星狩りと魔王【本編完結】   作:熊0803

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今回は説明回。

原作丸コピはあれなので、要点をまとめました。

楽しんでいただけると嬉しいです。


事情聴取

 

 

 

 

 

 

 扉の開く音がする。

 

 

 

 横に振り返ると、パラディ捜査官が診察室から出てきた。

 

 そして俺の方を見て……視線が止まることなく不思議そうに左右を見る。

 

「…………おい」

「っ、ミスターK。いつの間にそこに?」

「ずっといたよ? なんなら目ぇ合ってたよ?」

 

 それなりに話して認識されていてもこれだよ。早くラナに会いてぇなぁ……

 

 何やら感心している捜査官に死んだ目をしていると、廊下の奥で扉を閉める音がした。

 

 二人でそちらを見ると、タオルで髪を拭きながらグラント博士がやってくる。

 

「グラント博士、気分はスッキリしましたか?」

「ええ、おかげさまで。結構いい感じだったわよ」

 

 湿った髪に上気した頬。体に変な固さもない。ちゃんと温まったみたいだな。

 

 服もちゃんと着替えてるし……アレはなんとかなったらしい。

 

 細くしなやかな脚とか、白い首筋とかから視線を外しつつ、咳払いして意識を集める。

 

「それで。二人とも、これからどうするんだ?」

「そうですね……まずは、情報を共有したいのですが、よろしいですか?」

「ああ」

 

 頷いたヴァネッサは、グラント博士へと視線を向ける。

 

「博士。あれの──【ベルセルク】のことを話します。よろしいですね?」

 

 彼女は沈んだ表情を一瞬浮かべたが、すぐにキッと目を釣り上げた。

 

「……ええ、平気よ。どのみち隠しておける段階じゃないのだし」

「では──」

「失礼」

 

 いざ話し出そうとした瞬間、コン、コンというノック音に三人揃って振り向く。

 

 すると、パラディ捜査官の後ろからリュールさんが俺の後ろを指差した。

 

「込み入った話をするなら、そちらに談話室がある。中にちょっとした飲み物もあるから、好きに使ってくれ」

「うす」

「お気遣いありがとうございます」

「あ、ありがとうございます」

 

 その言葉に甘えて診察室前の部屋に移動する。

 

 

 

 

 中は結構な広さがあった。

 

 ぎっしり中身の詰まった本棚やテーブルセットがあり、壁際には大きめの冷蔵庫もある。

 

 二人には先に座っててもらい、俺は飲み物を取るために冷蔵庫を開けた。

 

「あの、適当なものでいいので」

「私もなんでもいいわ」

「はいよ。ええと、水にお茶、ソフトドリンク類……あとはなんだこれ、エナドリ?」

 

 色とりどりの長細い缶が、一部スペースを占拠している。バリエーション豊かだなおい。

 

 誰か常飲者でもいんのか、と若干顔を引きつらせつつ、水を三本持っていった。

 

「お待たせ。はいこれ」

「ありがとうございます」

「ありがとう」

「んで、【ベルセルク】がどうたらって言ってたけど」

 

 パラディ捜査官は無言で頷き、よく通る声でゆっくり語り出した。

 

「事の発端は、グラント博士の研究の過程で生まれた、とある薬品……通称、【ベルセルク】が外部に流出したことでした」

「また大仰なネーミングだな」

「それが大袈裟ではないのです。【ベルセルク】……狂戦士(バーサーカー)の語源となった、敵味方区別なく、戦場で大暴れする神の戦士。この薬品は、まさしく人間を二度と戻れない怪物(ベルセルク)にする代物なのですから」

 

 バイオテロ系の映画に出てきそうな薬だ。現実は小説より奇天烈ってのは本当なのか。

 

 ひとまず、依頼書で先に知っていた簡単な概要のことは伏せ、驚いたように体を揺らしておく。

 

「んで、そんなヤバいもんの作り方を知ってるグラント博士は付け狙われてると」

「ええ。これは国家の安全に関わる重大事件であり、彼女を保護するために我々国家保安局が動きましたが……キンバリーにより、護衛チームは私以外全滅しました」

「……災難だったな」

「もう終わってしまったことです。それより問題なのは、キンバリーの裏切りだけでなく、その後に応援との合流が不自然なほどできなかったこと。あるいは、この一連の襲撃には本部が……」

「……なるほど。だから俺に依頼が来たのか」

 

 目を細めるパラディ捜査官のセリフに、俺はあることを理解する。

 

 それはこの依頼の裏に隠された、世界一恐ろしい裏ボスからのとある意図。

 

 

 

 

 パラディ捜査官は、俺の呟きが自分がミスターKにした依頼のことだと勘違いしたらしい。

 

 特に不思議そうにするでもなく頷き、今は容易に連絡を取れない状況になっていると語る。

 

「それで。【ベルセルク】が流出したってのは、どんな風に?」

「……最初に、聞いた時。絶対にありえないって、思った」

 

 ポツリと、震えた声が耳に入ってくる。

 

 そちらに視線を向けると、俯いて垂れ下がった前髪で目の見えないグラント博士がいる。

 

 彼女は、声を震わせながらも、ぞれが自分のなすべきことだと言うように語り出した。

 

「何日か前のことだった。朝のニュースに……ベルセルク化した人間が映ったのは」

「目に見える特徴があるのか」

「ええ。正式名称は【H3ーa4】というこの薬のもたらす効果は、急激な筋肉の肥大化、異常な回復力、思考性の欠如などが見受けられます」

 

 補足された説明は、ホテルで見た資料の内容と相違ない。

 

 一緒に添付されていた件のニュースの画像も見たが……ありゃ、もう人間じゃなかった。

 

 街灯ぶん回して警官ごとパトカー吹っ飛ばすのは、少なくとも地球じゃ人間とは呼ばない。

 

 ミイラのように干からびて絶命した画像を見た時は、さらに仰天したが。

 

「ヘドリック先輩と、リシー姉と、そのニュースを見て。すぐに、大学の研究室に向かった」

「家族か?」

 

 グラント博士はかぶりを振る。

 

 それから、何かを思い出すような目で虚空を見た。

 

「私、十一歳で大学に入ったの。お婆ちゃんのアルツハイマーを治したくて、医薬関係の研究施設が充実してたパーシヴァル大学へ一人で行った」

 

 ガチの子供の時じゃねえか。

 

 そんな年頃に、家族を想って一人で大学に入るのはどれほどの思いだったんだろう。

 

 ごく普通の家庭で育った俺には理解しきれないが、彼女の表情を見るに決して楽でなかったのは確かだ。

 

「最初は、周りの目が怖くて、不安で、押し潰されそうになって……そんな時、レジナルド=ダウン先生と、研究室のみんなに救われた」

「それが、さっき言っていた?」

 

 こくり、と頷くグラント博士。

 

「ダウン教授は、多くの著名な研究者を育成した優秀な教育者として、その界隈では有名な人物です。パーシヴァル大学では研究室を持っており、自らの家に事情のある学生をホームステイさせている風変わりな人物と、保安局で得た情報にはありました」

「なるほどな。研究室の学生はみんな同じで、グラント博士にとっちゃ家族同然ってやつか」

「一緒に勉強して、ご飯を食べて、大学で素晴らしい思い出を作ろう……先生の言う通り、本当に素敵な4年間だったの」

 

 懐かしむように、愛おしむように、彼女は自分を救ってくれた人達を語る。

 

 確か資料では……ヘドリック=ウェスク、リシー=アシュトン、だったか。

 

 他にも数人ほど研究室の生徒はいる。

 

 グラント博士にとっては、教授は父のような存在で、先輩達は兄や姉、といったところか。

 

 

 

 

 心から慕う人の大切さを、俺は知っている。

 

 ラナという最愛の人が、奇跡を起こして大事なやつを取り戻した南雲達が、それを教えてくれた。

 

 だから──次に彼女が浮かべた、全てに絶望した表情の意味も、よくわかった。

 

「でも、みんな、死んでしまったわ」

「………………そうか」

「いつも良くしてくれて、尊敬してたヘドリック先輩も。世話好きで、情に厚くて、可愛らしかったリシー姉も。いつも二人で喧嘩してて、でも仲が良くて、こんな友達がいたらなって思ってたロドお兄ちゃんもデニスお兄ちゃんも、みんな、みんな」

 

 掠れた、途切れ途切れの声で、何かを懺悔するようにグラント博士は呟く。

 

 大事な人を失う悲しみは、その痛みを味わった当人にしかわからない。

 

 だから、無責任な言葉をかけることもできなくて。

 

「何があったんだ?」

 

 俺ができたのは、平静な声を装って聴くことだけだった。

 

 どこか測り知れない場所に沈んでいた意思が瞳に戻り、彼女は説明を再開する。

 

「みんなニュースを見て、研究室に集まった。誰が見ても【ベルセルク】なのは確実で、すごく困惑したし、怖かった」

「肝心の流出経路は?」

「わからない……薬のことはダウン教室のみんなしか知らないし、薬品もデータも分散して厳重に保管していたはずなのに」

「……こう聞くのは心苦しいんだが、その中の誰かが、って可能性はないか?」

 

 地位や名誉、金、自己顕示欲、好奇心、あるいは破滅願望、他にも可能性は数多くある。

 

 全ての選択肢を見るために尋ねた質問に返ってきたのは……今にも壊れてしまいそうな寂しい微笑みだった。

 

「今となっては、もうわからないわね……」

 

 やっべ、やらかした。

 

 オモックソ地雷踏み抜いちまった。いや、聞かなきゃいけなくはあったんだけどさ。

 

「……すまん、野暮だった。続けてくれ」

「それから、今後どうするかを話し合ったの」

「それで?」

「対抗薬を作ろうって、先生が言った。警察に通報する前に、まずは私達ができることをしようって」

「まあ、公的機関が介入すると対応が遅れるしな。次の被害に対策を打つって考えも悪くない」

 

 まあ、うちの魔神様だったら確実に被害を潰すために発見即デストロイだろうけど。

 

 ミサイルランチャー担いだ友人のことを思い浮かべつつ、話にも意識を向ける。

 

「でも、2日後に警察が来た」

「結局通報したのか?」

「違う。誰かが【ベルセルク】のことをたれ込んだって……しかもただの警察官じゃなかった。私一人になった途端、薬品とデータを渡せって、そうしないと先生達を冤罪で捕まえるって脅してきて」

 

 またテンプレな悪徳警察がいたもんだ。

 

 世界中戦場巡りと〝依頼〟で世界中飛び回ってるが、この類の輩はわりと蔓延ってる。

 

 大多数が逆らえない権力に寄生し、私利私欲を満たすために他者の心身を踏み躙る悪党だ。

 

「脅しに負けて薬を渡そうとして、その時に何かあったってことか?」

「いいえ。話したら先輩達がすごく怒ってくれて、私も冷静になったの。そして先生の提案で、警察とは別の場所に保護を求めることにした」

「なるほど。それが……」

 

 顔を向けると、パラディ捜査官が頷く。

 

「我々保安局が通報を受け、博士及びダウン教室の人間の保護に動きました。ベテランのヒューズ主任捜査官を指揮官に、保護チームが編成され、研究施設に赴いたのですが……」

「そこで、事件は起こった」

 

 声音が、一際緊張と真剣味を帯びたものへと変わる。

 

 グラント博士は何かを堪えるように。

 

 基本的にポーカーフェイスなパラディ捜査官も、不快げに目を細めている。

 

 自然、こちらも少し背筋が伸びた。

 

「大学の清掃員や警備員に偽装し、我々は研究施設に潜入。内部の【ベルセルク】を持ち出した犯人を警戒しつつ、グラント博士達の護送を準備していました」

「そこで私は、一人で別に保護されることになっていた。先生達も、その……容疑者に、入っていたから」

「……誰が凶行に及んだのか分からない状況の中、仕方のない措置でした」

「まあ、当たり前だわな」

「でも、あの状況の中で先生達と離れさせられる事が、ひどく不安で……」

「捜査官の目を欺いて、トンズラかまそうとでもしたか?」

「流石はミスターK、察しがいいですね」

「ミスターKじゃなっ……いや、何でもない。続けてくれ」

 

 またここでツッコミ入れると、スルーされそうだからやめとこ。

 

 決して、もうミスターKって誤解されてた方が楽じゃね? とか思ったわけじゃない。

 

「先生の知り合いの研究施設に一緒に行って、そこで対抗薬を完成させるはずだった。そのために先輩や、リシー姉達も協力してくれて……」

 

 思い出すのも辛いのか、やや声を小さくしつつも彼女は当時の状況を語る。

 

 研究仲間達はそれぞれ、ひと騒動起こして彼らの監視兼警護役の捜査官の目を向けさせようとした。

 

 ちなみにその捜査官ってのは、あのキンバリーとかいう裏切り野郎だったらしい。

 

 

 

 

 部屋を出た研究生のうち、二人が【ベルセルク】の保管庫近くで行動を起こそうととした。

 

 無害な薬をぶち撒けて、危険なものを誤ってばら撒いてしまったと騒ぎ立てる算段だったそうだ。

 

 だが、その計画はうまく行きはしなかった。

 

「最初に事態の急変を知ったのは、施設全体に発せられた警報によってでした。キンバリーの報告では、薬の保管場所近くに配備されていた仲間の音信不通を不審に思い、現場に向かう途中で、正体不明の男が【ベルセルク】を持ち出したところに出会したと」

「あいつの仲間じゃなかったってことか」

「ええ。高度な変装技術を有していたようで、正体は割れませんでした。その後、男とキンバリーが交戦。他の護衛官達も駆けつけましたが、相当の手練れだったようで苦戦し、そして……」

 

 一瞬口籠もったパラディ捜査官に、俺は続きを察した。

 

「垂れ流されたのか。【ベルセルク】が」

「………………はい。その場にいた護衛官の一人が一本丸ごと被り、残り一本は交戦していた階段から下へ落ちて、大勢が一斉に感染しました」

「【ベルセルク】は、摂取した量によって危険度が変わるの。少量なら当人が作用を受けて、七〜十日程度で死に至るけれど、二次感染はしない」

「だが、原液だと話は違うわけだ」

「そういうことです。唾液からでも容易に感染し、あっという間に施設全体へ被害が拡大してしまいました」

 

 マジのバイオハザードかよ! 現実でホラー映画の代表格とかシャレにならねえな!? 

 

「私達も、騒ぎを聞きつけて脱出しようとした。資料とデータを持って……それでっ…………それ、でっ…………!」

 

 ぐっと、目元が歪む。

 

 机の下でスカートを握りしめているのか、両腕の震えは全身に伝い、彼女は荒い息を吐く。

 

 みるみるうちに顔が青ざめていき、それでも話そうとして、こひゅ、こひゅ、という音だけが喉から漏れ出ている。

 

 隣にいたパラディ捜査官が、気遣わしげに手を背中に回した。

 

「グラント博士、もうそのあたりで」

「で、も……っ」

「いや、いいよ。もう分かったから」

 

 自分で体を抱きしめ、「先輩、リシー姉、みんな、ごめんなさい、ごめんなさい……」などと呟いていれば、馬鹿でもわかる。

 

 

 

 彼女は、目の前で全員失ったんだ。

 

 

 

 最初に誰かが死に、絶望に心を砕かれたうちに次が、またその次が……そんなとこだろう。

 

 自分が作ってしまったもののせいで、大切な人が死んだ──それは自らの罪に他ならない。

 

 まさに、そんな顔だった。

 

「私が、私のせいで……っ!」

「グラント博士、ゆっくり呼吸しろ。一度頭を空っぽにするんだ」

「マイロお兄ちゃんが目の前で滅茶苦茶にされた! サムお兄ちゃんがベルセルクになった! ロドお兄ちゃんもデニスお兄ちゃんもっ……それに、リシー姉は、リシー姉は私を守ってっ!」

「落ち着けッ!!」

「っ!?」

 

 一喝、腹の底から声を上げる。

 

 旧世界から数えても、人生で一番ってほど張り上げた言葉で博士は口をつぐんだ。

 

「……ごめん、大声を出して。だが、あまり考えすぎても心が壊れちまうぞ」

「でも……」

「兄貴や姉貴が、命をかけて貴女を助けたのは、こんなとこで潰れるためじゃないだろう?」

 

 あえてきつい言葉をチョイスして言うと、博士がハッと表情を驚かせた。

 

 何かを思い出すように視線をどこかに投げ、やがて気を持ち直したのか目元を吊り上げる。

 

 どうやらそれが気を強く持つ時の癖らしい。深呼吸すると、彼女は俺を見る。

 

「……ありがとう、ミスターK。おかげで落ち着けた」

「それならよかった」

 

 一見立ち直ったように見えるが、しばらくはそっとしといたほうがいいだろう。

 

 俺はパラディ捜査官の方を向く。

 

「で、その後はあんたが博士を?」

「ええ。我々が到着した時、すでに施設内に生きている()()はほぼおらず、弾薬が尽きて身を隠していたキンバリー達と合流。情報を共有し、手分けして彼女を探し、幸運にも私が保護しました」

 

 彼女は当時の状況を説明してくれる。

 

 なんとか施設のエントランスまでやってきた瞬間、捜査官と入れ替わっていた謎の武装集団に奇襲を受けた。

 

 それによってやってきた応援の捜査官は全滅し、圧倒的不利な状況の中で博士を守って死に物狂いで脱出。

 

「ヒューズさんの決死の抵抗のおかげで、私達は命拾いしました」

「その時点で保安局へ連絡は?」

「キンバリー達との交戦の際、端末を破損してしまって……グラント博士も逃げている時にどこかへ落としたそうです。ですが、今考えると運命の悪戯だったのやもしれません」

「そうか」

 

 内心ほっとした。

 

 俺の事情としては、連絡されてたらちょっと面倒な事になっていた。

 

「その後あのホテルまで逃げ仰せ、応急処置をした時に恥ずかしながら気を失ってしまい……」

「目覚めたところでキンバリー達に追いつかれ、そこで俺が登場、と」

「そういうことになります。…………これが、我々の事情の一部始終です」

 

 長い説明が、終わった。

 

 

 

 

 うん、すっげえ重い。メガトン級に重い。

 

 この世界でまた〝牙〟になってから色々活動したけど、ここまでの激重案件は初めてだ。

 

 いや、()()()()()なのだろう。あいつが俺にこの依頼を持ってきたのは。

 

 やはり、この依頼の真意は……

 

「ミスターK?」

「……事情はわかった。俺も色々と考えたいことが出来たから、一晩待ってくれ。そしたらまた今後の相談をしよう」

「それは…………はい、そうですね。この依頼はあまりに危険です。いかにあなたといえど、容易に首を縦に振ってはくれませんか」

 

 何やらいい具合に勘違いしてくれてるので、とりあえず無言で頷いといた。

 

 ふっと感情の見えない微笑を浮かべた彼女は、グラント博士に確認を取るように見る。

 

 彼女も自分が落ち着きたいこともあるのか、すんなりと頷いてくれた。

 

「じゃあ、今日はもう休んでくれ。色々あって疲れてるだろ?」

「正直否定はできませんが……よろしいのですか?」

「ああ。リュールさんには俺から言っとく。一応病室があるから、案内するよ」

「感謝します」

「あ、ありがと」

 

 立ち上がった彼女達を先導するため、扉の方に歩いていく。

 

 

 

 

 

 さて。俺も色々整理しないとな。

 

 

 

 

 





読んでいただき、ありがとうございます。
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