星狩りと魔王【本編完結】   作:熊0803

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アクセス数を見ると涙しか出てこないんですがそれは()

シュウジ「よお、シュウジだ。前回はなぜかミレディに罰ゲームコースの迷宮に入れられたぜ」

雫「まあ扉を引き剥がしたのはともかく、あのホムンクルスを連れてきたのはいいと思うわ。聞いたところ結構な境遇のようだし」

シュウジ「さっすが雫、優しいねえ〜」

ミレディ「はいはーい、呼ばれて飛び出てミレディちゃんだよ!よろしくみんな!」

ハジメ「うわっウザいのが増えやがった」

シア「ふふふ、絶対殺してやるですぅ…」

エボルト「殺人鬼の目してんぞ?まあそれはともかく、今回は前回の続きだ。それじゃあせーの…」


六人「「「「「「さてさてどうなる峡谷編!」」」」」」

ヴェノム公開早よ(^ω^)


秘密の迷宮 その2

 

  両側にある強酸性の沼に骨クッパ出てきそうとか思いながらバイクを走らせること数分、神殿のもとにたどり着いた。

 

  横も縦もでかい階段の前でバイクを止め、神殿を見上げる。凄まじく巨大な建築物であり、この世界の建築技術では考えられないような代物だ。

 

  バイクから降りながら見渡していると、ふと石像があることに気づく。それはポニーテールの若い女の像……ミレディの像だった。

 

「おお、無駄に精巧だな。自己主張の激しい解放者だ」

『つーかムカつくポーズしてんなオイ』

 

  この地獄に似つかわしくない舌出しピースを決めたミレディの像は片手に石板を持っており、そこに例のごとく文字が刻まれていた。

 

 

 〝ようこそ!目ん玉と心臓の飛び出るミレディちゃんお手製のホカホカ神殿へ!入場料はあなたの命です(^ ^)〟

 

 

「うっわーシャレにならないわこれ」

「常人が見れば発狂していただろうな」

『ハジメならとりまオルカンで吹き飛ばしてるまである』

 

  とりあえず適当にハイパァークリティカルスパァーキング!(銃撃です)で吹っ飛ばし、バイクを収納して階段を登り始めた。

 

  気の遠くなるような段数の階段を分離したエボルトとルイネと三人でマジカルバナナをしながら登り、中腹あたりにきたその時。

 

 

 

 ゴゴゴゴゴゴ……

 

 

 

  突如、空間全体が振動を始めた。それ自体は数分ほどで収まったが、その瞬間一際強く揺れが起こる。

 

「なんだなんだ、地殻変動か。それともハジメが何かしたのか?」

「いやシュウジ、それよりもっとやべえぞ」

「マスター、後ろだ!」

 

  二人の言葉に背後を振り返ってみれば……あら不思議。バイクで走ってきた石道が階段の一番下もろとも沼に沈みかけていた。

 

  どうやらここまで登ったことで、最初の仕掛けが発動したようだ。このままでは上昇する沼に飲み込まれてゲームオーバーだろう。

 

  俺たちは顔を見合わせると、俺とエボルトは瞬間移動で。ルイネは瞬歩でそれに追いつきながら階段の上を目指した。

 

「逃ーげるんだよぉォオオオ!」

「もっと、熱くなれよォオオオ!」

「言っている場合か!」

 

  ルイネに突っ込まれながら、目視できる限界の場所まで瞬間移動する。もう5回は瞬間移動したが、まだ終わりは見えない。

 

  さらに嫌味なことに、俺たちのスピードに合わせて沼の上昇速度は上がっていた。ほんっとミレディ性格悪いわ。

 

  え、お前が言えたことかって?いやほら、俺はちゃんと相手を選んでるからセーフ。例えば勇者(笑)とか勇者(爆)とか勇w者w()とか。

 

  あの勇者次会ったらぜってー全裸でズイズイ踊りさせてやると思っていると、ようやく階段の終わりが視界の端に映り込んだ。

 

「っしゃラストスパートォ!」

「おい待てあれ扉閉まりかけてるぞ!」

 

  たしかにエボルトの言う通り、神殿の入り口の重厚そうな扉が少しずつ閉まっていた。あれがタイムリミットってか!

 

「マスター、今の速度で間に合うのか!?」

「余裕のよっちゃん……といいたいところだけどあのミレディだから直前でバッタンとかありえる!だから奥の手使うわ!」

 

  異空間から小瓶を取り出す。エボルラビット印が入っており、中には怪しげな赤と黒2色の錠剤が詰まっていた。

 

  親指でフタを開けると、自分に一粒とルイネに一粒放る。エボルトは俺と効能がシンクロするから問題ない。

 

「テッテレ〜!スピードアップ剤!」

 

  ハジメの技能〝瞬光〟を付与した可食性の鉱石、そしてラビットエボルボトルの成分を調合した錠剤。

 

  こいつで数分間超スピードを得られるほか、移動系の技能の力を上昇させられる。まさにこの状況にうってつけのアイテムだ。

 

  躊躇なく錠剤を口の中に放り込むと、そのまま噛み潰した。その瞬間全身……特に脚に力がみなぎり、視界が灰色に染まった。

 

「行くぜルイネ!エボルト!」

「ああ!」

「おう!」

 

  二人の了承を得るのと同時に、一際強く脚を踏み込む。そしてこれまでとは比べ物にならない速度で瞬間移動をした。

 

  次の瞬間、ほんの一瞬でほぼ閉まっている扉の前に到着する。最初に俺が、次いでルイネが体を滑り込ませ、最後にエボルトが半スライム状態で中に入った。

 

  勢い余ってコケたが、すぐに後ろを振り向く。するとちょうど、扉が重々しい音を立てて完全に閉じるところだった。ふう、と安堵のため息を漏らす。

 

「あっぶねー、間一髪だったな」

「殺意マックスで大草原不可避」

「あのミレディという女、かなり容赦がないぞ……」

 

  口々に愚痴を言いながら、立ち上がって神殿の中を見渡した。奥に向かって長方形の廊下が伸びており、壁には壁画や石像が埋め込まれている。

 

  それを見ていると、ふっと一部の壁画に文字が浮かんできた。近づいて読んでみて、思わず苦笑してしまう。

 

 

 〝いやぁ〜危なかったねぇ〜 もしかして逃げ遅れたお仲間さんが沈んじゃったりしたかな? かな?〟

 

 

「人を煽るのに余念がねぇなぁ」

「反逆者うんたら以前に人類の敵認定されても文句言えねえぞこれ」

「まあ、この程度で死ぬのなら攻略など夢のまた夢、ということなのだろう」

 

  とりあえず何かが潜んでいそうなもの影を警戒しながら進んでいると、不意に壁に等間隔に取り付けられた器の中に炎が灯った。

 

  すぐさまネビュラスチームガンを取り出して構えれば、天井から音もなく正方形の石板が降りてくる。その上には、案の定人形が。

 

「やぁやぁ君たち、みんな大好きミレディさんだ」

「うっわ出たよ鬼畜人形」

「酷いっ!でも、よくぞここまでたどり着いたね。いやぁ、君たちなら無事に突破できると思っていたよ」

「溶かして殺す気満々だったけどな」

「仕方がないね、罰ゲームだから☆」

 

  キランッ☆と擬音が聞こえてきそうな動きをするミレディ人形。きっとハジメなら今頃散々蹴りつけた後に蜂の巣にするだろう。

 

「んで、なんでわざわざまた出てきたわけよ」

「いやぁ、ちょっとしたお礼を言い忘れてたと思ってね……フィーちゃんを外に連れ出してくれて、ありがとう」

 

  先ほどまでのウザいテンションは何処へやら、真剣な声音で言ってくるミレディ人形。その無機質な瞳には後悔の念が宿っている……ように見えた。

 

「あの子は、私たちでは扱えなかった。でも、あなたは手懐けた。あなたならあの子を、きっと良いことに使ってあげられる」

「……さて、どうだかね」

 

  解放者たちはフィーラーを封印はしたものの、全くの厄介払いをしたかったわけではない。その証拠に、殺すことなく生かし続けた。

 

  いくら強いとはいえ、女神様の知識にある解放者たちの神代魔法を全力で使えば、なんとか殺すことだってできたはずだ。

 

  それをしなかったのは、ひとえに愛情があったから。どれだけ醜くとも、制御できなくとも、彼女らにとって子供のようなものであることに変わりはなかった。

 

  だからこそ自由を奪うだけに留め、殺処分という最も冷酷な処理の仕方はしなかった。いや、できなかったと言った方が正しいか。

 

  もしかしたら、脱走して暴れる可能性があったかもしれない。それでもできなかったのだ……って知識にありました。

 

『台無しだよ』

 

  まあ普通にオスカーの手記に走り書きみたいに書いてあったとこから推測したのもあるけども。

 

 まったく人間らしい、暖かい愚かさである。

 

「わかんねえぜ?もしかしたら俺っちが世界征服を企んでて、そのために利用しようとしているという可能性も……」

「いや、それはないね。そんな嘘を言ってもわかるよ。君は、そこにいるお嬢ちゃんもそうだけど私たちと本質が同じだと確信している。私、人を見る目はあるからね」

「……そうか。なら大人しく任されときますかね」

「お願いね。あの子は使いどころを間違えるとかなり危険だから」

「おーい、俺は?」

「あんたはダメ。なんか色々とダメ」

「雑くない?」

 

  しょんぼりするエボルトにケラケラと笑う人形。相変わらず良い性格してんなぁ。

 

「じゃ、言いたいことはそれだけだから。今後もこの神殿を楽しんでいってね〜」

 

  バイバーイとでもいうように手を振りながら、石板ごと退散するミレディ人形。ルイネと顔を見合わせ、少し笑う。

 

  端っこの方で体育座りになって床にのの字を削って(描いているではなく、削っている)エボルトを呼ぼうとすると、不意に悪寒を感じた。

 

 

 バンッ!!!

 

 

  振り向きざまにネビュラスチームガンの引き金を引き、悪寒の元を撃ち殺す。確実に射殺したそれは地面に落ちた。

 

  警戒してもう一度撃ってから、それを見る。するとそれは乳白色色の体色をした、六本の足と長い尾、胴体に穴のある生物だった。

 

  要するに、フェイスハガーだ。某完全生物の幼体を人間に植え付ける超未来的なオシャレグッズである(大嘘)

 

「なんでこんなとこにこいつが?」

「なるほど、ここは儀式の場だったわけか(迷推理)」

「あながち間違いでもなさそうだなぁ」

 

  ふざけたことを言っていると、そこらじゅうから殺気を感じ取った。咄嗟に三人で背中を庇い、銃や金属糸を構える。

 

 

 

 キイィィィイイイイイ!

 

 

 

  次の瞬間、ありとあらゆる物陰からフェイスハガーが飛び出してきた。俺たちの顔めがけ、一直線に飛んでくる。

 

  すぐさま撃ち殺すが、すぐにまた新しいのが倍の数になって飛んできた。それも撃ち殺すが、また倍になって出てくる。

 

  ネズミ算式に増えていくフェイスハガーを、俺たちはひたすら殺していった。体液に触れるとヤヴァイので気をつけながら、一定の距離で処理する。

 

「ほいっと!」

「いやなんでわざわざレイザー・ディスク使ってんの?」

「なんか気分に浸りたくて」

「恋人といる時の雪って特別な気分に浸れて僕は好きですってか?」

「下手をしたら超強酸性の雨が降り注ぐがな!」

 

  突っ込みながら五匹まとめて金属糸で切り刻むルイネ。ルインエボルバーの不滅の概念をコピぺってるので、そうそう溶けたりしない。

 

  十分ほどかけて、ようやく全てのフェイスハガーを処理した。全部で二百匹以上はいたような気がする。もうレイザー・ディスクの刃はドロドロだ。

 

  レイザー・ディスクのメンテナンスをしながら、片手で念動力を使ってフェイスハガーの死骸を集める。そしてブラックホールで消し去った。

 

「うし、これで処理完了と」

「うっわ臭え、さしものブラックホールでも匂いまでは吸収できないか」

「マスターに修行の一環で色々な薬の匂いを嗅がされたが、これは中々に強烈だな」

 

  鼻をつまみながら道を進み、最奥までたどり着く。そこには台形型のアーチが存在しており、その奥に迷宮が続いていた。

 

  そして案の定、アーチの一部分が輝いて文章が浮かんでいる。あ、言い忘れてたけどこれ魔力込めると光るリン鉱石ってやつね。

 

 

 〝どうだったかな、フェイスハガーのフルコースは? あ、お礼は言わなくていいよ(^ ^)〟

 〝もし誰か寄生されちゃってたらご愁傷様 そう長くないうちに死んじゃうよん〟

 〝お疲れ様 プギャー(^ω^)〟

 

 

「この煽り毎回入るのかぁ」

「当時の仲間たちにもウザがられてたんじゃねえの?」

「ある意味精神攻撃だな」

 

  やれやれ、と肩をすくめながらアーチをくぐる。壁を隔てた向こう側には、これまただだっ広い部屋があった。

 

  ここでも何かあるんだろうなーと思っていると、しんがりのルイネが入った瞬間アーチの両端から金属の扉がスライドしてきて閉じてしまう。

 

「ぬっ」

「閉じ込められたか」

「ダメだな、完全に閉まりきっている」

 

  こうなったら出られないだろうと諦め、部屋の中央まで進んだ。するとカシュッと音を立てて部屋の壁に無数の小さな穴が空き、壁がせり出てきて高速で変動を始める。

 

 

 パシュッ!

 

 

「っと」

 

  変動する全方位の壁から、不規則に矢が射出された。一瞬で全て把握するとわずかに体をずらして全回避し、一本だけ掴み取る。

 

  槍の先端を見ると、黄緑色の液体が塗られていた。異空間からナイフを取り出して触れさせると、煙を上げて腐食する。

 

「おーい二人とも、気をつけろ。この矢あの沼と同じ液体が塗られてる」

 

  振り返って声をかけると、無事に回避していた二人は肩をすくめた。

 

「触れただけでアウトか……やはり難易度が高いな」

「まあ、その程度ならまだ平気だろ」

 

  言っているうちに第二射が始まった。俺はアクロバティックな動きでかわしながら撃ち、エボルトはオーラで消しとばし、ルイネは金属糸で絡め取ってやり過ごす。

 

  その調子で第六射、第七射と受け流していると、不意にピタリと壁の変動が止まる。代わりに一部が開き、中から巨大な筒が出現した。

 

 

 ドッ!!!

 

 

  そこから撃ち出されたのは、もう隠す気もないレベルで頭からケツまで黄緑色の槍。モン◯ンのバ◯スタを想像すればわかるだろう。

 

「よっと!」

 

  異空間からルインエボルバーを取り出すと、槍を真っ二つに切り裂く。それを気にする間も無く、二本目が飛んできた。

 

  最初はその一門だけだったものの、時間経過でどんどん増えていく。しまいには二十六本もの即死槍を相手する羽目になった。

 

  しかもまた壁が動き始め、矢まで飛んでくる。これで俺たちじゃなかったら今頃髪の毛一本残らず溶けきっていただろう。

 

「キリがねえなこれ!」

「いいやマスター、あそこの壁が薄いぞ!」

 

  それまで絡め取った矢をそこかしこの壁に叩きつけ、出口を探していたルイネが叫ぶ。指差す方向を見れば、ちょうど砲台の後ろの壁だった。

 

「出口がわかりゃさっさとオサラバだ!」

 

  異空間からライフルモードのネビュラスチームガンとフルボトル……ロケットフルボトルを取り出すと、スロットに装填。

 

 

《フルボトル!ファンキーアタック!フルボトル!》

 

 

  認識したのを確認すると、槍と矢を避けながら照準を構えて引き金を引いた。すると先端から紫色のロケット状のエネルギーが飛び出していく。

 

  螺旋を描きながら飛翔したそれは、今まさに槍を射出しようとした砲門の中に入っていき……そして爆発。中から大量の強酸性の液体が飛び散った。

 

  それは目論見通りに後ろの壁を溶かし、その奥に隠されていた空洞を露わにした。縦長の二メートルくらいの穴だ。ビンゴ!

 

「捕まれルイネ!」

「ああ!」

 

  ルイネの腰に手を回すと、エボルトに目配せしてから瞬間移動で穴の中に転がり込む。一拍遅れてエボルトも瞬間移動してきた。

 

  その瞬間、それまでやかましかった音が止まる。振り返って部屋の中を見れば、全てのトラップの動きが停止していた。

 

  ホッとしていると、近くの壁にリン鉱石の文章が浮かび上がる。もう慣れた心境でそれを読んだ。

 

 

 〝よくぞこの出口を見つけた!どんどんぱふぱふ〜!〟

 〝さーて、それじゃあお部屋の方で串焼きパーティを……って誰も食べないか(笑)〟

 

 

  よくもまあここまで人をイラつかせることに全力をかけられるものである。え、お前が言うなって?なんのことやら()

 

「シュウジ、どうやらこの道どっかに繋がってるらしいぞ」

 

  エボルトの声に振り返れば、たしかに穴は奥へと続いていた。出口と言っていたし、おそらくこの先にもトラップがわんさか待ち構えているのだろう。

 

「俺、この迷宮から帰ったら結婚するんだ」

「死亡フラグ立てんな」

「どうやらこの道にはトラップはないようだな」

 

  エボルトと軽いやりとりをしながら、ルイネを先頭に穴の中を歩いていく。薄暗い穴の中はそれだけで気が萎えそうだ。

 

  あのミレディのことだから俺たちですら気づかないトラップがあるかと警戒しながら進む。オスカーのとことは別の意味で面倒だ。

 

  しばらく歩いていると、なにやら分岐路に行き着いた。金属製の二枚の両開きの扉が鎮座していて、どちらともヤベーくらい悪寒を感じる。

 

  その真ん中に一枚の看板が立っており、右矢印の上に〝出口〟、左矢印の上に〝ミレディちゃんのペットのお部屋♡〟と書かれていた。

 

「なんじゃこりゃ」

「T◯ICKでこんなのなかったか?」

「とりあえず、出口のほうから確認してみよう」

 

  ルイネが右側の扉の取っ手に手をかけ、押しあける。するとその先にあったのは……

 

 

 

 キィキィキィキィキィ……

 

 

 

  一瞬見えた光景に、ルイネは即座に扉をそっ閉じした。そしてこちらを引きつった顔で振り返る。

 

「……マスター、エボルト。今私はとんでもない幻覚を見た気がするのだが」

「奇遇だな、俺も無数のフェイスハガーの幻覚が見えた」

「ああ、俺も見たぞ。〝出口だと思った?残念地獄でした!〟って看板の幻覚」

 

  三人でため息をつく。これくらいやるだろうと思ってはいたが、相手が相手なら一瞬見ただけでもトラウマものだ。

 

  とりあえずSAN値チェック待った無しの出口(地獄)は置いておいて、今度は左側の〝ミレディちゃんのペットのお部屋♡〟とやらを見る。

 

  ちょこっと扉を開けて隙間から中を見ると、こちらは出口()とは正反対になにもない殺風景な部屋があった。一応警戒しながら扉を開ける。

 

  中に入ってみると、やはり何もない部屋だ。これがマジでペットの部屋なら動物愛護団体からO☆HA☆NA☆SHIが来そうである。

 

 

 

 パンパカパーン!

 

 

 

  とりあえず適当に落書きでもしようかと思った瞬間、どこからかファンファーレのような音が鳴り響いた。ミレディの仕業だな(断言)

 

  二人とシンクロした動きで上を見上げると、ウィーンと言う間の抜けた音とともに石板が降りてくる。もう見慣れた人形も乗っていた。

 

「ブッブー!乙女の部屋に入るなんて悪い子だね!」

「いやあの部屋にどう入れと」

「そこはほら、根性で?」

「なるほど……エボルト行ってこい」

「なんでや!」

「なぜ顔をおっさんにした……」

 

  ぷんすか!とわざとらしく腕を組む人形。むしろあの部屋に入る奴っているんだろうか。

 

「ということで、罰ゲームターイム!君たちには私のペットたちと遊んでもらいます!」

 

 

 ガションッ!

 

 

  音を立て、正面の壁が5箇所ほど内側に凹む。そうすると横にスライドし、真っ暗な穴が露わになる。その奥に、〝何か〟がいた。

 

  全身を這い回る悪寒にネビュラスチームガンを構えると、ヒタヒタと〝何か〟が暗闇から姿を現した。それに思わず目を見開く。

 

  それは、真っ黒な体躯をしていた。湾曲した長細い頭部に目はなく、唾液の滴る銀色の歯が剥き出しになっている。

 

  大きく張り出した両肩に、鋭い鉤爪のついた両腕。細く節くれだった二本の両足の奥には、長い尻尾がゆらゆらと蠢いている。

 

  完全生物ゼノモーフ、あるいはエイリアン。そう呼ばれるその生物は、記憶にあるのと全く同じ姿で俺の前に姿を現した。

 

「おいおい、フェイスハガーが出た時点でいるとは思ってたが……」

「実物で見ると気持ち悪いことこの上ねえな」

「というか、あの沼はこれの体液だったのか」

 

  苦笑する俺の横に、エボルトとルイネが並ぶ。それに合わせるように、ゼノモーフの後ろからさらに数体のゼノモーフが出てきた……

 

 

 キシャァァア……

 

 

  ……かと思ったら、数体どろこか際限なくどんどん出てきた。あっという間に殺風景な部屋が黒一色で埋め尽くされる。

 

  唾液を垂らしながらひしめき合うその姿はさながら餌を待つ獣のようであり、事実奴らには俺たちを餌だと認識しているだろう。

 

「じゃっファイト!」

 

  それを引き起こしてくれた張本人形はというと、サムズアップするように腕をあげるとさっさと引き上げていった。

 

「……なあ、あいつ後でぶっ飛ばしていいか」

「お前割と沸点低いよな」

「下等生物の分際でぇ!」

「はいはいジーニアスに負けた時の声真似乙」

「二人とも、冗談を言っていられるのはここまでのようだぞ」

 

  今にも飛びかかってきそうな殺気全開のゼノモーフたちに、ルイネが警告を飛ばす。俺たちはふざけるのをやめ、武器を構えた。

 

  部屋の中に、張り詰めた空気が漂う。ネビュラスチームガンの銃口を向けながら、静かにゼノモーフたちが動くのを待った。

 

 そして、その数秒後。

 

 

 

 キシャァァアアアァアアッ!!!!!

 

 

 

  咆哮を上げて、ゼノモーフたちは一斉に飛びかかってきた。それに俺は、引き金に指をかけながら……

 

「さあ、ひと狩りいこうか」

 

 

 ドンッ!!!

 

 

  その言葉とともに、先頭のゼノモーフの一匹を撃ち殺す。それを皮切りに、俺たちとゼノモーフの戦いが幕を開けたのだった。




うーむ、やはりオリジナルだとすごく微妙に……
あ、俺〝たち〟のヒーローアカデミアというのを始めました。
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