シュウジ「よお、シュウジだ。あの変身は心にくるものがあるよな。ってことで今回はこいつを呼びました」
龍太郎「あん?どこだここ。なに?カンペ?…なるほどな。皆初めまして、坂上龍太郎だ。今はグリスとして戦ってる。好きなものはみーたん、心火を燃やしてフォーリンラブだ」
ハジメ「美空に変なことしやがったら全力で殺すからな」
ユエ「ハジメ、相変わらず美空大好き」
ウサギ「……そんなハジメもすきだよ」
ルイネ「うむ、私はマスターを心から愛しているぞ」
エボルト「お前ら定期的にイチャつかないと死ぬ病気なの?まあいい、前回は外に出たと思ったら変な奴が出てきたな。で、今回はそいつとのやりとりだ。それじゃあせーの……」
六人「「「「「「さてさてどうなる峡谷編!」」」」」」
突如現れた、シア・ハウリアという兎人族の少女。彼女は俺が一目置くほどのギャグキャラっぷりを見せてくれた(違う)
そんなハウリアさんは、どうやら自分の家族も助けて欲しいらしい。この峡谷のどこかで自分と同じような状況なのだろう。
さて、我が親友様はどうするかと見守っていると、ガチャリとサイドカーの扉をあけてウサギが降りてきた。
そしてトコトコとハウリアさんに近づき、ガッとほとんどない衣服の襟首を掴む。「えっ?」と声を出すハウリアさん。
そんなハウリアさんに構わず、ウサギは腕を振りかぶり……ポーイと投げ捨てた。放射線を描いて飛ぶハウリアさん。
「あーーーれーーー!」
そして地面に落ち、見事な犬◯家となる。今日はよく犬◯家をみる日だな。今日を犬◯家の日と定めようか。
ふんす、と満足した様子のウサギはサイドカーに戻り、写真集を開いて見始める。ハジメがよくやったとでもいうように頭を撫でた。
「じゃ、行くか」
「ん」
「あなた本当に鬼畜ですね」
「クズに対してなら何の容赦もないお前には言われたくねえ」
言いながらも、今度こそ魔力を流して魔力駆動二輪を発進させようとするハジメ。マジで何の関心もないらしい。
仕方がねえなーと思いながら、バイクを反転させて犬◯家のハウリアさんに近づき、念動力で助け出した。
出てきたハウリアさんは、意外にも気絶しておらず、すごい泥だらけの顔で泣きべそかいてた。まああんな扱いだとなぁ。
『ちなみにあの勇者(⓽)だと?』
犬◯家にしますが何か?
「〝
「うう、ありがとうございます……あなたはあっちの殿方と違って優しいですね。できればその優しさで私の家族も助けて欲しいのですが」
すげえ強かなハウリアさんだった。この切り替えの早さ、嫌いじゃないわっ!
「ていうかあの殿方、私みたいな美少女をああも雑な扱いをするなんて……はっもしかして男性同士の恋愛にご興味g「ドパンッ!」あふんっ!」
背後から飛んできたゴム弾にハウリアさんの頭がかっ飛ぶ。背後を見れば、イライラした顔のハジメがドンナーを構えていた。
「誰が安倍さんだこのクソウサギ」
「YA☆RA☆NA☆I☆KA」
『ブフッ』
「シュウジ黙れ。俺がお前に興味ないのは超ハイレベルな美少女のユエとウサギがいるからだ。つかお前はエセウサ耳だ。本物のウサ耳を持つウサギに謝れ」
切れるのと謝罪させるのをセットにするハジメさんマジでヤクザ。ヤクザって言えばあの常連のラーメン店の早食いライバルの人元気かな。
ていうか本当は反対なんですけどね。ウサギはあくまで蹴りウサギをベースにしたホムンクルスなわけだし。
ちなみにそのウサギは写真集で顔が隠れているが、ピコピコ動きまくってるウサ耳が全く隠せてない。ユエもいやんいやんしていた。
そんな二人を見て、うっと息を詰まらせる復活したハウリアさん。まあ、誰が見てもあの二人は最高レベルの容姿だしな。
『とか言っといて今ここにいる中で一番可愛いのはルイネなんだろ?』
当たり前だろ?雫を除けばルイネを含めた俺の弟子三人が世界で最も可愛いに決まってるじゃないか。異論は認める反論は認めない。
格好にしたって、迷宮にいた時のみすぼらしいものではなく、ちゃんとした衣装を身に纏っている。
ユエは前面にフリルのあしらわれた純白のドレスシャツに、これまたフリル付きの黒色ミニスカート、その上から純白に青のラインが入ったロングコートを羽織っている。足元はショートブーツにニーソだ。
対するウサギは、例の赤白ボーダーに〝04〟のシャツと同じ柄の長ズボン、見事な刺繍のされたシューズ。それに某結月なんとかさんみたいなコートを着ている。
そしてハジメ自身は、随所に赤いラインの走った黒いコートとそれと同じ色構成の衣装を着ている。
どれも、オスカーの魔物の素材を合わせて仕立て直した物だ。高い耐久力を持つ防具としても役立つ衣服である。デザイナー担当は俺とユエ。
ちなみに俺たちのも解説しておくと、俺はまず下に向かうにつれ、赤いグラデーションのかかっている漆黒のロングコート。肩にはブラックホールの肩部装甲みたいな装飾がついてる。
これの原材料はエボルブラックホールフォームのローブそのもので、変身する度に生成されているので変身させたエボルトから剥ぎ取って加工した。
あらゆる攻撃をはじき返し、魔力を流すことでブラックホールフォームの虚無のエネルギーシールドを張れる。
『こんなことして、俺に変なことするつもりなんだろ!同人誌みたいに!同人誌みたいに!』
それ剥ぎ取った時も言ってたな。
その下に茶色いズボンと金属糸が編み込まれたブーツ、そして『そんなことよりおうどん食べたい』と書かれた緑色のシャツだ。
『なぜそこでそのチョイスなのか』
ちなみに明日は『乗るしかない このビッグウェーブに』でお送りします。
『だからチョイスが謎なんだよ』
お前それサバンナでも同じこと言えんの?
そして本命、ルイネは真紅をベースとした軍服とスカートだ。随所を金色で彩り、襟やベルトにある紐の装飾は緑色になっている。
俺と同じくらい長い足(間接的な自慢)には軍服と同じく縁を金色で染めた黒いブーツで覆っていた。ちなみにブーツの中にも金属糸が仕込んでる。
そして迷宮の中で渡していたカチューシャを加工しなおし、精緻な彫刻の施された逸品へと変えてプレゼントし直した。
それらはルイネの魅力をさらに引き立て、凛々しい美しさを助長させている。簡潔に申し上げますと、ルイネが可愛くてたまらないのん!(某シネマ風)
はい、以上本日の衣装紹介でした。
『お疲れさん』
まあハウリアさんも決して可愛くないわけじゃないんだけどね。ていうかハジメは身内補正すげえから詳しく見る気がない。
もしかしたら、変心する前なら反応が違ったかもしれないが。ハジメケモナーってほどじゃないけどそういうの好きだったし。
あと単純に巨乳。あまり詳しく語ると肩に手を置いてるルイネが怖いから言わないけど、ユエとは正反対のぶるんぶるんである。ちなみにウサギは普乳。
「マスター、好きな人に揉まれると大きくなると聞いたことがあるのだが」
「なぜ俺が胸のことを考えているとわかった」
「そんなもの、マスターに触れていれば一瞬でわかる」
「なにその第六感俺限定にしか使えないじゃん」
「使うつもりがないからな」
「アッーーーーーーー!」
ルイネと会話していると、叫び声とともにハウリアさんがまたしても宙を舞った。今度はユエの魔法にやられたようだ。
エボルト説明プリーズ。
『ハジメに適当にあしらわれたハウリアが逆ギレしてユエの貧乳を馬鹿にした。おk?』
おk、把握した。
ていうかハウリアさんバカだなぁ。ユエにその話は禁句でしょうに。前にウサギとそれで喧嘩して一時的に互角に渡り合ってたくらいだぞ。
そのあとユエがハジメに大きい方が好きか聞いてヘタレたハジメが大きさではなく誰なのかが重要だとか言ってた。そこは素直にいこうぜ。
『じゃあお前ルイネに貧乳の方が好きか聞かれたら?』
は?そんなのルイネのだからいいんだって言うに決まってんだろ(お前もか)
そうこうしているうちにまたしてもハウリアさんが復活した。今度は自分で体を引っこ抜いて脱出する。
「うう、こんな場面〝視えて〟なかったのに……」
「はいはい、話が進まないからそろそろギャグの時間は終わりだ」
『お前がそれをいうのか』
「あんたの身の上話、聞かせてくれるかい?」
『スルーはさすがにつらたん』
で、ハウリアさんの話を要約するとこうなるらしい。
兎人族のハウリア族は樹海に潜む亜人の国、【フェアベルゲン】で聴力と隠密能力以外は弱いながらも数百人の集落を作り暮らしていた。
↓
そこに魔力を操る……つまり魔物と同じ力を持った子供が生まれた。これがハウリアさん。俺たち同じこの世界にとって〝異端〟な存在なわけだ。
↓
魔物は憎むべき存在で殺すべきだが、亜人一情愛の深いハウリア族はそんなことなどできようはずもなく、匿って十六年もの間育てていた。
↓
が、それがバレて追放。やむなく北の山脈地帯へと逃げる。
↓
しかしその道中、峡谷の前で運悪く帝国の兵士と遭遇。愛玩奴隷として価値の高い兎人族は奴隷として価値が高く、多くが捕らえられる。
↓
なんとか一部は峡谷に逃げ込んだものの、弱っちいハウリア族では魔物をどうすることもできない。
↓
やむやく族長の娘であるハウリアさん…区別つけるためにシアさんでいっか。シアさんが助けを求めて一人飛び出す。
↓
勇敢に飛び出してきたはいいものの、ダイドヘアに見つかり追いかけ回される。そして俺たちと出会う←今ここ
だいたいこんな感じである。いちいち説明してると長ったらしくなるので簡潔にまとめた……オスカーの時もこんなことあったな。
「最初は六十人いた家族も、もう今は四十人近くまで減り……このままでは全滅です、どうか助けてください!」
真剣な表情で、懇願するように言うシアさん。そんなシアさんにハジメが出した結論は……
「だが断る」
案の定の鬼畜対応だった。
「え………えぇええええっ!?」
「アホかお前、今の話聞いて助けようとするやつがどこにいんだよ。いたとしてもとんだお人好しだろ。俺は違う」
「俺は別に助けてもいいぞー」
「言った通り話は聞いた。それじゃあな」
「スルー……(´・ω・)」
『ザマァw』
けどまあ、ハジメの言わんとしていることもわからなくもない。帝国、亜人の国【フェアベルゲン】。厄介のタネが多すぎる。
しかも仮にハウリア族を助けたとしても、今度は帝国兵を退けながら北の山脈地帯まで送らなくてはいけなくなる。
俺たちにだって神殺しと故郷への帰還という旅の目的があるのだ、そうそう他人の問題に関わっているばかりでもいられない。
「そ、そんな……たしかに守ってくれるって言ってたのに……」
「さっきもおんなじようなこと言ってたなぁ。シアさん、あんた何かそういう力でもあるのかい?」
「え?あ、は、はい。〝未来視〟と言いまして、仮定した未来が見えます。もしこれを選択したら、その先どうなるか?みたいな……あと、危険が迫っているときは勝手に見えたりします。まぁ、見えた未来が絶対というわけではないですけど……そ、そうです。私、役に立ちますよ!〝未来視〟があれば危険とかも分かりやすいですし!少し前に見たんです!貴方がたが私達を助けてくれている姿が!実際、ちゃんと会えて助けられました!」
さらに詳しい事を聞くと、どうやら自分で仮定した場合は一発で魔力が枯渇するほど消費するらしく、1日一回限りらしい。自動だと三分の一くらいだとか。
「ふむふむ、なるほどねえ」
大方、峡谷の中で助けを求められる相手がいたらどうなるか?って仮定して、俺たちが視えたんだろうな。
しかし、そうなると一つ疑問が出てくる。フェアベルゲンにバレたと言っていたが、それならば自分の命の危険ということになる。
その場合、任意であれそうでなかれ〝未来視〟が発動したはずなのだ。それでどうにか危険は回避できたはずだが……
「そこんとこどうなのよ」
「え、えーと。実は、友達の恋路がどうなるか視るために使っちゃいまして……」
「おっと自分の命の危機が迫ってた時にデバガメやってたよこの子」
『そりゃダメだわな』
自分の唯一の切り札のようなものなのだ、そういうものはいつ何があるかわからないから温存しとくほうが良い。
「でー、どーするハジメー?」
律儀に俺が話を聞くのを待っていたハジメに聞く。ハジメは肩をすくめた。やっぱりどうでもいいらしい。
「マスター」
「んー?」
「彼女たちを、助けよう」
ルイネの方を振り返る。すると彼女は、ひどく険しい顔をしていた。そこからは憤りを抑えているのがわかる。
それに、俺はこいつが暗殺者になった理由を思い出した。彼女もまた、無力だったが故に多くの家族を失ったのだ。
詳しくはまたいつか語るとするが、そんなルイネにとって家族のために命の危険を犯し、誰かに助けを求めるシアさんの姿は自分と重なるものがあったのだろう。
「それに……マスターの〝あれ〟も貯まるだろう?」
「……さすが我が弟子。俺の魂胆に気づいてたか」
不敵な笑みを浮かべるルイネ。そう、俺はある理由から、彼女たち……というよりかは帝国兵を殺したい理由がある。
そんな打算を差し引いても、単純にシアさんたちのことは救ってやりたい。なにせルイネの頼みだからな。
だがそれを、ハジメたちにどう納得させるか。迷宮での経験でリスクリターンの管理がきっちりしてるからなぁ。
『ならこういうのはどうだ?』
おっエボルトさん何か良い案が?
何やら策があるらしいエボルトからのアドバイスを聞く。するとそれは、なかなか理にかなった良いものだった。
「おーいハジメー、ちょっとカモン」
「ったく、なんだよ」
魔力駆動二輪から降り、近づいてきたハジメに俺もマシンビルダーから降りる。そして端っこの方に集まって顔を付き合わせた。
「やっぱハウリア族助けよう」
「なんでだよ。デメリットしかないだろ」
「いいや、あるんだなこれが。シアさんたちを助ける代わりに、樹海の案内させればよくね?」
「………あー」
それがあったか、という顔をするハジメ。樹海は入ったものを迷わせるという。ならそこの住人だったハウリア族に案内をしてもらえばいい。
実は隠れ家にいた時に色々と対応策を相談してたんだが、森ごと焼き払うとか全部木を切り倒すとか物騒なものしかなかった。
「そんなことするよりかは、断然楽だろ?」
「いやまあ、それはそうだがな……」
「大丈夫大丈夫、俺たちは最強でサイコーの家族。そうだろ?」
たとえ帝国兵とぶつかったとしても、そんなもの殺してしまえばいい。俺たちなら、相手がなんであろうと楽勝だ。
そう説得すると、ハジメも同じように思ったのだろう。渋々、ほんっとーに渋々了承した。なのでシアさんの方に行く。
「ほれほれ」
「うひっ、あははははっ、ちょ、やめてうひゃぁっ!」
「……何やってんのお前」
「見ての通りこちょこちょしてますが何か?」
いつのまにか勝手に分離していたエボルトを蹴っ飛ばすと、シアさんに手を差し出して立ち上がらせる。
「ひい、ひい、ふう……ありがとうございます」
「おう。で、さっきの話だけど。助ける代わりに樹海の案内をしてくれるってことならいいよって話になったぞい」
「ほ、本当ですか!?ありがとうございます!ありがとうございますっ!……ゔぅ〜よがっだよぉ〜」
土下座する勢いでペコペコ頭を下げるシアさん。本当にその家族たちのことが大切なんだろうなぁ。
しばらく嬉し涙でグズグズと泣いていたものの、あまりもたもたとしているわけにもいかないのでバイクに乗ることにする。
「そ、そういえば、皆さんのことはなんて呼べば良いのですか?まだ名前を聞いてなくて……」
「ふっ……なんだかんだと聞かれたら」
「答えてあげるのが世の情け」
「世界の破壊を防ぐため」
「世界の平和を守るため」
「愛と真実の悪を貫く」
「ラブリーチャーミーな敵役」
「シュウジ!」
「エボルト!」
「銀河をかける俺たち二人にゃ」
「ホワイトホール白い明日が待ってるぜ」
ビシィッ!と某ロケットな悪の組織の二人組のポーズをとる俺とエボルト。無駄に息ぴったりの無駄にハイクオリティな無駄な名乗りだった。
「え、えっと、シュウジさんとエボルトさんですね」
「私はルイネ・ブラディアだ。よろしく頼む」
「俺はハジメだ、それでこっちが……」
「……ユエ」
「ルイネさんにハジメさん、ユエさんですね!あらためて、よろしくお願いします!」
今一度頭を下げるシアさんに、ハジメはやれやれとため息を吐いてからグリップにあるボタンを押した。
すると、ガチャガチャと音を立ててサイドカーが伸張し、二人乗りになる。ハジメはくいっと顎でそこに乗れと促した。
かしこまった風にワタワタとしながら、シアさんがウサギの前に座る。するとウサギが足を上げ、シアさんの頭を台にして足を組んだ。
「ふぎゅっ!?」
「さあ、出発するぞ」
「ん」
「そいじゃあ行きますかねえ。ルイネ、掴まれよ〜」
「うむ」
まずハジメが発進し、ルイネが掴まったのを確認した俺が出発する。さてさて、ハウリア族を救いにいきますかね。
こうして、俺たちは迷宮を出て早々に厄介ごとに巻き込まれたのだった。
むーん、更新速度のせいでUAが一千を超えない…書きだめしといて落とすべきだろうか。
そう思いつつも多分今日中にもう一話更新するかもしれない今日この頃。
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