尽くそう』

 

 頼もしげに言うガハルドに、ふっとパンドラタワーの一角にいるベルナージュは笑った。

 

 

 

 彼女は王女として──かつての火星の王妃として、戦術や戦略に誰より秀でている。

 

 その為に総司令官として後方から全体の指揮を取ることになった。

 

 

 

 

 

 そう、この戦いのために全てを準備したエボルトと一緒に。

 

 

 

 

 

 どこか自嘲気味に笑う彼女に、隣にいたエボルトは楽しげに体を揺らす。

 

『流石のお前も、これには怖気付いたか?』

「お前に比べれば大したことはない……なんと数奇なことだ。まさかこの私が、お前と共に星を守ろうとはな」

『おいおい、忘れてもらっちゃ困る。俺はいつだって自分のため、俺の目的のためにしか動かない』

「だが何かを滅ぼす為。ただそれだけではないだろう?」

『……そうだな。そこだけは癪だが認めてやる』

 

 ベルナージュは目を瞬かせた。

 

 エボルトの低く、けれど一度も聞いたことがないような〝熱〟を帯びた声。

 

 バイザーで表情などは確認できないが──その瞳は、どこか真っ直ぐに思えて。

 

「ふ、ははは。転生というのも、案外してみるものだな」

『人生捨てたもんじゃねえだろ? ──さて。出番だぜ〝先生〟?』

『──はい』

 

 談笑もそこまでに、エボルトの言葉にある人物が返事をする。

 

 その人物は、パンドラタワーの一角──要塞の天辺に繋がる場所に上がった。

 

 

 

 

 

「──勇敢なる皆さん、世界の危機を前に剣を取った勇者達よ。この場に集まってくれたこと、深く感謝します」

 

 

 

 

 

 畑山愛子は静かに、されどはっきりとした声で戦士達に告げる。

 

 途端に怯える体を押さえつけ、悲壮な顔をしていた兵士達の意識は彼女へと持っていかれた。

 

「はっきりと言いましょう。あの怪物達に比べ、我々は非力です。長き時を生き、人々を弄び続けたかの存在の尖兵は強い。それは間違いありません」

 

 ざわりと、その言葉に兵士達の空気は揺れる。

 

 それを加味した上で、愛子は再び口を開いた。

 

「ですが、断言しましょう──我々は負けない! 心もなく、破壊することしかその存在意義を与えられずにいる者らに、どうして何かを守るために立ち上がった貴方達が負けるというのでしょう!」

 

 強く、確信のこもった声で愛子は叫ぶ。

 

「悪戯に人心を弄び、人と人とを殺し合わせて享楽に浸る外道が神と言うのならば、今日この日! 我々はその支配を脱却するのです! それぞれの守りたいもののために! 愛する誰かのためにっ! その心は誰にも負けない! たとえ、どんなに卑劣で心なきものにだって!」

 

 彼女の言葉はまるで、広大な砂漠の中の一点のオアシスのように戦士達の心を潤わせていく。

 

 怯えを孕んだ心は鎮まっていき、逆に自分達を踏み潰そうとする醜き神兵に闘志が湧いてきた。

 

 

 

 〝f分の一ゆらぎ〟というものがある。

 

 人間が心地よいと感じる音、その効果のある周波数のことを示すそれを再現して、声に乗せる魔法。

 

 マリス──己がためにその力を使った女神から受け継いだそれを使い、愛子は自分の言葉により心を傾けさせていた。

 

 

 

 

 全てはこの世界の人類を──そして、何より大切な生徒達を守るために。

 

 

 

 

 自分に与えられた全てを、たとえそれが道具としての力だとしても。

 

 それでも自分が本当に愛するものの為に振るう。

 

 それが、畑山愛子の出した答えだ。

 

「あのような外道に、真の英雄たる我らが負ける道理はなし! 悪意を打ち破り、今こそ勝利を!」

「「「勝利を! 勝利を!! 勝利を!!!」」」

 

 足を踏み鳴らし、剣を掲げ、声高に叫ぶ。

 

 もはや一切の恐怖なし。ここに在るは、人類の未来のため刃を持った真の勇者達。

 

 一気に士気を高めた彼らを見て、愛子はすっと右手を掲げ。

 

「さあ、かつて人々の為に散った偉大なる英雄達の遺産よ。私の為、その力を振るいなさい」

 

 

 

 

 

《──御意》

 

 

 

 

 

 威厳に満ちた声が、戦場に轟く。

 

 誰しもの心に響いた、男とも女とも取れる重厚な声に、愛子の指差す天上を見上げる兵士達。

 

 そこには──黒く染まった雲海の中からゆっくりと姿を表す、白金の大龍がいた。

 

 

 

 その大いなる姿に誰もが圧倒され、見惚れる中で大龍は黒波へと顎門を開く。

 

 模様のように並んだ黄金の鱗が煌めき、額の七色石が輝いて、虹色の瞳が光を放つ。

 

 体内にて大魔力原子炉──またの名を〝天蓋崩し〟が起動し、黄金の粒子が口に収束を始めた。

 

 甲高い音を立ててチャージされていく様を、愛子が、エボルト達が、ガハルドが、メルドが、ハジメ達が見上げる中で。

 

 

 

 ──ふと、アークはかつての日を思い出す。

 

 

 

 遠い遠い昔、自分がまだ大して成長していなかった頃。

 

 深い地の底で、妹の眠る箱を背負い、眠りにつく直前。

 

 その場に己を封印した創造主の一人は、自分の鼻先に手を置いて呟いた。

 

 

 

 

 

 〝君の成長を見届けることはできないだろう、けれどいつか、君は人々の希望となる。そうしてくれる誰かが、必ず現れる〟──と。

 

 

 

 

 

 ああ、ああっ! 

 

 貴方は正しかった、オスカー・オルクス! 

 

 あの御方があのまま朽ちるはずだった我を見つけ、神に一矢報えるまで育て上げてくれた! 

 

 そして今、この瞬間! 無念のままに生を終えた貴方達の願いを叶えよう、創造主よ! 

 

 我が存在意義を成就するため、何よりも最初に我に笑いかけてくださったあの方を取り戻すために! 

 

 今こそッ!!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

オオオオオオォオオオオオオァアアアアアアァアアアアァアアアアァアアアア──────────ッッッ!!!!! 

 

 

 

 

 

 

 

 極光が、解き放たれた。

 

 極太の黄金の柱に七色の流星が入り乱れ、一直線に半分になった【神山】を貫く。

 

 それは容赦なく神軍を蹂躙し、圧倒し、虐殺し──やがて途切れた時。

 

【神山】は百万以上の黒波の一角ごと、今度こそ根こそぎ消えていた。

 

 

《──我が名はアーク。神殺しの方舟。豊穣の女神が剣、その一振りである》

 

 

 そして、ここぞと言わんばかりに名乗りを上げたアークに。

 

「「「「「「「「「「ウォオオオオオオオオオオオオッ──────!!!!!!」」」」」」」」」」

 

 心のうちに湧き上がる歓喜のままに、アークの一撃の轟音に劣らぬ歓声を上げた。

 

 それさえも予定調和に、愛子は今一度力強く拳を振り上げて。

 

「恐れるものなど何も無し! さあ、この世界を守りますよッ!」

 

 

 

 

 

 聖戦、開始。

 

 

 

 

 




読んでいただき、ありがとうございます。

さあ、存分に戦うのだ。
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