星狩りと魔王【本編完結】   作:熊0803

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どうも、明日のテスト返しに顔が引きつってる作者です。

シュウジ「一週間ぶりー、シュウジだぜ。前回は支部長の依頼を受けたぜ」

ハジメ「ったく、面倒なことになったな。これだから異世界は……」

美空「そんなこれだから田舎は…みたいな言い方しなくても」

ネルファ「割と住めば都ですわよ?幼少期の私の暮らしていた場所に比べればなんでもありませんわ」

愛子「あなたのは壮絶すぎるでしょう…今回はリベルという小娘とエボルトの続き物の話のようですね」

ハジメ「なんか刺々しくないか?」

愛子「うるさいです南雲くん、先生の言うことには口出ししないでください」

ハジメ「横暴な教師だな…まあいい、それじゃあせーの」

五人「「「「「さてさてどうなる襲撃と再会編!」」」」」


リベルとエボルトの一日 午前中

 

  こんにちは!リベルです!今日はわたしのことを話します!

 

「……ん」

 

  ふわふわって気持ち良く寝てると、なんだか眩しくて、わたしは目を開けた。

 

  するとさいしょに見えたのは、わたしみたいに寝てるパパの顔。さいしょっていうのは、いちばんはじめって意味らしい。

 

  パパはわたしのパパ。シュウジってお名前で、いつも楽しそうで、わたしに名前をくれて、たーくさんかわいがってくれるの。だからだいすき。

 

「ふみゅ……」

 

  目をこすりながら、ふかふかしたベッドから起き上がる。すると白い大きなおててがお腹から落ちた。

 

  おてての先を見てみると、そこにいるのはママ。お名前はルイネっていって、パパのおよめさんで、赤い髪が綺麗で、とっても優しい、だいすきなママ。

 

「んう……ますたぁ……」

 

  ママはもぞもぞして、パパのおててを枕にしてまた寝ちゃった。ママはパパのこと、ますたーって言うの。変だよねっ。

 

「んしょ、んしょ……」

 

  パパとママの間から這い出して、ふかふかから降りる。すると、お部屋の隅っこに誰かが座ってるのがわかった。

 

  小さなお本を読んでるその人は、パパとおんなじ顔をしてた。でも目はトマトみたいで、髪はお風呂のタオルみたい。

 

  わたしはトテトテとその人に走っていって、重力魔法で体を軽くしてお膝の上に飛び乗った。そして……

 

「エボルトおじさん!」

「ん? おお、リベルか。今日は早起きだなぁ」

 

  わたしに気づいたその人……エボルトおじさんは、笑ってわたしの頭をナデナデしてくれた。えへへーって思わず笑っちゃう。

 

  エボルトおじさんは、もう一人のパパ。パパとくっついたり、パパから出てきたり、パパとおあそびしたりする、面白いおじさん。

 

  パパもママもいないと、エボルトおじさんはわたしと遊んでくれるの。おさんぽしたり、おいしいもの食べたり、色んなとこに連れてってくれる、面白くてだいすきなおじさん。

 

「ねえねえ、なんの絵本読んでるのー?」

「いーや、こいつは絵本じゃなくてライトノベルっていうんだ」

「らいとーのーべる?」

「ハハッ、すげえもの授与しちまってんな。いいか、ライトノベルっつーのはちょっと難しい絵本みたいなもんだ。こいつは俺が完全に記憶してるのを転写したやつだな」

「えほんっ!よんでよんで!」

「ククッ、リベルにはまだちょいと難しいんじゃねえか?」

「むー!そんなことないもん!」

 

  リベルは賢い子なのです!だから絵本ならちょっと難しくても読めるのです!

 

「昨日だって、星のジョ◯ョ様ひとりで読めたもんっ!」

「お、そいつはすげえな。ならご褒美に俺が北◯姫読んでやる」

「◯斗姫?」

「ああ、面白いぜ?昔々あるところに、ヒャッハーのモヒカンを取っているお爺さんがおりました」

 

  穴から絵本を出して、読んでくれるエボルトおじさん。わたしはエボルトおじさんのお腹に背中をくっつけて、それを聞いた。

 

  って、ハッ!お腹と背中をくっつけちゃダメだ!くっついたらお腹が空いちゃうってパパが言ってた!

 

  わたしはしたがなく?(※仕方がなく)、ダチョウの思いで(※断腸の思いで)エボルトおじさんの肩に乗ってお話を聞いた。むふー、わたしてんさい!

 

「んんっ……」

 

  胸に七つの傷を持った北◯姫がヒャッハーにけっこん?を申し込まれるのを聞いてると、ママの声がした。

 

  ママ!と言おうとすると、エボルトおじさんにお口をおててで押さえられる。むーむー、息ができないー!

 

「リベル、ステイだ」

 

  エボルトおじさんを見下ろすと、おくちにお指を当ててしーってやった。これ知ってる、パパが静かにするときに使うやつだ!

 

  エボルトおじさんのおてての上からおててでバッテンすると、エボルトおじさんは笑ってお指をパチンした。

 

  エボルトおじさんがパチンすると、穴ができてわたしとエボルトおじさんが食べられちゃった。

 

「あれ!?たべられちゃった!?」

「安心しろ、隠れただけだ。ほれリベル、あれを見てみろ」

 

  エボルトおじさんのおゆびがむいた方を見ると、裸のママが起き上がってた。ふぁってあくびして、んーってしてる。

 

「………相変わらずデケェな……」

「?なにがー?」

「いや、なんでもねえ」

 

  なにがおっきいんだろ?もしかしてママのおっ◯いかな?前にパパがもみもみするの見たことある。ママは喜んでた。

 

「……ふふ、マスター」

 

  ママを見てると、ふにゃって笑ったママは寝てるパパにちゅーをした。

 

「きゃー!」

「ククク、寝起きで意識がハッキリしてなきゃこんな近くで見れねえぜ」

 

  おててでおめめを隠してると、エボルトおじさんがパシャッてした。パシャッてすると、見たものが残るの。ふしぎだねー。

 

  ちなみに、パパとママのパシャッにはわたしがたくさん入ってるの。二人で見てにへーってしてると、わたしもにへーってする。

 

  おゆびの間から見てると、ちゅーをやめたママはパパのからだをゆらゆらした。今度はパパがうーんって言っておめめをあける。

 

「起きろマスター、朝だ」

「んー、あともうちょい……ヒャッハーが蔓延るまで……」

「世紀末まで寝ているつもりか」

「おー……我が愛しの弟子ではないかー。おはようさんー……」

「全く寝ぼけているな。弟子ではなく、妻だろう?間違えているぞ」

「いや突っ込むのそこかよ………って、あ」

 

  エボルトおじさんが穴から出て、ママにおててをピシッてする。ママがばってこっちを見た。パパも起きてばってこっちを見た。

 

  お部屋のなかがしずかになる。賢いわたしは知っている、こういうのをてんまくというのだ(※沈黙です)

 

  ジーってわたしとエボルトおじさんを見てたママは、急に顔を落とした。どうしたのかな、どこか痛いのかな?

 

「…………………エボルト」

「え、えーっと、グッモーニンルイネ?今日の調子はどうd」

「どこから見ていた?」

「いやそr」

「ど こ か ら 見 て い た ?」

「最初からっすハイ」

「ぴえっ」

 

  ママは、とってもこわーく笑ってた。さっきのふにゃっじゃなくて、ぴきぴきって感じ。変なこえだしちゃった。

 

「ほう、そうか……………リベル、こっちに来なさい」

「は、はい……」

 

  うふふふふふふふってはいけーに見えるママに、わたしはエボルトおじさんの肩からジャンプしてママのとこにいった。

 

  わたしを両方のおててで受け止めたママは、そのままベッドから降りてわたしをお部屋の外に出した。そして、

 

「リベル、今から五分間、部屋に入ってはいけないぞ?いいな?」

「は、はいっ!」

 

  うふふふふふふふからフフフフフフフフフフにえぼりゅーしょん?したママに、わたしは思わずけいれーしてしまった。

 

  「いい子だ」とママが言って、パタム、とドアが閉まる。わたしは思わずほっとした。ママ、ときどきとってもこわい。

 

「さてエボルト、辞世の句を聞こうか」

「俺は無実d」

「絶望が、お前のゴールだ」

「ちょっシュウジまっ……アッーーーーーーーーーーー!」

 

  ドアの向こうから、エボルトおじさんの声が聞こえた。こういう時、なんていうんだっけ?

 

「そうだ、ご消臭さまだっ!」

 

  エボルトおじさんに向かって、私はドア越しに手を合わせた。

 

「リベル、もういいぞ」

 

  お椅子に座って北◯姫を読んでると、ママの声がした。お椅子から飛び降りて、おそるるおそるる(※恐る恐る)扉を開ける。

 

  お部屋には、きれーな剣を持ったパパとお洋服を着たママ、煙を上げてるエボルトおじさんがいた。

 

「まったく、リベルまで巻き込むとは悪趣味な……」

「いやー、いつか見られるとは思ったがなぁ」

「……いくら……再生する……からって……朝から……スタバ打ち込むか……普通……」

「エボルトおじさん、よしよし」

 

  げきちんしてるエボルトおじさんの頭をなでなでする。こうするとパパもママも、ハジメおじちゃんたちも喜ぶのー。

 

  エボルトおじさんをこんてにゆー?するまでやぶさめ(※慰めです)ると、みんなで下のおっきなお部屋にいった。

 

「かっいだん、かっいだん♪」

「こらリベル、気をつけろ」

「だいじよーぶだよ、ママふみゃっ!?」

 

  後ろを向いたら、ママのおひざにおでこをごっちんしちゃった。うー、痛いよぉ!

 

「ほら、言わんこっちゃない。リベル、パパのところに行きなさい」

「はぁい……」

「ヘイリベル、俺の胸の中にカモン!」

「朝からハイテンションだな……」

 

  パパに抱っこしてもらって階段を降りると、しょくどーにハジメおじちゃんたちがいた。

 

「ハジメおじちゃーん!」

「誰がおじちゃんだコラ……って、リベルか」

 

  ハジメおじちゃんを呼ぶと、おじちゃんはちょっとさっきのママみたいな顔だったけど、すぐにふにゃって顔になった。

 

  ハジメおじちゃんは、パパのまぶ…まぶ……マーブルダーツ?(※マブダチです)で、いつもパパにツッコミしてるの。頭ナデナデしてくれるからすきなの。

 

「おはようハジメ、今日の調子はどう?絶好調?ハハ、そりゃよかった」

「まだ何も言ってないわドアホ。まあ、いつも通りそこそこだ。ルイネもおはよう」

「ああ、おはようハジメ殿。ユエたちは?」

「まだ寝こけてるよ。エボルトは……ザマァ」

「おほっほう、朝っぱらから酷い扱いだぜ」

「おほっほう?」

 

  おほっほうってなんだろー。何かの鳴き声かなー?

 

「ハジメおじちゃん、あやとり教えて!」

「おお、昨日の続きか。いいぞ、それじゃあ最初は祟り神からいこうか」

「最初からレベルたっかいなおい」

「レッツチャレンジ!」

「ちゃれんじ!」

「プッ、今のハジメがレッツチャレンジとか笑えあっちょっやめて無言で首締めないで痛い痛い痛い!」

 

  ハジメおじちゃんのこぶらついすと?で、パパのお顔はまっさおになっていく。あっエボルトおじさんなんでおめめかくすの?

 

  パパがけーおー?されたら、ハジメおじちゃんはあやとりを教えてくれた。はじめはいのししさんから!

 

  ママにおてつだいしてもらってエボルトおじさんのお顔を作ってると、トントンって聞こえた。そっちをみると、ユエおねーちゃんたちだった。

 

「ふぁ〜……おはようごじゃいますぅ……」

「……ん……」

「……おはよう」

「ゲコッ」

「おうお前ら、重役出勤だな」

「おはよーさん」

「おはよう、四人とも。ほらマスター、ユエたちが起きたぞ」

「I'll be back……」

「それは起き抜けの挨拶ではなく別れの挨拶だ」

 

  ふわーってお口を開けたユエおねーちゃんたちが、イスに座る。わたしはおててを背中にかくれんぼして、シアおねーちゃんに近寄った。

 

「あ、リベルちゃんおはようございますぅ」

「おはよっ!ねえ、みてみてシアおねーちゃん、エボルトおじさん!」

「わぁ、すごいですぅ!さすがはリベルちゃんですぅ!」

 

  ふふっ、シアおねーちゃん褒めてくれた。シアおねーちゃんはハジメおじちゃんのだいよんふじんこーほ?で、ユエおねーちゃんと仲良いの。

 

  いっつもハジメおじちゃんにツッコまれてて、でもとっても強いの。わたしの遊び相手になってくれるからすきー。

 

「ん……リベル、ハジメ」

「わっ、ユエおねーちゃんすごーい!」

「どれどれ……って本当にハジメさんの顔あやとりで作ってますぅ!?どんな凄技ですか!?」

「ならば私は、これだ」

「ウサギは昔のハジメか。どっちもすげえ高レベルだな」

 

  ユエおねーちゃんもウサギおねーちゃんもすごいの。わたしもいつか、パパとかママをつくれるようになる。しょうじんだー!

 

  あ、ユエおねーちゃんはちっちゃいけどハジメおじちゃんのこと大好きで、いっつもくっついてるの。すごーい魔法使いなんだよ。

 

  ウサギおねーちゃんはしずかで、でもやっぱりハジメおじちゃんのこと大好きなの。それで、とっても強いんだ。てっけんせいさいなの。

 

  わたしにお菓子作ってくれたり、ときどき一緒に寝てくれるから、二人ともすき。わたしはパパたちみんなだいすきなの。

 

「おいお前ら、恥ずかしいからやめろ」

「ふっ、私のマスターには敵うまい」

「お前はお前で何で俺の全身像を作ってるんじゃい」

 

  みんなであやとりを見せあいっこして、わたしはまだまだなことを知った。一番強いのは、ママだ。

 

  ママにたいこーするためにハジメおじちゃんにあべさん?のやり方を教えてもらってから、わたしはご飯を食べた。おこさまぷれーとというやつだ。

 

「どうだ、うまいかリベル?」

「うんっ!おいしーよ!」

「ほらリベル、ほっぺたにソースがついているぞ」

「ありがとママっ!」

「ハジメさん、あーんですぅ」

「……ハジメ、私も」

ふぁふぃふぇ(ハジメ)

「お前ら、同時にスプーンを二つ口に入れるのは無理があるからな?あとウサギ、口移しは流石に恥ずか死ぬからやめてくれ」

 

  ハジメおじちゃんがユエおねーちゃんとシアおねーちゃんとウサギおねーちゃんに押しつぶされてる。まるでエサに群がる魚みたい。

 

  わたしは、ごはんがだいすき。だってパパたちみんないて、わいわいしてて、とっても楽しいから。リベルランキングなんばーわんなのです!

 

「ほれリベル、ソーセージいるか?」

「おうエボルト、テメェうちの娘に何食わそうとしてんだ」

「うん、そう言われそうだったから〝俺の〟はつけなかったんだけどな?」

「卑猥だぞエロルト」

「エロルトはやめろ!……で、食うか?」

「たべたい……でもけろりーが!」

「カロリーな。何でなまった感じなんだよ。つかその年で何を気にしてんだ、いいから食え」

 

  エボルトおじさんに、ソーセージを口に入れられた。私のお口よりおっきいから、先っぽからもぐもぐする。ちょっと熱い。

 

  エボルトおじさんのソーセージをがんばって食べると、ユエおねーちゃんたちもごはんをくれた。うー、けろりーが!けろりーがぁ!

 

「ほい、ごちそうさまでした」

『ごちそうさまでした』

「ごちそーさまでした!」

 

  ごはんを食べ終わったら、おててとおててを合わせてごちそーさまでしたって言う。食べ物さんに感謝するんだって。

 

「さて、今日はどうする?明日依頼の目的地に向かうわけだが」

 

  ハジメおじちゃんがぼうしれいのぽーず?をして、おはなしをはじめる。パパはひとのおはなしはちゃんと聞きなさいって言ってたから、ママのお膝の上で正座です。

 

「俺はユエと二人で出かけようと思ってるが……」

「……ん」

「うう、ユエさん羨ましいです……」

「どやっ」

「むきー!これ見よがしにドヤ顔しないでくださいよぉ!」

「私はカジノに行ってくる。シアと」

「ええ!?またですかぁ!?昨日の夜も散々大暴れしたじゃないですかぁ!」

「昨日は昨日、今日は今日」

「それはそれ、これはこれみたいに言われても……」

 

  おはなしはよくわからないけど、シアおねーちゃんが怒ったり、しょんぼりしたりするのは面白かった。確かゆりめんそー?だっけ。

 

「俺もルイネとデートかね。せっかくの商業都市だ、色々あるだろうしな」

「ああ、そうしたい。だから……エボルト。悪いが、リベルの世話を頼めるか?」

「あいよ、任しときな。つーわけでリベル、今日は俺と遊ぼうか」

「りょーかいでありますっ!」

 

  ぴしっ!けいれーする。パパとママが「ごめんな」って頭をなでなでしてくれた。リベルは我慢できる子だから、だいじょーぶなのです。

 

  そんなわけで、今日はエボルトおじさんと二人でおるすばんになった。パパたちを出入り口でおみおくりする。

 

「さて、リベル。今日は一日俺とお留守番だ。何がしたい?」

「おばばだけぬき!」

「それおばあちゃん可哀想じゃね?」

 

  昨日、わたしはエボルトおじさんとパパとママにこてんぱんにやられたのだ。今日はめーよばんかいしてやるっ!

 

  やる気チャージをしてると、エボルトおじさんはニヤッとしてトランプを穴から出した。金色の頭の太ったおじさんが描かれてるやつ。

 

「いいだろう。この俺に勝負を挑んだことを後悔させてやる」

「うけてたつっ!」

 

  お椅子に座って、エボルトおじさんがカードをしゅっしゅってする。そしたらカードを半分こして、いっしょのをぽいするの。

 

「えっと……エボルトおじさん、これいっしょ?」

「ん?ああ、捨てていいぞ」

「はーい」

 

  ブゥハハハハ!って笑ってるおじさんのカードをぽいする。あれ、なんか「神に何をするぅぅぅううう!」って聞こえた。かみってなんだろ?

 

  5回くらいぽいしたら、いっしょのカードがなくなっちゃった。ここからスタートだ。ふふん、めにものいれてやる!(※目にもの見せてやるです)

 

「でゅえるすたんばい!」

「リベル、それは別のカードゲームだ」

「え?でもパパとハジメおじちゃんがやるときはこーしてたよ?」

「あいつらは……ほれ、じゃーんけーん」

「ぽんっ!」

 

  わたしはちょきを出した。エボルトおじさんはぱーだ。

 

「やったー!」

「おっと、俺の負けか。じゃあリベルから引け」

「うむむ……」

 

  わたしはエボルトおじさんのカードを見る。最後に赤いニーサンを持ってたら負けだから、しんちょーにいかなくては。

 

  なやみになやんだわたしは、一番端っこのカードを引いた。そしたら◯ジータさんのJだった。わたしも一枚持ってる。

 

「やたっ!」

 

  おんなじになったので、カードをぽいする。ふふーん、これはわたしに勝機があるのですっ!

 

「エボルトおじさん、引いて引いて!」

「やる気だねえ。この俺に勝てるかな?」

「今日のわたしはみつあじちがうのです!」

「3回も味変わったらもう原型ねえな」

 

  つっこみながら、エボルトおじさんはわたしのカードに手を伸ばす。とったのはせんとーりょくがごじゅーさんまんのひと。

 

「ふむ、キングか……ふっ。所詮こいつも、使い捨てか」

「それいつも言うねー?」

「いいかリベル、これもネタだ」

「へー、そうなんだ!」

 

  それからじゅんばんこに引いてって、赤いニーサンはエボルトおじさんが持ってた。つまりわたしが勝った。

 

「やったー!」

「あらら、負けちまったな。じゃあもう一回やるか」

「ふふーん、かかってこい!」

 

  またエボルトおじさんがカードをしゅっしゅってして、だいにかいせんがスタートする。じゃんけんもまたわたしの勝ち。

 

  ふっふっふっ……さあエボルトおじさん、わたしにかんぷなきまでにやられるがいい!

 

 

 

 で、三時間後。

 

 

 

「ほい、俺の勝ち」

「ま、また負けた………」

 

  床におててをついて、わたしはがっくりとうなだれる。

 

  わたしは、エボルトおじさんにぼろ負けしていた。最初は勝ってたのに、4回目で負けて、5回目でちょー負けて、10回目で手も足も舌も出なくなった。

 

  赤いニーサンをエボルトおじさんが持ってったと思ったら、すぐに赤いニーサンが返ってきた。わたしの頭は赤いニーサンでいっぱいだ。

 

  今、エボルトおじさんにちょーちょー負けたわたしの目の前には、赤いニーサンが「だが無意味だ」って笑ってる。

 

「くっ、なぜだ!今日は勝てるはずだったのに!」

「ククク、だから言ったろ?この俺に勝てるかなってな」

「うー!」

 

(ていうか、色々と分かりやすいんだよなぁ。ババ引こうとすると得意げに笑うし、これ引いたらスイーツ買ってやるって言ったらババ引くし。ここら辺はまだ子供か……美空が小さい頃もこんなだったっけ。いやぁ、俺もまだまだ父親いけるねぇ)

 

  くやしくて、ケラケラ笑うエボルトおじさんのお膝をぺしぺしする。明日こそは絶対勝ってやるー!

 

「さて、それじゃあ次は何をする?」

「うーんと……しょーゆ!」

「醤油じゃなくて将棋な。リベルは対戦ゲームが好きだな」

「?たいせん?」

「対戦っつーのは、誰かと戦うってことだよ。ほれ、こう書くんだ」

「たいせん、対戦……わたし、対戦ゲームすき!」

 

  対戦ゲームは、勝つととってもワクワクして、もう一回やりたくなる。はっ、だからパパとハジメおじちゃんもいつも対戦してるんだ!

 

「よ、ほ、っと。うし、並べたぞ。それじゃあ、最初はぐー」

「じゃーんけーん、ぽんっ!」

 

  じゃんけんをして、しょーゆ……じゃなかった、しょーぎをやる。しょーぎはおばばだけぬきよりうーんってしなくちゃいけないから、むずかしいのです。

 

「えっと、ぽーんをまえへ!」

「リベル、それはチェスだ」

「? じゃあくりーちゃー?」

「それはデュ◯マだ」

「うーん、わからないからターンエンド!」

「もう完全にトレーディングカードゲームになってんな」

 

  ぱちぱちって、コマを前に進める。あれ、ひしゃとかくぎょーってどっちがたてよこでどっちがななめだっけ?

 

 

 ぐ〜

 

 

  3回くらいしょーぎをしたら、お腹がなった。

 

「なんだリベル、腹が減ったのか」

「おかしいなー、お腹と背中くっつけてないのになー」

「朝は言わなかったけど、それ逆だからな」

「そんなばななっ!?」

 

  だってパパはそう言って……はっ!まさかこれはエボルトおじさんのいんぼーなのか!?わたしはだまされないぞ!

 

「表情で何考えてんのか丸わかりだが………ちょうど昼飯時だ、ちょっくら外に出るか?」

「でも、ママがおるすばんって……」

「俺と一緒なら別に外に行っても平気だよ。どうだ?スイーツ食べたくないか?」

「すいーつ……!」

 

  エボルトおじさんがあくまのささやきをする。エボルトおじさんはわるいひとだ。

 

「うぬぬぬ、ママとすいーつは三時に一回って約束してるのに……」

「リベル、こういう言葉がある……バレなきゃ犯罪じゃないんですよぉ」

 

  エボルトおじさんの言葉に、わたしははっとした。そうだ、ばれなきゃはんざいじゃないのだっ!

 

「おそといくっ!」

「よしわかった……が、その前に」

 

  エボルトおじさんがおゆびをパチンする。そしたらわたしのパジャマがお洋服にかわった。

 

「わぁ!エボルトおじさんすごい!」

「だろ?さっ、外に行くときは……」

「おててをつなぐ!」

 

  エボルトおじさんのおっきなおててとわたしのおててをつなぐ。エボルトおじさんはよしって言って、出入り口に歩いていった。

 

  エボルトおじさんが扉をあけて、外に出た。うっ、ちょっとおひさまがまぶしい。でもわたしはまけない。

 

「出発だー!」

「おー」

 

  そしてわたしは、すいーつを食べるためにおそとにでた。




子供口調難しすぎる……!

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